クラピカ&後鬼(鬼神童子ZENKI)陵辱リョナ短編 作:ゴールドフォレスト
原作:HUNTER×HUNTER
タグ:R-18 残酷な描写 クロスオーバー リョナ 逆リョナ 拷問 串刺し 貫通 レイプ 陵辱 クラピカ HUNTER×HUNTER 後鬼(鬼神童子ZENKI) 鬼神童子ZENKI ツェリードニヒ=ホイコーロ アナルファック 戦闘 バトル
2人とも凄惨に痛めつけられます。
まず小学生時代に好きだった後鬼人間体を嬲ろうと計画しました。彼の本名は嫌いです。アニメで晶くんに変えられて正解です。腹貫通胸貫通で死なない生命力なのだからもっと嬲りましょう。でも下地が少ないので有名作品に頼りましょう。
クラピカ。何とツェリードニヒの能力で陰茎も睾丸も失って性別無しにされて、丸裸にされて嬲られます。アナルを犯されて。後鬼くんもね。
ツェリードニヒは女にしか見えない奴なら甚振ってくれるだろうと。能力不明なんで情報判明している範囲で強く。でも、刹那の10秒って明らかに『奪う人差し指の鎖』および『束縛する中指の鎖』対策の能力ですよね。漫画の進行速度が待てないので先に書きます。展開は違うことを祈ります。クラピカ嬲り殺しになってしまうので。
だから後鬼をチートにしました。クラピカがチート?想像できません。ツェリードニヒを倒す姿すら、私には想像できなかった。そこまで彼は追い込まれています。
よって最後に彼に号泣させました。助けを求めさせました。そこで彼はやっとスタートラインに立てます。鎖から解放されます。彼の泣く姿をみっともないなんて誰にも言わせません。漫画本編でも必要なシーンだと思っています。
クラピカという名前すら偽名でしょうね。私はそう考えています。
「と、まぁそのレオリオという男に言ってやったわけだ。『私は男だぞ!』と。」
「あはは。僕もそういう経験沢山あるなぁ。」
我々は、B・H号のラウンジで紅茶を飲みながらくつろいでいる。最後の癒し。何故ならこの後ツェリードニヒの部屋で嬲り殺しにされるから。
・・・こうなった経緯を簡単に説明しよう。
カキン帝国の王位継承権争いは、念能力を完全に会得したツェリードニヒが遂に動き出したことで一気に加速した。次々と王子たちを殺し、国王も殺害。ベンジャミンとその腹心達との直接対決になった。
元々、王位継承権最大候補は独裁者ベンジャミンと狂気の天才ツェリードニヒだった。他はその他大勢に過ぎない。第14王子だけは生存している。赤子であり、万が一王位を継承しても他の王子が摂政となり、殺しても意味の無い存在だから。蠱毒もそう判断し、ベンジャミンとツェリードニヒの決着後、機能を停止した。
どちらにせよ私のファミリーとハンター協会は完全敗北だ。最悪の結果になった・・・。
そんなところに突如として異世界から飛ばされてきたのが私の目の前にいる後鬼という14歳の女にしか見えない少年だ。青いボブカットの髪、肌に密着した白色の長袖シャツが女性的な体型を強調している。黒のスパッツの尻もやや丸みを帯びて女性にしか見えない。・・・私、クラピカも人のことは言えないのだが。
彼は暗黒大陸の資源全てを少量採取するために来た。本当に少量らしい。なぜなら彼の世界、否、彼が所属している世界を跨ぐ多世界集合体は、少量の物質を無限に量産できるから。ところが座標を間違えて、このB・H号に不時着した。
彼の能力は空・地・水・火・風の力を使うこと。および超人的身体能力。そして、彼がイレギュラーな存在であることがすぐに分かった。彼は死亡した王子、護衛等全てを蘇生させた。そして異空間に封印。
彼が出現し、彼に状況をほぼ推測的中されたため、私が補足説明したところ、
「その最後の候補者に分からないよう蘇生させればいいんですよね?僕は無意味な人の死が許せないので。」と、それを実行した。価値観が違いすぎる。ちなみにこれらの能力は彼の空の力に該当する。死後短期間の生命は、ある程度肉体が残っていれば、あるいは魂があれば蘇生できるらしい。魂はすぐに強制的に天に召されるが、守護霊獣の能力の中に魂があったカチョウは復活できた。
彼は危険だ。だが、私は愚かにも「この少年は使える」と思ってしまったんだ。愚かにも。
ツェリードニヒは、何と単独でベンジャミンの集団に勝負を挑んだ。
その隙に私は後鬼を連れて、ツェリードニヒの部屋を襲撃。護衛達を無力化し、異空間に封印。そして緋の眼を全て奪取した。ははは。これでは強盗だ。幻影旅団と違いが無いじゃないか。
そして、帰還した我々に、最終候補者の戦闘映像が送られた。送り主および撮影者はツェリードニヒ。ツェリードニヒは簡単にベンジャミン達を皆殺しにした。まるで自らの力を誇示するかのように撮影した。
奴には、2体の守護霊獣がいた。どちらかが、奴が蠱毒開始時に与えられた霊獣。もう1つは奴自身の能力。どちらでもいいが。1つは人面の馬。恐らく能力は『見た者の肉体を変化させ操る能力。』もう1つは悪魔のような巨大な異形。恐らく能力は『見た者をあるゆる攻撃をかけ、破壊する能力。』見た瞬間に発動。しかも死角遠距離の攻撃にも霊獣は察知し、攻撃される前に殺害。暗殺すら出来ない。現状、ハンター協会および私を含めたファミリーで奴に勝てる者はいない。絶望的状況。
