原作:その着せ替え人形は恋をする
タグ:R-18 残酷な描写 リョナ 逆リョナ 腹パンチ 刺殺 電流 ヒロピン ヒロインピンチ その着せ替え人形は恋をする 姫野あまね 天野千歳 緒方旭 戦闘 バトル
アニメ見て2人はお似合いだと思ったんですよ。不器用で自分に自信を持てない旭ちゃんには、何だか不思議な雰囲気で全てを見透かして手を差し伸べてくれるあまねくんがお似合いだと。
アニメで村瀬歩さんの「ははははは。」という笑い方が好きですね。私、男ですがときめきます。
姫野あまねという人間は不思議な男だと思った。
私が喫煙と称して、推しである喜多川海夢の側から去り、外に出たとき、最初に私の側に来たのが彼だった。喫煙するなんて嘘をついて。五条新菜が来ることは分かっていた。彼は自己犠牲精神の塊のような存在だと、話してすぐに分かったから。でも何故姫野あまねは来たのか?しかもすぐに。未だに分からない。私がそんなに繊細ですぐ傷つく女に見えたのだろうか。・・・実際そうだけど。そして私が喜多川海夢を好きすぎて耐えられないと告白したときは、流石に2人とも呆けた。ごめんなさい、本当に不器用で馬鹿なんだよ私は。
あるコスプレイベントで、姫野あまねと再会した。北斗にゃんのコスだった。相変わらず女にしか見えない。
イベント終了後、私はそそくさと着替えて帰ろうとした。コスは好きだけど、人混みは未だに慣れない。歪んだ私。
「姉ちゃん、遊びにいかね?」
不良に声をかけられた。明らかにコスには興味が無く、そこに来た美人を狩る目的の輩。反吐が出る。無視して帰ろうとした。
・・・いつのまにか数人に囲まれていた。私は標的にされていたのか。私は男性っぽく見えるが、腕力にも体力にも自信は無い。というか、こういう状況すら初めてだった。怖すぎる。助けを呼ぼうにも声が出ない。・・・腕を掴まれた。このまま連れて行かれるのか。誰か・・・。
「やめろ。」
北斗にゃんのコスのままの姫野あまねだった。彼は人気で列がすぐに出来る。着替える暇も無かったのだろう。
「あぁ?お嬢ちゃんが相手してくれんのか?」
「僕だったら構わないけど?」
「ボクっ子って奴?最高w」
「その代わり彼女を離せ。」
「嫌だね。お嬢ちゃんが全員相手してくれるなら別だけど?」
「構わないよ。」
何を言ってるのあなた。男ってバレたら殺されるかもしれないのよ。
そのまま私達はワンボックスカーに乗せられ、手錠をかけられ拉致された。
しばらく走行しているときに、
「・・・一応言っておくけど、僕、男だよ。」
「は?」
姫野あまねは自殺志願としか思えない発言をした。
「股触ってみる?恐らく君たちより大きい。アソコがね。」
不良達は姫野あまねの陰部を触った。
数秒後、姫野あまねは顔面を殴られた。
「ざけんなよ。変態野郎。嬲り殺す。その後で震えている女を犯す。」
「ははははは。じゃあ僕が嬲り者にされている間は、彼女に手を出さないわけだ。男なら約束守れよ。」
「女みたいな声で笑ってんじゃねぇよ。全身バキ折りにしてションベン漏らさせて命乞いさせてぶっ殺す。」
「好きなように痛めつけるといい。・・・ちなみに彼女に1回でも手を上げたら許さない。・・・逆に殺すよ。」
「上等じゃねぇか、カマ野郎。女みてぇな悲鳴上げさせてやる。ちなみに殺せないと思うなよ。死体処分してもバレねぇ場所くらい俺達でも知ってんだよ。」
こうして私達は不良グループのアジトに連れて行かれた。
手錠つけられたまま宙づりにされた。
「この体勢、結構辛いから彼女だけでも座らせてくれないかな?」
男の1人が姫野あまねの腹を殴った。
「がふっ!」
「俺達に命令出来る立場だと思ってんのか?全身の骨折ってやるから覚悟しろ。女はその後で犯す。」
「覚悟するのは君たちの方だ。彼女を傷つけることは許さない。・・・全力で殺すからな。」
不良グループ全員の動きが止まった。それほど姫野あまねの脅迫する声は恐ろしさを帯びていた。
