女超人を主人公にしたアーバンファンタジーの一幕。
紅い薔薇の刺繍が施された黒色レースのランジェリー。月明りに照らされたブラジャーとショーツのそれらは、乱れたベッドの上に脱ぎ捨てられていた。
部屋はホテルのスイートルーム。ベッドには、素朴な成人女性が全裸で眠りについている。彼女を傍らにリビングで佇むもう1人の女性もまた全裸であり、照明を消した部屋の中、開けっ払ったカーテンから降り注ぐ月の光を浴びるように神々しく佇立していた。
179cmの長身からなる身の丈で、腰辺りまで伸ばした乳白色の長髪を分厚く束ねたポニーテールにしている。色白の肌はハリとツヤで隅々まで潤いに満ちており、端正で整った凛々しい顔の輪郭と大人びた黒色の瞳、左目にある泣きぼくろがクールな印象を与えてきた。
全身は黄金比のバランスで成り立っており、天からの賜物と呼ぶに相応しい女体を形成していた。その佇まいはまさに、『神話の絵画に登場する女神』が如く。神秘的に光を反射する色白の肌を身に纏い、引き締まった体格や女性的な曲線、チェリーブロッサムの淡いピンクの乳首と乳輪、作り物のように無機質で滑らかな秘部を月明りに照らしていた。一切もの無駄毛は存在せず、在るのは神が生み出した絶世の人体のみ。人類の理想形に最も近しい造形は、究極の美という言葉を想起させる。
窓からちらつく都会の夜景が、彼女のシルエットを一層と際立たせた。有象無象の煌めきが彼女の裸体を芸術的に演出し、彼女もまた夜景と向かい合う。文明化が進んだ空間にビルや車の照明が輝く中、女性はテーブルに置いていたスマートフォンを手に取って右耳にあてがった。
電話の発信音が鼓膜にこだまする。それは直にも応答と共に、陽気な男性の声が響いてきた。
『よーぅ! ユノちゃん! 月夜が美しい今宵のひと時に、如何なるご用件かな? さては、人肌が恋しくなってオレちゃんにデートのお誘いでもしたくなったかなァ!?』
「不埒な戯言も極まると感心の念すら覚えるわ。人肌に関しては間に合っているから、貴方の出番には期待しないでちょうだい」
『おやおやァ? その口ぶりだと、まるでついさっきまでお楽しみだったみたいじゃねェか。お相手はどんな女性かな? 清楚系? 肉食系? 年上? 年下? 淑女? 悪女? 地味? 派手?』
「親しき中にも礼儀あり。セクハラに耐えかねた私が、即刻と通話を終了する可能性を考慮しての発言でしょうね」
『わー!! 待って待って!! 悪かった! 半分は冗談のつもりだったから、どうかオレちゃんの話を聞いてくれ!! 頼む! ユノちゃん! この通り!』
「…………」
ユノと呼ばれた全裸の女性は、呆れたような顔を月明りに浮かべていた。それでも通話は切らずに温情で耳を傾けていると、次にも電話越しの男からこのような話を持ち掛けられる。
『話ってのは他でもねェ、依頼についてだ。ユノちゃんにひとつ仕事を頼みたい』