女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
仕事に向かう時の気分は色々ある。
できる限り一定の状態でいる事を心がけているが、楽しみなお客さんや気の進まないお客さんはやはりいる。
リピーターの場合は気の合う歳の近いお客さんの場合は楽しみだし、気難しいお客さんは気が重い。
一見さんでもタチのお客さんはどれだけ上手かで楽しくも苦痛にもなるし、ネコのお客さんは気をどれだけ使うかが相手がどの程度、積極的になってくれるで決まる。
数は少ないけどトランス男性のお客さんはこちらの言動や行動が傷つけてしまわないか気を使う。
裸になって抱いたり抱かれたりするもんだから仕事のために神経がすり減る。
今日のお客さんはそんな風俗嬢の仕事にあってあたしが楽しみにしてるお客さんの一人だ。
あたしの少し年下の小柄な女の子で最近、女を好きなんじゃないかと気付き始めたそうだ。
性欲や恋愛感情も数ヶ月前まで経験した事がなかったくらい初心な大人の女性だ。
この手の女の子は気弱な子やおとなしい女の子が多いが、今日のお客さんはとてもしっかりした真の強そうな人だ。
そうでありながら物腰は柔らかい。
これまで男女共にモテてしたんじゃないかと思うけど、恋愛経験がないのは自分のセクシャリティに気づけなかったからなのか。
どちらにしてもあたしで初めてを経験してくれた事とその後もあたしからセックスの手解きと快楽を受けてくれてとても嬉しい。
基本的にあたしは恋愛する余地のあるお客さんには性に向き合い、自分がどうやって人を愛するのかを見つけてもらえたらいいと思っている。
経験の少ない同性愛者は周囲からロールモデルを得られなくてどうやって恋愛をしていいか、性欲を抱いていいかで悩んでいる人が多い。
今日のお客さんもそうだが、夜の街や各種団体などの同性愛者の集まる場所と繋がってない人は女が女を愛する事がどういう事なのかで悩んでいる。
それに異性愛者よりも圧倒的に自分を愛する可能性のない人を好きになってしまいやすい。
それを癒す事もそうだし、女への性欲の持ち方との付き合い方を確立する手助けをできれば、お節介かもしれないがこの仕事での意義を今日のお客さんに感じて来る。
かといって、特に何かをその面でしてあげるわけではない。
ただ、興奮して気持ちよくなってもらうだけだ。
でも、そこからこそ学べることというものがあるのだ。
あたしは今日の待ち合わせ場所の駅前広場まで来るとすぐにお客さんを見つけた。
最初こそビジネスホテルだったがラブホテルでの利用の方が楽しかったらしくここ何回かは外でこうして待ち合わせしている。
いつも待ち合わせの度にお客さんが心配になってしまう。
20代半ばだが見た目は幼く高校生、下手をすれば服装次第で中学生に見えるのではないか。
童顔なのもあるが背も低く身体も細い。
家出少女か何かと間違われる可能性だってある。
実際、ラブホテルで未成年だと思われてスタッフの人に身分証を提示した事がある。
「Eちゃん、お待たせ」
「お姉さん、こんばんは」
「結構待った?」
「早く着いたので駅ビルのカフェで時間を潰してました」
「そっか。それじゃあ行こうか」
お店の予約時には名前を伝えることになっている。
予約サイトの入力欄は必須項目だ。
ただ、この名前は何でもいい。
実際、SNSのアカウント名のような実名ならあり得ない名前を名乗る人や女性なのに明らかな男性名を名乗る人も少なくない。
でも、このお客さんのEという名前は本名だ。
カタカナ表記なので字は知らない。
最初の時は別の名前を名乗っていたが、二回目で未成年と疑われて免除証を提示した時にホテルの人が名前と生年月日を読み上げたのだ。
他の人はいなかったとはいえラブホテルという場所を考えるとかなり無神経で不用心な行動だったとあたしは顔にこそ出さなかったが憤った。
ただ、その時、名字は聞き取れなかったが名前は聞こえた。確かにEという名前だった。
生年月日はあたしより三歳下。
お客さんの個人情報を知ってしまうのはこの仕事をしていて適切じゃないが、なんだか常連さんを呼んでいる名前がその人の名前だと分かって親近感が湧いた。
かといってビジネスとしてのセックスをするだけの間柄だから過度の感情移入はすべきじゃないが。
あたしはEちゃんと共にホテルに向けて歩き出す。
「今日は仕事帰りなんです。僕、もうすぐ大きな仕事があって、その準備で忙しいんでお姉さんに癒されたくて予約しちゃいました」
