女の子の鼠径部フェチのレズ風俗嬢が理想のあそこを持つ恋人と出会うまで 作:喋家月餅太
Sがあたしを連れてきたのはラブホテルだった。
建物の前まで来た時に困惑したがなんて言っていいか分からず部屋に入るまであたしたちは無言だった。
「S、彼女いるんじゃなかったけ?」
「いるよ。だけど、これはそういうんじゃない」
「何するの?」
「セックス」
「まずいでしょ。浮気――」
「――浮気じゃない。あんたの適性を確かめるの。そもそも風俗に向いてるか試すため」
あたしは気まずくなって目を泳がせた。
友達で恋愛対象として見ることの出来ない相手がセックスすると言う。
「わたしがあんたの好みじゃないのは知ってる。わたしもあんたの裸を見たいとは思わない」
「それならどうして?」
「だからよ。興奮しない相手とエッチできるか。それが出来ないなら今の職種で転職するしかないでしょ? これがもし風俗で働き始めてからなら取り返しがつかないもの」
「それで……」
「あんたはタチ? ネコ?」
「リバだけど……」
「完全にリバ? どっちかに寄ってない?」
「結構、ネコ寄り」
Sはあたしがセクシャリティの事を言うと何かを考えた。
「わたしはタチ。触られるのは無理じゃないけど好きじゃない」
「それは……?」
「今からあんたがタチをやってわたしをイカセてみて」
「えっ!? ここで?」
「だからラブホテルに来たの。出来る?」
あたしは考えた。
Sは友達だ。確かにレズビアンバーに通ってた頃は友達という間柄の人ともエッチしたりした。
でもSは今彼女がいる。友達で彼女のいる人にエッチなことをするのは抵抗がある。
でも、多分、風俗で働くならしなきゃいけないことなんだろう。
しかもお互いのセクシャリティとは逆の役割でするという。
抵抗はあるしやりたくないけど、大学院に進学するにはしなければいけないのは事実。
「わかった。しよう」
「じゃあ、あんたの思うようにリードしてみて」
「して欲しくない事はある?」
「そうね。膣には挿れないで。わたしは恋人以外を中に入れたくないの」
「わかった」
「それとキスをしなければ好きにしてくれて構わないから」
Sは淡々と言った。
キスと挿入はあたしもワンナイトラブで嫌がる女の子とした事がある。
挿入に関してはそれ自体を嫌う女の子も多いし、キスと合わせて恋人とだけするという女の子も少なくない。
だとするとクリトリスでイカせるのが妥当だろう。
そこまでにしっかり感じさせて、ピンポイントでクリトリスだけを攻めるのでなく身体全体で感じさせるのがいいだろう。
先日、あたしが風俗を利用した時にセラピストがやってくれたのを真似て反応を見ながら何をするかを決めて行くのが良さそう。
ネコ寄りのリバ。攻められた経験に比べて攻めた経験は不足してるから頭を使う。
まずは肋骨下部から乳房を通って鎖骨までをゆっくりとさするようにマッサージをしていく事にした。
女の性感には気持ちもそうだが全身の神経を優しく満遍なく刺激して行く事が大事だ。
あたしが二人目の彼氏と別れて最初の彼女と初めてエッチをした時に自分の性感帯が身体に広範囲に広がっていて連動してる事を知った事の衝撃は大きかった。
どうしても男の子は性器や乳首以外の場所が鈍感にできてきてその辺の発想にならない。特に当時は十代でお互い経験も少ないから余計にだろう。
あたしの初カノは年上とばかり付き合ってきたビアンだったのでその辺はたくさん経験していたみたいだった。
できる限り丁寧に身体を揉み、全身にある性感帯にゆるやかな刺激をしていく。
Sは冷静な顔でその刺激を受けている。
少しずつ強い刺激に変えていったらいいからかもしれない。
乳房をも揉みながら乳首への刺激もしていく。
Sは少し息が荒くなっている。
ここから大事なところへの刺激に繋げていこう。
一通り胸を刺激した後、マッサージを下に向かわせていく。
腰のところまできたらマッサージの手を止めた。
Sの鼠蹊部を見る。
そこは剃っているようで割れ目が丸見えだった。
大人になってから二人目に見る女の子の割れ目。今からこの割れ目の外をそれから中を刺激する。
改めて割れ目を見ると不思議な形をしてると思う。
普段、股間を意識する事はあまりないけど平らな場所というくらいの認識とそれ以外はおしっこやエッチの時に内側にある外性器を意識するくらいだ。
