望月亜也子および秋本麗子らこち亀女性刑事リョナ短編 作:ゴールドフォレスト
原作:逃げ上手の若君
タグ:R-18 残酷な描写 クロスオーバー リョナ 拷問 串刺し 貫通 望月亜也子 逃げ上手の若君 秋本・カトリーヌ・麗子 麻里愛 擬宝珠纏 磯鷲早矢 早乙女リカ こちら葛飾区亀有公園前派出所 原作キャラ死亡
亜也子が巴御前の血を引いていると分かったとき、作品も終盤なので「メイン話はこれで最後かな」と感じたので書きました。
麗子は常時セクシーポリスの姿です。麗子の普段の制服姿は個人的に気に入りません。
第1章 亜也子、未来世界へ
本編は武蔵野合戦前に、亜也子がふとした弾みで現代に転移したことから始まる。
亜也子は目を丸くした。文字通り。
辺り一面高層ビル群で。こんな建物は見たこともなく。
彷徨った。亜也子の姿を見て怪しむ現代の人は少ない。大抵は「巫女さんかな?」「それにしては背が高いね。」で済む格好をしており、警察に通報する人はいなくて。
それでも警察は来た。
こっちの方が通報される格好であった。
警察官の制服をビキニにしているような格好で。ほとんど裸で。
亜也子は自分より身長が大きい女性を久しぶりに見た。それはここがどこだか分からない亜也子を安心させて、何よりその表情が優しくて安心して。
彼女は秋本麗子と名乗り『時空捜査官』と名乗り、
「必ずあなたを元の時代に帰すから安心して。」
と言った。
第2章 早乙女リカ殉職
早乙女リカはこち亀世界における女尊男卑の象徴の様な存在と言われる。
正直、リカに関係無くこち亀世界の女性警官の半分以上が傍若無人であり公務員とも思えない豪華な生活をしているのだが、その女性警官達のリーダー的存在のリカがそのやり玉に挙げられることは仕方の無いことである。
そして、リカはそれを意に介さず常に自信を持って生きている。
実際美人であり、スタイル抜群。ちゃんと職務にも忠実・・・、結構違反行為してるが。そして料理の腕と面食いな点は最悪なのだが。
そしてリカは深夜真ん中分けのショートヘア、半袖制服とスカートといういつもの格好でパトロールして、2メートル以上の大きさがありそうな巨大な甲冑鎧の武者に出会った。右手には鉈ぐらいの大きさの太刀。銃刀法違反。
「そこの鎧の人物。止まりなさい!」
止まらない。リカは走った。
「止まれって言ってんのよ、この!」
背後からローキック。すぐに蹴りが出るのがリカの悪い癖で。
ドズゥ・・
「え・・・。」
リカの腹部に鈍痛が走った。腹部を見た。太刀が腹から突き出ている。
前を見た。鎧武者はいない。後ろを向いた。いた。
「な・・・んで・・・。」
鎧武者は回答しなかった。
グジグジグジュグジョグジャグジャ
代わりに太刀で腹を掻き回した。
「ぐあぁぁあぁ!ぐはぁ!ぐぼぉ!・・・ごぼっ。」
腹から背中から大量に血があふれ出す。口からも込み上げてくる血を押さえられず吐くリカ。
「がふっ!・・・こ・・・の・・・。」
裏拳。武者の顔に当たるが何のダメージも与えてないように見える。リカは太刀だけで空中にあげられ、再び太刀で腹を掻き回された。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ズドォッ!
武者はリカの左乳房を左手刀でぶち抜いた。
「ぐ・・・あ・・・。この・・・へん・・たいが・・・。」
手刀はリカの乳房をそのまま突き進み、肋骨を砕き、肺を潰し、心臓を掴んだ。
グジュグジョバキバキズボグジャ
「ぐぶ・・・お゙・・・あ゙・・・。ごふぅぅぅっ!」
リカの肉体に激痛が走るが、意識ははっきりしていた。
(終わりなの?こんなことで私の人生。嫌・・・死にたくない・・・。警官になって、まだやりたいことが沢山あるのに・・・。)
ボズゥッ!
