女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
仰向けで天井を仰ぐお客さんは顔を赤くしている。
表情は緊張しているようだ。
このお客さんは処女。
オナニーだって最近始めたばかりだという。
下手したら性欲を初めて経験したのもつい最近なのかもしれない。
もちろん、あたしのところに来る処女のお客さんの多くが同性に性的興奮を覚える自分を認めたくなくてどれだけムラムラしても一人でしようなんて思わなかったというタイプだ。
その辺はデリケートだから自分から話してくれるまでは行為のOK、NGを探るために必要なこと以外は聞かないようにしている。
性はその人の心の根幹に触れるから面倒な事が多い。
あたしはお客さんの割れ目を指でなぞる。
さっきよりも幾分、愛液は出ているが膣に指を挿入するには足りない。
今挿れたら痛いだろう。
男性のペニスではなく女性の指で処女喪失するメリットは痛くなる可能性がより低い事だ。
同性愛者である事はそれなりに大変なんだからそのメリットはしっかり提供しないと。
あたしは先ほどまでお客さんの太ももを跨いで立膝をしていたが、お客さんの横に添い寝をした姿勢になった。
「あのっ……!」
お客さんはびっくりした様子で少しだけあたしのいる方向とは逆に後ずさる。
「いいんですか?」
「何が?」
「こんな密着して」
「そりゃ、エッチするんだからね。嫌?」
「嫌じゃないです。僕、濡れちゃいそうで」
「今もさっきより濡れてるよ。これから本番するんだからもっと濡れてもらうからね」
「本番って?」
「エッチの本番」
女同士のセックスに男女のそれのように本番という考え方はない。
ただ、経験の少ない人はそれまで聞いてきた猥談が男女のセックスについてばかりなので膣への指の挿入を本番だと捉えている人が多い。
あたしもその認識で間違ってないという持論はあるので慣れてない人には膣やクリトリス、つまり性器の強い性感帯を刺激する行為を本番と呼んでそれ以外の場所への刺激は前戯と呼ぶ。
ビアンにはあたしの定義でいう前戯のみのセックスをする人も多いけど、風俗ではオーガズムに近づく事が殆どのお客さんに求められるのでお客さんとのコミュニケーションでその表現を使わなくてもあたしのサービスプランの設計ではこの表現をした方が使いやすい。
それに初めての人にはその方が分かりやすい。
基本的に本番は膣への挿入、クリトリスへの刺激はそこをゴールとするお客さんじゃない限りは前戯と定義している。
「ただあそこを刺激するだけよりこうやって肌を密着した方が気持ちいいでしょ?」
「……!」
あたしはお客さんをぎゅっと抱きしめる。
「あ、はい……」
お客さんは声が震えてる。
体温もさっきより熱く感じる。
お客さんのほとんど平らな胸をあたしの脂肪だけは豊富な胸とくっつける。
「柔らかいです」
「一人エッチじゃこんな感触、味わえないでしょ?」
「女の人って柔らかいんですね」
「——ちゃんだって女でしょ?」
「そうですけど、自分じゃない誰かの肌の感触なんて知らなかったし」
「あなたも柔らかいよ。ここも」
そう言ってあたしはお客さんの股間に右手を伸ばす。
割れ目の始まりのあたりにあたしの指が触れるとお客さんはなにか覚悟を決めるような顔をした。
これからする事が怖いのかもしれない。
「ここの感触は個人差あるから痛かったら遠慮なく言ってね。いろんな触り方があるから」
「分かりました」
あたしはお客さんの割れ目に指を埋めた。
そして指を下の方へと進めていく。
すぐに小さいけどハッキリした感触のあるものが指先に当たる。
クリトリスだ。
ちょんちょんをマッサージした効果なのか、あたしに抱きつかれて興奮しているのか、どちらが原因か分からないがしっかり勃起している。
興奮していないクリトリスとへにょっとして柔らかい。
カチカチには程遠いがそれなりに主張のある感触になる程度の硬さはある。
あたしは一旦、クリトリスを通り過ぎて小陰唇を指先で開いて軽く中をかき混ぜるように触った。
お客さんはあたしから目を逸らして集中した様子だ。
あたしがあそこを触る感触に注意を払ってるんだろう。
あたしもセックスに慣れてない時は触られるとこんな風に触られる感触を気にしていた。
他人にこんな所を触られる時の感覚なんて初めてならそれまで想像もつかなかった感触と感情だろう。
