隣村で夜を過ごしてはならない。
 そんな迷信に従う事なく、今日も詩季(シキ)は隣村と呼ばれていた漁師町に住む純(スミ)の家へ泊まりにいく。
 今日はお祭り。特別な日。詩季が見たのは海から迫り来る巨大なナニカ。純に押さえつけられながら恐怖に慄く詩季。だがソレが伸ばしてくる触手に触れてしまった瞬間、詩季は絶頂した。

※※※女の子同士の絡み合いに触手が混ざります※※※

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隣村で夜を過ごしてはならない

 

 

 

「隣村で夜を過ごしてはいけないよ」

 

 小さい頃からずっとお婆ちゃんから言い聞かせられていた。

 迷信か何か知らないけれど、そんなものに縛られるとか馬鹿馬鹿しい。

 

 あぁ、そんな事を考えていた私にもう一度言い聞かせてやりたい。

 

 裸の女性達。

 響き渡る嬌声。

 咽せ返るほどの性臭。

 この世のものとは思えない不定形の生物。

 

 目に映るもの全てに現実感が無い。

 常識という常識が打ち壊されていく。

 悍ましい何かによって世界が塗り替えられていく。

 

「詩季……一緒に、気持ちよくなろ?」

 

 

 

 

 

○○○○○○

 

 

 

 

 

「詩季(しき)、隣村に行くんか?」

「うん。純(すみ)のとこー」

 

 靴を履いていると、後ろからそう声をかけられた。

 振り返れば農作業着姿のお婆ちゃん。どうやら出るタイミングが一緒だったらしい。

 

「そうかいそうかい。早めに帰っておいでな?」

「あー……純のとこに泊まる予定なんだー」

「……詩季」

 

 あーうー、また始まるかも。

 

「あの村で夜を過ごしてはならんと言うとるじゃろ」

「い、いやでもさ? 今まで何回か泊まったけど別に何も無かったよ?」

 

 お婆ちゃんから口酸っぱく言われている事。迷信か何か知らないけれど、小さい頃からずっと言われ続けている。

 けれど、お母さんの許しもあって何度か親友の家で遅くまで遊んだり泊まったりしているけれど、何か悪い事があったりとか、そういうのは一切無かった。

 所詮迷信なんてそんなものだ。

 

「詩季。昨日まで大丈夫だった事が、今日大丈夫とは限らん」

「そうかもしれないけどさぁ……」

 

 そういう、迷信じゃなく経験則に基づく事を言われるとちょっと弱い。

 

「純ちゃんの事を悪く言うわけじゃないんだよ? ただ、あの村は良くない」

「……別に普通のとこだと思うけど」

 

 お婆ちゃんは昔の感覚で村と呼んでいるけれど、あそこは普通の漁師町だ。……ちょっと寂れているけど。

 

「私も何があったのかは知らん。だがこの辺じゃ昔からそう言い聞かされて育ってきた」

 

 うぐ、これ長くなるやつかなぁ。

 

「実際に何が悪いのかは分からない。しかし言い聞かされてきた、という事は何かしらの意味が必ずある筈なんだ」

 

 意味があったとしても大昔の被差別部落とかそういうのじゃないかなぁ、知らないけど。少なくとも今はそんな事全く無いけど。

 

「で、でも今日お祭りだって……」

「……祭り? 今の時期に祭りなんかあったかね……」

 

 そう、純のところで今日お祭りがあるらしい。

 来たければ来てもいーよーと言われたから行く行くーとホイホイ返事をして、お祭りは夜にあるから泊まっていけーと誘われて、だからまぁ、今日はお泊りになったのだ。

 ……うん。何度もあの村で、純の家で女子会的な感じで泊まったりした事は何度もあるけど、本当に何も無かった。だからそんな迷信なんていい加減無視して良いと思うんだけど。

 

「なんか本来は身内だけでやるお祭りなんだって。レア感あるよね」

「……なぁ詩季。行きたいという気持ちは分かるけど、今日ばかりはやめとかないか?」

 

 ……なんかいつもより心配そうな顔をしていて、ちょっと気持ちがグラついてしまう。

 

「何度も言うが、純ちゃんが悪いって言ってるわけじゃないんだ。夜だけは、夜だけはあの村は良くないんだ」

「でも……」

 

 だけど純に泊まりに行くってもう言ってあるし、おじさんおばさんから御馳走作って待ってるからねって言われてしまっている。流石にその状態でやっぱり行けなくなったゴメン、とか今から言うのはすごく気が引ける。

