そう言う設定で読んで下さい。
変顔が好きな方はそれで読んでいただいても構いません。
真白は誰かに揺すられて目が覚めた。
「目が覚めましたか、真白ちゃん。」
「・・・マキちゃん、ここ何処?」
二人がいたのは何もない面積10メートルくらいの部屋。
いや、ある。
部屋の中心に銃やらナイフやら武器が沢山置かれている。
部屋の壁の一つには大きな自動ドアらしきモノ。閉まっている。そして部屋の壁の一つに大きなテレビモニターが取り付けてあった。
突然テレビに文字が写る。「探偵2人に爆弾を仕掛けた。1時間半後に爆発する。止める方法は助手2人の命。助手1人が死ねば、探偵と助手の部屋の扉が開く。助手2人が死ねば探偵2人の爆弾は停止する。なお、扉が開く前に扉や壁、床や天井を破壊した場合、探偵2人の爆弾は爆発する。また、助手2人は殺し合わねばならない。殺し合わずに自殺した場合、探偵2人の爆弾は爆発する。」
次に別の画面に切り替わる。そこには名雲とアスナロがいた。後ろ手にされ柱にくくりつけられている。別の角度からの映像も映されており、名雲ら2人に手錠のようなモノが付けられていて、それが時間を刻んでいる。間違いなくこれが爆弾だろう。
向こうからもこちらの様子が見えるらしく、名雲が、
「真白、マキさん。俺達が脱出方法を考える。何もするな。」と言い、アスナロも
「大丈夫!某と先生が組めばどんな状況でも解決できる!安心してマキちゃん!」と言った所で画面が消えた。
真白とマキは絶対大丈夫じゃないと思った。アスナロはすぐに顔に出るから。
真白は、
「まーたデスゲームって奴?しょうがないなぁ。この敏腕JK助手真白ちゃんがパパッと解決して・・・」真白は指をバキバキ鳴らす。それを見たマキは
「・・・真白ちゃん、画面を見てなかったんですか?扉や壁等を破壊したらマスター達が爆発するんですよ。」と静かに言った。
「あっそうだった。じゃあひみつ道具で」
真白は自分の制服の胸の部分をまさぐる。その時マキはぽつりと
「・・・真白ちゃんにお願いがあります。」
「あれ?何も入ってないよ?もしかして、身体検査された?私の胸が触られた?・・・おのれ、犯人め・・・。殺してやる。」
「・・・私を殺してください。」
「うん、殺すよ!・・・え、マキちゃん?」
「もう一度言います。私を殺してください。そうすれば扉が開きます。その後、真白ちゃんは外に出てマスター達の爆弾を破壊するなり、壁を破壊して逃げるなりしてください。時間がありません。悔しいけれど、私マスターを助けたいから・・・。」
真白はマキの両肩を掴んで
「冗談・・・、だよね・・・。出来ないよ!マキちゃんを殺すなんて出来ないよ!おじさん達が解決方法を考えてくれるから!冗談でもそんなこと言うのはやめてよ!」
マキはうつむいて
「冗談を言う余裕もないんですよ、真白ちゃん。真白ちゃんが私を殺せないなら、私が真白ちゃんを殺すだけです。」
マキはそう言うとポンチョの中に隠していた日本刀を構えて真白の腹を貫いた。
真白の頭に色々なことが駆け巡った。
(私、刺された?おかしいなぁ、刺されるほどヤワなキャラだっけ私?)
(すっごい痛いなぁ。・・・それに熱い。刺されると熱いって本当だったんだ・・・。)
(そうだ。私が死んでも扉が開くんだった。・・・でも嫌だよ、マキちゃんが人殺しになっちゃうよ・・・。それだけは・・・、それだけは嫌だ!)
