女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
行為の後の入浴でお客さんはとても穏やかな表情をしていた。
「どうだった? 誰かと肌を重ねた感覚は」
「とても恥ずかしいです。変な顔になってませんでした?」
あたしは新鮮な反応に驚いた。
処女と寝たことはあるけど、その時は恋人や飲み友達だったからお互いに親しみを感じながら事後の時間を過ごしていた。
この仕事ではこれまでのお客さんはセックスに慣れてる人ばかりだったのでこんな反応はなく気楽な満足感を感じる表情をしていた。
「感じてる時の顔なんて誰でも間抜けとも言えるし、本能に正直だから美しいとも言えると思うの。変じゃなかったよ」
「でも間抜けではあるんですね」
「無防備だから」
「そっか。私、もう、処女じゃないんですね」
「そうだね。でも、これを機にあたしはあなたに本当の初めてを捧げる人を探すために頑張ってほしいな」
「本当の、初めて……?」
「あたしみたいな商売女なんかじゃなくて、恋人って関係の中で快楽だけじゃない親密さを伝え合う本当の初体験ね」
「私にそんなのが出来ますかね……?」
「それはめぐり合わせだからなんとも言えない。でも、可能性のある努力はしてみたらいいかもね」
「可能性のある……?」
そう言うとあたしは湯船から立ち上がった。
お客さんの顔の高さにちょうどあたしの股間が来る。
「はい……!」
一度じっとあたしの股間を見てから顔を真っ赤にした。
こんな反応をする女の子は珍しい。
「あたしのあそこ、見たい?」
「いや、その、いいんですか?」
「デリヘルだよ。そのくらいのサービスは料金に含まれてるよ。だいたい、もっとエッチなことをしたばかりでしょ?」
そう言うと、あたしは割れ目を開いてその中にある女の子の大事なものを見せる。
「自分以外のおしっこの出るところを見るのは初めてです」
「――ちゃんは女の子のあそこを普段からそんな風に呼んでるの?」
「変ですか? 外に言い方ってあったりするんですか?」
「おまんことかおめことか、そこまでストレートじゃなくてもあそことか。『おしっこの出る所』だとエッチな感じしないでしょ。子供の頃からそう言ってたの?」
「そうですね。男みたいになんか付いてるわけじゃないし、いや、実際は付いてるんですけど、子供の頃は知らなかったし」
「なるほどね。あたしの住んでた所では子供の頃は『ちょんちょん』って呼んでたけど、さすがにそれは子供っぽいからせめて『あそこ』って呼んだら?」
「それだと曖昧だから、『おまんこ』って呼んでみようかな」
お客さんは恥ずかしそうに言う。
あそこの呼び名でこんな風に恥ずかしくなる成人女性はなんだか可愛いかも知れない。
「それじゃあ、初めて見る人のおまんこはどんな感じ?」
「とってもエッチです。あと、花みたい。他の人はどうか分からないけど花びらみたいって本当なんですね」
「そうね。こうして見るのがお金を払って呼んだ女じゃなくて自分の彼女のおまんこになる日、応援してるからね」
「はい。がんばります!」
「それじゃあ、あがろうか」
そうしてあたしたちは湯船を出て帰り支度を始めた。
「私、自分を愛してくれる人と出会えるんでしょうか?」
服を着始めた時にお客さんは心配そうな顔で言った。
「それはあなた次第かな」
「どうしたら出会えるのかとか私、全然知らなくて」
ネットで探したら?というのが答えだ。
スマホをそれなりの年齢まで持たせてもらえなかったんだろうか。
このお客さんは情報へのアクセスが極端に出来ていない。
さっきのあそこの呼び方に関してもそう。
確かに小さな頃なら決まった名前のない土地にいたらおしっこの出る所と呼ぶのは適当だがそれを風俗を利用できる年齢になるまで使うのも違和感がある。
「どうやってうちのお店を見つけたの?」
「こっちに来てスマホを買ったんでそれで調べました。女でも使える風俗があるのかなって」
「そういう方法で調べられない?」
「セックスを出来る場所は風俗って言うのは知ってるけど出会いはどう探していいかも分からなくて」
キーワードが分からないと知ることが出来ないのは確かに分かる。
あたしもエンジニアとして仕事をしてから降参して先輩に泣きつくまで検索ワードが分からなくて困った事も多い。
「レズビアン向けのバーとか、同性愛者支援のNPOとかサークルとかかなぁ」
「あの、メモしてもいいですか?」
「どうぞ。でも、もう一度言ってあげるからまず服を着たら?」
「はい、そうですね」
お客さんは急いで服を着て鞄の中から使い込んだ手帳とボールペンを出した。
「どんな場所、でしたっけ?」
「レズビアンが集まる場所に行けばいいんだよ」
そう言って、あたしが記憶にある場所の種類を上げていった。
そう言った場所も知らない。