 ……というのが顔に出ていたんだろう。お婆ちゃんは諦めたように溜息をついた。

 

「はぁ……まぁ純ちゃんのご両親も知ってる顔だし、何も無いとは思うけれど」

「うん……ごめんね」

「あー良い良い。孫にそんな顔させるために言ってるわけじゃないんだ。……ただ、気をつけるんだよ? 何かあったらすぐ帰っておいで」

 

 そう言って、お婆ちゃんは畑に出掛けていった。

 ……ちょっと心が痛むけれど、迷信は迷信。お婆ちゃんには悪いけど、今も意味がある迷信ならお母さんからも言われる筈。けれど別に言われた事ないし、だから別に今も信じ続けなくても良いとは思う……口には出さないけど。

 たぶん、夜中だと道が見えなくて危なかったとか、そういうレベルだと思うんだけど、どうなんだろ。純に聞いてみよ。

 

 

 

○○○○○○

 

 

 

「……夜中だと道が見えなくて危なかったとかそういうのじゃない?」

 

 考えてた事と全く違わない事を言われてしまった。

 

「というか詩季。普通さー、まさにその村の住民にそういう事聞く?」

「いやどうせ迷信だし」

 

 聞いちゃいけないような雰囲気だったらそもそも聞かないし。

 

「詩季はそういうとこ図太いよねー」

「太くないし」

「ホントかー? 体重増えたんじゃないのかー?」

「ふ、増えてないし」

 

 増えてない、筈。と内心冷汗をかいていると、純はニヤニヤしながらこちらを見つめてきた。

 

「あーあ。詩季はデブるのかー」

「なんてこと言うの」

「だって今日、お母さんが張り切って料理作るって」

「なんてこと……」

 

 増えてしまう。おばさんの料理美味しいからデブる運命を回避できない。

 

「まーそんな詩季のファットな悩みは置いといてー」

「置いとくな」

 

 ファットって何だ。そこまで重くないわ。私の胸はそこそこ大きいけど腰周りはわりと普通だ。……わりと、うん。

 

「マルチしようぜマルチ」

「それだけ聞くと怪しい勧誘みたいね」

「ぐへへ、今だけ貴女様だけにがっぽがっぽ稼げる方法をですねー」

「胡散臭過ぎる」

 

 そんな純は放っておいてスマホを取り出す。

 

「はいはい。ほら、キャリーするから早よ」

「いやーこういう時リア友は助かるよねー。あそこ一人じゃクリア出来なくてさー」

 

 純より私の方が進行度が高いから勿論レベルも私の方が上。出てくる敵を秒で蹴散らしつつ、純のキャラクターを補助していく。

 

「あんだけ苦労したのに一瞬とか……」

「力こそパワーよふはは」

「コレ終わったら他のとこも手伝ってー」

「あいよ」

 

 わざわざ友達の家に来てやる事がゲームのマルチプレイとかどうなんだと思わなくもない。けど今時の女子高生なんてそんなもんだ。田舎過ぎて遊ぶとこなんて無いし。……昔の人はこんなとこでどうやって遊んでいたんだろう。

 昔の人……迷信、かぁ。

 

「まぁお婆ちゃんがさ」

「んー?」

「この村の夜はヤバいって言うんだけど」

「ヤバいって、お婆ちゃんファンキー過ぎない?」

 

 ファンキーて。けどヤバいはたまに言ってる。

 

「その村で過ごしてる純的に、夜何かヤバい事あったとかある?」

「……えー無いかなー」

「だよねぇ」

 

 そこそこ忙しいゲームをしているせいか、純の返事がワンテンポ遅れる。一瞬ヤバい事がやっぱりあったんじゃないかと思ったけれど、返ってきたのは想像通りの答え。

 

「だいたいさー。ヤバいの基準が分からない」

「なんじゃそりゃ」

「ここ、すぐ海じゃーん?」

 

 まぁそりゃ、漁師町だし。

 

「風強い日とか波がヤバいわけよー」

「あー」

 

 高波に攫われるとか有り得るのか、そりゃヤバいわ。

 

「他にも潮風で家の外壁やられたりさー」

「え、そうなの? 海ヤバくね?」

「ヤバいヤバい。海超ヤバい」

 

 なんて頭の悪い会話をしているんだ超ヤバい。

 

