※この作品はR-18です。

TSした幼馴染の親友が全力で俺色に染まりにきた件   作:ベリーナイスメル/靴下香

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TSした幼馴染の親友が全力で俺色に染まりにきた件

 心の問題がどうの。

 ホルモンバランスがどうの。

 

 世界を襲ってはいないけど定着してしまった病、それが性転換症候群、通称TS病。

 

「男が女になるって言われてもなぁ、元でもなんでも、男だったらそりゃ男だよな」

 

「お、おう、そうだよな、言う通りだと思うよ、健(たける)」

 

 TS病についてのニュースがテレビに流れてきて。

 さっきまで一緒に格ゲーしてた幼馴染、明(あきら)へと言ってみれば上擦った声が返ってきた。

 

「うん? どうした?」

 

「い、いや何でもないよ。け、けどさ、先生の件もあるし、喜んでる人も、いるんじゃね?」

 

「あー、そういや結婚認められたんだっけか」

 

 円満退職と言っていいのか。

 担任がなんとも言えない惚気顔して結婚の報告してきたっけ。

 

 俺としては、やっぱこの担任はホモだったかなんて感想しか思い浮かばなかったけど。

 大人ってやつになればまた違うように思えるのだろうかね、よくわからん。

 

「TSしたら女として認められる、なぁ。ぶっちゃけどうなんだろうな? 世間に認められても、関係ある人からしたらたまったもんじゃねぇよな」

 

 だってそうだろう?

 それはつまり、自分以外の意思によって性別が定められてしまうということなのだから。

 

 現状、この病気の治療法は見つかっていない。

 要するに男から女に変わってしまえば、男に戻ることはできないってことで。

 

 自分の心が男のままであっても、世間からは女だと言われるんだ、たまったものじゃない。

 

「女の子の身体に興味は当たり前にあるけど、なりたいとは思わねぇよなぁ?」

 

「えっ!? あ、お、おう、そう、だよな」

 

 だからなんでさっきからこいつは挙動不審なんだよ。

 ちらちら顔見てくるな、頬を染めるな、勘違いしてしまうぞ。

 だが安心しろ、お前のちんこは既にガキの頃確認済みだ、結構な女顔だが男だって俺は知ってるぞ。

 

 でもなー、なんか最近こいつ変なんだよな。

 学校でも不意に視線を感じるし、振り向いてみれば目を逸らされるし。

 

 ――TS病の初期症状は、同性を意識してしまうことから。

 

「おいおい、やめてくれよ?」

 

「うぇっ!? な、なにが、だよ」

 

 ふと思い出してしまったTS病に関しての情報。

 

 いかん、いかんですよ。

 お前のことは好きだがそれは幼馴染で気の置けない親友という意味でだ。

 思春期の爆発しそうな性欲をお前にぶちまける気持ちはこれっぽっちも無い。

 

「はぁ、仕方ねぇ。親友のために一肌脱いでやる」

 

「ひ、ひとはだっ!?」

 

 あ、こいつマジか。

 やべぇぞ、手遅れになる前になんとかしねぇと。

 

「えーっと……そうだなぁ」

 

 マイシークレットボックスを漁る。

 男の身体に興味を持ち始めたこいつの心を矯正すべく……そうだな、俺の一押しを授けてやろうじゃないか。感謝しろよ?

 

「ほれ」

 

「わわっ……な、なんだよこれっ!?」

 

「見てわからんのか」

 

 エロ本だ。

 

 そうだとも、まごうことなき俺の最推しエロ本だ。

 表紙には童顔巨乳、いわゆるトランジスタグラマーを前面に推したアイちゃんの輝くような笑顔が眩しい。

 ページを捲ってみればのっけから四つん這いになって、愛おしそうにチンポへ舌を伸ばしているシーンから始まる素敵な一品だ。

 

「アイちゃんはいいぞぉ……心底チンポが好きなドスケベ女なんだろうな、しゃぶってる時なんか漫画でよくある目にハートが浮かんでそうなレベルだ」

 

「ど、どすけべ女……」

 

「身体も最高だぜ? 巨乳のくせに垂れてねぇんだ、乳首なんかツンと上向いててさ。仰向けになっても潰れねぇの」

 

「きょ、巨乳……」

 

「長乳首もたまんねぇよ? 上にのしかかってさ、乳首つまんでさ、パイズってるシーンなんか俺、何回抜いたかわかんねぇもん」

 

 いや本当に。

 我ながらロリ巨乳はどうやっても外せないポイントなのだ。

 そして竿役は身長もチンコもでかいほうがいい、犯してるって感じがたまらないのだ。

 

「貸してやる」

 

「えっ」

 

