女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
お客さんがあたしを見ろしている。
短髪に乳房のない胸、こうして男性に見られるのは本当に久しぶりだ。
二人目の彼氏と別れた19歳の頃から経験していない。
懐かしいといえば懐かしいし、多くの女性にとって魅力的に思えるその姿に何の感情も湧かない虚しさも一緒に思い出す。
こう感じるという事はレズビアン向け風俗に来たこのお客さんは男性になれているという事だろう。
そんなお客さんの身体でも先ほどあたしは興奮した。
彼の股間にあるのが女性器だからだ。
ホルモンの作用でクリトリスが肥大化してそこは進んで見たいと思う形ではなかったが、柔らかな脂肪で作られた緩やかな丘とその中央にある割れ目、その中にある赤いひだと湿潤な穴。
触り心地はとても良かった。
あたしからは指を挿入して初めての膣での快楽に導いた。
これからはお客さんがあたしのあそこを刺激する番だ。
フィンガードムを人差し指と中指に付けてもらった。
これなら粘膜に安全触れられる。
男性ホルモンで体質が変わった性感帯によるオーガズムがどんなのかは分からないがイッたばかりで疲れているだろう。
そう言えば男性にはオーガズムの後に賢者タイムというのがあるが彼にはあるのだろうか。
「興奮しますね。こんな間近で女の人の裸を見るの慣れてないのでまた濡れてきました」
さっきあそこを触ってイカセたばかりだけど男の人の口から自身の興奮について濡れるという言葉が出てくるのはとても不思議だ。
そして表情からも興奮は読み取れる。
賢者タイムはなくて快感は女のそれなのかもしれない。
お客さんは真剣な顔になりあたしの割れ目を広げた。
「初めて見ます。触るのもですけど。女の人のここって柔らかいですね」
まるで何も知らないように言う。
でも、彼のあそこもあたしと同じだ。
「クリトリス、かわいいですね。俺、ホルモン治療始めてから大きくなったから女の人のここってこんな小さかったんだなって新鮮です」
「――さんはかなり大きくなってたもんね。びっくりしちゃった」
「オナニーの時の触り方が男がするみたいになって嬉しかったんですよ。大きくなって。でも、見たり触ったりするなら豆みたいなクリの方が興奮しますね」
それはあたしも同じだ。
極小だけど細長い形になっていた男性ホルモンで成長したクリトリスは正直、何も感じなかった。
失礼を承知で言うなら「ここさえ元の形のままならいいのに」と思ったくらいだ。
「――さんも前はあたしみたいなクリトリスだったんだよね?」
「そうですね。俺、かなり大きくなった方でFTMの友達は女の人より少し大きくなったくらいなんですよ」
「見たことあるの?」
「ホルモンでの身体の変化の話になってトイレで見せ合いました。それが俺が初めて見た他人のまんこです。相手は男なんでノーカンですけど」
お客さんはそう言って苦笑した。
「じゃあ、あたしのが初めて見る女のあそこなんだね」
「そうですね」
「修学旅行とかで見なかったの?」
なんとなく答えは分かるが聞いておこうと思った。
これからもトランス男性のお客さんは来るかもしれない。その時の為に「あるある」みたいな所は実感として知っておきたい。
「見れなかったです。当時の俺は女子高生でしたけど頭の中は男子高生でしたから。見ちゃいけないと思いました。それにまんこや胸を注視したら怪しまれますしね」
以前、レズビアンのお客さんでも同じ様に言っている人がいたが「女に興奮する女」として同性の裸をお風呂や更衣室で見たいという気持ちと見てはいけないという気持ちで葛藤する人はきっと多いんだろう。
あたしみたいに興奮して見て女が好きだと気づく人もいるのと同じ程度には。
「今は安心して見れるでしょ? どんな気持ちかな?」
「触りたいです。感触も知りたい。いや、自分ので知ってるんですけどそれでもやっぱり別のものだと思うし」
「触ってみて。乱暴にしなきゃ好きなところ触ってもいいから」
「いいんですか?」
「もちろん」
お客さんは嬉しそうな顔をした。
トランスジェンダーとして「同じ身体を持つ異性」に対しての感覚は性別に違和感を持たないあたしには分からないのをとても痛感した。
あたしは個人差の部分での興奮を除けば相手が自分と同じ身体を持つからその身体に興奮するし、社会的にも心理的にも感覚を同じくする同性だから魅力を感じる。