こうして平らな股間が縦に割れてるって事を忘れてたのかもしれない。
だけど忘れてた割れ目は子供の頃に自分が女の子である何よりの証拠だった。
二次性徴まではこの部分を「ちょんちょん」と呼んでいた。
小学校の高学年になるとそう呼ぶのが子供っぽくて恥ずかしく感じてあたしも周りの友達もあそこって言葉を濁すように使うようになったけど。
そのあそこの形を久しぶりに見てあたしは触りたいという欲がひしひしと沸いてきた。
彼女のいる女性で自分にとっても好みじゃない人だけど、ここを触って感じさせたい。
あたしは先日、デリヘルでセラピストにやってもらった事を思い出しながら割れ目を両手で挟む形で鼠蹊部を摘んで揉み始めた。
立った状態で見える範囲を軽く揉むところから始めて大陰唇全体に揉む範囲を広げて行く。
Sは冷静な顔をしているがさっきよりも息はさらに荒くなっている。
あたしもSの女の子の感触が心地よく感じた。
あたしはネコ寄りで触られる方が好きだけどこの感触に神経を研ぎ澄ませると触る側の楽しさがわかってくる。
自分が手を動かせば動かすほど相手が感じて行くのは楽しいのかもしれない。
丹念にSの大陰唇を揉み込んでいく。
すると割れ目があたしが揉んだ動きでパクパクと小さく開いたり閉じたりしている。
そこに微かな「クチュ」という音。
濡れた大陰唇と小陰唇が音を立ててるみたいだ。
本当に微かでこの静かな空間で無言で愛撫をしていないとわからないくらいだ。
Sは濡れている。
女の子が興奮したら起こる現象。女の子の身体が興奮で出す透明な液体。それがSの大事な所にまみれていた。
あたしは揉む手を止めてSの割れ目を開いた。
パカっと大陰唇が開き、それに遅れてゆっくり開花するように小陰唇が開いていく。
Sの小陰唇はとても艶やかで興奮を示していた。
次へ進めよう。あたしは左手を引っ込め、右手をSのあそこに残し、手のひらを上に向けて中指だけを伸ばした。
その動きはSにも見えていたようで何をしようとしたのか分かったようだ。
Sは唾を飲み込んだ。
中指で円を描くように軽く触れた。
その場所はクリトリス。女の子のあそこで一番敏感な場所。
膣の挿入が禁止された状況ならこの場所しかない。
「ここはいいのよね?」
指の先端だけふんわりと触れた状態を続けながらあたしは答えのわかってる問をする。
「もちろん。もう触ってるでしょ?」
Sは若干声が途切れ気味に言う。
「それじゃあ、遠慮なく」
「……あっ!」
あたしはSのクリトリスを指先が触る面積を増やして一気に動かす速度を上げた。
感じているのは分かったが友人として付き合ってきて初めてSの喘ぎ声を聞いた。
Sのクリトリスはしっかり硬くなっていて指先にコリコリという感触が伝わってくる。
こうなった小さなピンクの突起を触るとどれだけ気持ちいいかはセックスをしばらくしていないあたしでもわかる。
自分でここを触って快楽に浸る事はあたしにとって日常だからだ。
誰かのクリトリスを触るなんて本当に久しぶりだ。
友達という間柄でセックスするのはあたしは何度も経験している。
その日だけ身体を重ねることもあるし、恋人になった女の子で最初のセックスをした時は友達だった事もある。
だけどあたしは他人の恋人にいやらしい事をしたりするような事はしない。
他人の恋人を取ったりもしない。
こうして絶対に恋愛対象になる事はないだろうなという女の子、それも自分のあったことのないだろう人の恋人の大事な所を刺激してるのはしながらも抵抗はある。
本当はこんなことしたくない。
Sだってそうだろう。
これはあたしに風俗で働く適性があるか確かめている。
情のないセックスだからSはあたしに指を膣に挿入するのを禁じた。
同じレズビアンでもこの辺の感覚は人や属する人間関係によって違ってくるけど、この辺はあたしも同じように考えてるから共感できる。
手や舌でお互いの体を刺激し合うのが基本の女同士のセックスの中で挿入を、身体の中に誰かを入れる事を特別に考えているんだろう。
あたし自身もこれが好きな人なら挿れたくてたまらないだろうが、友達とある種の事務的な行為をしてる認識なのでその欲は出てこない。
ただ、女の身体に触れてる、裸を見てることには身体は正直であたしの大事な所は濡れていた。
濡れた時特有の生暖かい感覚がそこにはある。
だけどやっぱりSの身体には魅力を感じてもSという人には女性としての魅力を感じない。
