俺のじいちゃんは正義のヤクザでさあ、ヤク売った金で欲しいものはなんでも買ってくれた。
だから俺も見習ってる。女をヤク漬けにしてソープやAVで上納させるやり方はすぐに覚えた。
だけど最近はサツの締め付けも厳しくってさあ、だから考えたんだ。
「レンタル怖い彼氏」っていう革命的なサービスをな。


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 私の名前は宝多六花。今年で22歳になります。

 

 この文章を書いているのは、同じような被害に遭う人を一人でも減らしたいからです。私のように、すべてを失ってほしくないから。

 

 今から書くことは、すべて本当にあった話です。信じられないかもしれません。でも、これが現実なんです。

 

 


 

 

あの日、私は「レンタル怖い彼氏」を見つけてしまった

 

 


 

 2019年の春。私は都立の高校に通う2年生でした。

 

 実家はジャンクショップを経営していて、私も時々手伝いをしていた。読モのバイトもたまにしていて、周りからは「高嶺の花」って言われることが多かったの。

 

 でも、私には誰にも言えない悩みがあった。

 

 ストーカー。

 

 高校の先輩だった。最初はただの友達だと思っていた。優しくて、よく話を聞いてくれる人だった。

 

 でも、ある日を境に様子がおかしくなった。

 

 毎日何十通もLINEが来る。家の前で待っている。断っても、無視しても、どんどんエスカレートしていく。

 

 警察に相談した。でも、「まだ何もされていないから」と言われて、真剣に取り合ってもらえなかった。

 

 学校にも先生にも相談した。でも、「証拠がない」「本人に注意する」と言われただけだった。

 

 誰も助けてくれない。

 

 私は怖くて、夜も眠れなくなった。学校にも行けなくなった。バイトも辞めた。

 

 そんな時、Xで「レンタル怖い彼氏」というサービスを見つける。

 

 

『いじめ、パワハラ、ストーカー……一人で悩まないで。怖い彼氏が味方になります』

 

 そう書いてあった。

 

 


 

 

最初は、本当に助けてくれた

 

 


 

 LINEで相談すると、すぐに女性スタッフから返信が来た。

 

「大変でしたね。お力になります」

 

 優しい言葉だった。久しぶりに、誰かが味方になってくれた気がした。

 

 料金は30分で2万円。高い。でも手持ちでギリギリ払える額で、そして私はもう限界だった。

 

 数日後、約束の場所に行くと、大柄な男性が待っていた。

 

 タトゥーがたくさん入っていて、最初は怖かった。でも、話してみると意外と優しい人だった。

 

「俺が一緒に話をつけてやる。大丈夫だ」

 

 彼が一緒にいてくれることになった。

 

 そして、高校でストーカーの先輩と鉢合わせになった時、彼が隣にいてくれた。

 

「おい、彼女が嫌がってるって分かんねえのか?」

 

 低い声で、でも乱暴ではなく、そう言ってくれた。

 

 先輩は真っ青になって、それから連絡が来なくなった。

 

 助かった。感謝しかなかった。

 

 2万円を払って、「ありがとうございました」とお礼を言った。

 

 これで終わりだと思っていた。

 

 


 

 

でも、それは始まりだった

 

 


 

 2週間後、女性スタッフから連絡が来る。

 

「その後、大丈夫ですか?」

 

 気にかけてくれているんだと思った。嬉しかった。

 

「今のところ大丈夫です」と返事をすると、「よかったです。また何かあれば、いつでも連絡してくださいね」と言われた。

 

 それから1ヶ月後。

 

 高校で、また別のトラブルがあった。モデル事務所の先輩とお金のことでもめた。

 

 私は悪くないのに、一方的に責められて、どうしていいか分からなかった。

 

 その時、ふと「レンタル怖い彼氏」のことを思い出す。

 

 またLINEで相談すると、すぐに対応してくれた。

 

「今回は少し難しい案件なので、3万円になります」

 

 高くなっている。でも、もう頼る人がいなかった。

 

 今度は別のスタッフが来た。前より怖い見た目の人だった。

 

 でも、今回も問題は解決した。

 

 お金を払って、「ありがとうございました」と言った。

 

 帰り道、少し不安になる。

 

 こんなことを繰り返していいのかな。

 

 


 

 

気づいたら、抜け出せなくなっていた

 

 


 

 3回目の依頼の時、また料金が上がった。5万円。

 

「今回は特別なスタッフを呼ぶ必要があるので」と説明された。

 

 もう断れなかった。また一人になるのが怖かったから。

 

 そして、4回目。

 

 今回は「特別に無料でいいですよ」と言われた。

 

 ラッキーだ。そう思った。

 

 でも、それが罠だった。

 

 その時の「対応」は、明らかにやりすぎだった。相手を壁に押しつけて、殴って脅す。

 私も一緒にその場にいた。

 

「ぶちのめすぞ六(・)花(・)、(・)い(・)い(・)よ(・)な(・)」

「え、は、はい……」

 

 後から気づく。その様子を、誰かが録画していたことに。

 

 


 

 

脅迫が始まった

 

 


 

 1週間後、知らない番号から電話がかかってくる。

 

「もしもし、六花さん? 話がある」

 

 男の声。

 

 会うと、それは4回目の時に来ていたスタッフだった。

 

「あの時のこと、覚えてる?」

 

 動画を見せられる。私が一緒にいて、相手を脅している場面。

 

 「これ、警察に持っていったら、六花さんも逮捕されるよ」

 

 血の気が引いた。

 

「でも、俺たちは仲間だから。ちゃんと守ってあげる。だから、少しだけ協力してほしいんだ」

 

 協力。

 

 それは、お金を用意することだった。

 

