※この作品はR-18です。

君が無能くん?魔剣士学園に入学したのに『スキル無し』?ねぇ今どんな気持ち?努力したって報われないのに希望とかあるの?普通の青春を送りたい?あはっ! 無能には無理に決まってるじゃん   作:鳥稲のね

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第14話

「モモア、先に教室に戻っておいて」

 

「え?……分かったわ」

 

 

 

 

 

モモアが静かに教室を出て行った。

 

足音が廊下の向こうへ消えていく。

 

 

空き教室に残されたのは、僕とリア――二人だけ。

 

 

とびっきりの美少女と二人っきり。

 

最高のシチュエーションだ。

 

 

モモアにスキルを返すやり取りをした時は校舎裏だった。

 

彼女は僕に跪いてキスをした。

 

僕を一番馬鹿にしていた炎の王女の屈辱にまみれた顔を拝めたのは最高だった。

 

 

今回は雷の皇女リア。

 

彼女だって、平民で無能の僕に跪いたわけだけど……。

 

でも、もう僕はそれだけでは満足できない。

 

校舎裏よりも人目に触れることがないこの場所なら、もう少し大胆な要求を……。

 

 

すでにモモアは僕の手に落ちているんだけど……

 

何て言うか、あんなことさせろ、こんなことしてくれって言うのって難しいんだよな。恥ずかしいし。

 

……だって童貞なんだもん。

 

 

リアにスキルを元に戻してあげるというタイミングなら、自然とこちらの要望をぶつけられる。

 

相手のスキルを奪い、返す代わりに理不尽な要求をしているので、自然である必要はないんだけど。

 

 

リアはまだ膝をついたまま、拳を強く握り締めていた。その肩はわずかに震えている。

 

 

「立っていいよ、リア」

 

 

僕が優しく声をかけると、彼女はゆっくりと立ち上がった。

 

 

「……これで、本当にスキルを取り戻せるのですね?」

 

 

その声には疑念と不安が混じっていた。

 

ついさっきまで、雷のスキルを自在に操り、誇り高き雷使いとして君臨していた彼女。

 

そんな彼女が、今では普通の人間と変わらない状態になっている。

 

 

……今回はちょっと趣向を変えてみようかな。

 

 

僕は今、リアのスキルを持っている。つまり雷属性の魔法を使える。

 

これを使わない手はない。

 

 

さて、雷の皇女様がどんな顔を見せてくれるのか、楽しみだな――。

 

 

「どうすれば私のスキルが元に戻るんですか?」

 

 

リアが睨むような目でこちらを見てくる。

 

その視線すらも、今の僕にはご褒美にしか思えない。

 

 

「簡単さ。僕の雷魔法を何度も受けてもらうだけだよ」

 

「……は?」

 

 

彼女にビリビリ電流を我慢させる。

 

その反応をじっくりと楽しませてもらおう。

 

ごく弱い雷魔法だから、普通の人間ならちょっと痺れる程度だ。

 

 

でも、今のリアには違う。

 

 

スキルを奪われたせいで雷への耐性を失ってるから、ほんの微弱な魔力でも……。

 

 

「僕の魔力が君の体に流れるたび、スキルが少しずつ元に戻っていくんだ。ただし、ほんの一回や二回じゃ戻らない。何度も繰り返さないとね」

 

「雷魔法を、ですか?……にわかには信じらせません。それに、あなたは無能だったはず。魔法を使えたんですか?」

 

「信じられないだろうけど、事実なんだ。僕は無能を元に戻してあげる能力が身に付いた時に、少しだけ魔法も使えるようになったんだ。」

 

 

リアの声はわずかに震えていた。

 

ちょっと怖くなってきたのかな?

 

 

「それに……大丈夫だよ。一番弱い雷魔法だから、そんなに痛いことないよ」

 

 

もちろん、そんなのは真っ赤な嘘だ。

 

あえて軽く言っておく。

 

普通の人なら痛くない。

 

元雷属性最高峰の魔剣士が、最弱の魔法程度耐えられないわけがない。

 

そう思ってくれたら、こっちはリアが頑張って耐える姿を楽しめるわけだ。

 

 

「……分かりました。早く、始めてください」

 

「いいの? 多分時間がかかると思うけど?」

 

「構いません。これ以上、あなたとこんな無駄な時間を過ごしたくありませんので」

 

 

