「忘れるって言っても……」
言葉が喉につかえる。ホシノの掌が俺の胸板を這い回り、制服の裾を少しずつ持ち上げていく。ピンクのベアトップと黒いタンクトップの隙間から覗く鎖骨の窪みが妙に艶めかしい。
「ダメなの?」
切なげに首を傾げる仕草に胸が詰まる。拒否する理由を探す間にホシノの膝が股間へ押し当てられ、思わず息が漏れた。
「わかった」
短く答えると同時、彼女が嬉しそうに微笑んだ。その無邪気さが却って心を抉る。
「ありがと」
囁きながらホシノが背伸びをし、唇が近づいてくる。互いの吐息が交わり始める寸前、突然強い風が吹き抜けた。彼女の金髪が広がり、ピンクのベアトップが風で膨らんで乳首が浮き上がる。
「やばっ」
慌てて押さえる彼女の手を避け、視線を逸らす。その隙を突いてホシノが俺のベルトへ手を掛けた。
金属音が鳴り響く。緊張が高まる中、彼女の指先がジッパーを探る様子が目に入る。冷たい指の感触が肌を伝う度に理性が揺らいだ。
「ちょっと待て」
制止しようと手を伸ばした瞬間、ホシノが一気にファスナーを下ろした。解放感と共に熱気が押し寄せる。
「すごい……」
彼女がゴクリと唾を飲む音が聞こえた。恥ずかしさで顔が火照るのを感じながらも目を背けることができない。
「ここ使わせてもらうね」
ホシノの手が緩やかに股間に添えられる。その温もりだけで全身が震える。彼女はゆっくりと膝をつき、黒いショートパンツとニーソックスの間に生まれた絶対領域が露わになった。
「どうしたら良い?」
困惑するように訊ねてくる声は熱を帯びている。無知を装った媚態に頭がクラクラする。覚悟を決めた俺は彼女の頭に手を添えた。
「ここを持って」
促されるままホシノの指が敏感な部分に触れる。柔らかな掌の感触と彼女の震える息遣いが同調し合って全身を支配していく。思わず腰が浮くのを堪えながら目を瞑った。
「熱い」
吐息混じりの感想が耳朶を打ち、思考が麻痺していく。ホシノのもう片方の手が服の中で蠢き始め、硬くなった先端へ優しく被さる。その瞬間、電流が走ったかのような衝撃が下半身を貫いた。
「んっ……」
声が漏れそうになるのを抑えるのが精一杯だ。ホシノの動きは拙いはずなのに、彼女の温もりと息遣いが異常な速度で快感を加速させていく。彼女の長い金髪が胸元で揺れ、香り立つ汗の匂いまで鮮明に感じ取れるようだった。
「だめだ……」
本能的な危険信号に従おうとするも遅すぎる。ホシノの掌が上下運動を始めるや否や耐え難い悦楽に飲み込まれてしまった。
「あっ……ホシノ」
声が上ずる。彼女がさらに力を込めてくると自制心は粉々に砕かれていった。ピンクのベアトップ越しに覗く膨らみへ自然と視線が吸い寄せられる。
「我慢しないで」
甘い声が脳髄を蕩かす。抗う術もなく腰が震えだし───。
「ダメだって」
制止するつもりが喘ぎ声に変わる。ホシノの指使いが一層激しくなり、射精感が喉元まで迫ってきた。黒タイツに包まれた腿と黒ニーソックスの境界線が視界に焼き付く。
「もう」
限界を伝える前に全て放出してしまう。迸る快感と共に世界が白く霞み、足元が宙に浮いたかのような錯覚に陥った。
余韻に浸る暇もなくホシノの吐息が熱く肌を撫でる。彼女の指が濡れた感触を確かめるように動いた。
「凄い……まだ熱い」
満足げに囁く声が耳朶を打つ。混乱したまま視線を落とすとピンクのベアトップと黒いショートパンツの間から覗く谷間に白濁が滴っていた。ニーソックスの絶対領域にも飛沫が飛び散り、扇情的な風情を醸し出している。
「もっと」
その一言が新たな欲望を呼び起こす。ホシノが立ち上がり、ショートパンツの裾をたくし上げると黒いストッキングに包まれた鼠径部が露わになった。
「ちゃんと濡れてるよ?」
挑発するように微笑む彼女の瞳は淫靡な輝きを宿している。無垢なはずの表情に娼婦めいた色香が混在するさまに混乱が深まるばかりだ。
「私、初めてじゃないけど……」
