【問題】「勘違い系主人公が……(ピンポン!)自虐的クソザコ糸目女子の敗北CG回収物語! 異能闇組織の美少女ボスを添えて! 「正解!!」 ~何故だ! 何故分かる、バックショット!!~ 作:信頼できる語り手
闇組織の下っ端ですが、上司からの過大評価が怖いので実家に帰ります。
自覚してもどうしようもない事って、この世には沢山あると思うんだ。
例えば、日頃食べてるお菓子に含まれる糖質や脂質の多さとか。例えば、交通事故による年間死亡者数がそこそこ高い事とか。例えば、『印芽』の性質が遺伝する事とか。
自分がどれだけ恵まれてるかを知ったところで、現状に感謝するよりも先に最悪の未来を想像してしまう。少なくとも、私はそういうネガティブ人間だ。
だから、何も自覚したくなんてなかった。
「素晴らしい仕事だな、バックショット。合格だ。君を最高幹部に任命する」
亜麻布のキトンを着た、黒髪ウェーブの女性。闇組織『僭賞濫刑』のボス──ラウンドノーズが、死体の山の上から有無を言わせぬ口調で宣言する。
異能による蘇生技術が発達した現代でも、これだけ景気良く人が死ぬ職場は珍しい。犯罪集団なので職場に含まれないという説もある。
「身に余る光栄です。……しかしながら、陛下。私のような若輩者を重用しては、他の方々が反発するのではないでしょうか?」
意訳:これ以上出世すると命が幾つあっても足りないので、勘弁してください。
「ふふ、ワッドカッター様もそう思いません?」
私は僭賞濫刑のナンバー2に対して、自慢の営業スマイルで媚びてみた。
ワッドカッターは無言の幽霊じみた暗殺者だが、『是』と『非』だけは言ってくれる。最古参の彼であれば、新人の分不相応な出世に思うところがあるだろう。
さあ、ビシッと反対しちゃってください! 一生のお願いです! その綺麗な白髪とか陛下に負けない耽美な御尊顔とか、マジリスペクトしてますから!!
「……」
あれ、何で動かないんですか? ちょっとー、寝てますー?
「ハッハッハッ! ワッドの刃を突き付けられても、平気で煽りやがるゥ! 相変わらず、大したタマだぜ、バックの嬢チャンはよォ!!」
え、ちょっ……! 待って、待って! 私、殺されかけてたの!? 全く気付かなかったんですけど!? 異能者としての資質、ゴミなので!!
というか、サブソニック様! 貴方、確か幹部陣で唯一の
「お気になさらず。反応しなかったのは、ただ見えていなかっただけですので」
「ハッハッハッ! この程度の牽制は眼中になかったってかァ!? 最高だねェ!!」
「……」
おい、やめろ、赤ポニテ脳筋野郎。喧嘩を売るなら私を挟むな。根に持たれて暗殺されたらどうする。
「そこまでだ、ソニック。ワッドもこれ以上は控えろ。ホローはどう思う?」
「ま、順当ですわね。実績は充分。何より、わたくし好みの顔でしてよ。寝室に連れ込んで、あんあん喘がせたーい。そんなわけで、わたくしは大賛成ですわー。いえーい」
瞳孔がガン開きした金髪の女──ホローポイントが、謎の薬液を腕に注入しながらケタケタと笑った。
ネイルを弄るような感覚で薬キメるの、やめて貰えます……? あと、彼女の体液には媚薬のような成分が含まれているらしいので、私に近寄らないで欲しい。
「それでは、改めて。バックショットが僭賞濫刑の最高幹部となった。僕達と共にこの世界の秩序を破壊しよう」
私は決意した。
「謹んで、拝領いたします」
──実家に帰ろう。
「はぁ、疲れた……」
私は顔を隠す為のフェイスベールを外し、懐かしい実家の玄関前で手鏡を確認する。そこには、目の細い茶髪の女が映っていた。
……私だって、好きで糸目キャラをやってるわけじゃない。幼少期に瞳の色を揶揄われてから、目を細めるのが癖になってしまっただけだ。
「あら、お帰り。連絡よりも早かったのね」
「母様……!」
やっぱり、実家は安心する。
思えば、3級異能者の認定試験に落ちた時から、私の人生は大きく狂ってしまった。
単なる不合格ではない。試験当日に会場が崩壊した事件の容疑者として取り調べられ、何故か合格が取り消されたのだ。
途方に暮れていた私はネット上の詐欺師の甘言に騙され、あれよあれよと闇バイトの片棒を担ぐ事になる。
そして、知らぬ間に重要な取引きが潰され、知らぬ間に詐欺グループが壊滅し、知らぬ間に僭賞濫刑へとスカウトされた。
それら全てが私の仕業だと誤解されている事を自覚したのは、ここ最近である。
おかげで、生きた心地のしない日々を送っている。最後まで無自覚でいた方が、気が楽だったかもしれないね……。
誰からも信じて貰えないけど、本当に全てが偶然なんです!
幸いなのは、素顔がバレていない事だ。私の
「おお、もう帰ってきたのか、ヒトミ」
忌々しい過去を振り返っていると、サングラスをかけた強面男性も駆け寄ってくる。
「父様! お元気そうで何よりです」
「そっちこそ、たまには生存報告くらいしないか。心配してたんだぞ」
「ごめんなさい。……あれ? 今、家の奥から物音が聴こえたような……」
不本意ながら死線を潜ってきた私は、ただの物音にも敏感に反応してしまった。帰還兵かな?
「……ああ、そう言えば、少し前から親戚の子を預かってるんだ。お前も挨拶しておきなさい」
とんとんと小走りな足音が響き、エプロン姿の黒髪ウェーブの女性が現れる。
「ラノちゃんだ。心配要らないとは思うが、お互い仲良くするように」
「居候のラノだ。よろしく頼む」
「ふふ、父様。ちょっとタイム」
私は心の中で叫んだ。
(陛下じゃん! 僭賞濫刑のボス『ラウンドノーズ』様じゃん! 指名手配額ランキングで上位安定の、最低の脱獄犯じゃーん!!)
──【悲報】私、サービス終了確定【助けて】
暴れて欲しいラスボス人気投票
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女性:【死線】ミス・リード
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女性:【最低の脱獄犯】ラウンドノーズ
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女性:【亡国鬼】サムネイル
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男性:【後追い】ナゼ
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男性:【眠らない傭兵】ステム
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女性:【閉鎖病棟】ギープキィ
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男性:【推定無罪】トゥルーエンド