女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
仕事を終えて報告書を書き終わった後、あたしはこの頃、お店の事務所にあるコーヒーサーバーでノンカフェインのドリンクを飲んでから帰っている。
最初は特殊な世界に染まることが怖くてあまり同じ店で働く人と関わらないようにしていたが、距離を保ってある程度は話したりした方がいいと思うように考えを変えた。
というのもこの仕事には磨くべき技術のような物がありながらそれを知る手段がない。
セールスマンや技術者といった一般的な職業のように仕事に関する本も存在しないしブログなどで見つけたとしても出所不明の誰が描いたか分からない代物だから信用できない。
経営者の目の届く場所で交わされる同業者との会話ならある程度有益な情報交換が出来るのではないかと思ったのだ。
ただ、距離感には気をつけている。
ここにいるセラピストはおそらくみんな同性愛者。
そうでないとしても同性との性行為に抵抗のない人だ。
この店ではセラピスト同士の恋愛と性行為は禁止されている。
分かれば契約終了、つまりクビだ。
愛のないセックスをする日々で何かしらの情のある交わりを求める気持ちを持っている人だって居てもおかしくないし、そんな気分じゃないあたしもそう言う人には共感できる。
一緒に帰ったり、外で会ったりは絶対にせず、ここでだけフレンドリーに振る舞う事に留める事で仕事のストレスから間違いを犯すのを防いぐようにしている。
とにかくこの世界で働くには会社員をしていた時よりも遥かに気をつけなければならない事がある。
その事のストレスの方が大きいかも知れない。
いつも通り報告書を書き終わってから、裸になってTさんに身体を写真に撮られて今日の仕事を完了した。
「M、お疲れ!」
面談室からラウンジと呼んでいる店に入ってすぐにスペースに出ると元気の良い声が聞こえてきた。
ここで働くセラピストの一人であるCだ。
その隣でニコニコしてもう一人、セラピストのOが小さく手を降ってる。
この二人とは仕事の時間が被ることが多い。
いつも通り、ドリンクを取って彼女らの会話に合流することにした。
「いい所に来たよ。Mに聞きたいことがあったの」
「何?」
Cは待ってましたと言わんばかりの雰囲気だ。
面倒な事じゃないといいが。
「Oと話してたんだけどね、あそこの事、子供の頃、なんて言ってた?」
「あそこって?」
だいたい分かるが言葉としては曖昧なので確認をする。
「割れ目のあたり」
「ああ、あたしは『ちょんちょん』って言ってたよ」
「やっぱり、わたしも! でも、Oはちょんちょんって言うの知らなかったんだって」
あそこの呼び方の話題だったのか。
確かにこの仕事をしていると股間の呼び方に困る事がある。
おまんこが一般的だがそれはどちらかというと割れ目の中に付いてるものという意味合いが強い。
その外側。鼠径部の縦に割れているあたりはこれと言った呼び名がない。
あたしが子供の頃は特に女の子はその部分を「ちょんちょん」と呼んでいた。
子供の頃なので外性器の存在は知らないので割れ目周辺、当時聞いた言い方で言うと女の子の「男の子だったらちんちんが付いてる場所」の事を指している。
当時の自分のあそこに対する認識はぺったんこなお股が縦に割れていてそこからおしっこが出る程度だった。
このちょんちょんという呼び方も思春期になると子供っぽいと思うようになりあそこや大事なところという言い方をしたりエッチな話をする時におまんこと言うようになる。
ただこの言い方、どのくらいの範囲かは分からないがうちの県あたりで使われている幼児語の方言のようなものらしい。
あたしはこの県の別の街の生まれだが、Cも前にこの県の生まれだと聞いたことがある。
確かOは遠方からこっちに来た人なので知らなくても当然なのかもしれない。
「Oは子供の頃には何て言ってたの?」
「特に何も……」
Oは少し困ったような顔をした。
Cはそれに対して納得いかなさそうな顔をする。
「あそこが話題に出ることなかったの?」とC。
「そうね。『おしっこの出るところ』とか『おしり』とか言ってたかな」
Oは悩んだ様子で言う。
自分の股間に呼び名がない状態で育った人は結構いる。
高校時代にも大学時代にも「ちょんちょん」という言葉を知らない女の子はいたし、この県でも親によってはちょんちょんという言葉を教えていない家庭もある。
CはこれをOに聞いて困らせていたんだろう。
女の子のあそこに呼び名がない環境で育った身からすればそんな言葉があるなんて想像すら付かないのは予想できる。
逆にCはちょんちょんという言葉を皆が使っている環境で育ったのかもしれない。
男性のあそこには「ちんちん」という全国共通の名前があるけど女性はそうじゃない。
おしっこをする時も見るわけじゃないのに生理が来たり性を意識したりするようになるまでその場所の事を考えたりする事がない人もいるだろう。
ちょんちょんという言葉があっただけ特に呼び名のない環境で育った人よりあそこを意識する機会はあったが、同級生の裸を見て女の子の身体に興奮する事を知るまであたしだってあそこが割れてる事を忘れてたくらいだ。
「それで困らないんだ。でも、『おしり』ってうんち出るほうは何て呼んでたの?」
「そっちも『おしり』って」
「どう区別してたの?」
「腰回り全部を『おしり』って呼んでて、おしっこの出るほうだけを言う時は『前のおしり』って呼んでたよ。後ろの方はいつも『おしり』だったけど」