「大事にしろよ? 本にぶっかけるなんて絶対すんなよ? まぁそれ使ってさ、しっかり男って最高だと脳髄に刻み付けるんだ」

 

 惜しいがまぁ、こいつのためになら良いだろう。

 アイちゃん出演の作品は映像でも持ってるし、本の一冊や二冊……っく、布教用も買っておくべきだった。

 

「あ、あの、さ」

 

「うん?」

 

 表紙と俺の顔を行ったり来たりしながら、明は。

 

「こ、こういう女が、お前の好み、なんだな?」

 

「あ? あ、あー……そうだぞ? な、なんだよ恥ずかしいな、いいだろ別に」

 

 やめろよ、こんなところで処刑するつもりか? そんな、マジかよみたいな目で見てくるな、くっ殺せ。

 

「そ、そっか、わかった。じゃ、じゃあ折角だから、借りる、わ」

 

「おう。まぁしっかりスッキリ抜いてこい」

 

 ふふふ、早速ムラムラしてきやがったのか? そんな急いで帰ろうとするなよ。

 しかしわかる、わかるぞぉ……アイちゃんのドスケベ顔見てたら、股間が疼くよな? わかるわかる。

 

「じゃ、じゃあまた、な?」

 

「おうっ! しこってらー!」

 

 足早に部屋から出て行った明を見送った。

 

 ふぅ、いいことした後の汗は気持ちいいぜ。

 

 さ、それじゃ。

 

「俺もアイちゃんでシコるかー!」

 

 

 

 

 さて、それからと言うものの。

 

「あ、あの、さ、健」

 

「みなまで言うな、親友。二時間でいいか?」

 

「わ、悪い」

 

 同士が増えた、喜ばしいことだ。

 よっぽどアイちゃんがお気に召したのだろう、本を返してくれた時に明は言ったのだ。

 

 ――動画とか、ないかな?

 

 なんてな。

 

 いやぁ、アイちゃん過激派の俺としては思わずガッツポーズってなもんだよ。

 これで性癖語りをしてもオッケーになったんだと思えばなお嬉しってもんだ。

 

「じゃ、いつも通りに」

 

「う、うん」

 

 しかしながら明は不幸だった。

 両親はハウスワーク、家でパソコンに向き合う仕事をしていて、中々お楽しみタイムに耽ることが難しい。

 

 対する俺、両親は帰ってくるのが遅い。

 夜の九時に帰ってくれば早いほうだ、大体いつも学校から帰ってくればメモと夕食代がリビングにおいてある。

 

 だからこそエロ本やらなんやら、お楽しみに苦労したこともなく、自由が効くわけで。

 

「行ってきまーす」

 

 そう、だから俺は可哀そうな明のために部屋を貸しているのだ。

 言うまでもない、お楽しみタイムを提供するために。

 

「何食うかなー」

 

 俺としては出前じゃなく、外食にすればいいだけの話だったし、まぁ都合が良かった。

 アイちゃんを布教した義務とでも言えばいいのか、親友がハマってくれた喜びとでも言えばいいのか、なんの苦も感じない。

 

 それよりも、どのシーンが一番抜けたかどうだって話ができるほうが嬉しい。

 やっぱり猥談、エロトークは男子にとって必要かつ最高のコミュニケーションなのだよ。

 

「って、まずった」

 

 浮かれていたせいだろう、財布を忘れた。

 

「うーむ」

 

 部屋に戻るのもあれだろう、既に明がおっぱじめてたら非常に申し訳ないし、俺だって流石に親友とはいえ同性のおシコりシーンを見たくはない。

 

 けども、財布は部屋にある。

 

「仕方ない、邪魔して申し訳ねぇけどメールするか」

 

 悪いと文頭に打って、ベランダの下で待つ。

 

 待つ、待つが……。

 

「返事がねぇ、オナニーに夢中のようだ」

 

 既読すらつかねぇよっ!!

 あーくそ、のめりこむの早すぎだろう……いや、アイちゃんの魅力が悪いんだな、そうだ。

 

 うーむ。

 仕方ない、腹も減ってる、カップ麺でもリビングで食うか。

 

「……ただいまー」

 

 そろりと足を忍ばせて。

 なんだか悪いことをしている気分でちょっとドキドキする。

 

 ほら、オナニーってのはさ、邪魔が入らないってわかってて、自由で、なんというか救われてなきゃだめだからさ。

 

 俺ってばなんて親友想いなんだ。

 さ、カップラーメンはどこにやってたっけなっと。

 

「……ん?」

 

 台所に入ったとき、ギシギシと軋む音が聞こえてきた。

 

 いや、まぁ。

 キッチンの真上が俺の部屋だ、要するに今頃お励みになってる親友がおられるわけだ、多少の物音はしておかしくないけれど。

 

「ず、ずいぶんと、激しいんだな?」

 

 ギシギシ音が凄い。

 もしかして、俺もやってる時こんな音を立ててるんだろうか? それだったらちょっと、いやかなり恥ずかしいぞ?

