※この作品はR-18です。

君が無能くん?魔剣士学園に入学したのに『スキル無し』?ねぇ今どんな気持ち?努力したって報われないのに希望とかあるの?普通の青春を送りたい?あはっ! 無能には無理に決まってるじゃん   作:鳥稲のね

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第22話

僕とモモアが休日デートをした翌日。

 

学園での休憩時間の様子――。

 

 

いつも僕とララが並んで座り、その後ろにはモモアとリアがいる感じのポジションだ。

 

普段は僕とララが話しているだけで、リアとモモアはあまり話してこない。

 

二人は僕のお飾りとなっていることが多かった。

 

 

しかし、今日は……。

 

 

「ねえ、ララ。」

 

 

珍しくモモアが、自分から話しかけてきた。

 

ララも少し驚いた様子だった。

 

 

「……あの……チャビーメルトって知ってるの?」

 

 

唐突な質問に、僕とララは一瞬目を合わせる。

 

やっぱり、昨日のことが相当印象に残ってるんだな……。

 

 

ララはにこりと笑って答えた。

 

 

「もちろん知ってるよ。チャビーメルトは有名だもん。お父さんが大好きでさ、家族でたまに食べに行くの。」

 

「へえ……やっぱり、みんな知ってるんだ……。」

 

 

モモアは少し感慨深げに呟く。

 

王族として育ってきた彼女にとって、庶民の定番グルメなんて知る機会はなかったのだろう。

 

 

「でも、私も好きだよ! すっごく美味しいしね。ただ、カロリーがすごいから、あんまり頻繁には食べないけど……。」

 

 

ララは苦笑いしながら、自分のお腹をさすってみせた。

 

僕も昨日は晩御飯を食べれなかった。スペシャルにした上に、モモアの残した分まで食べきってしまったから……。

 

 

「分かる……。私、昨日初めて食べたんだけど……あれは本当にカロリー爆弾よね。」

 

 

モモアの声が少し弾む。

 

 

「え!? モモアさん、初めて食べたの!? どうだった!? ねえ、どうだった!?モモアさん全部食べきれた?」

 

 

ララが身を乗り出して、モモアに興味津々な視線を向ける。

 

 

「……すごく美味しかった!全部は食べきれなかったけど……。」

 

 

モモアの顔がぱっと明るくなり、昨日の感動を思い出したかのように語り出す。

 

 

「パンがサクサクで……中のハムやステーキがジューシーで……それにチーズがとろとろで……。しかも半熟の目玉焼きがのっていて、切ったら黄身とソースがとろっと垂れてきて……。」

 

「わかる! あれ、チーズの量がすごいよね!」

 

「そうなの! 一口食べるたびに、チーズがとろーんって伸びて……ソースもピリッと辛くて……何だか……すごく幸せな気分になった……。」

 

 

話しているうちに、モモアは頬を赤くしながらも無邪気な笑顔を見せていた。

 

その笑顔を見て、僕はちょっと驚いた。

 

こんなふうに素直に楽しそうにしているモモアは、初めてかもしれない。

 

僕と話しているときは、肩肘張っている感じだけど。やっぱりクラスメイトの女の子と話す方が楽なのかしれない。

 

 

「いいなぁ~! 昨日食べに行ったんだ? どこのお店?」

 

「えっと……。」

 

 

モモアは一瞬、僕の方をちらりと見て――

 

 

「その……アルトと一緒に行ったんで、お店のことまでは覚えてない……。」

 

「えっ……!」

 

 

ララの目が大きく見開かれる。

 

 

「アルト君と……デート……!?」

 

「で、デートっていうか……その……!」

 

 

モモアは顔を真っ赤にして、慌てて言い訳しようとする。

 

でも、その反応が余計に『デート』感を強めてしまっていた。

 

 

「へええ~~……。」

 

 

その様子を見て、ララはニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

 

「それで昨日、モモアさん、すごく機嫌良さそうだったんだ~!」

 

「そ、そんなこと……っ!!」

 

「もう~、素直になればいいのに~。」

 

「素直とか、そんなんじゃないから!!」

 

 

モモアがぷいっとそっぽを向く。

 

二人が盛り上がっているのを見て……対照的に、リアの表情が沈んでいた。

 

口数が少ないのはいつものことだけど、今はそれ以上に存在感を消しているような感じだった。

 

ララとモモアが楽しそうに話している様子を横目で見て、リアは疎外感を感じているのかもしれない。

 

 

「……チャビーメルトですか。……私も……食べてみたいですね。」

 

 

リアは小さな声で、ポツリと呟いた。

 

モモアの食レポが、リアの心も掴んでしまっていたようだ。

 

チャビーメルト、恐るべし。

 

 

……次は、リアを誘おうかな。

 

 

そんなことを思いながら、僕は彼女をそっと見つめていた。

 

 

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