リカの胸から何かがなくなった感覚がした。
ドクン・・・ドクン・・・
音の先を見た。自分の心臓だった。意外に小さいんだなぁと思った。
(両津のアホの顔が出てきた・・・。あいつの心臓は大きいんだろうな・・・。はは・・・死ぬ前に思い出すのがあいつかよ・・・。痛すぎる・・・。もういいや・・・。)
武者が言った。
「北条の心臓ではない・・・。無駄。不要。生ゴミ。・・・死ね。」
「え・・・。」
リカの腹を貫いている太刀が抜かれ、リカは膝をついた。左胸を見た。乳房が潰れて穴が空いて血が溢れている。
「私は・・・生ゴミ・・・。無駄・・・。・・・寒い。」
そのまま倒れるリカ。
(はは・・・。生ゴミって言われて死ぬのか・・・。はは・・・。)
リカは動かなくなった。武者は消えていった。
早乙女リカの死体が発見されたのはその30分後だった。
早乙女リカ:殉職。
第3章 亜也子の聴取および武者の捜査
亜也子は時空捜査官ビルと影で呼ばれているという高い建物の、中にある和室に泊めて貰った。やはり不自然さは拭えなかった。
この時代はもうこの文化はないんだろうなと感じた。
ちなみに幕府という政府体系も無いと聞いた。それはそうだろうと思った。700年近くも未来に来ているのだ。公家政権でさえそんな長寿な政権は存在しない。
だが聞けなかった。『鎌倉幕府で執権をしていた北条家はどうなったのか』とは。
翌朝起きて、布団をたたみ、出された朝食を食べた。
その後に、秋本麗子と麻里愛が来た。麗子は肌が目立つ着物で。麻里愛は半袖スカートの警察官制服で警察の帽子をかぶっている。・・・公儀で働く者達であろうが、服装が自由なのだろうか?
麻里愛という女性は、元は男だったらしい。やはり不思議な時代だ。
しかしそんな疑問より亜也子が気になったのは、2人の顔に泣いた跡があることだった。
「何か悲しいことがありましたか?」
「はは。ちょっとね。・・・友人が深夜に亡くなった。」
「辛いでしょうに。・・・何故仕事をされているのでしょうか?」
「私達は、あなた達の時代でいう侍所、守護、地頭にあたる役割をしていて、その友人も同じ仕事で、職務上死と隣り合わせなのよ。本当は死人ほとんど出ないんだけどね。でも、命を賭ける仕事には変わらない。・・・許せないのは、その友人は命を賭ける暇も無く標的として殺されたこと。」
「麗子さん。感情が出ています。」
「・・・ごめん、愛ちゃん。あと、亜也子さん。とりあえず、亜也子さんを元に戻す事が出来るまで、2~3日かかるらしいんだ。それまで我慢してくれるかな?」
「・・・外に出てはいけないのですか?」
「いけない。あなたが知ってはいけないことが沢山あるから。」
女性警官のリーダーだったリカが死亡し、女性警官達は機能停止になった。
宥めたのは中川だった。両津達は無視して捜査した。自分達は嫌われており、感情を逆なですると分かっていたから。不抜けた女性警官達を一喝したのは擬宝珠纏だった。「絶対に犯人を捕まえる。」と一致団結させた。
その義侠心が自分を武者の標的にさせるとは気がつかずに。
第3章 擬宝珠纏殉職
擬宝珠纏は江戸っ子気質で長身美女で腕っ節が強くスタイル抜群で、男性からも女性からも人気がある女性警官である。長髪を後ろにまとめ、顔の横に長く生やした前髪を均等に垂らしている。服装はリカと同じく半袖制服とスカート。
纏は刀に精通していた。武器が太刀であることを知ったとき、纏は東京中の刀職人に聞き込みを行った。傷口の形状から刀の大きさを予測して。符合する刀は無かった。
纏はリカの胸の傷が気になった。明らかに素手で貫いたモノだった。人間には出来ないもの。次に纏は神社仏閣を探し回った。より呪い等の噂が立っているものを。何か呪いを封じた神社仏閣を。そして深夜、ある神社で出会ってしまった。武者と。
「テメェか・・・。」
「北条か?」
「テメェがリカを殺したのか!」
「誰だ?この所は女しか殺していないが・・・。」
最初に対しした時の纏と武者の距離は10メートルくらいで。それから武者が発言してから3秒で纏の回し蹴りが武者の頭部を捕らえた。
蹴った脚を武者の左腕に掴まれた。そのまま地面に叩き付けられた。
「ぐはっ!」
苦悶の声をあげる纏だったが掴まれている脚とは反対の脚で武者にローキックを見舞った。無傷。武者は左手で掴んでいる脚を離し、次の瞬間には倒れている纏の腹に左拳をたたき込んだ。瞬間移動しているとしか思えない動き。
「がふぅ!」
武者が拳を捻りながら、纏の腹の奥にどんどん拳をめり込ませていく。鍛えられた腹筋が潰れていく。内臓が千切れていく。
「がぁ!うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
腹部を中心に走る痛みに絶叫する纏。しかし武者の力は強く逃げられない。
武者は太刀を地面に突き刺し、纏の頭部を右手で捕まえた。腹の左拳を抜いて。
空中にぶら下がる纏。纏は武者の右腕を殴る蹴るした。無傷。
ドボォッ!