「あとまー今日のお祭りもヤバいと言えばヤバいのかなー」

「え」

 

 待って、それは聞いていない事なんだけど。

 

「つっても大した事ないんだけどさー。地域信仰っていうの? この辺独自の神様を祀ってるんだけど、独自の神様って時点でヤバいのかもね」

 

 この辺独自の。という事はつまり神道……だっけ? そういうのじゃない神様を祀っているという事なんだろうか。確かにヤバい、正に怪しげな宗教じゃん。

 

「だからまー、怪しげなヤバい宗教と言われても否定は出来ないかなー」

「……え、てかそんなヤバいのに誘われたの私?」

 

 親友をそんなのに誘うってどうなんだ。

 

「誘ってませんー詩季が来たいって言ったんですぅー」

「うっ」

 

 確かに純から来てもいいよとは言われたけど直接誘われてはいない。いないけどぉ。

 

「……まぁ私が小さい頃からやってる祭りだし、大丈夫だよ、たぶん、うん」

「たぶんって言った?」

「イッテナイヨー」

 

 そう言ってケラケラ笑う純。

 まぁ、そんな昔から怪しげなお祭りをしてても純は普通の子だし、本当にヤバくも何とも無いんだろう。

 

「あとはー……男は見ちゃいけないお祭りなんだって事とか?」

「え、何それ」

 

 ちょっと待って、いきなり怪しさがヤバいんだけど。手の平クルクルなんだけど。

 

「でもその間さ、お父ちゃん達は集会所で飲み会三昧なわけよ。だからこれ男共が皆集まって飲み会したいって感じのもあるんじゃないかなー」

 

 つまり、なんだ?

 男と女に分かれてドンチャン騒ぎしよーとかそういうのなんだろうか。なんかそう思うと特別感無くなるな。

 

「まぁそれはともかく。詩季が来たいって言ったんだから何があっても文句言わないでよー?」

「不安にさせたいのか安心させたいのかどっちじゃ」

「どっちもかなー」

 

 そう言って、また純はケラケラと笑った。

 

 

 

「二人ともー! ご飯よー!」

 

 そんなこんな。出てくるモンスターをバッタバッタ切り倒しているともうそんな時間。

 

「いつもすみません……」

「いいのいいの! 詩季ちゃんはもうウチの子みたいな感じだし!」

「あはは、ありがとうございます」

 

 事あるごとに純のうちに泊まりに来ているからそう思われても仕方ないのかもしれないけど、なんかこう、くすぐったい。

 目の前にはパッと見で分かるほどの御馳走。お祭りっていう特別な日だからなのか、これ程までのは今まで見た事が無い。

 

「よし詩季ー、食べようぜー」

「うん。いただきます!」

「召し上がれー」

 

 ……うん、美味しい。食べるもの全部美味しい。

 ホントおばさん……お姉さんで通じるほど若々しい……の料理は絶品だ。こんな美味しいものを毎日食べてる純が羨ましい。ついでになんでコレでデブらないんだってのも羨ましい。こちとら体型維持にどんだけ気を遣っていると思って……!

 

「ホント美味しいです!」

「良かったー! ……よし」

 

 素直な感想を言っただけで喜んでもらえるなんて、こっちも嬉しくなる。

 けどおばさんは何か悪巧みのような顔をして立ち上がった。

 

「今日は特別な日だし、ちょっと、飲んでみない?」

 

 そして、コトッと、ワイングラスが、置かれた。

 

「……うぇっ⁉︎」

「いぇーい飲む飲むー」

「えぇぇぇぇ⁉︎」

 

 未成年、とかそういうのを考えた瞬間、隣から信じられない発言が出て二度驚いてしまった。

 

「え、なに」

「いや、だって、未成年」

「えー? 固い事言わないで今日くらいイケナイ事しようぜー?」

「そうよそうよ。今日くらい、少しだけ、ね?」

 

 堂々とイケナイ事を誘ってくる親子。

 で、でも正直興味はある。

 家でなんて絶対できない。お婆ちゃんあたりがめっちゃ反対してきそう。

 ……う、うん。

 

「ちょ、ちょっとだけー、ならー?」

「よしきたーおら飲め飲めー」

「ちょぉっ⁉︎ いれ過ぎぃっ⁉︎」

 

 めっちゃなみなみと注がれた。待てや。ちょっとは加減しろや。

 

「大丈夫よー。だいぶ弱いやつだしー」

「そ、そういうもんですか……?」

「そーそー。私もたまに飲むやつー」

「飲んでんの⁉︎」

 

 純がそんな悪い子だったなんて……!