そして、当然のことながらツェリードニヒは、私の緋の眼奪取を知っていた。そして脅迫。
『私を24時間以内に連れてこい。さもなければお前達全員を皆殺しにする。』という内容で。
・・・ということで私は他のハンター、ファミリーの制止を振り切り、ツェリードニヒに嬲り殺されるために向かっている途中だ。後鬼は振り切れなかった。彼は、
「大丈夫ですよ。僕がクラピカさんを守りますから。」
と言ってくれた。頼もしいね。でも、これ以上君を巻き込むわけにはいかないんだよ。
「それじゃあ行きましょう・・・か・・・。・・・・・・・・・。」
後鬼は卒倒し沈黙した。紅茶に睡眠薬を仕込んでいたからね。24時間は目覚めない。私は彼をラウンジのソファに寝かせて、ツェリードニヒの元へ向かった。クルタ族の衣装に着替えて。死に装束くらい選んでもいいじゃないか。
「結構早く来たね。オレはかなり待たされると思っていたよ。」
ツェリードニヒは意外にも上機嫌だった。
「お前、クルタ族だろ?」
やはり見抜かれていた。
「私の眼が狙いか。」
「いや?それはもう飽きた。もう1つ質問。お前、男?女?」
「・・・男だ。」
「うわ。そうは見えないねぇ。オレはね?美しい人間にあらん限り生命の迸りを表現してもらって芸術作品にするのが好きなのよ。でも、女には飽きてきた。かといって男は醜い。そんなときにお前が目に映った。まぁこんな綺麗な顔の男がいたものかと感動したね。」
「要は私を嬲り殺したいんだろう?ゲスが。」
「だから芸術だt」
「束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)!」
ツェリードニヒを拘束して絶状態にした。不意討ち。先手を取る。これしかなかった。私は奴の首を折るために近づく。
・・・私は肩から胸にかけて袈裟斬りに斬られていた。
「が・・・あ・・・?」
崩れ落ちた。傷が内臓まで達している。何故・・・。
「あー。オレを絶状態にしたよな?残念。オレには絶状態でのみ使える能力がある。『刹那の10秒』と名付けた。端的に言えば10秒先までを予知し、その予知を変えることが出来る。」
「なんだ・・・と。」
ふざけるな。そんなの何でもありじゃないか。何なんだこいつは。
「さてオレの霊獣を見ただろ?1つはこいつ。今まで見えなかったが、オレが王になったから見えるようになった。この馬は見た生物を変化させ、操ることが出来る。こんな風に。」
馬の霊獣が私を見た。・・・私の肉体に変化が起こった。とても屈辱的な。
「もう1つはこいつ。悪魔みたいだな。こいつは見た対象を触らずに斬ったり抉ったり等攻撃出来る。まぁこんな事も出来るわけで。」
私の着ていたクルタ族の衣装が切り刻まれ全裸にされた。陰部を見た。やはり陰茎等が無くなっている。何もない。
「本当はマンコを付けて貧乳美女にしてもよかったんだよ?でも女は飽きたんだ。どうせなら性別無しの方が面白い。今までそんな人間を弄んだ経験が無いからね。」
「その薄汚い口を閉じろ・・・。ぐぁぁぁぁぁ!!!!」
馬の霊獣の力で空中に磔にされた。
「いやしかし、見事に女みたいな身体だね。胸筋、腹筋、肉体のライン、全て女じゃないか。尻も女みたいに丸みがあるような感じで。」
「黙れ・・・。ごぶぅ!」
腹が思いっきりへこんだ。まるで鉄球を思いっきりぶつけられた感覚。凄まじい痛み。吐きそうだ。
「さて全身くまなく鉄球ぶつけてみようか。」
ドグッ!ボキッ!グシャ!ボズッ!
「ぐはぁ!おう!ぐ・・・!がぁぁぁぁ!」
四方八方から鉄球をぶつけられた感覚がした。腕が折れていく。脚が折れていく。全身の筋肉が、内臓が潰れていく。
「そろそろ休憩しよう。」
磔状態が解かれ、私は床に四つん這いになった。
「ごぶぅ!がふっ!ごはぁ!」
大量に血を吐く。何て惨めなんだ。
「お前もかなり強いんだろ?いやしかし、オレがここまで強くなるとは思わなかったなぁ。念って面白すぎるだろ。」
「律する小指の」
・・・私の右腕が肩から切断された。
「あ・・・。ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
私は必死で肩の切断面を押さえた。痛すぎる。意識が飛びそうだ。
「はぁ!はぁ!はぁ・・・。はぁ・・・。」
「いや大変だねクラピカ、くん?ちゃん?まぁいいやどっちでも。あれだろ?右腕の鎖が能力の全てだったんだろ?切断された今の心境は?もう能力ないの?」
「舐めるな・・・。」
私は飛び上がってツェリードニヒの頭部を蹴り砕こうとした。絶対時間(エンペラータイム)は鎖とは関係無い。強化系で自身の身体能力強化。この速度なら反応できないはず。
いつの間にかツェリードニヒが離れた場所にいた。また予知か。本当に何でもありだ。
・・・次の瞬間には、私の左腕、両脚が切断された。私は切断面から血飛沫を上げて、ダルマ状態で転げ回った。
「ぐがぁぁぁぁ!かひゅ!・・・くは!・・・あう!」
意識が無くなってきた・・・。出血多量か。こんな無様な最後なのか、私は。
・・・意識が回復してきた。手足が再び生えてきた。
「ここで死んでもらっては面白くない。まだ序の口だよ?もっともっと楽しませてくれよ。」