数十秒後、気を取り直した不良グループは姫野あまねの腹や顔面を何度も殴った。それでも、
「がはっ!はぁ・・・はぁ・・・。ははははは。その程度?」
姫野あまねは余裕を持っていた。鼻血が出てるのに。口から血が流れているのに。
「くそっ!何て硬い身体してやがる・・・。」
「僕は体型維持するために鍛えているからね。君たち、鍛え直した方がいいんじゃないの?グレた人生送ってんだろ?」
姫野あまねはナイフで制服をビリビリに破られ、半裸にされた。・・・鍛えた細身の女のような肉体だった。腹筋が引き締まっていてくびれていて、背筋が発達していて、胸の筋肉は、まるで膨らみかけた乳房のような形をしていた。
それより異様だったのが、全身傷だらけだったこと。明らかに昔に暴行を受けた跡だ。しかもナイフか何かで刺された傷が何カ所もある。
「今日は制服コスで肌を見せないつもりだったからね。普段は化粧して傷を隠してるんだけど。」
「・・・何なんだよ、テメェは。」
「僕はね、女装をしている事を付き合っている彼女にバレて喧嘩になった。その後ね、彼女はナイフを持ちだしたんだ。僕は無抵抗を決めた。・・・僕は彼女を傷つけたから刺されて当然なんだよ。彼女は僕を十数回刺した。半分以上内臓まで達していたね。そして彼女は崩れ落ちた。僕は自分で救急車に電話した。『自傷したから来てくれ』とね。警察の取り調べも全て僕が自分でやったことにこじつけた。彼女の自首すら『彼女は僕に対する恐怖心から口から出任せを言っている』と無理矢理ねじ伏せた。それで彼女が救われたか?全然。・・・あるとき彼女が新しい彼氏と歩いているのを見かけたよ。腕にくっついて外の全てに怯えて歩いていた。それからだよ、揉め事を見つけた時に自分を盾にするようになったのは。罰せられたいんだろうね。」
「・・・要は、変態な上に、ドMってことだろ。狂ってんのかお前。」
「やっと気が付いた?君たちが相手をしているのは狂人だよ。さぁ狂人に殺される前に彼女と僕を解放ゴハッ!」
姫野あまねは金属バットで腹を殴られた。
「別に素手でボコるって言ったわけじゃないぜ。」
「・・・いいよ。やれよ。」
ボキッグシャッドゴッバキッ
男数人が姫野あまねを金属バットで滅多打ちにした。肉が潰れる音、骨が折れる音が聞こえた。・・・私は悲鳴をあげたかったが、あまりに凄惨な光景に震えて声すらあげられなかった。ただ泣いていた。何て弱いんだ私は。
「ごぼっ!・・・が!・・・ぐ・・・う・・・。ははは。死なないねぇ。これじゃ死なない。」
姫野あまねは血を吐きながら笑っていた。・・・全身に青痣が出ているのに。骨も何カ所も折れているでしょう?何で・・・。
不良の1人が千枚通しを持ってきた。
「へぇ・・・。文房具も持ってるじゃないか。知的だね。それで何をするのかな?」
・・・最悪な想像が私の頭をよぎった。そしてそれは当たってしまった。
不良は千枚通しを姫野あまねの臍に何十回も突き刺した。
ジュボジュボジュボジュボジュボジュボジュボジュボ
「あふっ!かっ!かっ!かっ!かっ!かっ!か・・・。」
「刺され慣れてんだろ?女男。・・・気分はどうよ。」
「ぐぶ・・・。スッキリしたね。・・・臍を掃除してくれてありがとう。」
「じゃあ次は全身を切り刻んでやるよ。」
不良達は小さいナイフを持ってきた。
「刃渡り6cm未満の刃物は不法所持じゃねぇって知ってるな?」
「常識だね。」
「上半身隅々に傷をつけてやるよ。」
「綺麗に頼むよ。」
不良達はまず姫野あまねの胸の真ん中を刺した。そこからゆっくりと臍の下まで斬っていった。
「あ!くぅ!は・・・ああ・・・く・・・。」
「ひゃっはは!本当に女みたいな声出すんだな!お前!最高だぜ!」
「・・・やっと喜んでくれたんだね。手間がかかる。」
不良達は姫野あまねの両胸を突き刺し、グリグリと捻った。
ブチブチグジュブジュ
「あ・・・う・・・。くう・・・ん・・・。はう・・・。」
・・・ナイフが引き抜かれた。