 

 ――んんぅっ♡

 

「お、おおう?」

 

 いやいや待て待て。

 今の声は誰の声だよ、今この家には俺と明しかいねぇよ。

 

 え、マジで?

 今の、甘ったるい声は、誰が?

 

「は、はは、ねぇよ」

 

 きっとヘッドフォンのし忘れとか、音量でかすぎて漏れてるとかそういうの。

 

 だってそうだろう?

 あいつの口から、今みたいな声、聴いたこともない。

 

 ――んっ♡ っふ、ぁ♡

 

 わかってる、わかってるって。

 俺がここにいるのはイレギュラー、ちょっとしたミスだ。

 だからそう、ついついこうやってオナニーするのにも慣れてきて、あいつもちょっとハメを外してしまっただけ。

 

 わかってる。

 わかってるっていう、のに。

 

「……なんで耳澄ませてんだよ、俺は」

 

 ――あ♡ は、ぁん♡

 

 本当に、少しだけ聞こえてくる嬌声を、より鮮明にと。

 

 いやいや、落ち着け。

 仮にこの声が明の物だとしても、その片手は俺と同じモンを握りしめながら上げてる声だぞ?

 

 ……っし、そう考えたらちょっと落ち着いてきた。

 おいおい、俺も勃起なんかしてんじゃねぇよ、まったくさ。

 

 あー腹立ってきた。

 男に色気を感じてしまったもにょりっぷりと、なんでここまで気を使ってるんだって。

 

「そうだ、これは別に文句言ってもいいのでは?」

 

 ハメを外してるあいつが悪い。

 家軋ませるほどナニをナニしてるあいつが。

 

 だけど、そう。

 

「う、ぁ♡ はぁん♡ き、気持ち、いい?」

 

「――」

 

 勢いよく開けるはずのドアを、ゆっくり小さく、音を立てないように開けて。

 

「え、えと、こ、こう、だよな? う、ふ、ぅ♡ ちゅ♡ ちゅむ♡」

 

 ベッドで床オナ? なんて勘違いもできない。

 四つん這いの格好で咥えてる二本の指はナニに見立ててるのか、愛おしげに舐め上げられていて。

 

「あ、あぁ♡ ご、ごめん、なぁ? へ、下手だったら、ぶってくれて、いいか……いいです、から、ぁ♡」

 

 熱に浮かされた声で、瞳で、誰を見つめているのか。

 

「ご、ごしゅ、じん♡ さま、ぁ♡」

 

 指を舐めながら、ついには上半身をベッドに沈め。

 

「んっ♡ ふぅうううっ♡ あ♡ あ♡ や、やばい♡ やばいよぅ♡ これぇ♡」

 

 思いっきり匂いを吸い込んでは恍惚の表情を浮かべた。

 

「んひっ♡ き、キクぅ♡ だ、だめ♡ だめだよ♡ おれ、おれ、ぇ……♡ こ、こんなの、へん、た――ひぅっ♡」

 

 だめだと言いながら、空いた片手で自分の胸を弄り始めて。

 

「ちく、びぃ……♡ あ、あはっ♡ こ、こうして、ひ、ひっぱれば♡ ながく、なる、ぅっ♡」

 

 隙間からは、見えない。

 けど、乳首を引っ張っているのか、苦悶とも、快楽ともつかない声が上がって。

 

「は、はぁ、はぁ……っ!」

 

 いつの間にか、俺も。

 痛い位にズボンの中ででかくなったモノを外に出していて。

 

「あ♡ あ♡ なる、なるぅ、か、らぁ♡ あ、アイちゃんみたいに、な♡ なる、ぅ♡ だ、だから、だか、らぁ♡」

 

 ぐちゅぐちゅという音は、俺の股間から聞こえているのか、それとも部屋の中からか。

 

 わからない。

 わからない、けど。

 

「う、あ♡ イ、イく……♡ イっちゃ、うぅ♡」

 

「っ!!」

 

 切羽詰まった声に合わせて、俺も手の動きを速めて。

 

「イ゛ッ――」

 

「――」

 

 絶頂のタイミングを合わせた。

 

 

 

 

 シュレディンガーの猫を語るのは思春期男子の特権というべきか。

 結局、俺は明がTSしたのかどうか、女になった証明を目にすることはできなかった。

 

 いや、あえて避けていたと言ってもいいかもしれない。

 これで万が一男のままであると知ってしまったのなら、親友に向ける目をどうするべきなのかわからなかったし、女になったと知ったとしても同じこと。

 