あたしは小陰唇を開いて指先を愛液で濡らすと更なる愛液の分泌を促すためにクリトリスを撫で始めた。
「あっ……!」
あたしが触れた瞬間、お客さんは声を上げた。
オナニー初心者なのもありクリトリスの強い性感に慣れてないのだろう。
「少し強く触りすぎたね。優しく触るね」
あたしは指の腹がクリトリスに触れる面積を減らすように角度と位置を調節しながらゆっくりとクリトリスを撫で始める。
お客さんを見つめてあたしは感情を煽っていく。
あたしの指の動きに連動してだんだんお客さんは目を細めていく。
「気持ちいいです……」
「強くない?」
「もうちょっと強くても大丈夫です。普段、僕、もう少し早く指を動かしてますから」
「こんな感じ?」
「はい」
お客さんはあたしの方をチラチラ見ながら声を出すのを我慢しているようだった。
誰にも見せたことのない喘ぎ声や感じた顔を人に見せるのに躊躇しているんだろう。
クリトリスへの刺激はそれなりに強いけどある程度、冷静さを保てているようだ。
あまり飛ばしすぎてクリトリスへの刺激でイカせてしまうわけにはいかない。
だけど、まだお客さんの膣は十分に濡れていない。
処女の膣は狭いし広がらない。
女の指は細いとはいえそれなりに濡らさないと痛い。
これが恋人同士のセックスなら痛くても通過儀礼として肯定できるかもしれない。
だけど、快楽をて今日するのが仕事の商売女の指を挿れるなら、出来る限り気持ちよくさせてあげるべきだろう。
お客さんも安くないお金を払ってる。
あたしは指を動かす速度を上げた。
「くぅ……」
お客さんは身体をくねらせて強くなった性感に堪える。
オナニーはそれなりに手を激しく動かしてたようだが、自分の大事な所を触るのは無意識に手加減をする。
他人に身体を刺激されるからこそ味わえる予測不可能性にお客さんは驚いているようだ。
このちょうどいい手加減のない快感こそオナニーにはないセックスの気持ちよさだ。
女同士のセックスはオーラルセックスやディルドを使ったもの以外でやる事は他人の手でのオナニーと言ってもいい。
だからこそ気持ちいいのだ。
その驚きが興奮に変わったのかお客さんのあそこは随分湿潤になった。
そろそろいけるだろう。
「——ちゃん、挿れてもいいかな?」
あたしはクリトリスを指から離して言う。
これは確認事項としてあたしは欠かしていない。
恋人以外を自分の中に挿れたくない人は多いし、いざ行為を始める時にその感情が芽生える人も少なくない。
処女としての挿入は人生で一度きりだ。
風俗嬢じゃなくて将来出会う愛する人のために取っておくならその方がいい。
「恋人ができた時のために取っておくとか、処女でいたいとかでやめておくならそれでも大丈夫だよ。他の気持ちいい事も出来るから」
「挿れて下さい。僕、処女を捨てたいです。多分、恋とか当面はしないだろうし」
「いいんだね」
「はい」
女としても指はペニスより器用だから処女膜を傷つけずに初めてを終える事は可能だ。
あたしもプロだからそれを可能な技術があるし痛くなく事を終えてあげたいから処女膜はきちんと温存するつもりでもある。
でも、お客さんは挿入を望んだ。
そして、その口調はどこか寂しそうだ。
多分、失恋したんだろうな。
これはその人への気持ちの区切りなのかもしれない。
そう言うお客さんを何人も相手にしてきたから何となく分かる。
特に異性愛者に恋をした人が未練を断ち切る為に風俗に来た時の空気感を感じる。
自身が同性愛者だと知って恋愛のきっかけのなさに絶望してる可能性もある。
当たってるという根拠はないがそうならしっかりと快楽で悲しさを塗り替えてあげたい。
「それじゃあ、挿れるからね。——ちゃんの初めて、貰うね」
「あの、少し怖いです」
自分の身体に誰かの身体の一部を挿れるのは不安だろう。
「あっ……」
お客さんは驚いて声を漏らす。
あたしが強く抱きしめたからだ。
添い寝の姿勢だったけどあたしは不安をどうにかしてあげたくて咄嗟にそうした。
「大丈夫。あたしはプロだからきちんと気持ち良くしてあげるから」
「はい……」
お客さんは顔をこれまでよりも赤くして頷く。
ポリシーと安全の面からこの行動は適切じゃないかもしれないが今日はどこか不安な表情に感情移入してしまった。
ここからは冷静にいかないと危ないかもしれない。
あたしはお客さんから腕を離すと聞き手を足の付け根に向かわせた。