だけど、お客さんからすればあたしは手術で変えた差分を除けば彼と同じ身体を持つけども、男と女という異なる存在として認識しているのだろう。
違う存在でいて欲しいのに同じものが付いてるという感覚は辛いのかも知れない。
初めて女のデリケートな部分を見るという彼がどんな気持ちか計りきれない。
「これで合ってますか?」
お客さんはあたしのクリトリスを指で刺激しながら言う。
「うん……気持ちいいよ」
本当に上手だった。
上半身を見る限り男の人である事とちょうどいい触り方でクリトリスを刺激する動作、何も知らなければこの状態で相当なテクニシャンで女慣れしてる人に思えるだろう。
だけど、彼は女性との接触の経験のない童貞だ。
彼が上手なのは自分の身体にもクリトリスがあって触り方を身をもって知っているから。
だから安心できる。
女としてのオナニーの経験がある人にクリトリスを刺激されるのは確実だ。
「上手だね」
「俺にもありますからね」
「普通の男の人はこんなに上手じゃないから女の子は喜ぶと思うよ」
彼はその言葉に力の無い笑顔になった。
「上手くなりたいですね。俺が男に勝てるのはそこだけですから」
「膣でした事はある?」
「ないです」
「あたしの中に入れてみない? 今、中の感覚を知ったばかりでしょ?」
「はい! したいです」
お客さんは喜んだ様子で答えるとクリトリスから指を外してそれからそっとあたしの膣に指を優しく差し込んだ。
「あったかい……。女の人の中って気持ちいいですね」
お客さんは穏やかに笑った。
事を終えたあたしとお客さんは裸で並んでベッドに腰掛けていた。
あたしは息を整えながらお客さんの股間に目を向ける。
オーガズムには達する事は出来なかったがお客さんにはかなり感じさせられた。
イかなくても感じる事は体力を使うのだ。
お客さんの見た目は男性だが股間はあたしと同じ縦に割れた股間だ。
やはり何度見ても男性にしか見えない上半身に女の股間の組み合わせは不思議に思える。
一つ違うのは割れ目からクリトリスが「生えている」事だ。
その「生えている」様子は女の子によくいる「はみ出ている」とは違う。
大きく成長して豆のような形からクリトリスというには長めの突起といった形をしている。
でも、最初に見た時はかなり大きく見えたがそれはあたしが予想外の大きさにびっくりしたようでこうして見ると陰毛で隠れてしまっている。
そこに生えてると知っていれば毛の隙間にピンク色の物体が見えるが知らなければ気付かないだろう。
冷静に見るとあたし達女のものよりかなり大きく思えたクリトリスはそれほど大きくなくちんちんとは違う、あくまでクリトリスなのだと思えた。
そして、今こうしていて気がついた女としての特徴。
それは腰とお尻の形だ。
完全に女のお尻であり、そこに意識を向けてみれば彼の身体が女なのだとはっきり分かった。
プライベートでセックスの相手としてはそれでも男性だと認識するので抵抗はあるが、仕事で身体に触れる分には抵抗がなく、本物の男性よりもとっつきやすく思えた。
あたしの所感はこんな感じだ。
さて、お客さんはどうなのか。
「女の裸を一応、間近で初めて見て、初めてのセックスをして感想はどうだった?」
「興奮が収まらないです。股間もまだ濡れてるしムズムズするし」
「クリトリスは勃ってるの?」
「勃ってます」
「あんな風にクリが育つと毛がなければ興奮を隠せなさそうだね」
「毛がなければ、ですけどね。でも、それは男と一緒なのでそうなれて嬉しいです」
「そうなんだね。タチとネコ、両方してもらったけどその感想は?」
「誰かに気持ち良くしてもらうって満たされるんですね。特に膣は身体の奥から気持ち良くなれるのですごく良かったです。男としてこれで良いのかは分からないですけど」
「ごめんね。それはあたしには分からない。あたしは女が恋愛対象の女だから、男性の気持ちも男性を好きな女の気持ちもわからないの。でも、女の身体がどう気持ち良くなれるかを知ってる男性は安心して身体を預けられると思う」
「Mさんがタチをしてくれた時、俺もそれは思いました。俺がどんな風に感じてるのか分かってしてくれるんだなって」
「あたしは——さんみたいな人を恋愛対象に見れないから想像でしかないけど、それはちんちんの付いてる人にはないアドバンテージだと思うよ」