 何よりこのあやふやな状態でする、覗きオナニーが気持ちよかった。

 

 相変わらず明は俺にエロ動画を見せてくれと強請って、俺の部屋で自慰をする。

 そして俺も、あいつの自慰を見ながらチンポを扱く。

 

 もしかしたら、お互いに気付いているのかもしれない。

 気づいた上で、お互いの痴態を見せつけあっているのかもしれない。

 

 何とも言えない、背徳感。

 少なくとも俺はもう、アイちゃんの動画なんてどうでもよくて、動画の内容に沿ったオナニーをするあいつにハマってしまっている。

 

 もう提供するオカズはリクエストのようなものだった。

 誰のためのオカズかなんて決まっている、俺のだ。

 

「んでさ、アイちゃんの新作のさ、最初の脱ぎっぷりがクッソエロくてさぁ!」

 

「そ、そうなんだ」

 

 けど流石にもう誤魔化しきれなくなってきた、お互いに。

 

 一年足らずで明は急激に女っぽくなっていた。

 ゴツゴツと男らしくどころか、全体的に丸みを帯びていく明の身体。

 元々低かった身長は一向に伸びないし、中性的な顔立ちは誰が見ても女に寄っていった。

 

 それでも制服は男のもので。学ランを着ている理由を想像すればいっそいじらしいとも思えてしまう。

 

「あぁ、あの爆乳がさ、服から零れ落ちる瞬間よ……シャツをまくり上げて脱ぐんだけどな? 引っ掛かったおっぱいが、こう、ぼろんってな!」

 

「へ、へぇ?」

 

 俺にとって明は男の幼馴染で親友なのだ。

 同じように、明にとっても俺は男の幼馴染で親友なのだ。

 

 そんな関係性を、薄氷の上で保ちあっている。

 

「またそのあとがいいんだよっ! 完全主観モノだからさ、色っぽい顔でさ、こっちに近づいてきてな? お気に召す身体ですか? とか言ってきてな! そりゃもう頂きますってもんなんだよっ!」

 

「……そ、そっか」

 

 思えばいつから俺は空想のアイちゃんをこいつに言い始めたんだろうな。

 もうとっくに彼女はセクシー女優界から引退しているっていうのに。

 

 そうさ、俺が見たいだけさ。

 こうやってあるはずもない新作を明に言えば、いつだってこいつは。

 

「じゃ、じゃあ、オレも、気になるし、見せてもらってもいい、か?」

 

「おうっ! もちろんだ! それじゃ、学校終わったらな!」

 

 誘いに乗ってくれるんだ。

 

 いい加減、腹を括るべきだと思った。

 この気持ちが恋なのか、明が俺に向けている感情が恋なのか、そんなことはわからないけど。

 

 少なくとも、どうしようもないほどに、お互いを性的な目で見てしまっている。

 

 ベッドの上で指の代わりに俺のモノをしゃぶらせたい。

 乳首を思いっきりひねり上げて甲高い声を上げさせたい。

 ケツを叩いて謝罪ともおねだりとも言えないような、はしたない言葉を口にさせたい。

 

 今でも同性愛なんてナシだって声を上げる俺だけど。

 

「……うん、わかった。待ってて、くれな?」

 

 性癖を押し付けまくって、それに応え続けたこいつになら。

 

 全てをさらけ出してしまって、いいのかもしれないと思うから。

 

 

 

 

 そうして、家には二人きり。

 相変わらず帰宅が遅い両親は、ついに二、三日息子をほったらかしにしていいと判断したようで、今日も明日も帰ってこない。

 

「それじゃ、ごゆっくり!」

 

「あ、うん」

 

 何がごゆっくりだよ。

 データなんて何も入っていないディスクを渡して、いそいそと部屋から出て、リビングのソファへとダイブする。

 

 なんというか、浅ましくなったもんだと。

 今となっては疑いようもなくこのやり取りは自分本位なものだってわかっている。

 

 そりゃそうだよ。

 俺が気持ちいいオナニーをしたいからって、あいつに性癖をぶつけてるんだから。

 まさに自慰だ、間接的にか直接的にかはわからないが、あいつを使っているという事実は変わらない。

 

「けど、今日で終わりになる」

 

 目の色が変わったとでもいうのかね、覚悟決めたっていうか。

 そんな風な雰囲気をあいつから感じた。まぁ、リクエストした内容は脱衣シーンからだ、否応なく悟ってしまうだろう。

 

 情緒なんてない。そのクセ欲望塗れで、バカみたいな遠回りをしている。

 あいつがTSしていたらどうだと言うんだ、恋人になるって? バカ言っちゃいけない、もうそれすら温く感じてしまうほど、性的にしか見れなくなっている。

 