かつて付き合ったら二人の男の子とは逆の感情だ。二人の男の子とは逆の感情だ。
その人には魅力を感じても身体には魅力を感じない男の子たち、身体にはあそこを濡らすほどの魅力を感じてもその人には友情以上の感情を感じないS。
セックスをするとなってうっかり惚れてしまったらと不安だったけどそれはあり得そうになくて安心した。
ただ、あそこに毛のないとそれもこちらがタチとしてセックスをしてその部分をしっかり見るとこんなに魅力的な形をしてるのかと思う。
今まで身体を重ねた女の子たちは短く切りそろえたり割れ目周辺だけに整えたりしてたりしたけどツルツルにしてた子はいなかった。
この間の風俗の子もそうだけど脂肪が富んで小さくて柔らかい丘を作りながらその中央が一直線に割れてるのはなんだか可愛い。
そこを広げて出てくる花弁のような小陰唇はとてもいやらしい。
そのギャップが見ていて堪らなかった。
そしてその部分の感触を指先で味わっていくのもとても満足感がある。
あらためてあたしは女体が好きなんだと思った。
大学時代にそんな事を意識する事なく温泉に友達と出かけて彼女たちの身体を見た時に生まれて初めてクリトリスが疼く感覚を覚えた時を思い出す。
楽しい。
多分、Sはもうすぐ絶頂に達すると思う。
息が荒いし目が虚だ。
あたしは気持ちの入っていないけれど真剣な性欲という不思議で初めて経験する感覚を頭の中で馴らしながらSのクリトリスを刺激し続けた。
膣への指の挿入に特別な感情を持っているあたしはそれをSが禁じてくれたことをありがたく感じた。
もし挿れていたらかすかでも恋心みたいなものを持ってしまったかもしれない。
叶わないし迷惑な感情を友人に向ける。そうなればSとは友達でいられないかもしれない。
この楽しくも虚しい作業はもうすぐ終わる。
「あぁっ!」
それはすぐに来た。
Sは抑えた状態で絞り出された声を上げる。
女はオーガズムに達すると快感が身体を駆け巡りそれに耐えようと大きく身を震わせる。
ギリギリ我慢できたのだろう。
Sは身体をあまり動かさずにその苦しそうな声を出しただけに反応をとどめた。
もしかしてあたしのクリトリスへの刺激が下手だったのかも知れない。
それともSはとてもロマンチストで恋人の指じゃなければ感覚も控えめに感じるタイプなのかもしれない。
あたしはこれ以上指を動かすと辛いだろうと思って手をSのあそこから離した。
性感を伴わない側なのでとても冷静な気持ちであたしはSのイッた様子を見ていた。
Sは深く息を吐きだすとあたしの方を見る。
「結構、上手だね。本当にネコ?」
「ネコ寄りだけどリバだよ。あたしの方からもするの」
「それにしては上手」
「身体の相性がいいんじゃない?」
「勘弁してよ。そんなの御免被るわ」
「それはあたしも」
「ずっと冷静だったね。興奮してないの?」
「濡れたけどあんまり。あんたがどれだけ気持ちいいか分かるし興奮は一応してる。でも、好きな女の子を抱くみたいに感情は入らないかな」
「そう」
そっけなく言ったように聞こえて何か納得の感じる「そう」をSは言う。
「あんたにされてみてセラピストに適性はあるかなとは思った。仕事してみたらぶつかる壁もあるけど勤まりそう」
「本当?」
「彼女がいなくてあんたが友達じゃないならならわたしも呼びたいくらい。あんたより下手な風俗嬢は沢山いるから」
「そっか」
あたしはホッとした。
それが風俗の仕事が可能そうという事なのかそれともセックスが下手じゃないと分かったからなのかわからない。
男女問わず自分本位で相手の気持ちよくないセックスをする人はいるからそうじゃないのはしばらく恋愛をする気はなくても安心できた。
「紹介は出来る。あんたを紹介してわたしの信用がなくなる心配はなさそう」
「それじゃあ」
「あとはあんた一人でしっかり考えて。リスクを負って大学院に挑戦するのか、この何年かで築いたIT業界のキャリアをさらに進めるのか。わたしはITの方を勧めるけどね」
これから真剣に検討しなければならないんだ。
明後日まで。それまでこの先どう生きるか。何が後悔しない選択かを。
「一人でとは言ったけど、相談できる相手がいるならしっかり連絡は取って冷静な視点は持つようにしてね。時間がないけど感情が先走ったり直感を信じすぎると碌なことにならないから」
「分かった」
