※この作品はR-18です。

君が無能くん?魔剣士学園に入学したのに『スキル無し』?ねぇ今どんな気持ち?努力したって報われないのに希望とかあるの?普通の青春を送りたい?あはっ! 無能には無理に決まってるじゃん   作:鳥稲のね

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第44話

そっと、彼女の頬に触れる。

 

指先が肌に触れた瞬間、レティシアの肩がわずかに震えた。

 

 

「……っ。」

 

 

微かに息をのむ音が聞こえる。

 

その反応が、妙に可愛らしく思えた。

 

 

「レティシア。」

 

 

僕は、もう一度彼女の名を呼ぶ。

 

ゆっくりと、確かめるように。

 

 

そして……

 

 

彼女の唇に、そっと、キスをした。

 

 

「……んっ。」

 

 

唇が触れる瞬間、レティシアの体がぴくりと強張る。

 

銀の鎧に包まれた彼女は、戦場ではどんな敵にも屈しない強さを誇っていた。

 

それなのに、今はまるで力を失ったかのように、小さく身じろぎするだけだった。

 

スキルは元に戻っている。

 

本気で嫌なら、僕のことを突き飛ばすこともできる。

 

 

だけど、それをしない。

 

 

騎士の誓いは絶対だからなのか。

 

それとも、僕を受け入れたい気持ちが、少しでもあるのか。

 

彼女は目を閉じ、わずかに身を震わせる。

 

 

「……っ。」

 

 

唇が触れた瞬間、彼女の顔がみるみる赤く染まっていく。

 

あの堂々とした姿はどこへやら。

 

目を伏せ、頬を染め、言葉を失っている。

 

普段の冷静な彼女とは、あまりに違う姿。

 

 

あの誇り高き剣姫が、こんな表情を見せるなんて──

 

 

僕は、またひとつ、彼女の新しい一面を知った気がした。

 

 

唇を離すと、レティシアはそっと目を開けた。

 

彼女の瞳が、僕を見つめる。

 

そこには、かつてのような誇り高き騎士の表情はない。

 

代わりにあったのは、ほんのりと潤んだ瞳と、微かに開かれた唇。

 

彼女の顔が、さらに赤くなる。

 

 

「……。」

 

 

小さく息を吐き出しながら、彼女は目をそらす。

 

その仕草が、どこか可愛らしかった。

 

 

「レティシア。」

 

 

僕は、彼女の肩にそっと手を置いた。

 

 

「……っ。」

 

 

レティシアの体がわずかに震える。

 

 

彼女は、もう戦場の英雄ではない。

 

剣姫としての威厳を纏うこともできない。

 

 

ただの、一人の少女だった。

 

僕だけが知る、彼女の姿。

 

 

……彼女は、僕のものだ。

 

 

誇り高き光の神姫、レティシア・ルーメンシュタイン。

 

かつて憧れの存在だった彼女は、今や僕の手の中にいる。

 

 

そして、僕のためだけに赤くなっている。

 

それが、たまらなく愛おしかった。

 

 

僕はもう一度、彼女の唇を奪った。

 

 

「……っ」

 

 

レティシアの体が、また震える。

 

彼女は抵抗しない。

 

多少の戸惑いを滲ませながらも、されるがままになっていた。

 

それが、何よりも愛おしい。本当に愛おしい。

 

銀の鎧に包まれた彼女は、戦場ではどんな敵にもひるまず、剣を振るう。

 

誇り高く、気高く、どんな状況でも冷静沈着でいる彼女。

 

今、この部屋では、ただ僕の腕の中で震えている。

 

 

「ん……っ」

 

 

唇が触れるたび、彼女の息遣いが変わる。

 

かすかな吐息が漏れ、唇がかすかに開く。

 

僕は、迷わずもう一度、彼女にキスをした。

 

 

「……っ」

 

 

レティシアは目を閉じ、受け入れる。

 

わずかに身をよじらせるが、拒むわけではない。

 

むしろ、戸惑いながらも、応じようとしているようにすら見えた。

 

 

「レティシア……」

 

 

彼女の名を呼びながら、何度も唇を重ねる。

 

最初は軽く、触れるだけのキスだった。

 

けれど、次第に深く、長くなっていく。

 

 

「ん……アルト殿……」

 

 

彼女の声が、僕の唇に触れたまま震える。

 

 

「……もう、離さないよ。」

 

 

その言葉に、彼女は目を伏せたまま、小さく頷いた。

 

 

僕は、さらに強く、彼女を抱きしめた。

 

そして、何度も何度も、彼女にキスをした。

 

止めることなんて、できるはずがなかった。

 

 

僕はレティシアを抱きしめた。

 

彼女のぬくもりを感じたい。

 

けれど……。

 

 

「……やっぱり、鎧が固い。」

 

 

無骨な金属の感触が、僕の腕を阻む。

 

彼女の体温も、その柔らかさも、すべて鎧の奥に隠されている。

 

このままじゃダメだ。

 

僕は視線を横に向けた。

 

 

「メルキア」

 

「はい、なんでしょう?」

 

 

メイド服姿のメルキアが、すぐに応じる。

 

彼女はずっと、部屋の隅で気配を消していた。

 

 

「やっぱり、レティシアの鎧を脱がせてくれない?」

 

「かしこまりました。」

 

 

メルキアは微笑んだ。

 

それはどこか、愉快そうな笑みだった。

 

 

「……っ」

 

 

レティシアの肩が、わずかに強ばった。

 

鎧を脱がされるのに抵抗があるのか……。

 

それとも、メルキアに脱がされるのに抵抗があるのか……。

 

 

「では、失礼いたします。」

 

 

メルキアは、手際よく鎧の留め具に手をかける。

 

金属が擦れる音が、部屋の中に響く。

 

うちのメイドは器用に鎧の各部を外していく。

 

まずは肩の装甲。

 

次に、胸当て。

 

そして、腕の部分のプレート。

 

金属が擦れる音が、部屋の中に響く。

 

それと同時にレティシアの体躯が、徐々に露わになっていく。

 

 

鎧に隠されていた彼女のしなやかな体。

 

戦いに鍛えられながらも、女性らしいしなやかさを失わない肢体。

 

そして、軽装の下に隠された白い肌。

 

僕は、ごくりと唾を飲み込んだ。

 

 

「アルト殿……あまり、じろじろ見るな。」

 

 

レティシアが、照れ臭そうにそっぽを向く。

 

 

「……ごめん。でも、見てしまうよ。こんな機会、滅多にないし。」

 

 

それでも、彼女は何も言わずに鎧を脱がされ続ける。

 

そして、全ての装備が外された。

 

 

「……」

 

 

そして、僕は……

 

 

「……綺麗だよ、レティシア。」

 

 

素直な言葉を、口にした。

 

 

 

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