最上桃……16歳。164cm、56kg。90、70、97のDカップ。自他共に認める美形。部活はしていないがボクシングジムに通っている。
回夜衛……16歳。177センチ、79kg。ラグビー部所属
「なぁ、兄貴に家追い出されたんだ。上げてくれよ」
そろそろ高校も2年生になろうという3月末。
玄関の前にはフードファーパーカーを着た金髪ウルフカットの女が立っていた。俺はドアのチェーンを外して家に招き入れる。
「で、なんで兄に追い出されたんだ?」
俺、
「いやぁ、兄貴が彼女を連れてくるんだと。そこに粗暴な俺は邪魔って話だ」
それは、正直その通りだろう。桃も、桃の兄も顔が良くてモテる。だが、桃の兄が彼女と長続きしないのも、桃に男が寄ってこないのも桃の粗暴さが原因だ。一人称も『俺』だしな。
「お前、失礼なこと考えてるだろ」
「……それで、俺の家に来て何するんだよ」
鋭く睨む桃から目を逸らして、予定を聞く。今日は俺も別に予定はない。時間も10時くらいだし、遊びに行く時間くらいはありそうだ。
「そうだなぁ。やったことないこと……」
リビングに入り、どかっと座りながら桃が思案している。インスタントのコーヒーを淹れて、砂糖と牛乳を入れて桃に渡す。
そのコーヒーを一気に飲み干した桃はニヤリと笑って俺を掴む。
「なぁ、SEXしようぜ」
「……ぉお、お?」
桃の発言にコーヒーを飲み干して、一瞬止まる。そして、
「お前がいいなら、やるか」
高校生の性衝動のまま、承諾した。
「なんで体洗ったのに服着るんだ? 裸のままでいいだろ」
二人とも風呂に入り、俺が親から隠していたコンドームを取り出したところで、桃はトレーナーにジーンズ姿で首を傾げた。
「あのなぁ、雰囲気ってもんがあるだろ。裸になっておっ始めるなんて動物かよ」
「意外とロマンチックなんだな。俺はまどろっこしいの嫌なんだけど」
ベッドに座り、ばっちこーいなんて言う桃。なんか、桃に主導権握られてるのは男としてちょっと悲しい。でも、中学1年から四年間も付き合いのある友人だ。こいつの性格はよくわかっている。
「じゃあ、キスからするか」
「はいはい、じゃあ、始めるか」
春休みの真っ昼間。今までただの友人だと思ってた女と、キスをする。最初は軽く唇を合わせるバードキス。
5回くらい、バードキスをして見つめ合うともう一度唇を重ね、舌を突き合わせた。そのまま舌を絡ませる。
「ふ……ふぅっ……、んっ」
桃のキスの合間の呼吸が聞こえてくる。一度唇を離して桃と目を合わせると、興奮が抑えられなくなって、もう一度舌を絡め合わせた。
「ふわっ……む、うむぅ……」
桃をベッドに倒して上から被さるようにしてキスを続ける。桃のことだ、嫌だったら抵抗するだろう。だから、興奮に任せてそのまま桃を貪る。
「な、なぁ、ちょっと」
「……どうした?」
「いやぁ、その、ちょっと苦しくて」
キスの合間に桃に抗議されて、唇を離す。離れた唇から涎が端をかけて、それはぷつりと切れると桃の顔にかかる。
何気ないことなのに、興奮が抑えきれなかった。桃の弱々しい抵抗も、前戯の間のキスも、初めてすぎて、今すぐにでも射精しそうになる。
「そ、そろそろ脱ごうぜ。やるんだろ」
「あ、ああ。そうだな。まずは、上着だけ」
桃の上から離れると、服を脱ぐ。部屋はエアコンで温められるが窓際は少し冷えている。その中で桃と俺は下着姿になっていた。
桃は、黒いレースの下着だった。初めて見る友人の下着姿。残念なのは、桃に恥じらいがないくらいだろうか。ただ、恥ずかしすぎて進まないよりはましか。
「見ないようにしてたけど、でかいな」