ツェリードニヒは、私を半永久的に嬲り者にすると宣告した。
ズバスバスバスバスブスブスブスブスブ
「ご!おう・・・。ぐぶぅ!ぐは!あう!」
・・・今、私は空中に磔にされ、肩、腕、胸、腹、陰部、太ももを具現化された太い剣に串刺しにされ続ける苦痛を味わっている。現在95本目。私の身体を貫いて何度か抉った後に剣は消えていく。傷は回復する。しかし苦痛は継続し、死ぬことは許されていない。狂いたかったのに狂えなかった。
「刺殺。死んでないけど。の次は、絞殺かな?」
ギリギリギリググググググ
「がは!か・・・かひゅ・・・。あ・・・あう・・・。」
とてつもない力で首を絞められている。折れないのが不思議なくらいだ。・・・ちなみに奴の嬲り者宣告から、私は絶対時間(エンペラータイム)を使用していない。無駄だから。寿命を使い果たして死んでしまおうかとも考えたが、自分の制約で死ぬなんて馬鹿なのでしない。何回か舌を噛み切ろうとした。奴の霊獣に阻止された。殺してください?絶対に言いたくない。・・・覚悟も信念も何て中途半端なんだ私は。自分の肉体がそれを表している。
・・・30分は経過しただろうか。ずっと首を絞められて、呼吸も出来ないで。奴の霊獣に生かされて。
首絞めが解かれた。私は虚ろな目で息を整えている。
「がひゅっ!ごほごほごほ・・・。かふ・・・か・・・あう。」
「いやー。ずっと声を聞いていてね?うっとりして寝そうだったよ。苦しむ声まで女だなお前。」
「何だ?獣のように醜く叫んで欲しいのか?」
「無理だろ?そんな余裕はない筈だ。さて次は毒殺。」
・・・一気に内臓全てが腐っていく感覚がした。
「ぐぶ・・・。ぐびぐぶ・・・。ごふ!あぁぁぁぁぁぁぁ!ぐ・・・ぐふ!」
今の私の顔は酷く無様だろう。涙があふれ出て、口から涎や吐瀉物や血をダラダラ垂れ流し続けている。本当に内臓が腐っているらしく胸や腹が猛烈に痛い。筋肉も腐ってきているのか腹部がベコベコと音を鳴らして激しく動いている。
・・・やはり30分はそのまま。猛毒状態が解除されて、肉体も修復されたが苦痛は残ったまま。私は目を見開いて変な呼吸を続けている。
「ぐひゅ!・・・ぐふぐふぐふ・・・ごひゅ!・・・く・・・。」
馬の霊獣が首を伸ばして、私の顔についている吐瀉物等を舐めとっている。汚らしいもんな、今の私の顔は。
「さて次は・・・どうしようかなぁ?撲殺は嫌いだ。綺麗じゃないからな。胴体にはさっき鉄球ぶつけたし。・・・では趣向を変えて。」
悪魔の霊獣が私の側に近づいてきた。太く長い触手を出して。
・・・触手が私の背後、尻の部分に近づいた。・・・まさか・・・。それは嫌だ。屈辱的すぎる。
尻の穴に思いっきり触手を挿入された。
「はうぅ!うがぁぁぁぁ!あ・・・は・・・。ぐぅぅ!」
「アナルバージン卒業おめでとう。いくら女みたいな男でも、そういうプレイはしてこなかっただろ?マフィアの若頭がケツの穴犯されたなんて知られたら業界の笑いものだ。」
「だま・・・れ・・・。あうっ!は・・・ぐふ!」
「さて人体の講釈の時間だ。今、触手が肛門から入って大腸の直腸S状部というところまで来ている。ここから大腸に沿って曲がっていかないといけないのだが・・・。面倒なんでそのまま大腸の壁ぶち抜いて小腸に突入。」
「やめ・・・。」
私の腹の奥からズチュウという気持ちの悪い音がはっきりと聞こえた。
「ぐぁぁぁぁぁ!!!がはっ!あぁぁぁぁぁ!!!!」
「さて、小腸は色々入り組んでいるが・・・。そのまま突き破りまくり、胃まで進む。」
ビジュグジュグジョブジュグチャ
「ぐぶ!ご・・・。がはっ!あ・・・く・・・ぐぶぅ!」
私は血を吐き続けた。
「胃に到達した。ここからは胃カメラの逆だから余裕かな?なぁクラピカ・・・ちゃん付けでいいよな?今のお前犯されてる女レベルだから。クラピカちゃんは世界各地で起こっている緋の眼強奪事件の犯人だろ?」
「そうだ・・・。」
「一部では拷問された人間もいるという。いやはや正義感の強いオレには許せないね。」
「そうだよ・・・。私は、鎖で内臓掻き回したりしたんだ。はははは・・・。お前と同類のゲスさ、私は。地獄行き確実な人間だよ。天にいる同族の皆は、私を恥さらしと蔑んでいるだろう。自分が惨めな存在過ぎて、友にあわせる顔すらない。彼ら3人は今の私にはとても眩しすぎて見れない。何でこんな事になってしまったんだろうな・・・。ははは・・・。」
「あぁ可哀想なクラピカちゃん。心配しなくていいよ。お前が死んだ後、すぐにその友達3名もあの世へ旅ださせてやろう。あの世で再会を喜ぶといい。思いっきり泣くがいい。」
・・・私に緋の眼になったとき以上の興奮、ドス黒い感情が芽生えた。
「死後強まる念というのを知っているか?」
「何それ?」
「やはりお前は勉強不足、経験不足だよツェリードニヒ。死んだ後にも残る能力や発動する能力がある。私が死ぬ前にそれを作り出し、死後発動させるよ。そしてお前を確実に殺す。今お前はそれ位の禁句を言ったんだ。・・・覚悟しろ。私の言葉は絶対だ。」
「おお怖い。ということで、お前はしばらく殺さないよ。でも嬲り者状態は続く。さて顔を上に向けた方がいい。というか上に向かせる。触手が口から飛び出るからね。」
ズボォォ!
