君が無能くん?魔剣士学園に入学したのに『スキル無し』?ねぇ今どんな気持ち?努力したって報われないのに希望とかあるの?普通の青春を送りたい?あはっ! 無能には無理に決まってるじゃん 作:鳥稲のね
僕自身に魅力があるわけではない。
ララにフラれて、なおのこと思い知らされた。
7人もの超絶的に魅力的な美少女たちを従えているため、まるで僕がスゴい人間かのように勘違いしていた。
彼女たちが僕のモノになったのは、あくまでも僕が『スキルを奪う能力』を持っていたからだ。
半ば、それを使って脅したと言っていい。
もし、僕が『スキルを奪う能力』が使えないと、七剣姫に知られたのなら……。
いったい何人が僕の元を離れていくだろう?
……トアはすぐにでも反旗を翻しそうだ。
ロザリアも、僕が弱いと気付いたら、離れていくかもしれない。
ユノアやメルキアなら僕の元に残ってくれるだろうか?
……いや、分からないな。
他のみんなと同じようにして去って行くかもしれない……。
僕は七剣姫から馬鹿にされ、彼女たちを見返してやりたいと強く願っていた。
そんな時に、図書館でとある本を見つけた。
『無能が天才に勝つ方法。』
確かに、最初に見た時は、中には何も書いてなかった。
ただの白紙の本だった。
無能が天才に勝つ方法なんてない……そういう皮肉を体現した本なのかと思った。
しかし、もう一度見返すと……
―――他人のスキルを奪え。
と書かれていた。
あの本を読んだ後、僕はスキルを奪う力を使えるようになったんだった。
モモア
リア
ユノア
メルキア
レティシア
ロザリア
トア
僕は七剣姫は見返してやるという目的は達成した。
だから……もうスキルを奪う能力は使えないのか?
本当にそうなんだろうか?
本来はある目的のため使わないといけないのに、僕は本筋をそれた使い方をしてしまった……そのためにロックがかかって使えなくなったのでは?
じゃあ本来の目的とは一体何なのだろう?
僕は改めて図書館に行った。
朝から閉館時間まで必死になって探した。
各階の端から端まで、本棚の上の段から下の段までくまなく探した。
司書の人にも聞いてみた。特徴を伝えてみたが、何も手がかりは得られなかった。
やはりあの本は見つからなかった。
一体何だったのか。
あれは幻だったのだろうか……。
ララに振られたこと。
人のスキルを奪う能力が使えなくなったこと。
謎の本のこと。
いろんなことが頭の中をグルグルと駆け回る。
まだ七剣姫全員が、僕の元を離れると決まったわけではない。
それまでにもう一周……いやもう二、三周
それぞれとエッチして過ごす時間はあるかもしれない。
そんな中
大変なことが起こった。
謎の強大な敵が、王立クラウディア魔剣士学園へ向けて進攻してきたのだった。