左拳が纏の腹にめり込んだ。
「うっ!」
武者は腹を殴る。何度も。何度も。数十回くらい。
ボズッドゴッボズッズブッグチュ
「あうっ!かはっ!ご・・・かあ・・・あう!」
(あー腹の感覚がわかんない。腹の皮膚や筋肉や中身がなくなっちまったみたいだ・・・。スゲェ痛ぇのに・・・。)
纏はそう思いながら反対の発言を武者に突き立てた。
「・・・ちっとも効かねぇよ・・・。へへ。弱ぇな・・・お前・・・。」
武者は纏の腹に手刀を突き刺しそのまま貫いた。
ドズッ!グブブブブブブ・・・ズボァッ!
「ぐはぁ!あ・・・か・・・。ごぶぅ!ぐふ・・・。」
武者は一の腕まで拳をめり込ませる。纏は武者の腕を掴み、目を見開いて真正面を向いて血を吐きながら耐えている。
武者は貫いた左腕をグリグリと掻き回す。
グチュゴリグチャグチュグチュグチュ
「あ!ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!ごはぁ!あああぁぁ!!!ぐぶぅ!」
5分くらい経過しただろうか。武者は貫いた左腕を抜き頭を掴んでいる右手も離した。
「がはぁ!か・・・あ・・・う・・・。」
纏は地面にそのまま落下した。直後に胸を反らして痙攣する。・・・やがて自分の首を起こし腹に空いた穴を見つめる。
(・・・これでまだ生きてるって事は戦える・・・。筈なのに身体が思うとおりに動かねぇ・・・。畜生・・・。畜生・・・。)
纏は涙を流していた。悔しくて仕方なかった。
武者は纏の腹に空いた大穴に両手を突っ込んだ。纏に怖気が走った。
グチャボキグチャグチャビチビチビチ
武者は腹に空いた大穴から胸へと纏の肉をどんどん裂いていく。乳房が邪魔だ。千切る。肋骨が邪魔だ。かき分けるように折る。
「がはぁぁぁぁぁぁ!!!!ぎゃあ!あう!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
(負けて・・・たまるか・・・。せめてこいつに一撃ダメージ与えないと気が済まない・・・。)
纏の臍から胸にかけての部分が完全に開かれた。おびただしく出血する纏の肉体。むき出しの肺が激しく動いている。普通なら死ぬのだが纏は執念で命を繋いでいた。
(私の身体・・・動け・・・動いてくれよ・・・。)
武者は肺をかき分け、心臓を引き抜いた。纏の目の前で心臓を潰す。
「これも北条の心臓では無い。無駄な時間だった。」
武者が消えた。解剖された存在のような状態で、まだ生きてる纏だけが残っていた。
纏は神社の賽銭箱を見た。このためにビデオカメラを何台も用意して神社仏閣各所に設置していた。武者に戦う前に録画ボタンを押したカメラ。
自分が嬲り殺されても、相手の姿を撮影するために。
(後は、任せたよ・・・勘吉。・・・正直あんたと結婚しなくて良かった。してたら未練があってこんな事出来なかった・・・。・・・嘘だよ。悔しいよ・・・。)
その思いを最後に纏は目を瞑り息絶えた。
擬宝珠纏:殉職。
第4章 亜也子、北条時行の最後を知る。および武者の捜査
武者による二名の女性警官惨殺事件で全警察は混乱していた。時空捜査官も混乱していた。
亜也子は秋本麗子と麻里愛が来ないので、外に出ることにした。無理も無い。4日も室内にいて大人しくしていられるはずが無い。
この時代に来る前に来ていた巫女装束に着替え、天井から屋根裏に入った。他の部屋に続いていた。本来ならバレるだろう。でもバレなかった。それほどの事態が起きていることを察した。屋根裏から裏口らしき所の下に出れた。扉があったのでこじ開けて出た。
親切そうな人を探した。気になっている事があったから。聞いてはいけない事だと分かっていたが。