「んぐぅぅぅぅぅ!!!!ぐ!んんんんんんん!!!!!!」
「あーはっはっはっ!食人族っていうくだらない映画知ってる?それの再現ね。アレはマンコから入っているという体で撮影していたが、これは尻からなんで再現度に欠けているが。」
・・・先ほど啖呵を切ったのに一気に落ちぶれてしまった。目の前にこいつがいなければ泣きたかったよ。
「で、陵辱ものの定番、四肢切断で。」
・・・私の手足が根元からあっけなく切断された。激しく出血しているのが分かる。
「んーーー!んぐ!んぐぐぐぐぐぐ!!!!!」
「・・・どうも喘ぎ声が美しくない。先ほどまでお前は女を上回る美声を発していたのに。ということで、触手は胃まで下げる。」
触手が下がった。四肢を失った苦痛や胃まで貫かれている苦痛が続いていることには変わりは無いが。
「はぁ・・・。はぁ・・・。次は何をするつもりだ?好きにしろ・・・。先ほども言ったとおり、死後お前を殺す。」
「では、お前の誇りともいえる眼を両方とも潰させてもらう。」
「な!ま・・・待て」
「待たない。先ほどの凄みはどこに行ったのクラピカちゃん。はい、3、2、1」
私の両目が潰された。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私は血で真っ赤であろう両目から激しく血の涙を流して、天を仰いでいる。叫び続けている。
・・・今私は世界で最も無様な存在だ。男でも女でもなくなった。尻を犯されて、誇りも失った。復讐心に駆られて世界中を這いずり回った終着点がここだ。絶望。暗闇。あぁどこで間違えてしまったんだろう。最初から間違えていたのだろうか?自分を苛む自虐の念が止まらない。
助けてくれ。・・・その言葉を言える人間になりたかった。そうすればここまで落ちぶれずに済んだのに。・・・もうすぐ狂いそうだ。だから最後にこう思おう。誰か助けてくれ。助けて・・・。
・・・心臓の鼓動が聞こえたんだ。激しい心臓の鼓動が。この部屋に誰かが入ってきた。・・・私は耳がいいから。
「大丈夫・・・ではないですよね・・・。クラピカさん・・・。」
後鬼の声だった。何故だ。睡眠薬であと半日以上は眠っているはずなのに。
「酷いですね・・・。薬盛るなんて。・・・まだフラフラですよ・・・。」
来るな。殺される。
「誰?お前。」
「お前には名乗りたくないなぁ・・・。僕の中の鬼の血が激しく言ってるよ。『お前は生きてはいけない』って。あはは・・・。これでも人の守護者気取ってたんだよ、僕は・・・。」
後鬼がフラフラと歩く足音が聞こえる。
・・・ツェリードニヒの心拍数が急上昇したのが分かった。
「・・・何だよ、お前。あり得ないだろお前!それ以上お前が近づいたらオレが確実に死ぬ未来しかないなんて!どうやっても変えられないなんて!」
・・・何を見たんだ?この男は。・・・私の体内の触手が一気に引き抜かれた。そして今度は私を触手でぐるぐる巻きにして、後鬼から一番離れた場所、恐らく部屋の最奥だろう、そこに置かれた。
「何のつもりだ?ツェリードニヒ・・・。」
ツェリードニヒは私の近くまで一気に下がった。そんなに怯えているのか?何故だ。
「ツェリードニヒさん・・・。とりあえずクラピカさんを治してくださいよ・・・。そういう能力持っているでしょう・・・?」
・・・私の眼が復元された。眼だけ。ただ四肢等の血は止まっている。
「こいつは人質だ。一歩でも動いたら、こいつを殺す。お前はすぐに殺し・・・いや、このオレをここまで怯えさせたんだ。嬲り殺さなきゃ気が済まない。」
「あははは・・・。とことん矮小な人間ですね・・・あなた・・・。いいですよ。好きにして。」
「駄目だ!君は人を蘇生させる能力があるだろう!私は生き返らせればいい!・・・いや、生きか」
「生き返らせなくてもいいなんて言わせませんよ・・・。初めて会ってから短時間ですが、あなたの性格はすぐ分かりました・・・。誇り高いようで自虐的。どこまでも自罰的。最初から今にも泣きそうな顔してましたよ、クラピカさん・・・。」
「グダグダ喋るの止めろ。・・・お前も女みたいな男だな。女みたいに嬲り殺してやるよ。」
「どうぞご自由に・・・。」
後鬼への拷問が始まった。正確には惨殺だが、彼は死ななかったので。
最初は彼の肉体を斬り刻んだ。
ザシュズバズシャスブザシュ
「ぐふっ!あう!くは・・・。かは・・・。あ・・・う・・・。」
後鬼の胴体、手足が切り刻まれて血飛沫があがっている。背中もズタズタだろう。だが彼は口から血を流して苦痛に苛まれているはずなのに、笑みを浮かべていた。
「何故だ。何故バラバラにならない?全身吹き飛ばすつもりで切断したはずだぞ!」
・・・何を言っているんだ?ツェリードニヒは。