そしてやっと出た言葉は、
「・・・マキちゃん・・・やめて・・・。」だった。
マキは真白の言葉を無視して、日本刀で真白の腹を掻き回す。前後に出し入れする。
真白の制服がどんどん真っ赤に染まっていき、グジュグジュと真白の肉や内臓が切れる音がする。
真白は足をガクガク震えさせながら
「・・・お願いグハッ!・・・グウゥ・・・。マキちゃん・・・ウウッ!・・・こんなこと・・・やめて・・・。ガハッ!マキちゃんらしく・・・ゴボッ!ないよ・・・。お願いだから・・・。」
血を吐きながらマキを説得する真白。だが、
「真白ちゃんが悪いんですよ・・・。私を殺してくれないから・・・。」
マキは変わらず真白の腹を掻き回し続ける。
「グッ、ウウウ!・・・死ねない・・・。私が死んだら、マキちゃんが殺人犯になる・・・。ギィィ!そんなこと・・・絶対に・・・グフッ!・・・させない!」
真白は自分を刺し貫いている日本刀を掴んで強引にマキの手から引き剥がし、自分の腹からも引き抜いて外に投げ捨てた。
「ハァハァ、落ち着いてよ、マキちゃん・・・。絶対におじさん達が助けてくれるからさ・・・。」
真白はマキに笑顔で語りかけた。しかし、
「・・・あ、あれ・・・?」
足がふらつき、そのまま倒れてしまった。床で仰向けになり痙攣する真白。その太ももにマキが乗っかり、ポンチョを脱ぎ捨てタートルネックに包まれた華奢な上半身を露わにする。
「血を出しすぎですよ、真白ちゃん。普通なら失血死ですが、まだ生きてるなんて流石真白ちゃんですね。」
そう言いながらマキは真白にズボンのポケットに入っていたナイフを握らせ、その後両腕を広げて、
「私が憎いでしょう、真白ちゃん。ナイフでめった刺しにしてください。私なんて刺されたらすぐ死にますよ、さぁ。」
真白はすぐにナイフを遠くに投げ捨てた。
「いい加減にしてよマキちゃん!・・・私はマキちゃんを殺さない。マキちゃんにも殺されない。・・・絶対に!」
「・・・仕方が無いですね。」
マキは再びポケットからナイフを取り出した。そして、そのナイフで真白の制服を縦に切り裂きブラジャーも切り裂いた。そのまま上半身の服を広げ真白の裸体を露わにする。
「真白ちゃんってスレンダーなのに胸が大きいですよね。それに形もいい・・・。私ずっと嫉妬していたんですよ。私は胸が小さいから。」
そしてマキは両手でナイフを振り上げ、真白の左胸を突き刺した。
「グッ!、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
絶叫する真白。マキは構わずナイフを右胸、次は左、次は真ん中と休む間もなく刺していく。
おびただしく流れていく血。出血はマキの体にもかかり血に染めていく。
やがてマキは刺すのをやめた。真白の胸部分は刺し傷だらけになり、真白の呼吸は激しいものになっていく。
「・・・どうですか、真白ちゃん。肺も心臓も刺された。普通ならもう生きてはいません。
でも真白ちゃんは生きている。本当に超人ですよね、真白ちゃん。・・・いい加減私を殺してくださいよ・・・。」
「嫌だっ!マキちゃんは殺さない・・・。一緒に帰るんだっ!」
「・・・なら、真白ちゃんを殺すだけですよ。」
「嫌だっ!私は死なないっ!・・・私が死ねば、マキちゃんは殺人犯になる。マキちゃんを犯罪者なんかにさせないんだっ!」
「・・・私はもう傷害罪の罪人ですよ・・・。裁かれるべき女なんですよ。」
「駄目だっ!私は何処にも訴えない・・・。だからマキちゃんは無罪なんだっ!マキちゃんが背負うべき罪なんて、何処にもないんだっ!」
「・・・本当に強情ですね、真白ちゃん・・・。私の体内時計だとこれまでに30分経過しました。あと、1時間です。真白ちゃん、ゲームをしましょうか?真白ちゃんが、1問でも正解したら、私は真白ちゃんを殺さないし、私も死にません。」
「・・・本当に・・・?やるよ・・・。何でも・・・。」
「それじゃあ。」
マキは真白の鳩尾をナイフで刺した。
「・・・え?」
「ゲームスタートです。」
マキは真白の鳩尾に刺したナイフを一気に下腹部まで切り通した。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
真白の絶叫が部屋全体に響き渡った。
「ゲームは、真白ちゃんの内臓あてクイズです。私がこれから切り取る真白ちゃんの内臓の名称を答えられたら真白ちゃんの勝ち。答えられず死んだら負けです。」
