カシス(♂)に惚れたオレ ~魔術師ファロムは聴こえている~ 作:信頼できる語り手
原作:魔術師クノンは見えている
タグ:R-18 ボーイズラブ オリ主 残酷な描写 男の娘 コメディ 和姦 激重感情 ヤンデレ チート 魔属性 固有魔術 脳筋 感覚派 冒険者 魔術学校 フェラチオ 避妊具プレイ アナルセックス 男主人公
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最愛の恋人を抱き寄せ、深い口付けを交わす。普段の食事の影響か、彼女の舌は甘く爽やかな味がした。
「お腹に何か硬いモノが当たってるんですけど? 結局、私の体が目当てだったのね。サイテー。エッチ。ヤリモク男」
唾液の糸を引きながら唇を離した金髪の美少女──カシスは、芝居めいた口調でオレを揶揄う。いつもの事だ。
「あーあ、クノン君は紳士だったなー」
しかし、彼女の口からその名が出た事で、オレは表情を変える。
盲目の魔術師『クノン・グリオン』。魔技師ゼオンリーの弟子にして、魔術学校の後輩。
だが、オレにとってそこはどうでも良い。重要なのはクノンが有名なナンパ男であり、最近ではカシスと仲良くしているという事実である。
「他の男の名前を出すな」
思わず華奢な肩を強く掴んでしまったが、彼女は痛みに顔を顰める様子もなく、むしろ嬉しそうに白い歯を見せてニヤける。
「やだ、嫉妬しちゃったの? 別にクノン君は好みのタイプじゃないから、警戒しなくて大丈夫よ」
「分かってる。それでも、カシスが他の男の事を考えてると思うと……目茶苦茶に犯して、オレの
「うわー、オレ様。昔はあんなに大人しかったのに、色々と野性的になっちゃって」
「カシスが嫌なら直すが」
「直さなくて良いわ。……他の女にファロム君の魅力がバレたら、盗られちゃう」
カシスは挑発的な上目遣いでオレを見上げ、舌なめずりをしながら誘ってきた。
「じゃあ、愛しい愛しい旦那様。──悪ぅい彼女へのお仕置きエッチ、する?」
男の体に生まれた
「もしかして、ファロム君……?」
眩しい金髪と澄んだ青い瞳。純白のミニスカート。夢にまで見た人物が手を振っていた。
視線を彼女の唇に向ける。人間の口と手の動きを目で追ってしまうのは、耳の聴こえないオレが無音の世界で身に付けた癖だ。
「やっぱり、そうよね……!? 身長が高くなってるから、別人かと思ったわ! 昔は私と同じくらいだったのに、成長期にも程があるでしょ! ……で、ファロム君も魔術学校の入学試験を受けに来たの?」
「あぁ……」
オレは思わず感嘆の溜め息を吐く。ずっと恋い焦がれていた彼女が、あの頃と変わらぬ輝きを纏って目の前にいる。
そして、何よりも……ようやく『聴く』事が叶った声の可憐さたるや。それだけで、百万ネッカに値するだろう。
カシスの魅力を前にすれば……もはや彼女の生物学的な性別が『男性』である事など、些末な問題に過ぎない。
「おい、『獣兵』に話しかけたぞ……!」
「大丈夫か? あの女の子、殺されるんじゃないか……?」
魔術都市ディラシックの片隅で囁きの波が起きる。内緒話のつもりかもしれないが、特別製の『耳』にはうるさいくらいに届いていた。
オレは確かに年齢の割りには体が大きく威圧感があるが、魔物のように扱われる謂れはない。
しかし、今はそんな事よりも。
「……カシス。約束を覚えているか?」
「え、約束? 私、何か約束したっけ?」
オレは会話が漏れないように魔術を使って周囲の風の性質を弄ってから、彼女に言った。
「約束通り、稼げる男になって会いにきた。──オレと付き合ってくれ、カシス」