「はは・・・。僕は丈夫なんですよ・・・。ちなみに内臓や骨はズタズタ粉々です。でも駄目だなぁ・・・。まだ薬の効果が切れないや・・・。それまで付き合いますよ・・・。」
次は4方向から剣が次々と現れ、後鬼を串刺しにしていった。
ズブブブグジュブブズボグチャドズグジュズブゥ
「あ・・・か・・・。がふっ!ぐ・・・。おぐぅ!ぐぶ・・・。」
両肩、両胸、腹部4カ所、脇腹3カ所、両脚4カ所、両腕4カ所が串刺しにされた。全身から大量の血が流れている。口から恐ろしいほど血を吐いている。駄目だ・・・。もう彼は助からない・・・。
杭が消え、後鬼が倒れた。もう彼は2度と動かないはず・・・。だが、起き上がり始めた。彼の体内で傷口が発光し、傷はすぐに消えていった。服も元通りだ。私の癒す親指の鎖(ホーリーチェーン)を遙かに上回る治癒能力だった。
「僕は、治癒と守護能力が得意なんですよ・・・。でも・・・睡眠薬の酩酊が治らない・・・。厄介な薬飲ませてくれましたね・・・。しばらく食事奢ってくださいよ、クラピカさん・・・。」
「メシどころか1時間後の未来もねぇよお前は。クラピカと同じ状況にしてやる。」
「・・・僕の陰部消しましたね?・・・嫌だなぁ・・・。ただでさえ、女によく間違われるのに・・・。」
後鬼の服が切断され、全裸にされた。彼は細身だが、私より筋肉質だった。大胸筋が逞しく発達している。ウエストが女性モデル位くびれているが、腹筋が六つにはっきり分かれている。脇腹も鍛えられていた。スパッツで見えなかったが太ももの筋肉がかなり発達している。腕の筋肉がはっきり分かる。背筋も発達しているんだろう。女性の顔なのに。でもアンバランスな感じがしない。筋肉から汗の臭い等が流れてきた。私は嗅覚もいいから。女性の臭いそのものだった。
「これから絞殺と猛毒と撲殺同時に味あわせる。ちなみに回復はするな。したら、即クラピカを殺す。」
「駄目だ・・・。回復を使え・・・。私なんかの」
「私なんかのために。これも禁句ですよ、クラピカさん・・・。僕を信じてくださいよ・・・。」
後鬼が空中に磔にされた。全身から凄まじい打撃音が聞こえた。肉が潰れ続ける音が聞こえた。首もグキグキ鳴っている。
ボキグチャグチャドブボググチャグチャドブ
「くは!あう!ぐびぐぶぶぶ・・・。くう・・。はう!ごぶ!ぐぶぶ!」
涎、吐瀉物、血を吐く後鬼。でも私より醜く見えなかったんだ。眼が強い光を放っているせいか。
「何故骨折すらしない?オレが知っている最硬度の堅さで全身殴り続けて、あらゆる猛毒飲ませて、首がへし折れる強さで絞めている。何だお前・・・。」
「先ほどまで内臓や骨は折れてましたがね・・・。段々元に戻ってきたんですよ・・・。それと毒はクラピカさんの睡眠薬から免疫つけました・・・。まぁ苦しいですがね・・・。それでもまだ酩酊が治らない・・・。難しいなぁ・・・。」
後鬼の背後まで、悪魔の霊獣が触手を伸ばしてきた。・・・そうだ、霊獣ですら後鬼に近づこうとしない。そんなに怯えているのか?
ズボォォ!ズブズブグチャグチャズバァ!
「んんんん!!!んんんんんんん!く!んん!んく・・・。」
尻から一気に口まで触手が貫いた。・・・触手が消滅した。悪魔の霊獣が苦しそうに全身を震わせている。
「何もするなと言ったはずだぞ!クラピカ殺されたいのか!」
「何もしていませんよ・・・。僕の生命エネルギーにその悪魔の身体が耐えられなかっただけ・・・。ちなみに予言しますよ・・・。あと3分くらいで、ようやく酩酊状態克服できそうです・・・。そうしたら、あなたは終わり。」
「ふざけんなテメェ!」
ツェリードニヒが全能力をフルに使って殺しにきた。
後鬼が再び空中に磔にされた。
ドズグチャズブゥザシュズバグチャズブドスズブバリバリバリバリ
「くふぅ・・・。ぐはぁ!ん・・ん。ぐぅ!あう・・・。く・・・ぐは!ぐ・・・。」
再び両肩、両胸、腹部、脇腹、両腕、両脚が太い杭で串刺し。更に斬撃を喰らわせる。彼の鍛錬の結晶である筋肉を嬲るように、杭は無惨に潰していく。汗の臭いが濃くなって女性の体臭がはっきりわかる。さらに電撃の光。音が落雷レベル。多分電流もその位の衝撃で。もう血が残ってないのか流れなくなった。しかし彼はそれでも生きている。激痛を感じ続けながら。
「はぁ・・・はぁ・・・。痛ったいなぁ・・・。あと2分・・・。」
ブジグジョグジャブチブチベキベキベキグチャドチャ
「ぐ・・・う・・・。はぁっ!あく・・・。かぁ!あぐ!おう・・う!」
杭が消えた。貫通した穴はそのままで。その代わりに彼の筋肉が剥がされていく。胸、腹、背中、腕、太ももの筋肉が剥がされそのまま落ちて、骨や内臓が丸出し。人体模型のようだ。見えない打撃で内臓が潰れて千切れ、骨にヒビが入っていき折れていく。血がほとんど出ない。何故生きているんだ。