「さて、と」

 

 相変わらずの忍び足。

 ゆっくり階段を昇って、自分の部屋のドアを少し開ける。

 

「……っ」

 

 中で明が小さく強張った。露骨に俺を意識しているってわかる。

 

「すー……はー……」

 

 深呼吸して動いた胸は、やっぱり平べったいけれど。

 

「ん……」

 

「……ごくり」

 

 学ランのボタンに手を付け始めた。

 ぷち、ぷちと開かれて、腕をゆっくり袖から抜いていく。

 

 そこで。

 

「ん、しょ……っと」

 

「っ!!」

 

 シャツを脱がないままに、手を中に入れてごそごそと。

 

 何してるんだ? 中に、なんかあるのか?

 

 そんな疑問は、すぐに解決された。

 

「ふうっ」

 

「っ……まじ、か」

 

 出てきたのは包帯のような何か。

 いや、誤魔化す必要もないだろう、あれはサラシだ。

 だって見てみろ、帯が全部落ちてみればさ。

 

「で、けぇ」

 

「っ……」

 

 顔を真っ赤にしながらも、胸の下で両腕を組んで見せつけるように。

 あぁ、リクエスト通りもいいところ。

 

 主張の激しすぎる爆乳が現れた。

 

「う、ぁ……」

 

 股間が熱い、もうどうしようもないほどに発情してしまっている。

 

 それはきっと明もそうだ。

 だってそうなんだ、別にただサラシを解いただけなのに、大きい膨らみの頂点がぷっくりと膨れている。

 言うまでもない、触るまでもない。

 

 あいつも既に、乳首をビンビンにさせてしまうほど、興奮している。

 

「つ、次は、っと」

 

 覗きの体なんてもう形を成していない。

 ドアに向かって、これでもかと胸をアピールした後、明はズボンに手をかけ始めた。

 

「は、ぁ……はぁ……♡」

 

 ゆっくり、ゆっくり。

 熱のこもった明の吐息の向こうに、確認したいような、したくないようなものが、今――

 

「ん、ふふ♡」

 

「っ……」

 

 ――見えない。

 大きいシャツを着ていたようで、裾の部分が太ももにまで……って違う、今更気づいたが、それは俺のシャツだ。

 あ、あいつ、なんつー男殺しを……。彼シャツのつもりかよ、くそ、そんなの見せたっけか。

 

「んー♡」

 

 そのまま、裾を引っ張りながら、明はチラリズムを楽しませるかのように腰を振る。

 

 正直、たまらない。

 男物のパンツか、女物のパンツか、わからないけれど、そんなことは関係ない。

 

「ふふ♡」

 

 肉感的な太ももだ、むちむちで、今すぐにも触りたい。

 そんな太ももと、膝上にまで伸びているソックスが見せつける絶対領域。

 

 挟みたい、挟んで扱きたい。

 顔でもいい、股間をアップに、顔面を挟まれて、ムニュムニュされたい。

 

「う、は、ぁ……い、いてぇ」

 

 たまらず、俺もズボンを降ろした。

 はちきれんばかりに勃起していて、少し手こずったけれど。

 

「わ、ぁ……♡」

 

 明の目が少し輝いた。

 あぁ、もう、覗きとかじゃないな、これは。

 

 そうだ、これは主観モノのエロ動画だ、だったら、構わない、よな。

 

「は、ぁ……あ、あきら……」

 

「ふ、ふふ♡」

 

 ドアの隙間が広がった。

 完全に開いてはいないけど、もうお互いがそこにいるってはっきりわかるくらいには。

 

 嬉しそうな表情だ、エロい表情だ。

 一瞬唇から見えた赤い何かが、ぷるぷるの唇を湿らせた。

 

「……見てて、ね♡」

 

 そういって。

 明はそう言って、シャツをまくり上げて。

 

「よいしょ……っと。ふふ、おっきく、なったでしょ?」

 

「あ……あぁ」

 

 ぼろん、っと。

 持ち上げられた乳房が目の前で弾む。

 

 そして。

 

「オレ……ううん、私、健好みの身体に、なれたかな?」

 

 ゆっくり近づいてきながら、明は。

 

「あなた好みの女に、なれた、かな?」

 

 やけに可愛い、フリル付きのピンクの下着を湿らせて、太ももに愛液を垂れ流しながら。

 

「――明を、お気に召しました、か? ご主人、様♡」

 

 耳元で、熱と共に、囁いてきた。

 

 

 

 

「ちゅっ♡ んちゅ♡ あはぁ♡ 健の♡ すっごい、ぱんぱんに張ってる、ぞ♡」

 

「そ、りゃ……そう、だろっ」

 