 って思っていると横でグビグビ飲み始めた。マジか。

 

「じゃ、じゃあ…………あれ?」

「飲みやすいっしょ?」

「うん……」

 

 恐る恐るちょびっと飲んでみたら、予想以上に甘い味。

 

「……ジュースみたい」

「でしょー?」

「でっしょー?」

 

 私の反応に親子そろってハイテンションで同意してくる。

 え、お酒ってこういうもんなの?

 

「ジュースみたいに飲めるワインって感じで好きなのよコレ」

「はー、びっくりしました」

 

 今度は落ち着いて、しっかり味わうようにして飲む。やっぱり甘い。けど、奥の方に、苦味みたいな何か、あーコレがアルコールってやつなのかな。でも全然飲める。

 ……気付いたら飲み干してしまっていた。

 

「よーしもういっぱーい」

「ちょ、純⁉︎」

「今日だけ今日だけー」

「今日だけ今日だけー」

 

 ああもうこの親子はっ!

 ……ま、まぁ? そこまで言うなら? もらいますけど?

 あー。あーあーあーいけません。そんな注いじゃいけません。し、仕方ないなー飲まなきゃいけないなーコレは飲まなきゃだなー。

 ……うん。お酒って美味しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 波の音がうるさい。

 

 ……寝ていたらしい。

 最後の記憶は……おばさんの料理と一緒にお酒を飲んで……それから……純の部屋で……それから……?

 

 波の音がうるさい。

 

 頭がガンガンする。

 これが二日酔いというやつなんだろうか。

 

 波の音がうるさい。

 

 やっぱり飲むんじゃなかった。

 こんなしんどい思いをするんなら、いくら美味しくても飲まない方が良かった。

 

 波の音がうるさい。

 

 あれ……お祭り。そうだ、お祭り。どうなったんだろう。もう終わってしまっただろうか。今からでも間に合うだろうか。

 

 波の音がうるさい。

 

 

 

 ……波の音が大き過ぎる。純の部屋はこんなに響いてこない。

 どこだここ……っ⁉︎

 

「海……⁉︎」

 

 だるい体を起こし、不明瞭な視界をどうにか機能させると、そこには砂浜が広がっていた。

 

「なん、で……⁉︎」

 

 意味が分からない。純の部屋にいた筈だ。たぶん純の部屋で寝てしまっていた筈だ。

 ……これは、夢なんだろうか。

 

「あ、起きた?」

「純……?」

 

 現実なのか夢なのか分からない中、後ろから聞き慣れた声。

 だから振り向いた。なのに、

 

「うぇっ⁉︎ なんっ、裸⁉︎ いや私も、なんで⁉︎」

 

 そこには一糸纏わぬ姿の純。スレンダーで華奢な身体が月明かりに照らされている。

 それだけじゃない。私自身も何も纏っていなかった。

 いや、それだけじゃない。

 

「な、なに、これ……」

 

 私や純だけじゃない。

 砂浜にはもっと人がいた。おばさんも、あの奥さんも、あの人も、あの子も、この町の皆が、この町の女の人皆が裸でそこにいた。

 

「今日、お祭りだって言ったじゃん?」

 

 だけど、そんな私の混乱なんて気にもしていないかのように純は喋りだす。

 

「これはね、ぶ(・)ぞ(・)ん(・)様をお迎えするお祭り」

「ぶぞん、さま……?」

 

 一瞬何を言っているのか分からなかったけれど、この地域で信仰している独自の神様の名前なんだと遅れて気付く。

 でもそんなの関係ない。

 

「なん、で」

「ん? あぁ、寝ている隙に脱がしたからねー」

 

 自分でも何を聞きたかったのか分からないけれど、純は衝撃的な事をさも当たり前かのようにしれっと言った。

 

「な……何で⁉︎ 意味分かんない⁉︎」

「あー何から説明したもんかなー」

 

 腕を組んで思案げな表情の純。

 けれど、そんな純なんかどうでもいいほどに私は混乱している。

 

「んー……よし。詩季の疑問に答えていくスタイルにしよう」

 

 だけど、こんな異常な光景の中でも純はいつもの純のままで、混乱が加速していく。

 けれど、けれどまず、聞かなければ。

 