「えっ」
カシスは笑顔のまま硬直し、手に持っていた鞄を取り落とす。
「えええええ、えええぇ……っ!?」
「勿論、告白の返事は入学試験の後で構わない。この事は一旦忘れて試験に集中……」
「できるか、馬鹿ぁ!!」
ああ、素晴らしい美声だ。聴覚を得る為に魔術を学んで、本当に良かった。
人生とは、たった一言で全てが変わる。
『ファロム君の声、私は結構好きよ』
耳が聴こえないオレに対して、幼き日のカシスはそう言った。当時は読唇術を習得していなかったので、伝達手段は筆談だ。
──英雄の傷跡、あるいは魔王の呪い。
魔王と戦った十七国には、何かが欠けた子供が生まれる事がある。国によって歓迎されたり忌み嫌われたりする現象だが、当人にとっては憎むべき苦難でしかない。
オレの場合は聴覚だった。
生まれ付き、耳が聴こえない。自分が正しく発声できているのかも確認できず、会話が満足に行えない。
皆と上手く馴染めないストレスは、オレの思考を悪い方向に誘導した。
誰かが笑っている気がする。誰かが陰口を叩いている気がする。考え過ぎ? 何故、そう言い切れる? オレには何も聴こえていないんだぞ?
不安。疑心暗鬼。オレが感じ取れる世界は狭い視覚の範囲内だけ。そこから外れた事象は観測不能。だから、他人は信用できない。
『そんな風に心配するのは自分に自信がないせいでしょ? だったら、誰からも馬鹿にされないくらい、偉くなれば良いのよ』
『偉、く……? どうやって……?』
『お金よ、お金』
カシスと知り合ったのは、親の都合でビリオシア王国を訪れた時だった。
『何でも良いから、とにかく稼げる男になるの。お金は一番分かりやすい権威よ。大体の悩みはこれで解決するわ。皆から尊敬されるし、女の子にもモテモテになるわね』
『カシスは……稼げる男が好きなのか?』
『当然! あ、もしかして私の事狙ってる? どうしよっかな。魔術学校に行く時までに稼げる男になってたら、付き合ってあげても良いわよ?』
カシスが走らせる筆の先を凝視する。彼女の紡ぐ言葉を1文字も見逃さないように。
『ふふ、意外と悪くないかもね。将来性ありそうなイケメンで、私だけを見てくれそうだし。それに……ファロム君の声、私は結構好きよ』
──それが、初恋だった。
不老不死の魔女グレイ・ルーヴァが建設した魔術学校の学生は、実力によって3クラスに分けられる。
全てを自由に学べる『特級』、一般的な学校のように授業を受ける『二級』、基礎から学ぶ『三級』。
入学試験で実力を示したオレとカシスは、最優秀の特級クラスに振り分けられた。
その最初の洗礼として『実家からの仕送り禁止』──つまり『魔術で金を稼げ』と言われて一悶着あったが、冒険者として収入を確保しているオレには関係ない。
問題は。
「さっぱり分からん」
「えぇ……。これ、超初歩的な魔術理論を書いた本よね?」
オレの座学適性が低過ぎる事にある。
「良い? 魔術師は皆、体の何処かに紋章があるでしょ? その属性の魔術の名前を唱えると、もしくはイメージすると、魔法陣が魔力で描かれるの。自動的にね」
「『水球』とかだな」
冒険者活動中に水属性の魔術師と組んだ事があるので、水の初級魔術は知っていた。
「そう。ただ、この魔法陣はただのベースよ。崩したり、ずらしたり、重ねたり……色んな調整を加えて、アレンジしていくの」
完成された魔法陣を故意に歪ませ、新たな魔術を創り出す。それが現代の魔術体系だと、カシスは言った。
「っていうか、ここまで全部、グレイ・ルーヴァの『一より始まる基礎魔術』に書いてある話よ! 魔術師の必読本! 読んだ事ないの!?」
