※この作品はR-18です。

女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで   作:喋家月餅太

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初仕事

「——さんですよね? お約束していたMです」

 

目印を身につけた女性を見つけたのであたしは声をかけた。

 

既視感がある光景だ。

 

数ヶ月前にはあたしは声をかけられる側として待ち合わせていた。

 

レズビアン向けデリヘルのセラピストとしての初仕事の為にあたしはこのラブホテル街の一角にある小さな広場にやって来た。

 

人違いをしたらどうしようと思ったが、ここはラブホテルが立ち並ぶ界隈。

 

お互いの顔を知らずに待ち合わせをしている人はほとんどが後ろ暗い理由だろう。

 

あたしだってお金の対価として知らない女性に裸を晒しデリケートは部分を触られるんだから後ろ暗いのは一緒だ。

 

「そうですよ。あなたがMさんね、可愛らしい方」

 

お客さんは鋭い雰囲気のある格好のいい女性だ。

 

スラリと長身で背筋も伸びて立ち姿が美しい。

 

スーツ姿も凛々しく、あたしより年上なのは確実の仕事ができそうな人だ。

 

身につけているものも服装に女の中ではあまり頓着しないタイプのあたしでもわかるブランドを身につけている。

 

「今日はよろしくね。予約してるホテルはすぐそこよ。行きましょう」

 

そう言ってお客さんは軽く腰に手を添えてあたしに歩き出すように促した。

 

上手いエスコートだ。

 

あたしは同性愛者としてエスコートをする側、される側という関係性は好まない方だ。

 

男女でする事だし男女でそういう役割があるには生物学的理由がある。それが女同士ならいらないのだからそういう気遣いは必要ないと思う。

 

ただ、この人はそういう格好いい女である事が好きなのだろう。

 

役割としてというよりも美学としてのエスコートに感じた。

 

「緊張してる?」

 

「してますね。本業はそこそこ硬い仕事をしてるので」

 

「そうかぁ。私も硬い仕事をしてるから分かるわ。でも、今日は楽しみましょう」

 

並んで歩きながらお客さんは笑顔をこちらに見せる。

 

鋭い雰囲気の人だけど笑顔は人懐っこく感じる。

 

それがこの人の性格なのか計算や演出によるものなのかは分からないし、風俗の客とセラピストという繋がりなら知り様がない。

 

ただ気遣いは上手い。待ち合わせ場所からの会話は上手くあたし達以外には聞こえづらく、あたしにはよく聞こえる音量と話し方をしてくれている。

 

人前で喋るような仕事なのだろうか。

 

あたしのように普段機械に向かっていて、打ち合わせや確認事項を話す時くらいしか話さない仕事だと身に着かないスキルだと思う。

 

「ここのホテルは来た事がある?」

 

「いえ、初めてです」

 

連れてこられたのは待ち合わせ場所から少し歩いた所のラブホテル街から離れたところにあるラブホテルだった。

 

見た目はラブホテルっぽくない。

 

シティホテルを小さめのビジネスホテルのサイズに小さくしたような立派な外装だった。

 

「ラブホテルはよく使う?」

 

「前は使ってましたけど」

 

彼女や彼氏と行ったことはない。バーで知り合った行きずりの女の子とエッチをする時はよく知らない相手で家に入れるのが抵抗あるので使っていた。

 

それと風俗の利用とSとの「実技試験」の時くらい。

 

「そう。ここはお気に入りなの。行きましょう」

 

まるで古いハリウッド映画のデートシーンのようにあたしはスマートにエスコートされてラブホテルの中に入っていく。

 

受付は普通のラブホテルと変わりない。無人だが40インチくらいのタッチパネルの受付機に表示された写真の部屋はどれも上品な雰囲気だ。

 

502号室。お客さんが予約したのはその部屋だ。

 

あたし達はそれからエレベーターに乗り五階へ行った。

 

部屋に着くとあたしはこのホテルが相場よりそれなりに高いものだと分かった。

 

見たところは他のラブホテルとそう変わらない。

 

ただベッドをはじめとする調度品は高級そうなのが慎ましく暮らしているあたしでも分かるくらい素敵なものだった。

 

間接照明もその配置もとても綺麗で映画のワンシーンのようだ。

 

ただセックスをするだけの部屋にするには勿体無いと思う。

 

普段なら来ないような場所にあたしは感動を覚えたがすぐに冷静にならなければいけない。

 

恋人に連れてこられたわけでもナンパされて来たわけでもない。

 

これはビジネスだ。

 

「お風呂を準備するのでこちらでお待ちください」

 

「待ってるわね。ただ、服はまだ脱がないで。お風呂に入る時に脱がせて欲しいの」

 

「わかりました。ただ、上着は脱がせてください」

 

「勿論。準備しづらいものね。私も上は脱いで待ってるわ」

 

あたしは上着を脱いで上半身がブラウスだけになるとお風呂に向かった。

 

本当はブラウスも脱ぎたかったが、脱がせてほしいときうお客さんの立場になればボタンを外す楽しみは欲しいだろう。

 

Tさんからホテルはその形態を問わずまともなところなら掃除は行き届いてるのでバスタブを軽くシャワーで濯ぐだけでいいと聞いた。

 

目視で汚れを確認してからとは言われたが高そうなホテルだけあってその辺はあたしが掃除するよりもはるかに綺麗だった。

 

あたしはバスタブを丹念に濯いだあとお湯を張り始める。

 

同時にお店から持たされた泡風呂の入浴剤を入れてシャワーで泡立てる。

 

一回分がボトル一本になっているタイプだ。

 

泡風呂の方が身体を綺麗できるからと言う理由と人によっては身体をあまり見られたくない事もあるため身体を隠して入浴するためという理由でこれを使うんだそうだ。

 

これも安全と衛生の確保のため必ず店の用意した物を使う決まりだ。

 

道具一式のポーチもこちらに持って来ている。

 

シャワーで泡立てつつお湯を注いでいく。

 

普通のお風呂はお湯を出しながらシャワーを使えるようになってないがこういうのは泡風呂が一般的だからだろう。

 

あたしがワンナイトラブで使うラブホテルはこうなっていないし泡風呂に二人で入るという発想もなかったので一緒にシャワーを浴びていた。

 

その時は早くセックスをしたくて時間が惜しいというのもあるが、時間の決まってる風俗のサービスでこうするのは説明すると長いが色々理由がある。

 

Tさんからのレクチャーを今日受けたばかりだがシステム開発くらいには面倒なことのある仕事だなと思った。

 

お湯は十分入った。

 

二人で入るのに溢れさせないためにこのくらいがちょうどいいラインにした。

 

さて、これからサービスの開始だ。

 

これからお金の対価として提供するセックスを生まれて初めての時間だ。

 

緊張する。

 

正直言うと怖い。

 

だけど、浴室の向こうでお客さんは待ってる。

 

あたしは意を決してポーチを手に持ってお客さんの元に向かった。

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