一人目に「北条時行って調べたいのですが。」と聞いた。何か小さい板で調べてくれた。でも具体的な情報は出なかった。当然だ。我が夫は天下を取る事を望んでいない。ただ足利尊氏を止めること。それだけが宿願だ。歴史に大して名を残せなくて当たり前だろう。同じ人にしつこく頼んでいても迷惑だろうから礼を言って、別の人に依頼した。
二人目に「北条時行という人物の最後を知りたいのですが。」と聞いた。聞くのに魂が砕ける思いがした。小さい板で調べてくれた。その箇条書きを見て亜也子の魂は砕けた。
「足利方に捕らえられ、鎌倉龍ノ口で処刑。享年は20代半ばと推測。」
ははは、若様が、時行様が、処刑。
しかも足利に。ははは。
私の人生は何だったのか。
巴御前に憧れた
。・・・そう言えば巴も夫、源義仲を守れず出家した。夫を守れぬ女に憧れたから負けたのだ。ははは。
・・・私はどう生きればいいんだ。
・・・途中で明らかに風体が悪そうな男数人に囲まれ路地裏に連れて行かれた。
適当に叩きのめした。ちょうど良い、こいつらから金を失敬しよう。
価値が分からない。とりあえず一番大きい貨幣にしよう。
亜也子は500円玉数枚を持って、街を彷徨った。生きる気力がないのに腹が減った。
何か菓子が売っている店があるので買って食べた。若様と食べたかったなぁ。私がふがいないせいで処刑されたが。
しかし、やたらと風体の悪い男に絡まれる。叩きのめして500円玉を手に入れる。目立つのを避け、木に登って緑に隠れるように寝た。
明日からは死に場所を探そう。
早乙女リカと擬宝珠纏が死亡した。殺し方からして人の手口ではない。纏のビデオカメラから纏が嬲り殺される映像が出た。もちろん両津ら精神的に気丈な人物数人しか見ていない。犯人のおおよその姿は分かった。両津は会議室の壁を破壊して無言で出て行った。
他に決意を持って出ていく者がいた。磯鷲早矢である。
第5章 磯鷲早矢戦死。および亜也子、武者に拉致される。
磯鷲早矢は弓道の名手であり、陰陽師の家系である。
纏よりはるかに長い長髪を後ろにまとめ、顔の横に長く生やした前髪を均等に垂らしている。今夜の服装は弓道着。胸が盛り上がって見える。設定上彼女のバストは小さく設定されているが、作中はどう見ても他の女性陣と同じく胸が大きいように見える。どうでも良いことかもしれないが。
今夜の自分は警官ではない。もう警官に戻るつもりもない。今夜何かしらの存在を殺めるのだから。
武者が出現する場所は気を巡らせて分かった。深夜、某寺院。思えば、自分がリカさんの死で動くべきだったろう。そうすれば少なくとも纏さんは死なずに済んだだろう。本当に自分は愚かだ。早矢は寺院境内中央に正座して待っていた。武者が現れた。早矢は立ち上がった。
「北条か?」
「北条とは何ですか?」
「我が母の敵だ。」
「どの北条家を指しているかわかりませんが、少なくとも私は違います。」
「そうか・・・死ね。」
「あなたが消えなさい。」
早矢は弓矢を構え射った。武者の額に当たった。武者は意に介さず矢を抜き、次の瞬間早矢の目の前にいた。
「え・・・?」
ズブゥ・・・。
武者の太刀が早矢の腹を貫いた。
「ぐぶぅっ!・・・か・・・。」
武者は太刀を引き抜いた。そして左腕を早矢の傷口に突っ込む。
グジュグジュグジュブブブブブブブ
「ああ・・・。がはぁ・・・ぐ・・・ぶ・・・。」
腸を引きずり出した。
ズルルルルルルルルル
「あ゙・・・お゙・・・。ごぶぅぅぅ・・・。」
血を吐く早矢。武者は太刀を地面に置き、胸当ての部分に右手手刀を突き刺した。
ズボォッ!
