女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
事を終えてお客さんとあたしは店の用意したバスソープで泡立てたお風呂に向かい合わせで座ってた。
お客さんは恥ずかしそうにあたしと目を合わせるのを躊躇している。
あたしはそんなお客さんの身体をスポンジで優しく洗っていく。
「恥ずかしいですね。こんな風に思うの初めてで戸惑ってます」
「無防備にデリケートな所を晒して、一番敏感な感覚を他人に預けたんだからそうなるよ」
「ここって、少し前までおしっこが出る所ってくらいしか認識なかったけど、本当に重要な場所なんだって分かりました」
お客さんはちょんちょんを手で押さえて言う。
多分、ちょんちょん全体じゃなくて割れ目の中のものを指してるだろう。
確かに大きな役割を背負ってる場所だ。
あたしもお客さんもその役割の為に使う事はないだろうが。
「性欲なんて非日常な上に日常で湧き上がる感覚の発生源だしね」
「僕、最近まで性欲がどんなものか知らなかったんです」
「そうなんだ」
「性欲自体は知ってましたけど、エッチな気持ちになった事なくて」
「好きな人とかいなかったの?」
「その好きってのも分からないまま今の歳になっちゃって」
お客さんは苦笑いする。
ビアンにそういう人は珍しくないからあたしは笑う気にはなれない。
異性を好きになるという先入観が同性への感情に気づくのを邪魔して恋愛感情を持たない人間だと自分を誤解したまま歳を重ねる人は珍しくない。
あたしの場合は恋愛感情じゃなくて性欲がそうだったから気持ちは分かる。
「でも、エッチな気持ちは知ることができたんだ」
「そうですね。でも、その気持ちをどこに向けていいか分からなくて、一人でしてばかりだと混乱してきて。だから僕、今日、お姉さんのところに来たんです」
「それは光栄だな。——ちゃんみたいな人って珍しくなくてね。そう言う人の役に立つのもこの仕事をしててあたしの好きなところだから」
「よかった。僕みたいな客が迷惑だったらって心配だったんです」
お客さんは落ち着いた様子で言った。
風俗にどんなイメージを持ってるのかは図りかねるけど、性に積極的でギラギラした人が使ってるイメージがあるんだろうか。
それなら働いてるあたしもそれとは違うタイプだ。
確かにバーで女の子をナンパしてエッチするのを繰り返してたがそれでもどこか冷めてたし、今もプライベートでしたいと言う気持ちが湧かない。
セラピストの中にはワンナイトラブを仕事終わりにしてる子もいるけどあたしはそれとは遠いタイプだと自分では思ってる。
「そんなことないから大丈夫。だけど、性欲自体が最近まで経験なかったならこれから色々覚えないとね」
「どんな事をですか?」
「エッチな気持ちとの付き合い方。何にエッチな気持ちになるのかとか、どのくらい身体が気持ち良さを欲しがるのかとか」
あたしはスポンジを下に移動させながら言う。
これからお客さんの身体を洗ううちで一番好きな場所に触れる。
足の付け根のなだらかな脂肪の膨らみとその中央にある縦筋だ。
あたしが女の子に対して特にエッチに感じる所。
これを見つけてから仕事もオナニーも充実した。
このお客さんの股間はVの字の下の方がぷっくりと他の人よりも膨らんでいる。
感触ももっちりしてて気持ちいい。
あたしはスポンジを持ってを工夫して指先で割れ目の周辺の脂肪を指で押したり、割れ目を指でなぞったりしていく。
とてもかわいいちょんちょんだ。
あたしはじわりと自分のあそこが生暖かくなるのを感じる。
こんな風にお客さんにもオナニーやエッチなコンテンツ、チャンスがあるならデートやセックスを重ねて女の子のエッチさを見つけられるといいと思う。
「オナニーでも、恋愛でも続けていけばどんな女の子が好きかとか女の子のどんな所がエッチに思えるかとか見つけていけるよ」
「僕が……。ちょっとピンとこないかも」
「本能だから大丈夫だよ。ここが求めてくれるから」
そう言ってあたしはお客さんの下腹部を撫でた。
そこは子宮のある場所。
あたし達の性欲は子供を産みたいという種の保存の欲求から来てると思う。
女同士で身体を重ねても子供はできないが、それでもその女性の子供を産みたいというバグのような欲求だろう。
その欲求をこの人が誰に向けるのか分からない。
ただ、このぷっくりとしたちょんちょんを捧げる相手が現れたらしっかりと気持ちよくなって欲しい。
サービスとして提供されるセックスと愛の行為としてのセックスは全く違うものだから。
あたしは入念にちょんちょんを洗うフリをして久しぶりに出会った好みの形のちょんちょんを触って興奮を顔に出さないように隠した。
風呂を出て、服を着て、あたし達はホテルを後にした。
「恋愛とか考えた事なかったんですけどね。なんか、僕にもそういうのが出来るようになる日が来るのかなって思えました」
「今までは誰かを好きになった事は無かったんだっけ?」
「そうですね、それっぽいものは無かったわけじゃ無かったんですけど、それでもなんかピンと来てないですね」
「初めて人を好きになった時は戸惑うものだから。——ちゃんのその気持ちがそうなのかはあたしも分からないけどね」
「でも、それは忘れたい事だったんでうまく今日の気持ちよさで上書きできたらいいなとは思います」
はっきりした言葉を避けてるがやっぱりこのお客さんは失恋したんだろう。
叶わなかった初恋なのかもしれない。
同性愛の世界とは接点がなさそうな感じはするから異性愛者を好きになってしまったのか。
よく聞く話だ。
特に初めて好きになった相手が自分を好きになってくれるかどうか以前の問題なんて悲しいけどあたし達の世界には当たり前にある。
「それにしても凄いですね。肌を触れ合って気持ちよくなるの」
「そうだね」
「誰かを好きになるってあれをもっと深い所から求めるんですよね」
「そうだよ。正直言うと恋人とエッチするのはあたしなんかとするのとは全然違う」
「誰かを好きになるってまだ僕には分かりそうにないかもしれないです」
お客さんは物憂げに道の向こう側を見つめた。
「まだ若いから焦らなくてもいいよ。もっと年上の人でも迷ってる人はいるから」
「気長に、ですか?」
「そうだね。時間制限みたいのはないから」
同性愛は子供を作らない。だから妊娠可能な期限は関係ない。
「恋愛とかエッチとかこれから知っていけばいいから。もし、その前に気持ちよくなりたかったらまた呼んで。自分の性的指向や性欲に向き合うのを手伝う事はできるからね」
「はい。今日はありがとうございました」
「こちらこそ」
お客さんは深々と頭を下げるとその後軽く会釈をして去っていった。
その顔は少しスッキリしているようで来た時より明るくなってた。
可愛い人だったな。
見た目の幼さというのもあるけど、地に足をつけてるのと浮世離れという正反対の要素を兼ね備えた雰囲気。
これまでの経験から失恋した傷を癒しに来たんだろうけど、恋愛感情も性欲も最近まで経験しなかったタイプはいるにはいるけど珍しい。
そういう人は風俗に来たりしないのだろう。
今日のお客さんの境遇のような人は制欲を拗らせた男子中学生のようなタイプが多い。
こういう例えに出してしまって世の中学生の男の子達には申し訳ないけど。
何となくだけどまた来て欲しいなと思えるお客さんだった。
感じのいい人だったし幼い見た目のウブな人に気持ち良さを教えてあげたいという気持ちもある。
この仕事は一期一会だからその機会が来る事を願って店に戻るとしよう。