 最初は10万円。次は20万円。どんどん増えていく。

 

「払えない」と言うと、「じゃあ、簡単な仕事があるよ」と言われた。

 

 


 

 

私は犯罪者になっていた

 

 


 

 最初の「仕事」は、荷物を受け取るだけだった。

 

「ただ受け取って、指定の場所に持っていくだけ。簡単でしょ?」

 

 後で知った。それは特殊詐欺の「受け子」という仕事だった。

 

 断れない。動画をバラすと脅されていたから。家族のことも知られていたから。

 

 次の「仕事」は、もっとひどいものだった。

 

 風俗店で働くことを強要された。

 

「読モやってたんだから、稼げるでしょ」

 

「嫌だ」と言ったの。

 これを読んでいる人、あなたに信じてほしい。

 私、必死で断ったんだよ。

 

 でも、「じゃあ、高校と実家にあの動画を送るけど、いい?」と言われる。

 

 もう選択肢はない。

 

 


 

 

すべてを失った

 

 


 

 それから半年間、地獄だった。

 

 放課後、毎日、大きなお風呂のある風俗店に行く。

 

 知らない男たちに体を触られる。口に出せないようなことをさせられる。

 

 最初は泣いていた。でも、そのうち涙も出なくなった。

 

 もっとひどいことも強要された。

 

 アダルトビデオの撮影。無修正の、違法なやつ。

 

「顔にモザイクかけるから大丈夫」と言われた。でも、それは嘘だった。

 

 撮影された動画は、海外のサイトにアップロードされた。顔も名前も、全部バレる形で。

 

 薬も使わされた。

 

「これ飲めば楽になる」と言われて渡された錠剤。

 

 最初は拒否した。でも、毎日のように迫られて、断れなくなった。

 

 飲むと、確かに楽になった。嫌なことも忘れられた。

 

 でも、すぐにそれなしでは生きられなくなった。

 

 薬が切れると汗をかく。ガタガタ震える。顔や肩の筋肉が無意識に引きつって、肌に虫が這う感覚に襲われる。

 

 でも薬さえ幸せ。

 頭や胸が幸せでウズウズして、どんな男ををあてがわれても苦しくない。

 もっと欲しい。もっと。

 

 二ヶ月経つと錠剤じゃ効かなくなって、注射1本をセックス1回で買うようになった。

 

 特殊詐欺の「受け子」も続けさせられた。

 

 毎日のように、知らないお年寄りの家に行って、現金を受け取る。

 

 ある日、おばあさんが泣きながら「これは息子のために貯めたお金なの」と言った。

 

 でも、私は受け取った。

 

 断れば、自分がどうなるか分かっていたから。

 

 高校には退学届を出した。もう行けない。

 友達とも連絡を絶った。誰にも会えない。

 実家にも帰れなくなった。母に顔を見せられない。

 

 鏡を見ても、自分が誰だか分からなくなった。

 痩せこけて、目の下にクマができて、髪はパサパサ。

 

 これが私? 

 

 体も壊れた。

 性病になった。治療も受けさせてもらえなかった。

 

 生理も止まった。

 

 そして、ある日。

 警察に捕まった。

 特殊詐欺の「受け子」として。

 手錠をかけられた瞬間、ホッとした。

 

 やっと、この地獄が終わる。

 

 


 

 

今、私は

 

 


 

 今、私は保護施設にいる。

 裁判は終わった。執行猶予がついたが、前科がついた。

 高校は退学。読モのバイトももうできない。

 

 実家とは少しずつ関係を修復しているが、母は私を見るたびに泣く。

 友達は誰もいない。SNSのアカウントは全部消した。

 夜は悪夢を見る。あの人たちに追いかけられる夢を。

 心療内科に通っている。PTSDと診断された。薬物依存症の治療も続けている。

 

 体も元には戻らない。

 

 性病の治療は続けているが、完治は難しいと言われた。

 子供を産めない体になった可能性が高いとも言われた。

 AVの動画は今も海外のサイトに残っている。削除依頼を出しているが、いたちごっこだ。

 

 時々、街で知らない男から声をかけられる。

 

「あの動画の子だよね?」

 

 そう言われて、逃げる。

 もう、普通の生活には戻れない。

 

 


 

 

あなたに伝えたいこと

 

 


 

「レンタル怖い彼氏」のようなサービスを、絶対に使わないでください。

 

 最初は優しく、頼りになるように見える。

 

 でも、それは罠。

 

 彼らの目的は、あなたを助けることではない。

 

 あなたを「商品」にすること。

 

 お金を奪い、犯罪に加担させ、逃げられなくして、完全に支配する。

 

 それが目的。

 

「ちょっとぐらい」

 

「一回だけなら」

 

 その気持ちが、すべての始まりだった。

 

 もしあなたが今、何かのトラブルで悩んでいるなら、正しい場所に相談してください。

 

 警察、弁護士、学校、支援団体。

 

 すぐには助けてもらえないかもしれない。もどかしいかもしれない。

 

 でも、そこには罠はない。

 

「簡単な解決」なんて、この世界にはない。

 

 


 

 

最後に

 

 


 

 私は、自分の人生を取り戻そうとしている。

 

 時間がかかると分かっている。もう元の生活には戻れないことも分かっている。

 

 でも、せめて誰かを救えるなら。

 

 私と同じ過ちをする人を減らせるなら。

 

 それが、今の私にできること。

 

「レンタル怖い彼氏」は、2020年8月に突然サービスを終了した。

 

 でも、同じような犯罪は今も続いている。形を変えて、名前を変えて。

 

 どうか、騙されないでください。

 

 あなたの人生は、たった一つしかないのだから。

 

 


 

 

宝多六花

 

2025年11月


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