女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
「それじゃあ、こっちに来てね」
そう言うとTさんとあたしはドアの向こうに入った。
そこは思ったよりも広めのスペースで試着室のようなカーテンで三つに区切られている。
Tさんはそのうちの一つにあたしを案内する。
カーテンの中にはやはり試着室と同じで姿見が作り付けになっている壁があった。
「ここはセラピストの子が着替えるために使うんだけど、それ以外にも使う事が色々あってね」
そう言うとTさんは直立姿勢になってあたしをじっと見た。
「それじゃあ、服を脱いでもらおうかな」
なるほど。人が出入りする場所とは別に裸になれる場所があるのか。
カーテンの中に入る前に簡易ベッドもあった。
あれば仮眠用かと最初思ったがもしかしたらもっと別の目的に使うものかもしれない。例えばセラピスト同士で「練習」をする時とか。
「全部脱いじゃっていいですか?」
「もちろん。全体を見せてもらいたいからね」
Tさんは落ち着いた口調で言う。
状況が状況だけに高圧的にならないように配慮してくれているような言い方だった。
あたしは深く頷くと服を脱ぎ始めた。
風俗で呼んだセラピスト、友人のS、そしてTさん。公衆浴場でもない場所で恋人じゃない人の前で全裸になるのは慣れない。
目的を聞かされているから納得は出来ているが居心地の悪い気持ちなのは確かだ。
「これでいいですか?」
服をすべて脱ぎ終わるとあたしは気をつけのポーズを取る。
「ありがとう。それじゃあ、触っていくけど大丈夫?」
「はい」
あたしが返事をするとTさんは医者が手術で使うような薄いゴム手袋を自分の手にはめた。
いや、これは手術用手袋そのものだろう。
指につけるコンドームであるフィンガードムという女性同士が安全にセックスをするためのものがアダルトショップで売られている。
フィンガードムの他に感染症などを防ぐ目的で女同士のセックスの際には手術用手袋が使われているという話は聞く。
あたしはその辺をあまり気にしないで来たけど、さすがに不特定多数とセックスをする仕事をしているのだからこういうところで安全を確保しなければならない。
自分自身のセックスの経歴はあたしはよく分かっているが、今、Tさんからすればあたしはどんな病気を持ってるかも分からないリスクの塊でしかない。
自分を守るのには必要な事だろう。
「骨格を見れば分かるんだけどね。Mさんは特に腰が丸いから分かりやすい。でも、それでも確認しなければいけない事はいくつかあるから我慢してね」
そう言うとTさんは肩からあたしの身体を撫でるように触っていく。
「うっ……
「感じやすいのね。でも我慢して。変な事はしないから」
乳房を揉まれた時にあたしは思わず声を出してしまった。
Tさんの言う通りあたしの胸は敏感な方だ。
ただ感じさせる意図じゃないのは分かる。
「天然のおっぱいね。結構大きいから自然な形だから疑ってはなかったけどね」
トランス女性ならあたしくらいのサイズなら豊胸手術なんだろう。
女性ホルモンの注射で胸は膨らむと聞いたことがあるけどあまり大きくならないのかもしれない。
お腹周りや腰の骨などをTさんは確認していく。
男性の裸は何年も前に見ていたけど骨格の形はかなり違う。
性別を変える為の治療や手術でどのくらい近づけられるか分からないがあたしみたいに丸みの強い形はあまりないイメージはある。
ある程度形式的なものなのか他にも確かめる方があるのか。
どちらにしてもこうして裸を好きでもない人に見られるのは気持ちのいいものじゃないから早く終わって欲しいと言うのが本音だ。
そういえばTさんはレズビアンなのだろうか。
こう言う仕事の裏方はどんな人がなるんだろう。
ビアンだったとしてあたしの裸を思い出して帰ってからオナニーをしてるのはあんまり考えたくないことではある。
「じゃあ、あそこも見せてもらうね。足を肩幅くらいに開いてもらえるかな?」
「はい」
あたしは言われた通りにラジオ体操でやるように足を軽く開く。
それを確認するとTさんはあたしのあそこを摘んだり開いたりする。
「それじゃあ、クッションを置くからここ触ってくれるかな?」
Tさんはドアの近くの棚からクッションを持ってくるとあたしのかかとの後ろあたりに置いた。
「これでいいですか?」
あたしはそのクッションに体育座りの姿勢に座る。
「うん。そのまま足を開いて」
そう言うと同時にTさんはあたしの両踵を掴んで足を広げた。
この姿勢になるのは何年ぶりだろう。二人目の彼氏と最後にエッチした時以来だ。
男の子とエッチをする時は脚を広げた状態で相手が覆いかぶさり大事な所にちんちんが挿入される。
彼との最後の何回かはすでに女の子が好きだったことを悟っていて元々持てない男性の身体への性欲に悩みながら抱かれていた。
正常位で抱かれる姿勢にに久しぶりになるとその申し訳なさが蘇ってくる。
「あそこ、見せてもらうね。これは大丈夫?」