「ぐ・・・。全身各所の骨が折れました・・・。内臓も損傷・・・。やれば出来るじゃないですか・・・。もちろん気が狂いそうなほど痛いですよ・・・。あと1分です・・・。」
「元々狂ってんだよテメェはよ!」
ズバドズゥグチャベキベキゴリィブチィブチィグチャズバァバリバリバリベキベキブチィグチャグチャズボォ
「あ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!お・・・おん・・。あふ・・・。あ・・・お。」
・・・もう生命の肉体損壊の範疇を超えていた。生きたまま足先からゆっくり全身ミキサーにかけられた方が遙かに楽だ。まず後鬼の心臓が潰された。両方の肺が潰された。胃や腸が引きずり出されて切り刻まれて落下。
ここで落雷級の電流を与えられた。両足首が千切り落とされる。膝関節から捻られて、その先が落とされる。大腿骨等がぐしゃぐしゃに潰され、太ももの筋肉が更に千切られて両脚が落下。
また落雷級の電流。手の指が引っこ抜かれていく。手の甲が変形していく。手首が千切れて落ちた。肘関節が千切られて、その先が落ちていく。両肩が完全に粉砕された。腕が落下していく。
さらに落雷級の電流。鎖骨がバキバキ音を立てて潰れた。胸骨が粉砕され肋骨が粉砕されボロボロ落ちていく。潰れた心臓も肺も落ちていき、残った頭部も落ちていった。
・・・そして頭部が落ちるまで彼は苦悶の声をあげ続けていたため、意識があることが分かった。止めに落雷のような電流を数発連続。肉は完全に焼け、焦げた臭いしかしない。後鬼だったものが完全に炭になり、肉や骨らしいものはもうない。彼の女のような頭部も炭になって砕け散った。・・・彼は完全に死んだ。
私は涙目で見ていたよ。私が睡眠薬なんか与えなければ・・・、いや、そもそも私なんかに関わらせなければ彼は無事だったのに。私はまた罪を重ねた。ツェリードニヒなんか、もうどうでもよかった。自分を罰したい。自分に惨憺たる苦痛を味あわせて殺してやりたい。自分の命の代償に相手を生き返らせる能力とか無いのか。無いだろうし使えないだろうな。私は自分の寿命を代償にして、このザマだもんな。
・・・私はもう、彼の死体を見れなかった。俯いて涙を流し始めていた。
「泣かないでくださいよ。クラピカさん。」
後鬼の美しい女性のような声が聞こえた。幻聴だと思った。見上げた。
恐ろしいスピードで後鬼の肉体が復活していった。彼が完全に復活し服まで元通りになるのに10秒もかからなかった。
・・・いつの間にか私は彼に抱かれていた。手足が元に戻っていく。全ての傷が再生されていく。服も元通りに。陰茎等も元通りに。
「勝手ですが、寿命も元に戻しました。制約も解除。もっと自分を大事にしてください。普通に修行すれば、あなたは2年くらいで制約無しでツェリードニヒを超えられる才能を持っているはず。」
「あ?2年?笑える。そんだけの時間があればオレはもっと強くなっているよ。クラピカ、お前はオレを永遠に超えられない。そんなのより、オレの方が余程価値があるだろ?な?」
「命乞い見苦しいですね。あなたにこれ以上の成長はありませんよ。才能と成長は別物ですよ。
短時間でその力を身につけられたそうですね。それで?
あなたの才能と成長の正体を教えてあげましょうか。あなたは誰よりも才能がある。間違いない。なのに自分が成長する姿が信じられない。なぜなら世界で誰よりも自分を疑っているのがあなただから。
何故霊獣の能力にしたか?自分自身が強くなっている未来が想像できないから。何故予知と改変の能力が備わったか?あなたは未来が怖くて仕方が無くて、常に未来を変えられる保険が欲しかったから。
あなたは立派な立派な砂の城。立派な立派な藁の家。安心できる結果だけを求め続けた為、高い才能を食い潰して、上っ面な能力しか身につけられなかったんですよ。」
「オレのこの能力のどこが」
「颶風(ぐふう)。」
ツェリードニヒの2体の霊獣が竜巻に包まれて切り刻まれた。数秒後には欠片も残っていなかった。
「まっ待て・・・。」
後鬼は私を寝かせて、ツェリードニヒに近づいていった。
「後、あなたにあるのは予知改変の能力だけですよね。それで逃げられる結果を改変してくださいよ。」
「・・・・・・・・・無理だ。」
「はい残念。何故か?僕とあなたでは身体能力差が違いすぎるんですよ。
あなたに時間干渉の能力があることは分かっていました。時間干渉能力は周囲に違和感を与える。多用は禁物ですよ。と、いうか映像送って本当に見せびらかしたかったのはこの力。確かに普通なら破れませんよ。でも、世界は広くて、時間能力って、もうありきたりですよ?