そう言いながら、マキは真白の腹を切り裂いて出来た傷口を無理矢理広げていく。ドバドバと血が噴き出し、真白とマキを血に染めていく。
真白の腹は解剖されたカエルのようになった。
マキは真白の腹の中に容赦なくナイフを持った手を突っ込んでいき、内臓を切り取っていく。
「ぐがぁぁぁぁぁぁ!!!!!がはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「それでは第1問です。これは何でしょう?」
マキは楕円形の内臓を取り出した。真白は自分の中にこんなモノが入っていたなんて想像もしていなかった。
「え・・・、何・・・これ・・・。」
「時間切れです。答えは腎臓。ちなみにトリビアですが、戦場で兵士は相手の腎臓を刺す訓練をするそうです。刺されると失血性ショック死する器官だから。・・・よく生きてますね、真白ちゃん。」
マキは真白の腎臓を投げ捨てた。
「・・・良いから、次・・・。絶対正解するから・・・。私達は生きて帰るから・・・。」
マキは真白の必死の決意を無視して、またしても内臓を切り取っていく。
「ぐぶ・・・。ぐ・・・。」
「第2問です。これは何でしょう?」
マキは歪な形の細長い肉塊を取り出した。
「ち・・・腸・・・。」
「外れ。答えは子宮です。これで真白ちゃんは一生子供を産めなくなりました。真白ちゃんなら元気な赤ちゃんを確実に産めるのに・・・。良いお母さんになれた筈なのに・・・。」
マキは真白の子宮を投げ捨て、真白の身体に自分の身体を沿わせて、顔を近づけて言った。
「真白ちゃん、悔しいでしょう?私を恨んでいるでしょう?私を殺して下さいよ。その余力はあるはずです。こんな悪魔みたいな事をする女はこの世にいてはいけないのです。」
真白はマキの胴体をガッチリ掴んだ。マキは、
(凄い力・・・。ようやく殺してくれるんだ・・・。私の胴体の骨をぐしゃぐしゃにへし折りますか?それとも、上半身と下半身を千切りますか?・・・痛く激しく殺して下さい。)
そう思った。しかし、真白はマキの上半身を元の直立の体勢に戻しただけだった。
真白は血だらけの顔で笑みを浮かべて、
「次の問題・・・まだ・・・?次こそ絶対・・・正解するから・・・。みんなで・・・帰るから・・・。」
真白の発言にマキは無言だった。マキは無言で真白の腹の中をまさぐった。
「ごふっ!ぐううっ!がふっ!ごぼっ!」
「・・・第3問です。これは?」
前の2つより明らかに大きい内臓だった。でも人体模型で見たことがある。これは、
「か・・・、かん・・・ごふぅぅぅぅぅ!!!!」
真白はそれがなんなのかわかった。しかし逆流する鮮血が真白の口から溢れ答えを遮った。
「時間切れ。答えは肝臓です。・・・真白ちゃん、食べますか?自分のレバー。」
マキは真白の肝臓をナイフで切り取り、切り取った肝臓の一部を真白の口に突っ込んだ。
「んぐっ!ぐぅ。むぐぅ。」
「噛んで飲み込んで下さい。真白ちゃん。飲み込まない場合、次の問題は出しません。」
真白は自分の肝臓を咀嚼し、飲み込んだ。
「・・・何でそんなことが出来るんですか、真白ちゃん・・・。」
「・・・友達だから、だよ・・・。大切な・・・友達だからだよ。クイズ出しておいて・・・そんなこともわからないの?・・・マキちゃんは・・・アスナロを助けたいから・・・心を偽ってるだけだよ・・・。マキちゃんは・・・本当に優しいね・・・。」
微笑みを浮かべる真白。マキは罪悪感で頭がいっぱいだった。
マキは頭を振り罪悪感を振り払った。そして改めて決意した。真白ちゃんには死んでもらう。そして、私も死ぬ。そうすればマスターは助かる。真白ちゃんには死後の世界で謝ろう。いや、真白ちゃんは天国へ行き、私は地獄へ行くから謝れないか・・・。
マキは再び真白の腹に手を突っ込んで内臓を切り取った。真白は声もあげなかった。超人のような真白についに限界が来たことがマキにわかった。
「・・・次の問題です。・・・これは?」
「・・・・・・・・・・・・・・い・・・・・・・・。」
真白は回答がわかった。それの名称も言った。しかし目の前が急速に真っ暗になっていく。
(・・・駄目だ・・・死んだら、マキちゃんが殺人犯になる・・・。死ぬな・・・。動け・・・、私の・・・心臓・・・、う・・・ご・・・。)
真白は目を開けたまま動かなくなった。首が傾いている。
