※この作品はR-18です。

君が無能くん?魔剣士学園に入学したのに『スキル無し』?ねぇ今どんな気持ち?努力したって報われないのに希望とかあるの?普通の青春を送りたい?あはっ! 無能には無理に決まってるじゃん   作:鳥稲のね

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第31話

 

メルキアの評判は、ユノア以上にあっと言う間に地に落ちた。

 

 

いや、地に落ちたという表現では生易しいかもしれない。

 

まるで断崖絶壁から突き落とされたように、彼女の地位と名誉は瞬く間に消し去られたのだった。

 

 

リオネ王国の人々は聖女を崇拝する。

 

彼女たちは、神の恩寵を受けし存在であり、人々を癒し、導く象徴だ。

 

その中でも最高位聖女ともなれば、まさに"神に最も近き者"とされ、崇拝の対象であった。

 

 

それなのに……

 

その最高位聖女が、浄化もできず、回復もできず、魔法も使えない。

 

 

それでは聖女としての価値はゼロ。

 

いや、ゼロどころか、むしろ失望と不信を生む存在へと成り果ててしまった。

 

 

人々の信仰は、力があるからこそ成立するものだ。

 

それを失った今、メルキアに向けられる視線は、かつての崇拝の眼差しではなく、冷たい嘲笑と哀れみの混じったものに変わっていた。

 

 

教会はこの事態に即座に動いた。

 

秘密裏に「次期最高位聖女審査会」が開かれ、メルキアの後釜を用意する準備が進められる。

 

彼女が築き上げた地位は完全に瓦解しようとしていた。

 

 

今まで彼女の周りには、取り巻きがいた。

 

"最高位聖女"の威光に惹かれ、彼女の一挙一動にひれ伏し、彼女の言葉を賛美し、彼女の美しさを称えた人々が。

 

しかし、潮が引くように、その全てが消え去った。

 

誰もが、彼女を遠巻きに眺め、距離を取るようになった。

 

まるで"疫病神"を見るかのように。

 

 

「メルキア様、申し訳ありません……私は、教会の方針に従わねばならないのです……」

 

「……メルキア様、あなたのためを思って言います。もう、このまま身を引いた方が良いのでは?」

 

「ごめんなさい、メルキア様……私たちも生きていかなくてはいけないのです……」

 

 

言い訳を並べながら、一人、また一人と、彼女の元から去っていく。

 

 

あれほど自信満々に振る舞い、僕を見下し、自らを選ばれし者として高みから見下ろしていた彼女。

 

今の姿からは、かつての高慢で誇り高き聖女の姿は、もうどこにもなかった。

 

 

 

ゾンビにボロボロにされたメルキアを見て、僕は正直冷めてしまっていた。

 

泥まみれになって震えている姿を見たら、もはや彼女をハーレムの一人として迎えようとは思えなかった。

 

 

だけど、このまま放っておくのは、さすがに可哀想だった。

 

ゾンビにボロボロにされる前は、確かに美しかったし。

 

……まあ、そうだな。

 

今の彼女をハーレムに加える気はないけれど、せめてメイドくらいにはしてあげようかな。

 

 

それに、"元・水の聖女"をメイドにしたところで、優越感も何もない。

 

どうせなら、"水の聖女"の地位を取り戻させたうえで、僕に仕えさせる方が面白い。

 

 

聖女としての力を失い、周りからの信頼も失ったメルキアは、学園内でもただただ落ち込むしかなかった。

 

僕は中庭の片隅で、膝を抱えて俯いているメルキアを見つけた。

 

彼女の美しい水色の髪は、艶を失い、どこか白っぽく見えた。

 

かつての気品は影を潜め、ただの哀れな少女がそこにいた。

 

僕は静かに歩み寄り、囁く。

 

 

「メルキア様、急にスキルが無くなったのは、不思議だと思いませんか?」

 

 

彼女はハッとして顔を上げた。

 

瞳は赤く腫れていた。

 

あれからずっと泣いていたのだろう。

 

僕は静かに微笑む。

 

 

「実は僕がメルキア様のスキルを奪ったんですよ。返してほしければ……」

 

 

その瞬間——

 

メルキアは僕の前に、倒れ込むようにひれ伏したした。

 

 

「お願いです!」

 

 

泥だらけの地面に額をつけながら、彼女は懇願する。

 

 

「今までの無礼は謝ります! 何でもします! 土下座をしろというのであればします! だから、私のスキルを返してください!」

 

 

ええっ……!?

 

ここまで落ちるとは思わなかったな。

 

かつては"女神の生まれ変わり"とまで言われた聖女が、こうして泥にまみれ、誇りもプライドもかなぐり捨て、僕にすがりついている。

 

 

「じゃあ、まあ水の聖女を続けられるようにもしてあげるから、僕のメイドになってよ」

 

 

メルキアは、目を見開いた。

 

 

「……!」

 

 

そして、次の瞬間……。

 

 

「はい! ご主人様の靴も磨きます! どんな命令でも聞きます!まずは忠誠を誓わせてください!」

 

 

そう叫ぶと、彼女は僕の前で跪き、僕の手を取り、その甲にそっと唇を寄せた。

 

 

その瞬間、彼女は僕のものになった。

 

だからメルキアには、これらから僕の言う通りにやってもらおう。

 

 

 

僕はメルキアのスキルを戻してやるとともに、今まで以上に人気が出るように協力することにした。

 

 

「スキルが戻ったんだから、また魔物討伐には問題なく参戦できるよね」

 

「はい、もちろんです。アルト様のためにも活躍してまいります!」

 

「じゃあ、今までの聖女の衣装をアレンジして……ミニスカートでニーハイソックスで絶対領域でフリフリ衣装で魔物討伐やってきてね」

 

「……はい?」

 

「それから魔物討伐が終わったら、みんなの前で歌って踊ってね。命令だからね」

 

「……わ、わかりました」

 

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