「『前のおしり』かぁ。お尻みたいに割れてるから?」
「そういうんじゃないと思うけど。小さい頃、おしっこする時に親から『ちゃんとおしり拭きなさい』って言われたりしてた」
Oは言葉を慎重に選びながらゆっくり言う。
小さい頃、というか思春期前にあそこの事を意識したことがないんだろう。
特に異性に興味がなければ「男の子に付いてるものが自分にはない」という事に意識を向ける事もないだろうし。
「子供の頃って結構、みんなあそこに興味がなかったんだね」
「そう?」
「Oだってあんまり覚えてないみたいだし」
「そうね……」
「Mはどうなの?」
この話題に随分と興味津々なCとその態度に困っているOの会話を傍観していると今度はあたしに話題を振ってきた。
「あたしもちょんちょんって呼んでたけど特におしっこが出る場所ってくらいの認識しかなかったよ」
「みんなそんなもんなんだね」
「Cは子供の頃にあそこに興味あったってこと?」
「そりゃね。わたしは物心ついた時からビアンだから。幼稚園のプールの着替えの時には同じ組の子たちの割れ目に興味津々だったよ。その頃はみんな隠さないから見放題でね」
他の女の子の割れ目に興味津々な幼稚園児というのはちょっと嫌だ。
けど、それがCにとっての性の目覚めなんだろう。
そして、今のCがどうなのかは分からないがあたしと同類の性癖を持っているという事だ。
今のあたしは女性の股間、特に割れ目周辺に対して興奮を覚える。
割れ目だけじゃなくその周囲、あたしとCが子供の頃の言い方で言うと「ちょんちょん」が好きで好きでたまらない。
ただ、この性癖をこの二人に言ってしまうのは抵抗がある。
もうすぐアラサーと呼ばれる年齢だが性癖を人に話すのが抵抗があるし、行為などに関する性癖に比べて子供っぽく思えて恥ずかしいと思う。
「幼稚園の頃から女の子をそんなエッチな目で見てたの? それは流石にびっくりする。しかも割れ目にそんな興味持つなんて」
「だって、その頃に女の子の女の子たる所って言ったらそのくらいじゃん」
「まぁ、そうね」
あたしはうっかり余計な事を言わないようにCとOの会話の聞き役に回った。
「ボーイッシュな子とかがプールの着替えで脱いでそこにあるのが割れ目だったら『やっぱりこの子女の子なんだ』って思って興奮したりするよ。そう言うのであの頃にエッチは気持ちを初めて経験したの」
「なるほど。恋したとかじゃないのがあんたらしいわ。ちなみに今もなの?」
「割れ目は好きだよ。開く楽しみは何物にも変え難いね」
「それは分かる」
なんとなく、Cは割れ目が好きだけど女の子である証拠として、そして今は性行為の主たる場所として好きなのだろう。
あたしの性癖はやはり特殊なのかもしれない。
「それにしても、ちょんちょんって言葉いいね。女の子のあそこに名前があるのはなんか、自分のお股も大事なとこなんだって思えそう」
OはあたしとCに目配せをして言った。
「男の子にはついてるものがあって女の子には何にもないって思っててなんか女に生まれたのを損したように思ってた事あったけど、ちゃんとちょんちょんと言うものがあるって思えたらそんな風に考えなかったのかも」
穏やかだが、どこかあたし達への羨ましさと寂しさを含んだ様子でOは言う。
「女の身体は男の身体よりも足りないものがあるって言葉にしなくても思ってたから、初めてエッチして割れ目の中に付いてるものがあるって知った時、嬉しかったからさ。いい言葉だと思う」
Oの言葉はあたしに響いた。
ちょんちょんって言葉は知ってたし使ってたけどそれでも将来男性と恋愛をするもの、お嫁さんになるものと男性がいる人生を前提に考えてた頃はあたしも女の子の身体は男の子の身体に比べて足りない物があるという感覚は持っていた。
あそこをCの様に割れ目に魅力を感じてエッチに思えてたら最初から女の子を好きだと気づけたのかもしれない。
「いいなぁ。私もこれからはちょんちょんって呼ぼうかな。なんか響きも可愛いし、デルタとかあそことかより大事なところって感じするもん」
Oは感慨深そうに言った。
たしかに、普段の生活ならともかく風俗嬢としている時くらいはその呼び方をしてみるのもいいかもしれない。
おまんこだとやっぱり割れ目の中の具の印象が強いからその外側の名前もあった方がいい。
その部分だってプレイで刺激するんだから。
「さて、Oちゃん、そろそろお客さんのちょんちょんを触りに行く時間だよ」
Tさんがニコニコしながらやってきて会話を聞いていたのか冗談めかして会話に出てた女の子のあそこの名前を言った。
「聞いてたんですね?」
「狭い場所だから聞こえるよ。さ、面談室に行こうか」
「はい」
そのままOとTさんは面談室に入って行った。
あたしとCはその様子がおかしくて目を合わせて笑う。
ちょんちょん。女の子のあそこの外側を表す言葉としては使い勝手が良さそうだった。
あたしが初仕事以降、女性の鼠蹊部に並々ならぬ魅力を感じる様になりその事を隙があれば考えている。
オナニーのときも割れ目の事ばかり考えている。
だけど考えるのは割れ目だけじゃない。
割れ目のある脂肪に富んだ場所全体だ。
そこには確かにちょんちょんという呼び名を昔使ってた。
改めて女のお股をちょんちょんと呼んでみてもいいのかもしれない。
「M、嬉しそうだけど何考えてるの?」
「今日のお客さんのちょんちょんの事」
「エロいなぁ」
あたしは冗談の様にいいCはその様子を汲んで返した様だった。
だけど、本気ではある。
あたしは「ちょんちょんフェチ」なのだ。