「女は男の視線に気付いてるからな。まぁ、ガン見されて気持ちいいものでもないしな。ほれ、揉んでみろよ」
「ったく、つくづくデリカシーないな」
まあ、揉むけど。無遠慮に出された胸に手を伸ばす。下着の上から優しく揉んでみる。少しの時間夢中になり、気付いたように桃の顔を見ると勝ち誇ったような顔をしていた。
なんか、萎える。度々桃に勝ち誇られるのは癪だ。ただ、性欲を持て余す高校生男子としては、抗えないのも事実。
「そろそろ、生で触るか?」
「言い方があるだろ。まぁ、そのなんだ。よろしく頼む」
ブラを外すとぶるん、とおっぱいが出てくる。
「デケェな。どれくらいあるんだ?」
「まぁ、普通にDだけど」
「多分、クラスで一番デカかっただろ? まぁ、言及するやつなんていなかったか」
生のおっぱいを揉み続ける。途中で乳輪を撫でたり、乳首を転がしたりする。その間にもう一度興奮すれば、ディープキスをした。
また、桃の吐息が聞こえる。気持ち良かった時は小刻みに体が震えているのがわかった。左手はそのままに、右手をパンツに伸ばす。そして、なぞってみたが濡れている感じはない。
「AVの見過ぎだよ。胸揉まれただけでパンツびしょびしょにするわけないだろ。それだとセックスするたびにベッドびちゃびちゃだよ」
「……そんなもんか。なんか、こう」
「潮なんて吹かないからな。あんなの一般的に起きるもんじゃない」
桃のじと目から顔を逸らす。確かに、俺の知識なんかAVかエロ漫画くらいだ。女の体なら、女である桃の方が詳しいだろう。そうか、胸触っただけで潮吹かないのか。
「なぁ、そろそろ本番しようぜ」
「なんで俺より先にやりたがるんだよ。普通逆だろ」
「まどろっこしいの嫌いなのは知ってるだろ。ほら、触らせてやるから」
右手を掴まれ、パンツの中に入れられる。そのまま指でなぞって、凹みを押してみる。
「そこじゃねぇ。それおしっこの穴だ」
「……なんか、すまん」
「もっと奥だ。ほら」
腰を前に少し突き出した姿勢になる桃。少しだけ指を移動させると、そこに穴があった。なんだっけ、指を出し入れすると言うより、指の腹で押す感じ。
膣に入ったであろう人差し指をゆっくりと押し曲げる。なんか、濡れてないと言う割にはスムーズだ。ちょっとずつ指を奥に入れながら膣壁を押していく。正直、Gスポットなんてわからない。
でも、桃の吐息が上がっていることは見るからに明らかだ。
「はぁ……はぁ……んんっ」
俺の右手を両手で掴み、肩を振るわせる桃。感じてくれているのだろうか。今までそういうふうに意識したことはなかったけど、なんか、可愛いな。
「可愛いな」
「んなっ……! ん、はぁ……なんだよ、急に……」
可愛いというと、肩が跳ねて膣が締まったような気がした。左腕を桃の首にかけ、唇を奪う。爪を立てないようにしながら、膣をほぐし続ける。
桃は、キスと手マンで余裕がなくなっているみたいだ。あんなに挑発してたのに。
どれくらい経ったか。桃が急に両手で胸を押してくる。突然のことに桃のパンツから腕が抜け、後ろにタタラを踏む。
バランスを立て直して顔を上げると、桃が体を震わせていた。少しの間そうしていると、そのまま床に座り込む。まるで、腰が抜けたように。
「……こんなの初めてだ。オナニーでも、こんなことなかった」
肩を上下させる桃。俺は実感がわかなくて、桃と自分の右手を交互に見ていた。
「次は俺の番だな。舐めてやろうか」
「……いやぁ」
落ち着いた桃が俺のパンツに手をかける。しかし、俺はそれを拒否した。
「なんか、自分のちんこ舐めた口とキスするのはなぁ」
「じゃあ、本番行くか。ベッドでいいか?」
