女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
あたしは全裸でお客さんと向き合っていた。
お風呂で身体を洗わせてもらってとても奇妙な感覚にあたしは包まれている。
目で見るのと触るのとではギャップが大違いだからだ。
先入観を持って細かい所を見たら女性だと思う部分もあるが、見ていて男性にしか思えない。
筋肉質な体つきや女性ならありえない体毛の濃さ、平らな胸、大学の最初の頃に付き合った二人の男の子と変わらない。
実際に身体を洗っている際の感触も男性のそれだ。
だけど、足の付根は違う。その部分も平らで男性の身体だと思えないほど柔らかい。
当然ながらお客さんを男性だとしてもその部分は依然として女性なのは変わらない。
身体を変えたトランス男性はこの様に一つの身体で男の部分と女の部分を併せ持っているのだ。
あたしは一旦、お客さんの股間を見る。
一般的な女性よりもずっと毛深いけれどぺったんこな何もぶら下がっていない股間がそこにあった。
正直、性癖のせいもあるけどさっき、お客さんのその部分を触ってあたしは興奮した。
多分、彼も興奮しているだろう。
股間がそうなのだからあえて女というが、女の身体は興奮しても普通にしていたら見た目じゃわからない。
あたしの方は乳首が勃っているのでそこであたしはバレているだろうが、男の乳首の勃起は分かりづらい。
彼はその部分は男なので胸と股間どちらも興奮を悟られづらい形をしているのだ。
「始めてもいいかな?」
「はい。よろしくお願いします」
「緊張してる?」
「そうですね。触られるって初めてですから」
「それじゃあ、まずこれを付けてくれるかな?」
あたしはそう言ってセーファーセックスの為の手術用手袋をお客さんに渡す。
「何ですか、これ?」
「粘膜に触れるからね。あたしは性病検査はしてるから検査から今までにも他のお客さんともしてるから安全のため。ゴムで出来ているんだけど薄いから感触ははっきり分かるよ」
「コンドームみたいな感じですか?」
「そう。あたしたちはちんちんの代わりに手でするから手にゴムを着けるの」
「なるほど。こんなのがあるんですね」
「――さんもあたしのあそこ、触りたいでしょ?」
「はい」
お客さんはちらっとあたしの股間を見る。
「ネコをするには興奮してもらった方が良いからあたしを触ってもらおうかな?」
あたしがそう言うとお客さんは両手を広げて胸の位置で止めた。
「胸揉みたい?」
「はい。ずっと触ってみたくて」
女の身体を持つ人で女を好きな人は胸が好きだな。
レズビアンだけじゃなく女は結構、人の胸を話題にする事が多い。
彼が女だった時に感覚で胸に興味があるのか、男として胸が好きなのかは分からない。
トランス男性にとって、特に乳房を捨てた立場の人にとって女の乳房はどのように思っているのかは多分、あたしにはわからないだろう。
「柔らかいですね。ずっと触りたかったし、なんだか懐かしいです」
優しく、でもツボを抑えた胸の揉み方だ。
「上手だね」
「俺にもありましたから」
「オナニーする時とか揉んでたの?」
「そうですね。昔、友達にふざけて揉まれた時に気持ちよくて、それがきっかけでオナニーを始めたんで」
「なるほどね」
「股を触ると気持ちいいのを知るまでは胸を自分で揉んでました」
「それはどんな気持ちだったの?」
「嫌でした。でもしたくてたまらなくて」
トランスジェンダーにとってのオナニーって結構、悩み深いものなんじゃないかと思えた。
オナニーというのは自分で性感帯を刺激することだ。
性感帯は性別特有の部位に存在する。彼にとって女である証拠を身体の求める感覚の為に触れなければいけない。
辛いことなんだろう。
それを刺激する行為をお金を払ってあたしに依頼するってどういう事なんだろう?
本人はそれなりに色んなことを乗り越えて今日に至ったのだからあたしの心配は余計かもしれない。
「下も触ってみる?」
「触りたいです」
お客さんは、あたしより年上で若いが表情はまるで思春期の少年のようだった。
「触ってみて。どんな風に触ればいいかわかるよね?」
「はい。自分ので慣れてますから」
どこか諦めを感じる口調で言った。
自分のものとして異性の性器を知ってるって辛い事なんだろうな。
女の子に対して自分と同じ性器である事を嬉しく思うあたしとは正反対の感覚だ。
「柔らかいですね。この感触、ずっと感じたかったんです」
あたしの鼠蹊部の微かに盛り上がった脂肪を手のひらで持ち上げるように撫でながら言った。
それからお客さんは割れ目をなぞり、それから割れ目を挟むように両方の親指をあてた。
その動作の意味がすぐわかったのであたしは足を開いた。
お客さんはあたしの割れ目を広げる。
リバよりのネコとして売り出していて仕事で割れ目を広げられることは多い。
だけど、彼の手があたしの大事なところに触れる手つきはとても優しく丁寧だった。
そして、目を輝かせてあたしの割れ目の中を見ている。
同じものがついててもそこは男の子なんだろう。
女のあそこを見る事に感動を覚えてるようだった。
「誰かのまんこを見るの、初めてです。自分に同じのついてるのに変ですよね。でも、ずっと見てみたかった」
寂しさ半分、憧れ半分といった感じであたしの大事なものをじっと見る。
「こんなに柔らかいんですね。女の人の身体って、特にここってずっと見たかったから感動です。俺にもあるけど自分のを見るのとは全然違う」
彼がどうなのかは分からないが女を好きな女として自分の身体に興奮するのかという疑問は時々、SNSや不躾なコンテンツで見かける。
そんなわけない。