「はい。でも、久しぶりにこんな姿勢になるので恥ずかしいですね」
「女同士ならオーラルセックスくらいだもんね。でも、これが一番大事だから我慢してね」
「はい」
Tさんはあたしの割れ目を広げるとじっくりと見始めた。
さっき立った姿勢と見える範囲が違うからだろうが、かなり慎重に見ているみたいだ。
そういえばあたしは過去の彼女のとのセックスであまりあそこをじっくり見たことがないかも知れない。
ネコをやることが多かったというのもあるけど、タチをする時でも手で形を確かめることが多かった。
「あっ!」
あたしは思わず声を上げた。クリトリスをトンと軽く触られたから刺激に驚いたのだ。
「今のは確認ね。もう触らないから安心して」
「すいません、声あげちゃって」
「みんなそうなるから大丈夫。あとは、指を中に挿れても平気?」
「大丈夫です」
「Mさん、処女じゃないよね?」
「初めては最初の彼氏にあげましたし、付き合った女の子は全員、あたしに挿入してます」
「それなら良かった。これが処女喪失って子が時々いるけど責任思いからちょっと罪悪感あってね」
「それは大丈夫ですよ」
「それなら。ちょっと中の深さとかを見るだけだから」
そう言うとTさんはポケットから小さいボトルを取り出し、そこから手にローションを中指塗るとをぐっとあたしの膣の中に押し込んだ。
膣は出し入れだったりGスポットへの刺激じゃない限りあまり感じない。
というか軽い異物感がある程度だ。
その異物感が短い時間続いた後、Tさんの顔を見ると納得したような顔をした。
「これでよし、と。大丈夫みたいね。あとは性病検査を受けてもらってかな」
「これから病院ですか?」
「それは予約をしておくから自分で行ってきてね。診断書はもらうことになってるからそれを提出してもらうから」
「わかりました」
「とりあえず、Mさんはうちで働ける身体である事が分かったから、あと、裸になる事にトラウマや抵抗もないみたいだし。契約という形でいいかな?」
「はい。入店という意味ですよね?」
「そう。契約書を書いてもらうね。じゃあ、あっちに行こうか」
そう言うとTさんは手を差し出してあたしが立ち上がるのを手伝ってくれた。
立ち上がって服を取る。
「あの、一応、あたしの身体の何を調べたかを聞いてもいいですか?」
「ああ、そうね。言っておかないと。骨格が女性の形かとか胸が本物かとかは見たけど、一番はここね」
そう言うとTさんはあたしの割れ目のあたりを触った。
「天然物か。あと、器官が全部揃ってるか。目視できる性病にかかってないか、この三点を見させてもらったの」
「器官が揃ってる?」
「そう。女の子の中にはあそこに欠損のある子も中にはいるから。そういう子はお断りしてるの」
「欠損ですか?」
「そう。膣がないとか、欠損じゃないけど小さな男の子のちんちんサイズのクリトリスがある子とか」
「そういう人、いるんですね」
「そう。色々病名とかは付いてるんだけどね。そういう身体の人はいざお客さんとエッチしてもらうとなると色々問題が起こる事もあって難しくて。お客さんとして来る分には歓迎だけど働いてもらうのは難しいかな」
そんな身体の人がいるというのは考えたこともなかった。
ただ、あそこは複雑だから発生の過程でうまく行かない人がいるのは理解できる。
風俗は誰にでもできる仕事のように思っていたがそうではないのかもしれない。
「女の子は自分のあそこを見る機会も少ないからうちで面接を受けるまで知らないとかもあるから」
確かに過去、エッチした女の子でも自分のあそこがどうなってるか知らない子もいた。クリトリスという言葉に「それ何?」って聞いてきた子もいる。
「Mさんのは立派な女の子のあそこだったから大丈夫よ。それじゃあ、服を来て契約をしましょう」
生まれたときから二十数年間女をやっているし、レズビアンとして女の子の身体を見てきているが女性という性別についてあたしも知らないことがまだまだあるみたいだ。
もしかしたら「お客さんとして」というからにはそういう人も来るのかも知れない。
あたしは自分のしようとしている仕事が思ったより難しい事が待っているものなんじゃないかと思い気が遠くなる思いがした。
そんなことを考えながら服を着終わり顔を上げるとMさんが満足そうな顔であたしを見ている。
「あの……」
「Mさん、ぽっちゃりさんで抱き心地よさそうだね。そういう女の子、結構、この業界で人気なんだよ。期待しちゃうな」
「そう、なんですね」
あたしはぽっちゃりと言えば聞こえばいいが太り気味な方だ。
褒められて嬉しいがその太さが売りと言われるのは過去ダイエットに失敗してきた身としては複雑だ。
「だから、頑張って仕事を覚えていってもらいたいな。歓迎するわ。それじゃあ、契約書を書きましょう」
そう言うとTさんはこの試着室のようなバックヤードの外にあたしを案内した。
契約書を書いたらあたしは風俗嬢としての仕事をスタートさせる。
すべては大学院に通うため。
まずは仕事を覚えないととこれから始まる仕事に覚悟を決めた。