「ん、ああ。そうだな」
パンツを脱ぎ、ベッドに寝転ぶ桃。そして、足を広げた。俺は、慌ててコンドームを取り出して取り付ける。既に、ちんこはギンギンだ。それを、さっきまで指で触れてた入り口に当てがう。
「じゃあ、いくぞ」
「ああ、いつでもいいぞ」
最初は痛い、なんて聞く。ゆっくりと桃の表情を見ながら入れていく。段々と、自分のちんこが見えなくなっていく。桃は、痛くなさそうだが、少し苦しそうな顔をしている。
「大丈夫か?」
「ん……想像以上に太くて。ちょっと、きつい……」
苦しそうな桃を落ち着かせるため、一度そこで止まる。
気が紛れるかと思って、胸に手を伸ばした。両手で、一番最初みたいに乳輪をなぞったり、乳首を摘んだり。桃が落ち着くまでそうしていると、また、挿入していく。
少し時間はかかったけど、奥まで入り込んだようだった。
「……はぁー……。なんか、すげぇな」
桃は少しだけ顔を上げて俺を見る。
「なんか、満たされるって感じ」
「俺もなんか、温かくて……」
お互い動かないまま、見つめ合う。いつの間にか胸を揉む俺の手も止まり、ただ繋がったまま、見つめ合うばかりだった。
まるで、永遠にも感じそうな、そんな感覚。
「動くぞ」
「その、激しいのは勘弁な」
ゆっくりと、先程まで入れてたチンコを抜いていく。そして、亀頭が見え始める直前で、また入れる。ゆっくりとしたピストン運動。
桃は、入れるた瞬間に口から空気と共に喘ぎ声を漏らしていた。あの飄々として、弱みを見せない桃が、瞳を潤ませ、突くたびに小さく声を上げる。
そんなだからか、無意識にスピードが上がっていたようだった。
「ちょ、ちょっと、た、たん、ま。はげ」
桃の声も届かないまま続けていると、不意に膣の締まりが強くなる。
ハッとしてみると、桃の体が震えていた。どうやら、絶頂したみたいだ。俺もそろそろ限界が近い。
桃の弱々しい静止を抑えなら、再度ピストン運動を再開する。そして、五往復もする頃には、俺は射精していた。
「はぁー……はぁー……」
「ったく、ケダモノかよ」
腕で両目を隠すようにしながら、桃が悪態をつく。そんな桃の膣からちんこを抜く。コンドームの中には、今し方出した精子がたっぷりと溜まっている。
「お前、力強かったんだな」
「……別に、普通くらいだろ」
桃が体を起こしてキスをしてくる。お互い抱きしめ合いながらのキス。その中で、桃はよくわからないが俺のことを褒めることが多かった。
普段言われないような、背中がむず痒くなるような言葉。俺はそれを話半分に聞きながら、桃の唇を貪る。
そうこうしていると俺のちんこが勃起しはじめて、桃はそれを見てくすりと笑う。
「もう一回戦、やるか」
「そうだな。まだ、時間もあるしな」
「次は先に行かせてやるからな」
「別に、競うつもりはないよ」
チンコにコンドームをつけて、寝転んだ桃の膣にまた当てがう。さっきでSEXの加減でも知って,桃は挑発してくるだろう。それもまたスパイスだななんて思いながら、俺はチンコを挿入した。
「はぁー……、もう無理だな。疲れるんだなSEXって」
冷蔵庫に入っていたコーラを飲んだ桃は、そう振り返った。
結局、俺は7回も射精して、桃に至っては数えられないほど絶頂していた。既に外は暗くなり、今は二人全裸のままコーラを飲んでいる。
「これで脱童貞だな」
「そうなるな。なんか、誕生日くらい実感ない」
「なんだそれ」
共働きの親元に生まれているから、誕生日を祝うのは小学生低学年で終わってしまった。そこからは、書類を書くときに自分が歳を重ねたことを自覚するくらいだ。