Sはそこから転職エージェントの経験からアドバイスを話してくれた。
結構、考えるのは難しいかもしれない。
だけどきちんと結論を出さないといけない。
「ぷぷっ!」
あたしは真剣に話してる時にふと自分たちが全裸でいることに気がついて吹き出してしまった。
「どうしたのよ?」
「いや、あたしたち裸で真剣な話してて間抜けだなって」
「ああ、それもそうね。それそろ服を着ようか。恋人でもない人に裸をこれ以上見られるのも嫌だし」
「同感」
そう言ってSは立ち上がる。
その際にSのあそこが目に入った。
緩やかな脂肪の膨らみとまっすぐな縦筋で構成された女の子の大事な所。
とても不思議で可愛くて魅力的な形をしていた。
女の子の股がこんなに魅力的だと気づけたのは今日の収穫かもしれない。
「服着たら?」
あたしがSの股間に気を取られているとSはいつもの調子で言った。
「そうだね。ごめん」
股間を見ていたことに気づかれたのかと思いあたしはあせって返事をする。
「わたしはあんたに友達以外の感情はないから興奮するなら分からないようにしてよね。別にオカズにするのは構わないけどさ」
そう言うと淡々と服を着ていく。
イカされたばかりにもかかわらずとても冷静だった。
風俗で鍛えられたものなのか、あたしが「そういう目」で見れない存在だと思っているからなのかは分からなかった。
「おまんこ触ったのに自分は気持ちよくないのはネコ寄りだってのなら辛いだろうから、今日は家に帰ったら楽しんだら? 今みたいな時期はストレスを貯めないのが一番よ」
Sはあくまで友人としてての優しい口調で言った。
そう言われている間にあたしも服を着終わってこのラブホテルを後にする準備はできていた。
「ただ、ここを出たら二度とあたしをやらしい目で見ないでね」
「わかってる。そんなに見てない」
「ふーん」
あたしたちは忘れ物がないかを確認した後、部屋を出てホテルを後にした。
女同士は後片付けが最小限で楽だ。
男の子とは10代の頃に経験しただけだけど、コンドームの片付け忘れに対する警戒心は結構ストレスだった。
女はイッても何も出ないから楽だと思う。潮吹きとかはあるけどあれば特殊なケースだし。
「ねぇ、M」
駅までの道を歩きながらSは真剣な口調で言った。
「本当はね、わたしはあんたに風俗なんてやってほしくないの。紹介する予定の店は経営者がいい人なんだけど、それでもあの世界は真っ当に生きてる人に近づいて欲しくない。特にあんたみたいにお金を稼ぐために使える才能がある人は」
「才能なんて言えるようなほどじゃないよ。眼の前の仕事をこなすしか出来てないよ」
「それだけでもすごいことだし、副業でも開発をやってたわけでしょ? それが出来るならその道で食べていってほしいというのが友達としての本音」
「それは……」
Sはあたしを本気で心配してくれている。
正直、あたしは一度、風俗を利用しただけで風俗がどんな世界か知らない。それ以外は予約サイトや売上管理システムのデータを見たことがあるだけだ。
それでも、あたしは大学院に行きたい。諦めてしまった本来の夢にもう一度挑戦したい。
だけど、風俗で働いてその世界を見てきた人にとってそれがどれだけ軽はずみなんだろうと思った。
「真っ当な世界で生きていく為にわたしも精一杯手伝いたいの。あんたの人生だからどうしろとは言えない。だけど、軽はずみな考えならやめておいてほしい」
「そうだね」
「とりあえず、しっかりロジカルにエビデンスを持って考えてちょうだい。もしそれが出来てなかったらわたしは紹介しないつもりだから」
「わかった」
「覚悟を決めてね。それじゃあ、彼女が家で待ってるからわたしは行くね」
「今日はありがとう。きちんと考えてくる」
「それじゃあ、明後日」
そう言ってSは駅の入口の方に駆けようとしたが一度立ち止まった。
「あと、言い忘れた。あんたの指、気持ちよかったよ。あんたは恋愛して今日した事を恋人の為にした方がいいと思う。それじゃあね」
それを言うとSは今度こそ駅の中に入っていった。
積み重ねたりその場だけだったりはあるけどそういう恋愛感情のないセックスは先日の風俗の利用と含めて二回目だった。
それが友達となら初めてだ。
だけど、それ以上にSの言葉がとても重たくあたしにのしかかった。
明日は一日、きちんと調べて考えよう。考えないといけないことは沢山ある。
あたしも家路へと急ぐ事にした。