「くは!お・・・う・・・。」
「楽しくなってきた。・・・最初から刺しときゃよかったぜ。」
「・・・金属バットは楽しくなかったのかい?無駄な努力、ご苦労様。」
不良達が姫野あまねを取り囲んだ。ナイフを振りかぶって、上半身を次々と刻んでいく。血が飛び散っていく。
「ああ!う・・・くは!お・・・う・・・。んん・・・くう・・・。」
次に、不良達の内6人が姫野あまねの前方に集まった。ナイフを6本、シックスパックの各所につけて。止めて・・・。それは死ぬわ・・・。
ズブゥゥ・・・。
ナイフを同時に突き刺した。そして抉った。
「うっ!・・・ぐぅ・・・。あぁ・・・ん。はぁ!あ・・・あん・・・くぅ・・・。」
一気にナイフが抜かれた。
「あおぉぉ・・・。あお・・・。」
今度は6人で、背中の下部分左右2カ所、左右の脇腹、正面の腹の左右を同時に刺そうとしている。嘘・・・。今度こそ死んでしまう・・・。
ズシュゥ・・・。
「んぐ・・・。ふ・・・う・・・。おう!く・・・はぁ・・・。あ・・・く・・・。」
もちろんナイフで抉っている。酷すぎる。・・・そして、一気にナイフが抜かれた。
「んおぉ・・・。おふ・・・。おお・・・ん・・・。」
不良達が離れた。姫野あまねは上半身を仰け反らせ身悶えていた。肉体の各箇所が傷だらけ、血まみれだ。むごい・・・。彼はこんな拷問を受ける罪なんか何も犯していないのに・・・。
「おぐぅ・・・あん・・・。んくう・・・。はう・・・。」
数十秒間、姫野あまねはその状態だった。その後、元の体勢に戻った。
「ああ・・・。あれかなぁ・・・。血が抜けすぎて気持ち良くなってきたのかなぁ・・・。楽しいよ凄く。」
口から血が流れ続けている。その状態で微笑んだ。北斗にゃんの笑みで。・・・正直に言うと凄惨さを通り越して神々しささえ感じた。
「マジでマゾだなてめぇ。・・・もう殺すしかねぇのかな。」
「人を殺せるのはとても勇気がある人間か、畜生レベルの屑だけだよ。・・・君たちは後者だろうね。」
不良達はスタンガンを持ってきた。
姫野あまねの目の前でバチバチ鳴らした。・・・姫野あまねは微笑みを返した。
不良達は、姫野あまねの両肩、両胸、背中の肩甲骨の部分、鳩尾、臍、陰部、両太ももにスタンガンを当てた。合計11本。確実に死ぬ。死んでしまう。それなのに私はまだ声をあげることも出来ず、泣き続けていた。あまりにも自分が惨めだった。
バチバチバチバチバチバチバチバチバチ
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
1分位の時間。スタンガンの放電はそれが限度らしく、不良達は離れた。
・・・姫野あまねは首を前に傾けて気絶していた。口から血が流れている。
それは、私が嬲られる番になったことを意味する。・・・私は覚悟を決めた。
「さて、いよいよ姉ちゃんがレイプされる番になったなぁ。」
「・・・好きにしろよ。ゲス共。」
私は胸を揉まれた。・・・相手に唾を吐きかけた。
ドゴォッ!
「はぐぅ!・・・お・・・。」
・・・腹を殴られた。たった一発だけなのに何て痛みなんだ。頭がチカチカして何も考えられない。
「うぇぇぇぇぇ・・・。おえぇぇ・・・。」
「おいおい1発で吐くなよ。弱ぇなぁ。オイ、口拭いてやれ。散々しゃぶって貰うんだからよ。」
私は虚ろな目で口を拭かれている。もう涙すら出ない。覚悟を決めた?・・・こんな無様な姿で。やはり、この程度なんだ私は。
手錠が外され、私は地面に崩れ落ちた。あぁ、これから犬のような格好で男共のペニスをしゃぶらされるのか。犯されるのか。セックスの経験すら無いのに。
もう走馬灯が出てきた。私の人生に良い事なんて1つも起こらないと思っていた頃の記憶。
犯された後、私は自死を選ぶだろう。そのくらい私は脆いから。
・・・ごめんなさい、姫野あまね。何で私の盾になったの、姫野あまね。
私には守られる価値なんか、何一つ無いのに・・・。
ゴキッ!グキャッ!