マキは真白の心音を確認した。完全に停止している。呼吸も確認した。全くしていない。
(・・・ついに、真白ちゃんが死んだ・・・。私が・・・殺した・・・。)
部屋の扉が開いた。デスゲームの犯人も真白の死亡を確認したのだろう。
マキは体内時計で確認した。残り30分。
マキは真白から離れて、武器を探した。
できる限り自分が苦しんで死ねる武器を。
名雲達の部屋の扉も開いた。
「扉が開いたって・・・まさか・・・。」
「あいつら・・・。」
数分たって名雲達の部屋に入ってきたのはマキだった。
「私達は隣の部屋に監禁されていたみたいです。本当に悪趣味ですね、この犯人は。」
アスナロは血まみれのマキを見て驚愕する。
「マキちゃん・・・まさか・・・。」
「はい、マスターの考え通りです。・・・私が真白ちゃんを殺しました。」
名雲は何も言わなかった。
「後は私が死ねば、マスター達の爆弾は解除されます。・・・私、武器を探していました。出来るだけ苦しんで死ねる武器を。チェーンソーでバラバラになった方がいいと思いましたが、重くて持てませんでした。それで、これにしました。」
マキは匕首を手にしていた。そして正座をした。
「切腹は一文字腹と十文字腹どちらが良いと思いますか?答えは聞いてません。十文字腹の方が苦しいですよね。最後までやりきって苦しんで死んで見せます。」
「マキちゃん!やめ」
マキは自分の左脇腹に匕首を深々と突き刺した。そして右に腹を切り裂いていく。
「ぐふっ!ぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
「やめろ!止めてくれ!マキちゃん!」
「・・・これは私のマスターに対する最後の意地悪です。本当に性格の悪い助手でごめんなさい・・・。こんな悪魔みたいな女は忘れて、次は性格の良い助手を見つけて下さいね。」
そう言いながらマキは腹を切り裂いていく。ブチブチと自分の内臓が、薄い腹筋が千切れていくのがわかる。アスナロが泣きながら何かを叫んでいるが、耳鳴りがキーンとし何を言っているか聞き取れない。
(マスターの声が聞こえなくなった・・・。腹を切り裂く苦痛より辛い・・・。これが私の最初の罰・・・。)
「ごはっ!ごふっ!ぐはっ!」
血を吐きながら切腹を止めないマキ。ついに自分の腹を横一文字に切り裂いた。
「・・・切り裂きました・・・。私も頑丈ですね・・・。これでも死なない。でもいいんです。これは、私の罰だから。真白ちゃんを殺した罰だから・・・。」
アスナロが何かを言っている。聞こえない。
「がはっ!・・・ふふ、聞こえませんよ、マスター。安心して下さい。最後まで綺麗な切腹をご覧に入れます・・・。」
マキは鳩尾に匕首を深々と突き刺した。そして下に切り裂いていく。
ぶちぐちょじゅぼぐちょぐちぃ。
耳が聞こえないはずなのに、こんな音が聞こえた。自分の腹の中がぐちゃぐちゃになっていく音。
(なんて汚い音。私が最後に聞く音にはふさわしいですね・・・。死んだら、地獄ではどんな拷問を受けるのでしょう・・・。無になるなんて御免ですよ。私は苦痛を味わい続けないといけない・・・。罰を与えられ続けないといけない・・・。)
そしてマキの匕首が下腹部に届きそうになったとき、
「おじさんっ!犯人捕まえたっ!もう自由だよっ!」
マキは幻聴だと思った。ありえない。この声を聞くなんて。
マキは後ろを振り向いた。
真白が仁王立ちしていた。左脇に抱えているモザイクが必要なほどミンチになっている肉塊が犯人だろうか。
「まし・・・ろ・・・ちゃん・・・。何で?呼吸も心臓も止まっていたのに・・・。」
「・・・胸ぶち抜いて無理矢理心臓動かしたっ!肺も動かしたっ!」
よく見ると真白の胸の中心に大穴が空いている。
「なんて人ですか・・・。はは・・・。」
そう言ってマキは倒れた。
肉塊を放り投げてマキに近づく真白。
「マキちゃん!しっかりして!しっかりして!」
(私が最後に見る人が、殺したはずの真白ちゃんなんて・・・、これってどういう罰ですか・・・。)
マキはそう思いながら目を閉じた。
真白が目を開いたのは病院の中だった。
「・・・マキちゃん!」
「起きたか。真白。」
名雲は並べた椅子の上で寝ていた。
「真白、お前は3日間寝ていた。その間、俺は数時間立ってお前を見ていて・・・、全身筋肉痛で動けなくなった。」
「おじさんのことはどうでも良いよ・・・。マキちゃんは。マキちゃんは無事なの?」