弁解めいた前置きと共にホシノの手が俺の手首を掴んだ。導かれるまま彼女の下腹部へ触れさせられる。ストッキング越しでもハッキリと伝わってくる湿り気と熱さ。
「ねぇ……入れて?」
掠れた声が脳を直接震わせる。理性は最後の抵抗を試みるが肉体は従順に反応してしまった。
ホシノの指が再び俺の股間へ添えられる。その圧力だけで体中の血流が一点に集中するのがわかる。
「準備できてます?」
囁きながらホシノが腰を浮かせた。黒ニーソックスと黒いショートパンツの狭間で繰り広げられる痴態。彼女の指先が入口を探るようになぞる動作はあまりにも官能的だった。
「ダメだ……」
制止する声とは裏腹に下半身は言うことを聞いてくれない。ホシノが一気に腰を落としてきた瞬間───
「あっ!」
予想以上の快楽に頭が真っ白になった。搾り取られるような締め付けと滑らかな内壁の感触が意識を奪っていく。ホシノの荒い呼吸と結合部から鳴る水音だけが現実を知らせる唯一の情報だった。
「すご……い…」
喘ぐ彼女の声に釣られて下を見るとピンクのベアトップと黒いショートパンツに挟まれた肢体が激しく揺れている。豊かな膨らみが服の中で踊り、先端の突起が布地を押し上げていた。
「もっと奥に……」
誘う声に応える形で腰が動く。浅ましい欲求だけが全身を支配していた。ホシノの嬌声が段々と高まり、結合部から奏でられる音色も激しさを増していく。
「待って……また出そう」
危惧を訴えかけるとホシノが妖艶に微笑んだ。
「一緒にイこう?」
その誘惑に抗えず、二人同時に頂点を目指して駆け上がる。彼女の膣が収縮し、搾り取るように波打つのと同時に二度目の絶頂を迎えた。
荒い息遣いだけが響く。ホシノがゆっくりと腰を上げると黒ニーソックスに包まれた脚が震えながら俺から離れていく。結合部を伝う白濁と蜜液の混合物が月明かりで光っていた。
「……最高だった」
感慨深げに呟く彼女の瞳はまだ淫蕩の余韻に蕩けている。ショートパンツの裾から垣間見える太腿の内側にも飛沫が飛び散り、非日常的な情景を彩っていた。
「でも……足りないかも」
悪戯っぽく舌を出してみせる様子に再び芯が疼くのを感じる。ホシノが近づき、首に腕を回してきた。
「続き、できるよね?」
甘える声音と共に唇が押し当てられる。抵抗する間もなく第三ラウンドが始まってしまった。彼女の積極的な動きに翻弄されながら夜は更けていった。
何度目かの波が去った後、ホシノが放心したように凭れてくる。黒いニーソックスに包まれた膝が震えているのが見て取れた。
「ごめんね……迷惑だった?」
心配そうに覗き込んでくる瞳には先ほどの淫靡さが嘘のような素朴さが宿っている。そのギャップが胸を締め付けた。
「いや……」
正直に答えながら彼女の髪を梳く。汗で湿った金髪が指に絡み付いてきた。
「よかった」
安堵の息を漏らす彼女の吐息が首筋を掠める。そこでふと我に返った。これは逃避行動に過ぎないのではないかという疑惑が脳裏を過る。
「でも……これで忘れたかな?」
問い掛けるとホシノが小首を傾げた。
「うーん……どうだろう」
曖昧な回答と共に彼女が笑う。その顔に浮かぶ罪悪感の影を見つけてしまって言葉に詰まった。
「とにかくありがとう」
無理矢理話題を変えようとするとホシノも敏感に察したようだ。黙って頷いてくれる。
「明日からどうする?」
核心に迫る質問に彼女が視線を泳がせる。その逡巡こそが本当の答えなのだと理解してしまった。
「逃げられないよね……」
暗い声で呟くホシノの横顔には疲労の色が滲んでいる。それでも諦念だけは見当たらなかった。
「一緒に行くか」
衝動的に提案すると彼女が驚いたように目を見開く。しばらく躊躇した末に小さな頷きが返ってきた。
「うん……ありがとう」
改めて礼を述べる声は僅かに涙を含んでいる。それ以上何も言えず、ただ肩を抱き寄せることしかできなかった。
夜明け前の冷気が肌を刺す。ホシノの体温だけが確かな存在証明のように思えた。