行為を終えた翌日の事。
俺達は全員が集まる最中で。
「そうだったのか、すまない。僕が暴走して迷惑をかけて」
「アンゴラモンだけじゃなくて、私も改めて、ごめんなさい」
そう、ホシノと彼女と一緒にいたケモノガミであるアンゴラモンが一緒に頭を下げた。
「いや、気にしないでよ、自分達でも分からない力での暴走だったんでしょ」
「そうだよ、気にしないで」
2人の謝罪を見て、八奈見さんとアヤメの2人は気にしないでと声をかける。
実際にも問題が起きなかったから安心出来る。
まぁ、ムジナとかはムジナで色々と言っているが、問題はないだろう。
そうした話し合いの中で俺達は今後についての話を続ける。
今後の事は今の所は依然として変わらず。どうやって帰るかについてだ。
そのためには他の人達を見つける必要がある。
「ホシノさんとアンゴラモンはこの辺で人とか見ていない。私達以外に」
そう、尋ねると共に2人は揃って、頷く。
「実は、この近くに私達以外にもう一組いるの」
「本当なの!」
ホシノとアンゴラモンは顔を見合わせた後、慎重に言葉を選んで語り始めた。
「あの……」
ホシノが震える指で壁の亀裂をなぞりながら切り出す。
「あなた方が来る少し前まで、別の二人組がこの建物の向かいにある古い工場に潜伏していました」
アンゴラモンが低い唸り声で補足する。彼のクリーム色の毛並みが霧で濡れて輝いていた。
「けれど、僕達と同じく、突如として暴走し始めまして」
その言葉を聞いた瞬間、全身の血の気が引く感覚があった。これまで得てきた情報から推測すると当然の帰結なのに。
「いつ頃から?」
私の声は思った以上に冷静だった。
「昨日の朝方からでしょうか」
アンゴラモンが答える。
「最初は些細な言い争いでした。徐々にエスカレートしていき、最終的には―」
言葉を濁す彼の代わりにホシノが引き継ぐ。
「お互いが攻撃し合うようになったんです」
彼女の瞳には恐怖の色が浮かんでいる。
「それを確認した僕達はすぐさま撤退しました」
アンゴラモンが淡々と続ける。
「もし同じ現象が進行中であれば……今も続いている可能性が高いです」
その結論に皆の表情が暗くなる。私はふと窓の外を見た。雨足は弱まることなく降り注いでいる。
「行くべき?」
太田が静かに問いかけた。
「行かないなら何故ここまで来た?」
私が即答すると皆の視線が集中する。
「助けられるかもしれない」
それこそが本音だった。たとえ希望的観測だとしても。
ホシノは小さく頷いた。
「案内します」