「流石に読んだ事はある。内容を忘れていただけだ」
「堂々と言うなっ!」
自慢ではないが、オレはあらゆる障害を魔力と体力の力押しで乗り越えてきた男である。代わりに、理屈や効率をちまちま考える作業は大の苦手だ。
膨大な魔力量を示す『三ツ星』の紋章。希少にして万能な『魔』属性。一騎当千の固有術式『配合』と鍛え上げた肉体のシナジー。
冒険者として魔物を狩るだけなら、小細工など要らない。……要らなかった。
しかし、どうやらこの魔術学校では違うらしい。カシスがジト目を向けてくる。
「ファロム君、ちゃんと理解してる? 1年で10点の単位を取らないと、特級クラスに残れないのよ?」
「……まあ、今はまだ足場固めの時期だ。派閥勧誘の時期になれば、選択肢も広がるだろう。心配するな」
「その呑気さが心配の種なんだけど」
魔術学校の学生の多くは寮生活を送っているが、別に物件を探して住む者もいる。
オレも小さめの屋敷を1つ、不動産屋に紹介して貰っていた。学友達の溜まり場になる事を懸念して、敢えて魔術学校から少し離れた立地を選んでいる。
ちなみに、カシス以外がオレの家に訪問した事はない。これも立地のせいだ。決してオレが孤立しているわけではない。完全に立地が原因であり、立地が全て悪い。
「ファロム君、何処の派閥に入るの? やっぱり、個人技を磨く『実力』の派閥?」
今日もオレの屋敷に遊びに来たカシスは、ベッドの上に寝転がっている。少し前に『楽にして良い』と言ったら、何故かオレの寝室で寛ぎ始めたのだ。
「いや、『合理』の派閥に行く予定だ。あそこは小グループで連携する事が多いからな。情報交換している内に、オレの研究方針も固まるかもしれん」
「ふーん。……知ってる? 『合理』の派閥って固定メンバーで行動するから、男女のカップル成立率が高いらしいわよ」
「そうか」
オレには既にカシスがいるのでカップルはどうでも良いが、親密な友人の1人くらいは作りたい。
実を言うと、オレは未だに他人と話す事が苦手だった。魔術に覚醒して聴覚を補完できるようになった後も、人見知りは改善していない。
そもそもの話、オレは固有魔術である『配合』を使って音を聴いている。『配合』とは『自身の肉体を一時的に別の物体と混ぜ合わせ、機能を借りる』魔術だ。
試行錯誤の末に、オレは『他者の耳を取り込む』という手段で、生まれて初めて周囲の音を拾う事に成功した。
勿論、人間の耳を剥ぎ取ったりはしていない。オレが目を付けたのは魔物の死体だ。
魔属性の魔術で調整した魔物の耳を持ち歩き、必要な時だけ『配合』で健常な聴覚機能を借りる。それがオレの答えだった。
ただ、このやり方には欠点もある。
1つ目の欠点は、見た目の悪さだ。人間の耳と魔物の耳を『配合』すると、かなり不気味な形になってしまう。
そんな姿で魔物を狩りまくっていると根も葉もない恐ろしげな噂話が広まり、いつの間にか冒険者連中から『獣兵』と呼ばれるようになった。
2つ目の欠点は、余計な音まで聴こえてしまう事だ。
火の音。水の音。土の音。風の音。光の音。闇の音。魔の音。……感情の音。
『配合』する魔物の種類にもよるが、とにかくうるさい。集中が乱される。耳元で騒がれていては、深い思考などできるわけがない。結果、失言が増える。
それら2つの欠点により、オレの対人交流は悉く失敗に終わっていた。
「……決めたわ。私も『合理』に入る」
「そうか」
カシスが一緒ならありがたい。ベッドに腰かけたオレがそう言う前に、背後から抱き付かれた。
「ねえ、ファロム君」