そんな、ありふれた日常の地続きのような感じだ。実際に、童貞じゃなくなったからと言って、何か変わるわけじゃなさそうだし。
「それにしても、血が出なくて良かった。半数くらいは血を出すっていうしな」
「……考えてなかった。血がついたシート親に隠したまま洗える自信がない」
しみじみという桃に、俺は今更のリスクに胸を撫で下ろした。確かに、桃は中学時代から近くにいる男は俺くらいだった。そうすると、桃の処女も当たり前なのか。
「なぁ、その、なんていうか。衛ってさ、優しいよな」
桃は、何故か緊張した面持ちで話し出した。しかも、ありふれた優しいという評価。自分としては優しいというのはわからない。
俺の怪訝な顔に気付いたのか、桃は普段とは違う、何かを絞り出そうとするような、そんな表情をする。
「俺、すぐ手が出ちゃうからさ。小学生の時は、親が学校に呼び出されることが多くてさ」
「……どうした急に」
「いいから聞けって。それで、中学に入る前に、親と約束したんだ。もう、人を殴らないって」
……。そんな約束してたのか。その割には、中学2年くらいから喧嘩ばっかりだった気がするんだが。
「その、一年の夏休み前。俺、部活でいじめられててさ。親との約束もあるし、どうしたらいいかわからなくてさ。それで、とうとう堪えきれなくて、手が出て」
顔を俯かせながら、桃は話す。中学一年の夏休み前といえば、よく覚えている。
「その、先輩を殴っちまって。それで、それを……」
「俺が見ていた」
他の一年生に抑えられ、2年の先輩に蹴られていた桃。それを、俺は部活の外周中に見ていた。そして、桃が先輩に手を出した後、その彼氏だという男を先輩が連れてきたから。
俺が殴り倒した事件だ。ただのクラスメイトだった桃を殴った男が許せなくて。
「あの時は大変だった。傷害罪になるなんて騒がれたっけ」
「その、あの、俺は、その」
歯切れの悪い桃の頭を撫でる。
ただ、正直あの事件は中学生だからなんとかなったみたいなところもある。桃のいじめが明るみに出て、桃を助けようとした俺が過剰に暴力を振るったとされて。その後よくわからないが不良に祭り上げられるようにもなったし。
「親との約束を破ったし、俺は家にいられないと思ったんだ。でも、お前……その、衛は俺の両親に向かって」
「親と子供が話し合わないから、桃がコミニュケーションの仕方を知らない、だっけか。恥ずかしい啖呵切ったもんだ」
その後結局色々あって、本当に色々あって、まあ面倒だから割愛するけど、桃と友達になった。
「その時から、ずっと言えなかったけどさ。好きだよ、衛のこと」
思わず桃の方を振り向く。すると、桃と目が合った。少し震えながら、それでも捉えて離さないとでもいいたげな目線。
それを見て、俺は口を開いたまま言葉が出てこなかった。
「付き合ってよ、衛。それでさ、将来、結婚しよう」
「……こんなプロポーズでいいのか? SEX後の、コーラで、全裸で」
こういう時の俺の癖。ストレートな感情から逃げようとする、悪癖。それを知っている桃は、俺の首に両手をかけて、顔を近付ける。
「もう一度言う。将来結婚を前提に、付き合ってほしい」
ごくり、と喉を鳴らす。気の利いた言葉なんて出てこない。だから、首を縦に振ることしかできなかった。
「ああ、よろしく頼む」
よろしく頼む、なんてぶっきらぼうな言葉。それを聞いた瞬間桃は俺に飛びつき、またキスをした。そしてそのまま、ベッドに押し倒される。
「人生で一番嬉しい日は、衛が私を肯定してくれたあの日。今日は、人生で2番目に嬉しい日だ」
唇を離した桃は、笑う。いつものようなニヤニヤとした笑みではない。まるで、無邪気な子供のような、そんな笑顔だった。