「あうっ!がはぁ!・・・ふふ、心臓はそちらではありませんよ・・・。」
早矢は至近距離で武者の顔面を射貫いた。・・・射貫いたのに武者は平然としている。
「何故ですか・・・。がふっ!」
武者は早矢の右胸を突き刺しているがそのまま腕を潜り込ませ、左胸に突き進んだ。
ズチュグジュグジュグジュボキボキボキ
「あおおおおお!!!!ぐ・・・ぶ・・・。あぐ!」
早矢は自分の胸を見た。腕が突き刺さった右胸。そして体内で腕が動くのでボコボコと変形していく他の胸部分。
(ああ・・・自分の胸がグチャグチャになっていくのが分かります・・・。なんて痛み・・・。潮時ですね・・・。)
弓道衣にはポケットがついている。そこから早矢は手榴弾を取り出した。ピンを抜いた。
「・・・あなたは、私とここで死ぬのです。」
爆発した。
亜也子は悪寒がして目が覚めた。
その悪寒の方に駆け出した。
ボロボロの姿の武者がいた。片手で胸から下がない女性の頭部をもって。
「何をしている!」
「に・・・げ・・・て・・・。」
早矢はその状態でもまだ生きていた。痛みもあった。数十秒後には死ぬが。
武者は早矢を亜也子の方に投げつけた。受け止めた亜也子にボロボロの早矢が話す。
「に・・・げ・・・。」
その言葉を最後に早矢は動かなくなった。
磯鷲早矢:戦死。
亜也子は早矢の目を閉ざし、隅に置いた。そして武者に殴りかかった。
武者は拳を受け止めた。
「離せ・・・。」
「・・・北条の臭いがする・・・。」
「え・・・?」
ドゴオッ!メキメキメキ・・・
亜也子は武者に思いっきり腹を殴られた。それは深々と潜り込み背中が盛り上がる。
「ごはぁっ!お゙・・・。お゙・・・。」
亜也子は意識を失った。武者は亜矢子を片手で担いでどこかへ消えていった。
第6章 亜也子拷問される。駆けつける秋本麗子。
(う・・・。)
亜也子は目が覚めた。
手足から激痛がした。見てみると鉄と鉄の柱の間に磔にされている。両手と両足首に釘を刺されて。抜こうとしたが抜けなかった。
「目が覚めたか、北条。」
ボロボロの武者がいた。
「お前は何者だ・・・。」
「我に名はない・・・。我が母は我に名をつける前に、我を産む前に死んだ。名を望月亜也子という・・・。」
「え・・・?」
「我が母は北条時行の盾になって死んだ。百本以上の矢を受けて矢襖になって死んだ。・・・時行は逃げた。母を置いて・・・。母の胎内にいた我を置いて・・・。許せぬ。」
「違う!若様が、時行様がそんなことをするはずが・・・。」
「我が母の願いだ・・・。だが、逃げるか?愛する女に背を任せて逃げるのか?」
(そうだ・・・。若様なら私の願いを聞く・・・。心を砕いて私を置いていく・・・。)
「・・・だからどうした・・・。時行様の真の心も分からぬのか。時行様の血を引いていながら!」
ズドォッ!
「ご・・・お・・・!」
亜也子は武者に太刀で腹を貫かれた。
「がはっ!・・・ふふ・・・嬲れ・・・。私はお前を産めなかったふがいない母だ・・・。
気の済むまで嬲れ・・・。」
「・・・お前は母ではない!」
グジョグジュグジョバキバキグジョバキ
武者が亜也子の腹を掻き回す。
「お゙・・・あ゙・・・。ごぶぅぅぅ!!!がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
武者が太刀を引き抜いた。
「あぉぉぉ・・・・。ははは、どうした・・・。お前の恨みはもう終わりか・・・。」
「お前が本当に母ならここを貫けば我は生まれぬはず・・・。」
(待って!そこだけは・・・。止めて・・・。)
ズシャァ・・・
「あ・・・。あ・・・。あ・・・。」
亜也子の陰部が武者の太刀をどんどん飲み込んでいき、鮮血を吹き出す。
(終わっていく・・・。私の女が・・・。一度も子をなしていないのに・・・。)
武者が太刀を引き抜いた。鮮血を出し続ける自分の陰部を亜也子は虚ろな目で見ていた。
「・・・我は消えない・・・。お前は母ではない・・・。死ね。」
(はははは・・・。愛する夫を守れず、己の子に殺されるのか・・・。愚かな女に似合いの末路だ・・・。)
ガァン!