「ふふふ♡ 嬉しい♡ 嬉しいよ、健♡ 嬉しいから、いっぱい♡ お礼させてくれな♡ れぇ……る♡」

 

 そして今、耳元で感じた熱を生んだ唇が、俺のちんこに纏わりついている。

 

「ぺろ、ぺろ……♡ んんぅ♡ あぁ、これが、これが健の味、なんだな♡ 美味しい、美味しいよぅ♡」

 

 熱心に舐られるのは亀頭、そして雁首のあたり。

 先っぽから溢れる先走りを啜られたと思えば、カリの部分にあったのだろうチンカスを、言葉通り美味しそうに味わわれる。

 

「はむっ♡ んんっ♡ くせに、なるぅ♡ 健ぅ♡ これ、美味しい♡ もっと、もっとくれよぅ♡」

 

「っくぅ、おま……ちょ、て、手加減……」

 

「あはぁ♡ んちゅ♡ だめだぞ♡ お前が言ったんだからな♡ こんな女が良いって♡ そうだろ? これが、お前の好きな女だろ♡」

 

 あぁ、その通りだ。

 うっとりと、心底物欲しそうに。

 四六時中チンポのことしか考えていないような、バカ女が好きだ。 

 

 だけど。

 

「んじゅっ♡ はぷ♡ れぇ……♡ ふふ♡ 心配、するなよな♡ これが、初めて♡ お前以外になんかしたことも、するつもりもないよ♡」

 

「っくぅ……」

 

 やられた、妙な心配を先回りして解決された。

 

「ふふっ♡ そう、だよ♡ オレも、元、男だからな♡ そんで、お前の親友♡ わかるよ♡」

 

 チンポから口を離しても、手は離さずずっと刺激を送られていて。

 

「わかる♡ わかるんだよ、健♡ お前のことなら♡ お前のことだけは♡ なんでもわかる♡」

 

 わかるという言葉は真実なんだろう、俺のシャツをまくり上げて乳首に吸い付いてきやがった。

 

「んんっ♡ あはっ♡ 男でもやっぱ乳首固くなるのな♡ 知ってる♡ 知ってるぞ♡ 気持ちもいいもんな♡」

 

「う、くっ、や、やばすぎ」

 

 まさに貪るって感じ、いや見方によったら襲われているって言ってもいいのかもしれない。

 

 あぁ、そうだ。

 こういうのが好きさ、何度も画面の向こうで見たプレイだ、間違いない。

 

「ほら♡ ほら♡ イっていいんだぞ♡ 限界なんだろ♡ タマがぎゅんってあがってきてるぞ♡ 我慢するなよ♡ 見せてくれよ♡ お前の、かっこいい射精♡」

 

「い、いや、だ……」

 

「そういうこというかー♡ あぁ、そうだった、そうだったな♡ ――ほらほら♡ がんばれ♡ がんばれ♡ お射精びゅっびゅ♡ ぴゅっぴゅして♡ しこしこしちゃう♡ おちんぽさん気持ちよくなっちゃえ♡」

 

 ど、どこまで、どこまで知り尽くしてやがるんだ……っ!

 それは流石にと思って見せなかったはず、なのに……!

 

「はやくっ♡ はやくっ♡ がんばれっ♡ おちんぽさん♡ お射精がんばって♡ 私のお手々♡ 無駄撃ちお射精待ってるよ♡」

 

「うが、う、ぁ……イッ――」

 

「あははっ♡ ほら♡ ほらぁ♡ しこしこ♡ しーこしこ♡ イッちゃえ♡ イッちゃえ♡」

 

 甘ったるい声、脳が溶けそうな射精を促す囁きに。

 

「うぁっ――」

 

「わぁっ……♡ いい子♡ いい子だね♡ かっこいいおしゃせい♡ がんばったね♡ ほら、べとべと♡ すっごい匂い♡ おまたがきゅんきゅんしちゃう♡」

 

 視界が真っ白になった。

 

 多分、過去最高に射精した。

 

「あ、あき、ら」

 

「んん? 何かなー♡」

 

 ゆっくり戻ってくる景色。

 その中、すぐ近くで、まさに理想のエロ顔をした親友(メス)がいたから。

 

「次は、俺の、番、だな」

 

「あ……ふふっ♡ そうだね、そうだよ♡ 思う存分♡ 私で遊んで♡」

 

 言われるまでもないと、押し倒した。

 

 

 

 

「んんぁっ♡ いいよ、健ぅ♡ もっと、もっとパンパンしてぇ♡」

 

「うるせぇっ! メス顔さらしてんじゃねぇっ!」

 

 腹の上にまたがって、萎えることないチンポを胸の谷間にぶっさして。

 

「なんだよっ! この乳首はっ! どんだけ自分で弄ったんだ! 言えっ!」

 