同じものがあるけど自分の身体は自分でしかない。
自分以外の誰かのものであって初めて興奮を覚える。
それはあたしの場合は誰かを求める気持ちがあるから。
「クリトリスってエロい形してますよね。見てると濡れてきちゃいます」
顔を近づけてお客さんはあたしのあそこを覗く。
クリトリスは勃起で大きくなるのは正常時の1.5倍というけど、そのサイズだと小さいその器官はわかりづらいと思う。
でも、お客さんは同じものを持っているのですぐにわかるんだろう。
男の人が自分のあそこが濡れると言うのは奇妙に覚えた。
彼のあそこは濡れる、なのは分かってはいるけど。
「濡れたならちょうどいいかな。あたしからいくね」
あたしはこれまで女性のお客さんにしてきたのと同じようにお客さんを仰向けに寝かせた。
あたしは彼の太ももに跨るように立膝になる。
遠近法で彼の股間が平らな、ちんちんのないあそこなのがはっきり分かる。
陰毛はおおよそ乾いてピッタリ張り付いていたところから縮れた形が戻ってきてる。
やっぱり毛深い。
これまで対応した毛の濃い女の子よりもずっと毛の生えている範囲も広いし毛の太さもある。剛毛だ。
あたしは一旦、陰毛を軽く掴んでワシワシとする。
男の毛だった。
「ここを触る前に身体を色々触らせて欲しいんだけど抵抗はない?」
「大丈夫です。何処ですか?」
「あたしも男の人は勝手が分からないから女の子にしてることを試しつつあそこに向かっていく感じなんだけどいい?」
「はい。俺もセックスとか経験なくてよく分かってないですけど、任せちゃっていいですか?」
「あたしの方が年上だから先輩に抱かれるとでも思って頼ってくれればいいよ。そういうサービスだから」
男性向けデリヘルのことを調べると女性に主導権を握られるセックスを求める人は結構多いそうだ。
恋愛においてもそういう人もいる。
男女の世界も男性が攻めて女性が受けるばかりじゃないようだ。
年上の風俗嬢にネコを求めるこのお客さんもそのタイプの男性なのかもしれない。
性経験のないトランス男性なので一概に言えない所はあるだろうけど。
あたしは首筋から胸元まで指を這わせていく。
お客さんの表情を見ているが首の皮膚の特に柔らかい所に触れる時以外は反応が薄い。
「どうかな? 女の子だとこの辺りでやんわりと感じていくんだけど」
「その感じはわかる気がするですけどちょっとくすぐったい感じがするくらいですかね」
「気持ち良くはない?」
「この辺を撫でられて気持ちいいっていうのは分かるんですけど、男性ホルモンを打ち始めてから肌が鈍感になったんで。ホルモン治療前なら感じただろうなってのはわかります」
「なるほどね。そういう所から男になっていくんだね」
これだと女性のお客さんのように感じさせていくより早いうちに確信部分に触れる方がいいかもしれない。
元カレたちは乳首は感じてた。
さっき左側しか感じないと言ってたからお客さん自身もいじった経験があるのかもしれない。
あたしは大学時代を思い出しながらお客さんの胸を撫でた。
すると大胸筋の下部分に慣れない感触がある。
左右それぞれに横一直線に傷跡のようなもの。
「そこ、気づきました?」
「うん。痛くない?」
「大丈夫です。もうふさがって日が経ってますから」
「これって胸をとった時の?」
「そうです。男になるための傷です」
乳房を取った時の手術痕だ。
目立たないが触れるとはっきり分かる。
ふさがったというけどこれは薄れていくものなのだろうか。
どう見ても彼の胸は男の胸だけど、これはここに乳房があったという証拠だ。
「傷跡のあるの抵抗あります?」
「いや、その……」
あたしは気まずくなって言葉を濁した。
「これは俺が女だった証ですよ。ちんこが無いから下は女のままなのは変わらないですけどね」
「そうだね」
なんて声をかけたらいいんだろう。
漠然とトランス男性は「男になった女」や「女だった男」と考えていた。
確かにそうだ。
でも、この手術痕のように女だったことはついて回る。
女だった事からは逃げられないんだろう。
「そんな顔しないでください。俺、身体はどこまで行っても女なんですから」
「確かにそうだね」
あたしは無意識のうちにお客さんの股間を見る。
そこはあたしの好きな女の股間だ。
「ホルモンで生理が止まってますけどそれでも時々来るんでナプキンを定期的に買わないといけないんですよ」
「そうなんだ。辛い?」
「そんなもんだと思ってますよ。毎月じゃないだけ楽ですよ。あと、興奮すると勃つんじゃなくて濡れるんです。男になれてないんですよね」
そんな中で身体に触れて欲しいとネコを希望するってどんな気持ちなんだろう。
女の側の感覚を知りたいって事だったけど、その事にストレスは無いんだろうか。
「抵抗ありますか?」
お客さんは起き上がってあたしの顔を覗いた。
「抵抗とかは無いよ」
ただ、なんだかどうしていいか分からない気持ちだ。
何をしても傷つける気がしてしまう。
「俺は女の快楽を知りたいです。それが本物の男には出来ない俺の利点だから。まんこの付いてる男として体感したいんです」
「そこは辛くならないの?」
「クリはオナニーでいじってるんです。辛くなるならオナニーもしませんよ。それに胸があった頃は胸を刺激してやってました」
「じゃあ、あたしの知ってる女のあそこの刺激の仕方を教えてあげる」
「嬉しいです」
胸は辛かったと言ったけどあそこは辛くないと捉えていいのだろうか。
あたしはお客さんのあそこをじっと見た。
確かにそこには男性にあるものがない。
あたしと同じあそこだ。
何も知らずにいた罪悪感と地雷を踏んでしまうんじゃないかという怖さを持ちつつあたしは行為を始める覚悟を決めた。