「そうだと良いですね。いや、そうじゃないと困るとも言えますけど」
あたしはお客さんの言葉に哀しみを感じた。
世の女の多くは彼のような人よりも本物の男性を選ぶだろう。
でも、そういう所で彼らの用語で言う純男と呼ばれる人たちより優位に立つ道を選ばないといけない。
レズビアンだけど最終的に男性を選んだ恋人に去られる人はいる。
法的な後ろ盾なく添い遂げるのが出来ないなら身体の求める欲よりそちらを優先する人もいるし、バイセクシャルならなおさら男性を選ぶかもしれない。
そう考えると恋愛や性欲の対象と同じ身体を持って生まれてくるのは因果なものだと思う。
「俺、多分、今日は女として感じてたんだと思うんですよね」
「それはどうして?」
「感覚が内側に広がる感じがしたんです。男の快感はこれは俺の事情を知らない男友達から聞いたりするんですけど『出す』事みたいなんですよ」
おそらく「射精」があるからだろう。
実際に身体の外に放つものがあるのが男のオーガズムだ。
女が内に広がるというのはあたしも女だから分かる。
身体に受け入れていくのが女の快楽だ。
「俺は身体の中にMさんが触る感覚が沈んでいく感じがした。出す、って感覚は全くないしそれがどんなのかも分からないです」
「こういう言い方が適切かは分からないけど私が触った所は女の子だったからね」
「俺についてるのが女のモノって実感しました」
「辛くない?」
「なんか、自分が分かったしがします。オナニーする時とか、いつか彼女が出来てする時にそれを自覚すればどうしたら良いのか分かることが出来る気がするんです」
「あたしは役に立てた?」
「はい。なんか、男にならなきゃ、男の感覚を知らなきゃって苦しかったんですけど、そうじゃない事を見つけられそうです」
責任重大な事をあたしは今日したんだなと思った。
他の女の子と同じものがついてるから同じようにしたけどそれはもしかしたら彼にとっての今後に影響があるかもしれない。
「そろそろ時間ですかね?」
そう言ってお客さんは立ち上がった。
一歩進んだのであたしの目の前にはお尻が来る。
彼のお尻の形は完全に女の子だった。前もそうなのと一緒。
下半身は女なのは逃げられないんだろう。
「ちょっと待って」
「はい」
あたしが声をかけるとお客さんは振り返る。
目の前にはお尻に代わって股間。
「一応ね、男の子にエッチの初めにするようにして欲しいことがあるの。おさらいしてもらえるかな?」
「もちろんです。何ですか?」
あたしは手袋をつけたままなので手をそのまま、お客さんのちょんちょんに手を伸ばした。
「いきなり感じさせようとするんじゃなくて、女の子には初めに優しくマッサージをしてあげて欲しいの」
そう言ってあたしはお客さんの左右の大陰唇を手で摘んで柔らかい動きで揉み始めた。
「こんな風に。もちろんあそこだけじゃなくて全身をね。でも、あそこは念入りにしてあげて」
「Mさんが最初にしてくれた奴ですね」
「そう。気持ちを身体から温めてあげて。そうすれば濡れてくるから。男の子はデリケートな所を触りたがるけどこういう所で女の子が気持ち良くなれるかが決まってくるの」
これは女でも出来てない人は多い。
いきなりクリトリスを触るタチは珍しくない。
そういう人はオナニーでもそうしてるんだろうけどそれが可能なのは興奮して濡れてから触り始めるからだろう。
セックスは緊張があるから始めた時にすでに濡れてるなんて都合のいいことはそうそう無い。
「しっかり濡らすことが大事なのは今日、凄くわかりました。俺も濡れなきゃ出来ないですから」
「——さんにも『濡れる』があるもんね」
「挿れられる感覚も今日知りましたし」
彼は優しい男性なんだろう。きちんと女の側のことを理解してくれようとしている。
そして、自分の身体が女である事に向き合う勇気もある。
強さに裏打ちされた優しさはとても素敵だ。
精神的になら男性に惚れられるあたしから見ても魅力的に思える。
この人は大丈夫。素敵な女性と出会えるだろうしその人と愛し合える。
根拠はないけどそんな気はする。
「この感覚、——さんはどう?」
「気持ちいいです。こんなゆったりした気持ちよさがあるんですね。オナニーでするには物足りないですけど」
お客さんは笑う。