多分、風俗もレズビアン向けのものがあると思わず男の性欲解消の手段を模して調べてたりした結果なのかもしれない。
「色んな場所があるんですね。そういう所に女を好きな女の人が集まってるんだ」
「まずはそこで女を好きな女と知り合って友達を作る所から始めたらいいよ。そういう場所はみんな彼女が欲しくて行く人ばかりじゃないからね」
「確かに、私、自分と今日Mさんと会った以外に女を好きな女の人って知らないですから」
「それならどんな人が世の中に居るかとか構えず、気楽に友だち作りに行く所から始めればいいよ」
「わかりました。やってみます!」
お客さんは手帳にメモしたものを見つめている。
「おすすめとかってありますか?」
「それは言えない」
「どうして?」
「あたしは今、ある風俗店の仕事としてあなたに会ってる。その立場で他所のお店や団体の宣伝になることは言えないの」
「なるほど。それは自分で探さないといけないですね」
「あたしも女が好きだって気づいた時に結構簡単に見つかったから大丈夫だよ」
お客さんは息を呑んで感動したような様子を見せた。
「私、Mさんのお陰でいろんなことを知れました」
「応援してるから頑張ってね」
「はい!」
あたしも服を着て道具類も一通りバッグの中にしまい終わりこのホテルの部屋から出るためにお客さんに促そうとした。
「あの、出る前に一つお願いしてもいいですか?」
「何かな?」
「服の上からでいいのでおまんこ触らせて欲しいです」
「触りたかったの?」
「さっき見せてもらってどんな感触なのか知りたくなって」
ネコに徹してもらったけど、多分、外の女の感触も知りたかったんだろう。
あたしはスマートウォッチを見る。
まだ時間は少しある。
あたしはバッグの中から手術用手袋を取り出してお客さんに渡した。
「せっかくだから直に触ってみたら。これを付けてはもらうけどね」
「さっきMさんが使ってた避妊具ですよね」
そう言ってお客さんは手袋を受け取る。
避妊具というのは正しくない。
避妊というのは妊娠することを防ぐための行為の事だ。
そもそも女同士はいくらセックスしても子供が出来ることはない。
女同士のセックスそのものが避妊と言ってもいい。
セーファーセックスという言葉を知らないから知ってる言葉を使ったんだろう。
「あそこを触ってもらうには付けてもらう決まりなの。まだ時間があるから好きなだけ触っていいよ」
お客さんは緊張した面持ちで手袋をはめている。
その間にあたしはパンツを脱いでスカートをたくし上げた。
特に意識していなかったんだけど、今日はスカートにして良かった。
「入れたりとかしないんで、撫でたりとかくらいなんで」
「そうしてもらうと助かる」
お客さんはそっとあたしが子供の頃にちょんちょんと呼んでいた部分、割れ目の周辺あたりを撫でたり軽くつまんだりした。
「柔らかい……。女の人ってこんな感触なんですね」
「触りたかったの?」
「ずっと見たかったし触りたかったです。自分にもあるものなのに自分のと自分以外の誰かのじゃ違うんですよね。同じ物なのに誰かのじゃないと興奮しない」
「同性愛ってそうだよね」
「私だけじゃなかったんですね。Mさんはこんな柔らかさの場所でおしっこをして、生理が来て、気持ちよくなるんですね」
まるで男の子が女を知った時のように思えた。
「中に付いてるものがあるから当たり前ですけど、平らなのがこんな風に割れてるのって不思議ですよね。本当は今まで修学旅行で友達のこれを見たかったけど見ちゃいけない気がしてたからさっき見せてもらって感動しました」
彼女も割れ目が好きなのか。
それはあたしも同感。女の股間の縦筋は本当にきれいでエッチだ。
「ありがとうございます。私、好きになった誰かのこの場所を触れる日が来るように頑張ります」
「あまり気張らず気楽にね」
必死過ぎる出会いの渇望は迷惑な空回りを生み出す。
レズビアンの世界は狭いから悪評は命取りだ。
「エッチな気持ちも彼女が欲しいも大事だけど、多分、――ちゃんはレズビアンの世界をきちんと知ってそこで友達を作る事からしないとね。学校で友達を作るように」
これはしっかり釘を差しておかないと。
「はい」
「それまでの間にエッチな気分に負けそうになったら高く付くけどあたしを呼んでくれればいいから」
「お金、あまりないんでその辺も頑張ります」
「無理はしないでね。バーに行ったりしてもお金がかかるから」
あたしはこれから知るであろう世界に期待しているお客さんを見ながらパンツを履き、たくし上げていたスカートを下ろした。
「それじゃあ行こうか。あ、その前にお代をいただけるかな?」
お客さんはあたしがそう言うとカバンから封筒に入れたお金を礼儀正しく手渡す。
「確かに。それじゃあ、行こうか」
お金を確認し、あたしたちはホテルを後にすることにした。