「自分のことより殺そうとした相手の心配かよ・・・。結論から言うと、マキさんは無事だ。アズハの見立てだと後2~3日で目が覚める。」
「良かった・・・。」
「それと、お前の状態を説明させてくれ。お前は、マキさんが倒れた後、意識を失った。俺達はデスゲームの場所から救急車を呼んだ。医者は、お前の状態を見て、即「手の施しようがない」とさじを投げた。俺はとにかく輸血をしてくれと頼んだ。お前の身体は物凄い勢いで血液パックの血を吸収した。病院に運ばれ、血液パックを数百個消費して1日か2日でお前は全身の傷や切り取られた内臓を完全に再生させた。医者からは「このお嬢さんは魔人ブウか何かですか?」と言われたよ。」
「・・・私、赤ちゃん産めるの?」
「問題ない。」
「そっか・・・。」
真白は女の端くれとして、そこは素直に嬉しかった。
「・・・マキちゃんは。酷い傷だったけど、大丈夫なの?」
「マキさんも医者はさじを投げた。病院までもたないと言われた。俺はアズハに電話をしてどうすればいいか藁にもすがる思いで事情を話した。アズハは真剣な声で「新鮮JKの皮膚の一部でも良いから切り取って切り裂いた腹の中に入れろ」と言ってきた。あの女ついに狂ったかと思ったが他に方法がないのでやった。お前の皮膚はマキさんの体内で一気に増殖し、傷を塞いだ。呼吸も脈拍も正常になった。レントゲンを撮ったら内臓も完全に健康体になっていたらしい。正直俺は、遊星からの物体Xを見た思いだったよ。」
「良かった・・・、マキちゃんは元通りなんだね・・・。」
真白は心から安堵した。
「ところで、おじさん、煙草臭いよ。」
「・・・あぁ、煙草の量が増えた。俺も正直あの事件はキツかった。煙草に逃げてる。」
「・・・犯人殴り足りなかった?」
「十分だ。恐らくあの犯人は極刑かそれに近い刑に処されるだろうが、それ以前に取調室で錯乱している。「ゴリラが殺しに来る。」と言い続けている。」
「じゃあ私、マキちゃんの様子見に行くね。同じ病院にいるんでしょ。」
真白は全く元通りの様子で病室を出た。
マキが目覚めたのは真白が目覚めた後の2日後だった。
「・・・ここは・・・。」
「マキちゃん!目が覚めたんだ・・・。良かった・・・。良かったよぉ・・・。」
ベッドの側でアスナロが泣いていた。
「マスタ-・・・。」
マキはアスナロを抱きしめたい気持ちだった。しかし、思い出した。自分にはその資格が無いことを。自分は重罪人であることを。
マキは上半身を起き上がらせて、病院服をめくった。腹の傷は無かった。綺麗な柔らかい女の腹だった。
「・・・なんで傷がないんですか・・・。」
「マキちゃん!無事で良かったよ。」
足下に真白が立っていた。名雲もいた。ちなみに名雲も今日やっと起き上がれるようになったばかりだ。
名雲はマキに経緯を説明した。マキは小刻みに震えていた。
「・・・なんで私をそのまま死なせてくれなかったんですか・・・。せめて、傷跡を残して欲しかった・・・。私は何を見て罪の重さを自覚すれば良いんですか・・・。」
「本っ当にしつこいなぁ、マキちゃん!マキちゃんに罪はないの!無罪なの!」
「・・・真白ちゃん、私を殴って下さい。痛めつけて下さい。原型がなくなるくらい。」
真白はマキの顔を平手打ちした。もちろん軽く。
「これでおしまい!」
「・・・足りません。醜い顔になるまで殴って下さい。殺しても構いません。」
真白はマキの陰部を鷲づかみにした。
「あがががががががが!!!!!!痛い!痛い!痛い!」
名雲とアスナロはドン引きした。
「痛いって言ったよね。それって生きたいって言う証拠だよ。マキちゃんは生きるべきなんだよ。」
「私は・・・。」
真白は再びマキの陰部を鷲づかみにした。
「やめて!やめて!やめて!貴重な卵子が!貴重な羊水が!」
「本音が出たよね。マキちゃんは生きて赤ちゃん産みたいんだよ。早くアスナロと元気な赤ちゃん作りなよ。」
「あ・・・あか・・・、マスターと・・・」
マキは顔を真っ赤にしてうつむいた。アスナロも椅子から転げ落ちてもじもじしている。
(・・・やれやれ、なんとかなった、か。)
名雲は病室を出た。煙草を吸いたい気持ちだった。だが止めた。
若者達が陰惨な事件の後遺症を克服している。年長者の自分がそんなんじゃ駄目だろと戒めた。
(・・・若い?)
若干引っかかるところがあったが止めた。事件は解決した。1人も死なずに。それでいい。