「でも、昔は、割れ目の中を知るまではこれで満足してた頃もあったんですよ。ちょんちょん揉みって呼んでたんですけど、これからこれをしてあげられる誰かを見つけたいと思います」
「頑張ってね」
彼はお股がちんちんでなくてちょんちょんである事をきっと悩んだんだろう。
でも、それが今はこれから出会う誰かと愛し合う事を学ぶきっかけになる。そう願わずにいられない。
それから彼がいう所のちょんちょん揉み、あたしにとっても満足感があった。
あたしはちょんちょんの感触が好きだ。
もちろん見た目も大好きだがクリトリスがはみ出てる彼のちょんちょんの見た目はいただけない。
それでもスッと細く奥に一直線に続く割れ目は綺麗な形をしてた。
これは男性化したからなのかは分からないが大陰唇は少し硬かった。
脂肪の密度が濃い感じ。
それ故の揉み応えは触ってて楽しい。
顔のすぐ前で左右から揉んでいると毛が動いて割れ目も見える。
きれいな割れ目だ。こんなにきれいな縦筋の女の子は少ない。
「すぐに感じさせるより少しずつほぐしていく事、忘れないでね」
「気持ちいいですね。この感覚忘れないようにしたいです」
「今日はありがとうございました」
駅前まで着くとお客さんは小さく頭を下げた。
服を着ている所を見ると完全に男性にしか見えない。
女性である証拠は服の上から見ることが出来ないから当然なんだけど。
「どうだった? 初めてだったし緊張したと思うけど」
「男になるって事と自分の今の身体の事、どう考えるかのヒントをもらったと思います」
「それは役に立てて嬉しいけど、楽しめた? 楽しんでもらえたらいいなって思ってたんだけど」
「正直、オナニーと全然違いますね。気持ちよかったです。それと女の人の肌ってやわらかくて気持ちが良かったです」
「それはあたしも思う。普段、女の子を抱いてるからね」
「勇気が出ました。俺でもセックスが可能なんだって」
「出来るよ。他の男の人のようにはいかないだろうけどね」
「それでも、女の子を愛せるのは嬉しいです。その為に頑張ります」
とても前向きな人だ。
そういう所に好感を持てる。
「それであたしからアドバイスしてもいいかな?」
「はい。お願いします」
「自信を持った態度を心がけたほうがいいと思う。オドオドとまではいかないけど気弱そうに見えるから」
これはあたしが今日最初に会った時の印象だ。
女として暮らしてた頃の雰囲気を残してるのか自分が男に見えてるかに自信を持てないのかは分からないが男の子としては弱々しく見える。
「自信過剰や粗暴なのは良くないけど、男の人は自信を持った態度でいたほうが魅力的に思えるよ」
「少し女っぽいですよね。態度というかそういうのが」
「そうだね。でも、心がけるだけでも違うから」
「ありがとうございます。気をつけてみます」
「素敵な人と出会えるといいね。あなたはきちんと頑張れると思う。あと、エッチの仕方は忘れないでね。女の子は少しずつほぐしてあげるんだよ」
「はい」
「それじゃあ。応援してるから」
「今日はありがとうございました」
お客さんは深くお辞儀をすると駅の中に去っていった。
いつもあたしはお客さんが帰るのを見届けてからお店に戻るようにしている。
後をつけられるリスクの観点からそう指導されてるのもあるし、短時間とはいえ肌を晒して身体を重ねた人に名残惜しさを感じるのもある。
初めてトランス男性と身体を重ねたけど、普通の男性だったと思う。
だけど、胸は取ってても身体はしっかり女性だった。
クリトリスがあそこまで大きくなければちょんちょんの形は女と変わらない。
乳房は欲しいなとは思うけど女のあそこを持つ男は悪くないかなとも思った。
今日のお客さんがどうとかではなく、もし今後、また恋愛をする気になれたら相手として選択肢には入れられるかもしれない。
ビジネスとしてもトランス男性のお相手は悪くないなと思った。
もちろん、下半身が女のままであれば、だが。
トランス男性みんながそうかは分からないが今日のお客さんの密度のあるもっちりとしたちょんちょんの感触は気持ちよかった。
女の股間であれば男性にもある程度、魅力を感じられるかもしれない。
ただ、しばらくは恋愛をする気がないので仕事として楽しむにとどまるだろうとは思う。
最近は仕事が終わると次の仕事が楽しみになる。
楽しみなのはあくまで次のお客さんのちょんちょんをみたりさわったりする事、だが。