弱点。発動前に目を閉じなければいけない。あぁ能力発動するなって丸わかり。そして、あなたが予知をするまで一瞬の時間がある。その一瞬であなたの行動を全て予測する。予知して自分だけ独自の時間軸で行動。実は独自の時間軸で行動するまでにも僕達と共有の時間軸に戻る一瞬の隙がある。その一瞬で僕はあなたに対する行動予測に沿って、全ての予測に対応したあなたを殺す準備をする。だから僕に殺される予知しかあなたには出来ない。よって未来改変不能。」
「何で、なんでお前みたいな奴が突然現れたんだよ・・・。」
「あなたが反則だからじゃないですか?そしてこの世界を壊そうとする悪しき意志を持っている。そんな危険な存在を、世界が排除しない筈がないですよ。岩漿(がんしょう)。」
ツェリードニヒがマグマに包まれた。叫び声をあげながら。長い時間それは続き、ツェリードニヒは溶けて消滅・・・しなかった。意識は完全に消えているが。
「彼は僕の世界に連れて行きます。砂の城とか表現しましたが、彼の才能は勿体ないんですよ。性格を完全に矯正して、能力もやり直させて、人々の、生命のために役に立つ人間にします。」
「・・・正直に言っていいか?君も、君の世界も正直言って理不尽だ。ある意味で簒奪者のように見えるよ。」
「まぁそうでしょうね。僕は一度も『自分が正しい』なんて言った覚えはありませんよ。」
後鬼は笑った。少年のように、少女のように。天使のように、悪魔のように。
ツェリードニヒとの決着後、後鬼にカキン帝国をどうするか聞いた。とんでもない答えが返ってきた。
「異常すぎる国ですからね。国王から国民全てに至るまで人格全て修正します。念能力は危険なものは改竄あるいは消滅させます。残虐な風習は悔いさせて償わせて、被害者にも許せるよう度量をつけさせます。死人は帰ってこない・・・。生きて働いて詫びていただくしかないですね。それに精神的に苛まれないよう性格修正。加害者被害者互いにね。マフィア?強制的に解体させます。真面目に働いてください。まぁ帝国も解体ですね。王国制は否定しませんが、あまりに異常な国なんで無理ですね。帝国上部にいた人々も健全な1国民として仲良く共存できるようにしますよ。いきなり国が解体しては他国に攻め入られるので、20年くらい時間かけて解体および民主主義制国家樹立シナリオを進めさせます。誰も傷つかない、誰も不幸にならない国に。まぁ、全国民に対する人格修正および国家樹立シナリオの植え付けまでは、これから部屋に戻って1時間くらいで完了するでしょう。それが幸せかと思いますよね?他者から幸福を植え付けられる国をディストピアだとよく人は言いますが、実際は他者から与えられた幸福も自分で得た幸福も、違いってよく分からないものなんですよ。あ、蠱毒の壺は当然即破壊です。」
・・・この少年は、悪魔でも簒奪者でもなかった。魔王だった。私が君に対して流した涙を返してくれよと思ったが、他にカキンをどうこうできる計画を思いつかないので止めた。
部屋に戻って後鬼は、ソファに座ってSFの電子パネルのようなものを幾つも出して作業をしていた。本当に1時間で完了したらしい。ちなみに具体的なカキン運営プランを聞いた。・・・私の頭ですら理解不能な難解なものだった。
B・H号にいたマフィアたちの人格も修正された。それで一番笑えた話は、マフィアに接触していた幻影旅団のメンバーが、マフィア達が突然人格者になって呆けたということだった。奴らにとっては自分達がトワイライトゾーンや世にも奇妙な物語の世界に入り込んだようなものだ。気味が悪くて堪らなかっただろう。すぐに幻影旅団は影に隠れた。正直、クロロやヒソカの呆けた顔を見てやりたかったと思うが、奴らは気を立て直すのも超人だ。もう次の行動に移っているだろう。早く殺し合って両方消えてくれたら嬉しい。特にクロロが。
クロロとヒソカの対決があった。互角の戦いにも見えただろう。あれは完全にクロロの掌の上のゲームだ。提示した能力以外を出した瞬間にヒソカの敗北は確定する。クロロの新たな制約が『戦闘開始前に提示した能力しか使えない。』だったらいいんだけどね。そうでないとクロロは我々の世界で最強だ。だがヒソカも危険な存在で何をしてくるか分からない。奴が強い者と戦いたがっているので格闘家みたいに見ている人間が多いが、奴は殺人鬼だ。手段を選ばない不意討ち、だまし討ち、相手の弱体化等が本領なんだよ。
・・・数ヶ月後、B・H号は暗黒大陸に着いた。私およびファミリーはUターンで帰った。
もう目的がない。ネテロ会長の息子にも興味が無いし、幻影旅団とヒソカは勝手に殺し合って欲しいし、ゴンの父親も関係無いし。
ということで、別人のようになったカキン帝国王族達と(元々善良な人間はそんなに変わっていない。ちなみにツェリードニヒは留学の旅に出たことになっている。)、ハンター協会の人々と後鬼と別れて、元の世界に帰ったんだ。
更に数ヶ月後、私はクルタ族の集落跡地にいた。緋の眼を全て埋葬して。弔って。跡地を清掃して。ボーとしてた。ゴン、キルア、レオリオとは一度も会っていない。連絡先すら変えた。もう会う資格がないから。・・・本当にどうしてこんな道を歩んでしまったんだ・・・。
「綺麗な所ですね。」
「・・・そうだろう。」
後鬼だった。気配はわざと出していたので、接近は私でも分かる。
「資源採取は終わったのか?」