「ま、毎日ぃ♡ コリコリって♡ しこしこって♡ してたらぁ♡ こんなになっちゃったぁ♡」

 

「この好きモノがよっ! こうしてやる、こうしてやるぞっ!」

 

「んひぃっ♡ いい、よぉ♡ もっと、もっと♡ 引っ張って♡ 潰して♡ 好きなようにしてぇ♡」

 

 打てば響くじゃあないが、返ってくるのは理想の喘ぎ声。

 腰を打ち付ければ想像以上の気持ちよさ。

 

「んひゅっ♡ あ、あ♡ のび、伸びちゃう♡ 伸びちゃうぅ♡」

 

 乳首ハンドル、なんて言ったっけか。

 力加減なんかわからない、ただどんな力の入れ具合でもこいつは蕩けた顔を崩さない。

 

 それどころか積極的に乳圧を高めようと乳を支え、ピストンに合わせて顔を出す亀頭へと舌を伸ばし。

 全力で俺へと快楽を与えるべくしている。

 

「あー……あ゛ぁっ! たまんねぇなぁ! この乳マンコはぁっ!!」

 

「んんぅっ♡ そう♡ そうだよ♡ 健専用の♡ 乳マンコだよっ♡ だから、もっと、もっと使って♡ 使いつぶして♡ 握って♡ 潰して♡ 引っ張って♡ 好きに使って♡」

 

 乱暴な言葉にだって、行動にだって臆さない。

 

 本当に、全てが完璧に俺好み。

 

「たまんねぇ、たまんねぇ! なんだよこれ! 気持ちよすぎるだろっ!」

 

「当たり前っ♡ だって、だって♡ カスタマイズ、したから♡ 健だけのためにって♡ 健を想い抜いて♡ 全部、ぜんぶぅ♡」

 

 眩暈がする。

 見下ろして見るこのメスは、俺専用のオナホにでもなるためかの如く、ここまで生きてきたと言うんだ。

 

「は、ははっ! なら使ってやるっ! 使うぞ、使う! 壊れんじゃねぇぞっ!」

 

「は、はひっ♡ はいっ♡ つかって♡ ちゅかってっ♡ いっぱい、いっぱいっ! イッ――」

 

 腰が持ち上げられる感覚と、後ろのほうでぷしっという飛沫の音がした。

 

「おいおい、何イってんだよっ! 俺はまだイッてねぇぞっ!」

 

「――っつあっ♡ ごめんなさい♡ ごめんなさい♡ だ、ダメなオナホで♡ ごめんなしゃいぃああっ♡ ま、また、イッちゃうぅうう♡」

 

 あぁ、ダメだ。

 どうしようもなく、こいつは。

 

「あぁもうっ! こっちが使えねぇならっ! あきらっ!」

 

「はひゃ♡ ひゃい♡」

 

 いや、こいつも。

 

「――はい♡ どうぞ、オレの……あなたを好きになっちゃって、TSした私の、あなた専用コキ捨てホカホカおまんこ♡ お使いください♡」

 

 この時を、待っていたんだろう。

 

 ふるふるとまだ思うように力の入らない脚を開いて。

 

「……ドロドロじゃねぇか」

 

「はい♡ ずっと、ずっとこう、でした♡ ごめんなさい♡」

 

 割れ目を見せつけるようにくぱぁと開いて。

 

「挿入るぞ」

 

「はい……うん、うんっ♡ きて、来てくれ♡ 健、たけるぅっ♡」

 

 俺の肉棒を、招き入れた。

 

 

 

 

「お゛ぉお゛っ♡」

 

「はっ、はっ、はっ」

 

 そこは煮えたぎった湯のような熱さだった。

 じゅくじゅくに、ドロドロに蕩け切った何かが俺のチンポに絡みついてきて、火傷しててもおかしくないような、肉壺だった。

 

「しゅ、しゅごっ♡ お゛ぁっ♡ たけ、たける♡ たけるぅ♡ ぱんぱん、しゅごい♡ ぱんぱんしゅごいよぉっ♡」

 

 挿入れて少し進んだ時に感じた抵抗は、処女膜というものなのかもしれない。

 それでも明は痛がる素振りなんて欠片も見せず、ピストンした瞬間に獣のような喘ぎ声をあげて。

 

 気持ちいい。

 

「おっ♡ おぁっ♡ それっ♡ それ好き♡ それしゅき♡ もっと、もっとしてぇ♡」

 

 気持ちいい、それしか考えられない。

 もっともっと気持ちよくなるために、腰の動きを加速する。

 

「んひぃっ♡ それ、それそれそれぇっ♡ しゅごい♡ あたまのなか♡ ばちばちって♡ ばちばちしゅる♡」

 