カシスは喉をこくりと鳴らし、少し強張った声を絞り出す。
「やっぱり、体も女の子じゃないと嫌……? おっぱいのない私じゃ駄目なの……?」
「……何故、そんな事を言う? オレの恋人はカシス以外、考えられない」
「だったら……どうして私を抱いてくれないの……?」
オレは虚を衝かれる。カシスにそういう欲求があったとは気付かなかった。むしろ、育ちの良い彼女は性的な話題を嫌うかと思い、敢えて避けていた節もある。
「私、こんなに誘惑してるのに……」
だが、彼女が望むというのなら。
「……すまない。オレの察しが悪いせいで、不安な心境にさせたようだな。安心してくれ。オレはお前を愛している」
オレは立ち上がり、カシスの細い体を抱き締めた。何かの感情が昂る音が聴こえてくる。
「体も胸も関係ない。オレはカシスの綺麗な唇が好きだ。性格も容姿も、全てが好きだ」
オレはカシスの唇を奪った。
「ふふふふふ、えっちなファロム君の大好きなお口で気持ち良くしてあげる」
長めのキスを終えたカシスは、一転して上機嫌になっていた。
ベッドの上でオレに跨がり、首から胸板、腹筋へと口付けを落としていく。そして、彼女の顔がオレの股間の位置に来た。
「ふふ、窮屈そうね」
カシスは器用に手を動かし、オレの陰茎を服の外に解放する。と同時に、目を見開いた。
「うわ、デカっ!? え、これ、私の何倍……? 血管すご……。反り返りエグ……」
反り立つ陰茎に見惚れていたカシスだったが、意を決したように優しくキスを捧げてから、小さな口を大きく開いて咥え込んだ。
「ちゅ、ちゅ。あむっ……。れりゅ……」
水音だけが部屋に響く。手持ち無沙汰になったオレがカシスの頭を撫でると、彼女は餌を与えられた動物のように尻を振って喜んだ。
「……ぷぁ! けほっ、けほっ……! やっぱり大き過ぎよ、ファロム君! おしゃぶりしてる間にも膨らんでくるし!」
「ああ、悪……」
謝ろうとしたオレの言葉が、身を起こしたカシスの下半身を見て途切れる。いつの間にか彼女の性器が体積を増し、純白のミニスカートを押し上げていた。
カシスもオレの視線に気付いて、慌てて股間を隠すように押さえる。
「な、何よ!? あんな凶悪なおちんちん舐めてたら、期待で興奮しちゃっても仕方ないでしょ!?」
オレは赤面する彼女を押し倒した。
「カシス。オレはお前に恋人として、何処まで性欲をぶつけても良い?」
「……全部、ちょうだい」
「駄目ぇ……っ! イク、イッちゃう……っ! ファロム君のおちんちんで……! お尻で……雌になっちゃうの……っ!!」
何度目かの射精を終えたオレは、カシスの穴から陰茎を引き抜く。その感触に絶頂状態の彼女が身を捩った。
「おっ……! ほぁ……っ!」
オレは避妊具をずるりと外し、精液の溜まったそれを結んで、うつ伏せに倒れたカシスの顔の横に置く。
尻を突き上げた体勢で痙攣する彼女を見ていると、また性欲が滾ってきた。新しい避妊具を付けて、ミニスカートの隙間から挿入する。
「きゃ、あっ……! おっ、おっ、おっ……! もう、駄目っ! もう、おかしくなるのっ! ファロム君の雄エッチ、激し過ぎっ! イグっ! イグイグイグぅ……っ!」
カシスの中で絶頂し、ドクドクと精を吐き出した。自分でも信じられないほどの量を射精しているが、まだ全然収まらない。
「カシス、好きだ」
「私も! 好きっ! ファロム君が大好きぃ……っ! 私の全部を愛してっ! 君のモノにしてっ!」
色々と大変な魔術学校での生活だが、オレには最高の彼女がいる。
オレは幸せを噛み締めながら、カシスの艶やかな美声を聴き続けた。