「いえ、ほとんど終わってません。広いですね、この世界は。よって応援を呼びました。10人くらい。僕より遙かに優れた人達ですよ、精神的にも、身体能力的にも。もし、僕のカキンプラン等に不備があったら彼らが修正するでしょう。彼らのおかげで1年で資源採集完了予定です。」
「君より強い存在を想像できないよ。私も君のような力があれば同族を救えたのに。」
「何言ってるんですか?僕は、1年前はあなたと同じくらいの強さ。更にもう1年前は、普通の少年以下の存在でしたよ?」
「・・・え?」
「僕の経歴を説明しましょう。僕はある世界の鬼と人間のハーフの末裔でした。泣いて怯えてばかりの少年でした。あるきっかけで先祖の鬼の魂と融合、現在の僕の精神が出来ました。ちなみに先祖の鬼は女性です。」
「あぁ成程ね。」
「ところが僕の戦歴は惨憺たるもので。まぁやたらとズタズタにされ嬲られて。悔し涙を流してばかりで。やっと同胞の鬼に並べる力を得たところで最後の戦いが終わり、僕が戦う必要も無くなりました。
そこに、いま所属している世界からスカウトが来たんですよ。彼らは、あらゆる世界の救済をしている。対象は凶悪な力に蹂躙されて滅亡ほぼ確定な世界。そんな世界は数知れずあって人員も資源も力も足りない。だから僕らをスカウトに来ました。対象は、僕の主の女性。同胞の鬼。そして僕。強くなるために、僕はまず欠けていた全属性の能力を取り戻すことに専念。そして僕は変身ヒーローみたいに鬼の鎧を身に纏っていたんですが、放棄。人のままで強くならないと、僕の主の女性に並べないから。
そう、僕の強くなりたい理由は、主の彼女。4歳年上のお姉さん。優しくて美人でスタイルが良くて心身共に強さを秘めていて。初恋でした。強くなって彼女に告白するんだとの一心で、1年経過。僕はご覧の通りで。ところが彼女は僕より遙かに強く、容姿も遙かに美しく成長しました。彼女は元の世界に帰り守護者になっています。・・・その彼女が恋しているのが同胞の鬼。こいつは、あらゆる平行宇宙で悪しき存在を『気に入らない』の一言で倒しまくっています。こんな脳筋に僕の思い人が取られるのか・・・。悔しすぎて更に高みを目指しているのが現状です。」
「ははは。君が神のような力を得た原動力が、ありきたりな青春の恋心だったとは。」
「まぁそうです。・・・で、何であなたは強くなるために制約なんかに頼ってるんですか?そんなに死にたいんですか?強さを得るのに近道を選んでは、ツェリードニヒみたいになりますよ?」
「・・・反論できないな。私は結果を求めすぎている。ツェリードニヒは私の生き写しだよ。」
「以前話しましたが2年あれば」
「それに耐えられないんだ・・・。私はね、同族全員の辱められた上、惨殺された死体を見たんだ。その時何を思ったか?復讐より『もう死にたい』だよ・・・。でもプライドが邪魔して死ねなかった。だからその次の感情、復讐心に身を委ねた。復讐心のままに行動し、ドーピングのようなもので強くなり、堕ちに堕ちてどん詰まり。未来すら見えない。」
「未来なんて見えるわけ無いじゃないですか。みんな暗闇をあちこちにぶつかって、それでも歩むものなんですよ。・・・僕は、これまでのあなたの旅は引きこもり期間だと思っています。心の中に引き籠もって。そこから飛び立つのに重要なのは第一歩。あなたの場合は何だと思いますか?」
「・・・分からないな。」
「誰かに抱かれて思いっきり泣くことです。助けてと言うことです。」
「私は大人だよ?そんなにメソメソと泣けるわけ・・・。」
「大人?関係ありません。同族のため?誇りのため?復讐のため?関係ありません。そんなものはあなたを縛る鎖そのもの。鎖を破るきっかけが泣くことです。散々涙を流してきた先輩の僕が言うのだから間違いないですよ?」
・・・私の携帯の着信音が聞こえた。メール3通。ゴン、キルア、レオリオ。内容は同じである場所で待っているというもの。
「・・・君の仕業だな?」
「秘密です。彼らのことは、あなたが一番知っているでしょう?思い切り胸を借りに行ってください。」
待ち合わせ場所は都会だった。
3人は並んで待っていた。
私は、走って近づいて、ゴンを選んで抱きしめて思いっきり泣いた。助けてくれと呟いた。
私はずるいからね。彼なら抱きしめてくれると思った。案の定抱きしめてくれた。優しく。
キルアも私の両肩に手をかけてくれた。・・・レオリオ、君も私に触れて欲しいんだが?まぁ君の性格は知っているけどね?どういう風に、今私を見ているかも知っているけどね?
都会の人々が、私を見ているのがわかっているよ。女みたいな何かが、少年を抱きしめて号泣している。どう見てくれても構わないよ?ここが私のスタートラインなんだから。私の第一歩なんだから。
3年間、私は修行し直した。私の友人達の成長スピードは速いからね。1年多くした。
今の私の能力は鎖では無い。それは枷だから。もう解き放ったから。何の能力にしたかは秘密だ。
私の修行場所はクルタ族の集落跡地で。朝日が昇り始める頃に旅立った。
今までの私の旅は偽りだらけだ。クラピカという名前すら嘘だ。私だけ名字がないのはそういう理由だよ。本名?教えない。最初に教えるのは、彼ら3人だ。能力も同じ。
今まで散々自分を鎖で縛って引きこもり、死に向かっていたクラピカはもういない。コンタクトで緋の眼も隠さないで。
あぁなんて朝日が気持ち良いんだろう。なんて世界は美しいんだろう。感動して泣きそうだ。本当の私は泣き虫だから。でも、今は泣かないよ。今の私の心は未来への楽しみで満ちあふれているから。