※この作品はR-18です。

君が無能くん?魔剣士学園に入学したのに『スキル無し』?ねぇ今どんな気持ち?努力したって報われないのに希望とかあるの?普通の青春を送りたい?あはっ! 無能には無理に決まってるじゃん   作:鳥稲のね

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第6話

 

――入学して、数日が経った。

 

 

クラス内では、すでにあちこちで仲良しグループが完成しつつあった。

 

昼休みになれば、自然と集まる者たちが決まり、談笑する輪が生まれる。

 

剣士専攻の生徒は技術論を交わし、魔術専攻の生徒たちは魔法の研究について語り合う。

 

女の子たちはお互いの髪型を褒め合いながら笑い合い、強者たちは互いの力を認め合いながら切磋琢磨している。

 

 

そんな中――僕は、ずっと一人ぼっちだった。

 

 

無能と呼ばれたその日から、誰も僕に積極的に話しかけてこない。

 

ララと話したときもそうだった。

 

少しでも僕に関われば、周囲から距離を置かれる。

 

そんな雰囲気が、すでに出来上がっていた。

 

 

……まあ、いいさ。

 

 

僕は一人、教室の片隅の席に座りながら、机の上に腕を組んでじっと周囲を観察していた。

 

目的はひとつ。

 

 

"スキルを奪う最初の相手"を見極めること。

 

 

このクラスには最強の魔剣士が3人もいる。

 

 

―――炎の王女 モモア・フレイム・アルトドルフ

 

―――雷の皇女 リア・ヴォルデンベルク

 

―――大地の公女 ユノア・グランツバッハ

 

 

この学園でも指折りの美少女たち。

 

 

ただし、普段この三人はつるんで行動していることが多い。

 

さすがに一度に三人を相手にするのは、リスクが高い。

 

 

だから、まずは一人だけを狙う。

 

 

僕は、彼女たちの動きを慎重に観察しながら、"単独になる瞬間"を待っていた。

 

そして、数日が経ち――ようやくその機会が訪れた。

 

 

昼休みの教室。

 

 

普段はリアやユノアと一緒にいることが多いモモアが、珍しく一人で席に座っていた。

 

彼女は机に肘をつきながら、暇そうに窓の外を眺めている。

 

 

……今だ。

 

 

僕は静かに立ち上がり、まずは自然な流れでララに近づくことにした。

 

 

「やあ、ララ。」

 

 

声をかけると、ララは少し驚いたように顔を上げた。

 

 

「……アルト君?」

 

「うん。ちょっと話さない?」

 

 

できるだけ自然に振る舞いながら、ララの隣の席に座る。

 

ララは少し戸惑ったような顔をしたが、拒否することはなかった。

 

 

さて――モモアの反応は?

 

 

僕はララと話しながら、時折、チラチラとモモアの方を見る。

 

モモアは、最初は気にしていなかったが――僕がララと話しているのを見て、少しずつ表情が険しくなっていった。

 

 

やっぱりな。

 

ララは一応下級貴族の娘。

 

僕は平民。そして無能。

 

あいつは僕がララと関わるのが気に入らないみたいだ。

 

 

僕はさらにあからさまにモモアの視線を意識しながら、ララと会話を続ける。

 

 

「あんなやつ、気にすることないって。」

 

 

わざとモモアに聞こえるように言った。

 

 

――そして、狙い通り。

 

 

「せっかく警告してあげたのに、無能と話してるみたいだね。」

 

 

低く冷たい声が、すぐそばで響いた。

 

モモアが、腕を組んでこちらを睨んでいる。

 

 

―――かかった。

 

 

「別に、無能だっていいだろ。」

 

 

僕はあえて軽い調子で言う。

 

 

「僕がそうしたいから、ララと話してるんだ。」

 

「……じゃあ、君が身の程をわきまえる必要がありそうだね。」

 

 

モモアの指先がピクリと動いた。

 

 

――その瞬間を、僕は待っていた。

 

 

ゴウッ!!

 

 

彼女の周囲の空気が一気に熱を帯びる。

 

指を軽く弾くと、小さな炎が浮かび上がろうとした――その時。

 

 

――今だ!

 

 

 

僕は意識を集中させた。

 

指先に、あの時と同じ感覚が走る。

 

視界が一瞬、白く光に包まれる。

 

 

 

――奪った!

 

 

 

「……アレ?」

 

 

モモアが急に動きを止めた。

 

指を弾いても、何も起こらない。

 

もう一度、何度も、何度も試す。

 

 

だけど――炎は、もう出ない。

 

 

「どうしたの?」

 

 

僕は何でもないように言う。

 

モモアは焦ったように手を握ったり開いたりしているが、何度試しても炎は出ない。

 

 

「……今日は見逃してあげる。」

 

 

モモアはそう言い残し、席を立って離れていった。

 

 

「どうしたのかな? モモアさん。」

 

 

僕は笑いながら、ララに視線を向ける。

 

ララは少し戸惑ったように僕とモモアの背中を交互に見ていたが、結局、小さく頷いた。

 

 

「言ったでしょ、ララ。あんなやつ気にすることないって。まだ時間あるし、もうちょっと話そうよ。」

 

「……う、うん。」

 

 

ララは少し緊張した様子だったが、それでも頷いた。

 

やっと……やっと、楽しい学園生活を送れそうだ。

 

 

僕はこの瞬間、確信した。

 

この力があれば、僕はこの学園の"最底辺"から抜け出せる。

 

 

いや、それどころか……頂点にだって、立てる。

 

 

そうだ、七人の剣姫全員を僕に従わせてやろう。

 

 

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