……そのツンツンとした感じ、すごくいいね。

 

 

僕の恋人になる、僕に従うと言ったけど、それは上辺だけ。

 

スキルを元に戻してもらうべく仕方なく……と思っているのがありありと分かる。

 

 

モモアは数日間、スキル無しの状態で過ごした。

 

しかしリアはスキル無しになってから時間が経っていない。

 

僕の恋人になると言ったものの、完全に僕に従う心の準備が出来ていないに違いない。

 

それなら、リアの心を折っておかないと。

 

ビリビリでバキバキにしてやろう。

 

 

「それじゃあ、始めようか」

 

 

指先に小さな魔力を集める。ほんのわずかに青白い稲光が弾け、かすかな音を立てた。

 

 

パチッ――

 

 

「――っ!」

 

 

その瞬間、リアの体が小さく跳ねた。

 

肩が震え、薄く開いた唇から短い息が漏れる。

 

 

ごくごく微弱な雷魔法だ。

 

 

普通の人なら少しビリッと感じる程度。

 

でも、今のリアには違う。

 

スキルを奪われたことで雷への耐性を失った彼女にとっては、全身を突き抜けるような衝撃になって感じるはずだ。

 

 

僕は指を軽く動かしながら、優しい声をかけた。

 

 

「大丈夫? 少し痛かったかな?」

 

「……た、大したこと、ありません。全然問題ありません」

 

 

リアは唇を引き結び、鋭い瞳でこちらを睨みつけた。

 

あくまで強がりを崩さない。

 

でも、肩の震えは隠しきれていなかった。

 

 

「そうか。じゃあ、もう一度いくよ。これを何度も繰り返さないと、スキルは戻らないからね」

 

「……早く終わらせてください」

 

 

その声には、焦りがにじんでいる。

 

 

「じゃあ、次だよ」

 

 

再び指先に雷を灯す。

 

青白い光が指の周りを走り――。

 

 

パチッ――

 

 

「っ……!」

 

 

リアの肩が小さく跳ね、

 

息を呑む音が聞こえた。

 

さっきよりも少しだけ強めにした。

 

それでも他の人なら大したことはない。

 

でも……リアにとってはかなりの苦痛なはず。

 

 

「うん、よく頑張ったね。偉いよ、リア」

 

 

あえて優しく褒めると、リアは唇を噛み、睨むような視線をぶつけてきた。

 

 

「……いちいち、そんなことを言わないでください」

 

「でも、こうして我慢してるんだから。ちゃんと褒めてあげないとって思うんだよ」

 

「私は……別にあなたになんて褒められたくありません……っ!」

 

 

再び雷を放つ。

 

 

パチッ――

 

 

「……くっ!」

 

 

今度は小さな呻き声が唇から漏れた。

 

体が震え、握っている手に力がこもる。

 

 

「もう少しペースを上げてもいいかな? 時間がかかるし、早く終わらせたいでししょ?」

 

 

リアは悔しそうに眉を寄せ、歯を食いしばった。

 

 

「……好きにしてください」

 

 

その言葉を合図に、僕は再び雷を放った。

 

 

パチッ――

 

 

 

「っ、あ……ふ……!」

 

 

小さな悲鳴が教室に響く。

 

肩が跳ね、髪が微かに揺れた。

 

金色の髪が青白い光を反射して、美しい光沢を放つ。

 

 

「大丈夫、大丈夫。すぐ終わるからね」

 

「……こんなこと、早く終わらせてください……っ!」

 

 

その表情に浮かぶ悔しさと屈辱。

 

それでも最後まで耐えようとする意地。

 

ああ、たまらないな。

 

もっともっと、その反応を見ていたくなる。

 

 

「じゃあ、もう一回いくよ」

 

 

パチッ――

 

 

「っ……あぁっ!」

 

 

今度は体全体が小さく揺れる。

 

呼吸が少しずつ乱れ、胸の上下が早くなってきた。

 

 

「辛いなら少し休んでもいいんだよ?」

 

「……必要、ありません」

 

「無理しないでね……」

 

 

指を軽く動かし、さらに雷を放つ。

 

 

パチッ――

 

 

「っ、く……!」

 

 

全身がビクッと跳ね、喉の奥から短い声が漏れる。

 

それでも唇を噛んで耐えようとする姿に、僕はますます心臓が高鳴るのを感じた。

 

 

 

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