・・・骨の鳴る音がした。音の方を見た。不良達も音の方を見た。
姫野あまねが立っていた。手錠を外して。
手首の関節をはめていた。まさか関節を外して手錠から抜けるなんて漫画みたいな事をしたの?この人は。
姫野あまねは、北斗にゃんの微笑みで話し始めた。
「・・・さて。お前達に言ったよね?『彼女に1回でも手を上げたら許さない。殺す。』とね。まぁ見事に約束を破ってくれたもんだ。それほど僕は舐められているのかな?」
姫野あまねは中指を立てた。微笑んで。北斗にゃんと瓜二つだった。
「かかって来いよ、クズ共。一斉にでも構わないよ。僕は痛めつける趣味はない。そんなに苦しまずに皆殺しにしてあげるよ。」
不良達は無言で、姫野あまねに襲いかかってきた。最初は2人。姫野あまねはパンチを繰り出した。的確に。顎に。不良2人は崩れ落ちた。地面に倒れると同時に、姫野あまねは頭部を踏んだ。一切情け容赦なく。2人はピクリとも動かない。
「はい、2人死亡。」
「舐めんなカマ野郎!」
不良がナイフを出した。先ほどとは違う長いナイフ。刺そうとしてきた。姫野あまねは、それを避けて顔面を殴った。そして倒れる不良の頭部を踏む。
3人不良が来た。姫野あまねは回し蹴りをした。恐ろしく早かった。2人目に裏拳で顎を攻撃した。3人目は足払いをした。見事に不良は倒れた。そして足払いをした不良の頭部を踏む。その後、先に倒した不良2人の頭部を踏む。
「はい、6人死んだね。えーと、あと6人もいるのか。当然逃がさないよ。」
不良の1人が私の方に近づいてきた。人質にするつもりなのか。
姫野あまねの動きの方が早かった。私に向かってくる不良の後頭部を掴んで、脚を払ってその勢いで顔面を叩き付けた。不良は動かなくなった。
「旭さんごめんね、守れなくて。痛かったよね。・・・もうすぐ片付けるから。」
姫野あまねはしゃがんで私に優しく微笑んだ。・・・不良が1人近づいていた。・・・姫野あまねは立ち上がり、その不良を見もしないで振りかぶって裏拳で顔面を砕いた。やはり倒れた不良の頭部を踏んで。
「残り4人。」
4人一度にかかってきた。
姫野あまねは1人を足払いして、倒れそうになると同時に突き飛ばした。4人とも倒れた。
2人頭部を踏んだ。起き上がろうとする1人に踵落としをした。
最後の1人が起き上がるのを待っていた。
胸ぐらを掴んだ。
「・・・全員に伝えろ。二度とこんな事をするな。そして二度と僕達の前に現れるな。・・・次に会ったら今度こそ確実に殺す。」
そして顎に一撃食らわせた。倒れる不良の頭部を踏んで。
・・・信じられなかった。こんな女の子みたいな男が12人の大の男を簡単に倒すなんて。
姫野あまねは不良12人の脈を調べていた。
「全員生きてるね。・・・まぁ脳に障害が起こるかは知ったことじゃない。・・・警察と救急車呼ぼうか。ぶっちゃけ僕も限界なんだ。」
微笑んで言った。
姫野あまねと私は救急搬送された。
姫野あまねは集中治療室に送られた。当然だ。
翌日、入院して寝ている私の元に姫野あまねが来た。顔の各箇所にガーゼを張られて、首から下を包帯だらけで普通に歩いて。笑顔で。・・・嘘でしょう?気が付いた看護師さんに病室へ連れ戻されていった。
喜多川海夢と五条新菜やコス仲間が続々と病院に見舞いに来た。喜多川海夢は泣いていた。私も泣いた。抱き合って泣いた。
先に姫野あまねの方に行ったらしい。彼の方が重症なんだから当然だ。面会謝絶じゃないのが不思議なくらいだ。
私は、2~3日で退院した。その後、毎日姫野あまねの病室に通っている。