銃弾が武者の肩に当たった。
「発信器をつけていたのに間に合わなかった・・・。償いは必ずするから!」
(麗子さん・・・。)
第7章 亜也子と麗子による決着。・・・生き残るのは1人だけ。
ダンダンダンダン!
武者の顔面に弾丸を当てていく麗子。武者には通用しない。
武者が消えた。麗子は背後に回し蹴りした。
「同じ手が何度も通用すると思わないで!」
初めて武者が倒れた。麗子は容赦なく武者の顔面に弾丸を当てていく。
・・・武者が動かなくなった。
麗子は武者に構わず、亜也子の手足の拘束を外そうとした。
「大丈夫だから・・・。この怪我なら何とか出来る方法があるから・・・。」
「無駄ですよ・・・。腸が裂かれています・・・。私は死にます・・・。逃げてください・・・。」
「あなたは歴史の礎なのよ!生きて!義務があるの!」
「私は何も残せなかった・・・。むしろその武者は私の遺児・・・。負の歴史しか残していない・・・。ここで死ぬべきです。」
亜也子は麗子に頬を叩かれた。
「生きろって言っているでしょう!あなたの存在自体に価値があるの!だかr」
ズボォッ!
麗子と亜也子は揃って胸を貫かれていた。麗子は左胸と乳房を、亜也子は胸の真ん中を。
「あうっ・・・がはぁ・・・あ・・・ん・・・」
「が・・・は・・・」
・・・麗子は胸を貫かれても亜也子の拘束を解くのを止めなかった。両手の釘を抜いた。
麗子は後ろの武者を見た。
「・・・こんなもの、邪魔!」
後ろ蹴りで武者を吹き飛ばした。
グジュッ!ブジュ!グジュッ!
「ぐふっ!くううううううう・・・・!こんなものぉぉおおお!!!!」
「あうっ!・・・はぁ・・・。」
麗子は残った自分達を貫いている太刀を無理矢理抜いた。そして、亜也子の脚の拘束を解いた。崩れる亜也子を抱きかかえた。
「・・・ごめんね・・・。命を費やして治すから・・・。」
(命を・・・費やす?)
麗子は立ち上がった。背後にいる武者に気が付かなかった。両手が背中を狙っているのに気が付かなかった。
武者の両手の手刀が麗子の腹を貫いた。
ズドォッ!
「がはっ!」
そのまま真横に麗子の腹を引き裂いていく。
ミチミチミチブチブチブチ
「ごぶっ!・・・あ゙お゙!・・・ご・・・あぁぁぁぁぁ!!!!」
(やめてくれ・・・。やめて・・・。)
麗子が引き裂かれるのを亜也子は止めるよう祈るしかなかった。
「亜也子さん・・・動いて・・・。一回だけで良いから・・・。がぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ズブァァァァァ!!!!