 声に従って動けば纏わりつく肉壁がもっと締め付けてくるものだから。

 

 止まらない、止められない。

 

「おぐっ!? お゛♡ そ、そりぇ♡ ふいう――♡」

 

 奥のほうにあるコリコリした感触も捨てがたい。

 まるで亀頭にキスされているような感じだ、ついばむように、それでいて情熱的な激しい口づけ。

 

「――っつぁ♡ いい、よ♡ もっと♡ もっと好きに♡ たけるせんようおまんこで♡ きもちよく、なってぇ♡」

 

「いわれる、までも、ないっ!」

 

「んきゅうぁああっ♡」

 

 面白い、メスの身体は、面白い。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 

 浅いところを突けば、スタッカート調に声が弾んで、それでも顔は物足りなそうで。

 

「はぐふっ!? お、きゅ……♡」

 

 思いっきり奥を突き込めば、舌を放りだして白目をむく。

 

「あお゛っ♡ たける♡ たけるぅ♡」

 

 うわ言のように俺を呼ぶ声に応えて、キスをすれば。

 

「はむっ♡ じゅるっ♡ んんふっ♡ んじゅ♡ れぇ♡ れろえる♡」

 

 熱心に、俺との繋がりを確かめるかのように舌を絡ませてくる。

 

 あぁ、なんて女の身体ってのは面白くて気持ちいいのか。

 

「っぷぁっ♡ き、きもちいい? おれ、わたし、たけるを、気持ちよく、できてる?」

 

「あぁ、最高だっ!」

 

「んひゅっ♡ う、うれしい♡ うれじいよぅ♡ しあわせだよぅ♡」

 

 なんで腕の中にいるメスは泣いているのか。

 

 わからない、わかりようがない。

 俺は今、このメスを征服せんとするオスで。このメスはただただそれを受け入れる穴でしかない。

 

 快楽に溶かされた脳みそじゃ、何もわからない。

 

「あき、ら……っ!」

 

「うんっ♡ うんっ♡ いいよ♡ だしてっ♡ しゃせいしてっ♡ たけるせんよう、はらみぶくろ♡ たねつけっ♡ むせきにんこきすてしてっ♡」

 

 だから。

 そう、だから。

 

「イッ――」

 

「っくぅううううっ♡」

 

 今はただ、本能の赴くままに。

 

 

 

 

「赴くままに、じゃねぇよっ!」

 

「んふふっ♡ 素敵だったぞ、たーけーるっ♡」

 

 俗に言う賢者タイムとでもいうのか。

 ベッドに並んで横になって、思わず天井に向かってやっちまったと吠えてしまう。

 

「いやさ、お前さ……えぇ? いつから女に?」

 

「それは秘密ってもんだぞ。けどまぁ、昔からずっと好きだった。だから嬉しい」

 

 にこにこと、俺の胸元にすり寄ってきた明の顔は本当に幸せそうで。

 

「昔からって……男だった時から?」

 

「幅広い意味での好きならそうだよ。ケツ掘ってもらいたいとは思わなかったけどな」

 

 ――マンコを貫いてほしいとは思ったけど。

 

 なんて、なぁんで笑って言うかねこいつは。

 

「はぁ……」

 

「なんだよ、後悔してるのか?」

 

 後悔、っていうかなぁ。

 

「ヤることヤっておいてなんだけど、これはあれか? 恋人になろうとか、そういう流れになるのか?」

 

「うん?」

 

「正直、お前が……なんだろ、女なんだってマジで認められたのって今この瞬間だからさ。ぶっちゃけ女として好きなのかとか、よくわかんねぇ」

 

 うわぁ、言っておいてなんだけど相当クズだな俺。

 

 けど、都合よく明のことを見ていたのも事実で、ヤっちまったからお付き合いしますってのは親友としての何かがダメだと叫んでる。

 

「ぶっちゃけた話、セフレ……いや、オナホとして見てると」

 

「う……はい、さっきまではほんとにそんな感じでした、ごめんなさい」

 

 今回誘ったのは別に恋心を確かめたいとかそういうのじゃなかった。

 どうしようもなくこいつに欲情してしまって、それを解決したいなんて、極めて自分本位な動機だったんだから。

 

「ふふ……あははっ!」

 

「な、なんだよ、悪いと思ってるよ、いやほんとに」

 

 若干どころか酷い自己嫌悪が止まらない中。

 

「安心しろって。そんなことどうでもよくなるくらい、これから健をオレ……ううん、私色に染めてあげるからっ♡」

 

「……は、はは」

 

 いつの間にか俺色に染まり切っていた、親友に笑い飛ばされた。

 

「手加減してくれよ? 親友」

 

「全力で行くから覚悟しろ? 親友」

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