今回の事件で不良グループは全員逮捕され、姫野あまねはヒーローに。私は救出された姫のように扱われた。姫。似合わない。でも、マスコミが追いかけてくるので逃げている。姫野あまねは元の容姿も良いので一躍王子様扱いされている。SNSに男性アイドルスカウトの勧誘も来ている。彼はそれが不満らしい。
「だからね?僕の女装コスを思いっきりSNSに流しているんだ。これで女装の認知が増えたら嬉しいな。」
彼はそう微笑んだ。私も同意した。
・・・ある日、私は彼に聞いた。
「あなた、格闘技経験あるのね。」
「無いよ。」
「は?・・・じゃあ不良倒したのって・・・。」
「全部、格闘技漫画の知識。見よう見まね。でも、サンドバッグを叩いたり、足払いの練習はしているよ。護身用に。独学で。拳を痛めないように鍛えないとね。変にボクシングのプロになったり、黒帯になったりすると正当防衛の説明が難しくなるじゃない?だから、武術は習わないの。身体は鍛えるけど。」
「どうかしているわ、あなた・・・。」
「そうかな?」
・・・ある日、私は彼に聞いた。
「もう、わざと自分を盾にするのは止めて。私の時だって、無傷で私を助けられたでしょう?」
「でもね、ああいう輩は上げて落とさないと反省しないんだ。散々自分達がボコボコにした相手が立ち上がって、今度は自分達が叩きのめされる。そういう落差が一番効果があるんだよ。」
「だからって、あなたが傷ついて良い理由にはならない。死ぬかもしれなかったのよ?お願いだから止めて。誓って。」
「・・・分かったよ。」
・・・ある日、私は彼とたわいもない話をした。
「・・・マスコミとか芸能界ってしつこいわね。私なんかに勧誘が来るのよ。アイドルとか女優とか。」
「来ない方がおかしいよ。」
「・・・私は、未だに自分に自信が無い。コスプレだって自分を偽れるからしてるだけ。」
「・・・旭さん。僕の方を向いて。」
「え・・・?」
「君は綺麗だ。美しい。外見も。心も。アイドルなんかにならなくて良いよ。ただ、自分に自信を持って欲しいんだ。自分を最も信じてくれるのは自分自身だからね。」
「・・・私は、あなたにそう言って貰えたことが一番嬉しい・・・。」
「・・・泣かないでよ・・・。」
・・・ある日、私は彼とほとんど何も話さなかった。
「・・・お願い。ただ側にいさせて。私、どうしても寂しくなるのよ。」
「構わないよ。」
「私って、なんでこんなに弱いのかしら・・・。」
「そんな自分に気が付いて、それでも前に進むことが出来る人は強いよ。」
搬送されてから2ヶ月後、姫野あまねは退院した。
ある日、彼の家に行った。
特に飾り気のない、男らしい部屋。ただクローゼットには女性用コス衣装が沢山ある。
「ねぇ、傷が残ってないか見せて。」
「いいよ。」
彼は上半身の服を脱いだ。
「あの出来事での傷はほとんど残っていない。・・・気にしていたかな?気に病むことは無いんだよ。」
・・・私は無言で彼に抱きつき、キスをした。
子供のようなキス。
彼は拒まなかった。
姫野あまねが推しという人は多い。彼は多くの人から求められている。
私もその1人だ。今日からその1人になったんだ。
そして、最も姫野あまねの側に居続けるのは私だ。
一生彼の推しで居続けて、一生側にいるのは私だ。
これはその誓いのキス。性的な意味では断じてない。
私はただ流されるままの人生を送っていた。だから、『自分の人生に良い事なんて1つも無い。』なんて戯言を思っていたんだ。
でも、これからは違う。
少なくとも、これだけは流されない。
私は姫野あまねを、天野千歳を、世界で一番推している女になる。
恋?愛?どう表現されてもいいよ。ただ、私は彼の側の座を一生誰にも譲る気は無いから。