麗子は腹から一気に胸まで引き裂かれ砕け散った。
・・・次の瞬間には亜也子は武者の首に飛びつき、腕を絡ませていた。
「これは私の罪だ・・・。共に地獄へ逝こう・・・。」
亜也子は武者の首を引きちぎった。武者の首は落ち、身体と共に消えていった。
武者の首を掴んでいた亜也子も地面に落ち、そのまま動かなかった。
「よくやったわ・・・。亜也子さん・・・。」
麗子だった。頭部と左胸と左腕しかなかった。それだけで這いながら近づいてきた。
麗子は亜也子の身体に触れた。
「私の命をあげる・・・。それだけじゃ足りないから・・・。もう1人が来た・・・。」
麻里愛が来た。亜也子の身体に触れた。麻里愛の胸と腹と陰部が裂けおびただしい出血をする。
「ご!おああぁぁぁぁぁ!!!!!ぐぶ・・・がはっ!あううううう!!!!・・・亜也子さん、こんな痛みを・・・。よく頑張りましたね・・・。」
「何故ですか・・・。何故私なんかのために・・・。」
「・・・警察官の責務だからよ・・・。」
「・・・警察官の責務だからです・・・。」
亜也子の意識は闇に落ちていった。
第8章 亜也子、元の時代に帰る。その後。
今の亜也子は傷一つない。麗子と麻里愛が命を代償に治したから。
亜也子は虚ろな目で中川の帰る前の説明を聞いていた。
「・・・すみません。私、帰っても意味ないです。・・・私の夫は処刑されます。・・・私も後を追うでしょう・・・。意味なんてないんです・・・。何で、私なんかのために2人が死ななければならなかったんですか!」
亜也子は泣き崩れていた。中川は淡々と説明した。
「・・・源義経がモンゴルに逃げたという話は知っているかな?」
「え・・・?」
「そういう逸話があるんだ。判官びいきと言われて義経が兄である頼朝に裏切られた事があまりに可哀想で作られた話らしいけど・・・。そういう風な卑怯な手を使っても良いんじゃないかな?」
「でも、北条時行は処刑されたと・・・。」
「年齢不詳の人物は最後も明らかではない。・・・確証はない。僕に言えるのはそれまでで、・・・正直僕も辛いんだ。親しい人が一気に死んでいったから。」
「はい・・・。」
亜也子は元の時代に帰った。
その後、北条時行は鎌倉龍ノ口で処刑された。ちなみに、それ以降逃若党と呼ばれる時行の側近達の中で変装が上手な人物の姿が消えているが、その人物は朧気に歴史に名が残っているだけで生没年すら定かではない。
最終章 その後のその後。
亜也子は没年まで望月の性を名乗っている。夫が自分の性をつけることを禁じたから。夫は姓も名も変えたから。
亜也子は信濃にいる。5人の子と共に。夫の正室の巫女が信濃に匿える領地を作ったため。
亜也子の年齢はまだ20代前半である。しかしどうしても心から罪の意識が晴れない。何で生きているんだろうと思いながら生きている。
下駄の音がした。着物を着た背が低く体格の良い太眉の男。
「まったく、時空捜査官なんて業務になっちまったよ。面倒くせぇ。」
「・・・何をしに来たのですか?」
「お前がはっきり生きていないから活を入れに来たんだよ。」
「そうですか。」
「一連の騒動でな。みんなガラッと変わっちまった。中川は様々な超常現象と戦う組織を作った。部長は後進の指導を遮二無二頑張っている。寺井って凡人が刑事まで昇格した。日暮っていう4年に1度しか起きない奴が、眠りもせずに超能力使いまくって、世界各地で活躍してる。他にも能力は高いが馬鹿みたいな奴らが、自分の限界まで頑張っている。これまで怠けてたのにな。」
「申し訳ございません。」
「俺はさ、神様のところまで自力でいけるんだよ。で、神からこう言われた。『お前達が能力があるのに怠けすぎたからこうなった』ってな。お前のせいじゃないんだよ。」
「でも、皆さんが死んだのは私のせいです。」
亜也子は男に頭を殴られた。
「お前のせいじゃないって言ってるだろ。・・・でも、お前今、生きるのを怠けてるだろ。」
「はい。」
「あの事件で死んだ女の半分以上がな、俺と気があったんだよ。一生に一度あるかないかのモテ期って奴だ。みんな死んで、またモテない男に逆戻りだ。・・・まぁ俺不死身とか千年は生きるとか言われてんだけどな。」
「私はもう生きたくありません。どう生きれば、どう償えば良いのか分かりません。」
「お前子沢山だな。その子供達を立派に育ててみろ。ちなみにな、お前がこれから生きる時代は戦ばかり起きる最悪な時代だ。歴史に名を残した奴らがバンバン哀れな最期を遂げていく時代だ。大事なのは歴史に名を残す事じゃねぇ。生き続けることだ。子供を生かし続けろ。それが試練だと思え。」
「・・・はい。」
「助けて欲しければ、祈れ。駆けつけてやるから。じゃあな。」
亜也子は泣いていた。でも、泣いていても仕方がないので、子を連れて屋敷に帰った。
望月・・・巴御前の家が現代まで続いているかは定かではない。北条の家も後北条家と呼ばれる関東全域を制圧した戦国大名の一族が血筋だと名乗っているが確証は低い。
しかし、望月家、巴御前の足跡は各地に残っている。異様なまでに広大に。それは望月家の血筋が日本各地で活躍したことの証左でもある。