Eちゃんははにかんだ笑顔で言う。
事務員だとは聞いてるが期末にしては中途半端な時期なのでそれなりに特別な案件か何かなのだろうか。
「大変だね。今日はしっかり楽しんでいってね。ストレスはいい仕事の大敵だから」
「はい。楽しみですね」
Eちゃんは「上手なネコ」なんだろう。
彼女からはいつもネコでの予約だ。
毎回、タチをやっていてこちらも楽しくなる素直な感じ方をしてくれている。
あたしも抱くのが楽しみだ。
そして、あたしはEちゃんの足の付け根に目を向ける。
ズボンで当然のことながら見えないが、そこにはなだらかな脂肪の丘とまっすぐな縦筋がある。
早く揉みたいしなぞりたい。
好みの形にのあそこを持つお客さんとこうしてホテルに向かう時はとても楽しい気持ちになる。
あたしは本当に鼠蹊部フェチだ。
ホテルに着くとEちゃんはスマホを取り出して受付の機械に画面をかざす。
このホテルはウェブからの予約が出来てQRコードでチェックインができて便利だ。
ラブホテルは端末から選ぶ形になっていて基本的に人と顔を合わせずチェックイン、チェックアウトが出来る。
仮に受付があっても街で見かけるパチンコの交換所のように顔を合わせなくてもいいような形になっている。
もっともカメラや窓でここのスタッフからはあたし達の様子は丸見えで中に入っていくまでの一部始終は見られてしまう。
現に過去にEちゃんを未成年だと思ったスタッフに止められた子のもあったわけだ。
女同士での利用で中にいる人に噂もされてるだろう。
同性愛は市民権を得たように見えて絶対数が少ないから珍しいのは仕方がない。
女子会などで利用される事も多いと聞くが、友達同士がパーティルームとしてカラオケのように利用するのと、「そういう」間柄の女二人がセックスをするのとでは雰囲気は違うはずだ。
これまで何度か廊下で出てきた女二人組に遭遇しているがその空気は大きく違う。
「なんか照れますね。僕たち、見られてるんですよね」
Eちゃんは恥ずかしそうに笑いながら言う。
彼女も同じ事を考えてたようだ。
「前みたいな事があったから調べたら出入りする人を見てるんですよね」
「まぁ、女同士だから女子会利用だとおと思われてるんじゃないかな」
あたしはEちゃんを安心させようと想定とは違う事を言った。
彼女はおそらく数回の風俗利用でしかセックスを知らない。
こう言う場も同じだろうからあの友達同士と身体を重ねた者同士の空気の違いもまだ知らないだろう。
あたしも気づけるようになるまで時間を要した。
「でも、僕たちというか僕、これからエッチするってバレてると思うんですよね。ソワソワしてますから」
Eちゃんはそう言って端末に先ほど出ていた部屋の方へ歩き出した。
あたしもそれに続く。
結構、洞察力がある人なんだろうな。
そう考えると性経験の年不相応な未経験で舐めてかかってはいけない相手なんだと思う。
歩き出してすぐに向こうから人影が見えた。
「あっ……」
Eちゃんはあたしにしか聞こえないであろう息が漏れる程度の声で呟く。
向こうから歩きてきたのはあたし達同様、女二人組だった。
それも確実に事後だ。
単に部屋でお菓子を食べたりお酒を飲んだりして騒いだ後なら絶対しない表情。
片方は性感を味わってその体力の消耗で身体がダルそうだし、その感覚をもたらした相手への強い照れが顔に出てる。
もう片方はスッキリしたような満足感を落ち着いた様子で顔に浮かべている。
おそらくタチとネコがはっきり分かれているカップルなのだろう。
身体の強い感覚を伴う側と伴わない側の関係性だから顔が上気してる側としてない側で分かる。
空気感から察してあたし達のようなお金を払った関係じゃなく個人的な感情による関係だ。
少し羨ましくも思える。
もし、Eちゃんが恋人だったら……。
いや、それはするべきじゃない妄想だ。
「なんか、ああやって見るとこっちも恥ずかしいですよね」
予約していた部屋に入るとEちゃんは照れ臭そうに笑った。
とても気まずそうだ。
「これから、あたし達もあの人達と同じ事をするんだよ」
「そうですね」
まだ、性に関する事にこの人は慣れてないだなと思った。
その辺のエスコートもセックスの経験の少ないお客さんへの必要なサービスだ。
あたしは頭を掠めたよくない妄想を振り切るために自分のすべき事に頭を切り替える。
「それじゃあ、お風呂準備するから、くつろいでいてもらえるかな?」
そう言うとあたしはお店の備品のバッグから必要な道具を取り出す。
まず集中する事はお客さんに楽しんでもらうための段取りだ。