「な、なんで、裸にしたの」

「あーまぁそこからかー。お祭りに参加したいって詩季言ったじゃん? だからかなー」

「答えになってないっ!」

 

 お祭りに参加する事が裸にするっていう事の意味が分からない。

 

「なってるよ。服なんか邪魔になるからねー」

「邪魔……?」

「そっ。だから皆裸でしょ?」

 

 確かに私だけじゃない。純も、皆も、全員裸。裸のままに、海に向かって佇んでいて、まるでナニカを待っているかのようで、薄気味悪い。

 

「や、ヤバいお祭りじゃないって言ったじゃん!」

 

 そう。こんなのヤバいに決まっている。こんなの、頭がおかしい。

 

「私的にはヤバくないよ。小さい頃からしてるし」

「ヤバいに決まってんじゃんこんなの!」

「そうかなぁ」

 

 ……本気で不思議がっている表情だ。感覚が、麻痺している。だからコレが本当にヤバいんだって分かっていない。

 頭の中で警鐘が鳴り止まない。こんなの、今すぐこんな場所から逃げ出さなければ。

 

「おっと、裸でどこ行くの?」

「っ!」

 

 そう、だった。私は今、何も、着ていないんだった。

 どうしよう。こんな格好で逃げたら、見られてしまう。

 

「ふ、服っ! 返してっ!」

「返すわけないじゃーん」

 

 そう言っていつも通りケラケラと笑う純。

 ……だけど、こんな状況なのにいつも通りなのが逆に気持ち悪い。

 

「それにほら。来たよ」

 

 海の方を指差され、思わずそちらへと目線を動かしてしまった。

 

 海が、盛り上がっている。

 まるで海底で何かが爆発した時のように、これから大きなモノが浮かび上がってくるかのように、海面が球形となって、盛り上がってきている。

 

「あぁっ! ぶぞん様!」

「いらした! いらしてくれた!」

「我らに! 我らにお恵みを!」

「ぶぞん様! ぶぞん様!」

 

 それと同時に、これまで微動だにしなかった皆がソレの到来を喜び、ソレの名前を叫ぶ。その狂気的な光景に、背筋が凍るような感覚を覚え、命の危険さえ覚えて、恥ずかしさなんて振り切って、逃げようと、し(・)た(・)。

 

 

 

 ソレが、現れた。

 

 

 

 海を割って出てきたのは半透明の巨大なナニカ。魚でもない、鯨でもない、クラゲを思わせるような色彩の球体。

 それだけじゃない。ゆらゆらと揺れるタコの足を連想させるようなナニカが周りで蠢いている。それは徐々に数を増やしていき、気付いたら巨大なカラダの周りには数十本のソレがあった。

 

 それが、徐々に、この砂浜へと近付いてくる。

 

「あっは」

 

 純が、隣で笑う。けれど私は恐怖で一歩たりとも動けなかった。

 アレが、あんなものが、神? バカな。そんな筈は無い。あんなものがあって良い筈が無い。この世に存在して良い筈が無い。

 見るだけで怖気が走るような不気味さ。これは畏怖の感情なんかじゃない。恐怖以外の何者でもない。

 逃げなければ。裸かどうかなんて関係ない。アレから、逃げなければ。

 だけど、動けない。アレから目線を逸らせない。

 逃げたいのに、体が言う事を聞いてくれない。

 足が震えて、一歩たりとも動けない。

 

「さ、始まるよ」

 

 何が、そう聞き返そうとした。

 けれど次の瞬間、始まった。

 

「あぁあああああああぁぁあっ!」

「はあああぅうぅうううううっ!」

「ひっああああんんぃいいいっ!」

「んんんんぁああぁぁあああっ!」

 

 砂浜にいた女性達が、叫び声を上げ始めた。

 その衝撃に眼球だけが制御を取り戻し、声の源へと目線を動かす。

 

「ひっ」

 

 女の人達が叫び声をあげるたびに、その身を激しく痙攣させている。中には地に倒れ伏して暴れ回っている人もいる。

 それでも皆は絶叫しながらアレの名前を呼び続けていて、常軌を逸した光景に血の気が引いていく。

 

「怖がらないで、ほら、見て?」

 

 そんな私を純は後ろから抱きしめ、皆の方へ顔を向けさせられた。そこにはやはり狂ったように叫んでいる人達。けれど、真正面から見た事で、気付いてしまった。

 体に、アレが、アレの触手が触れている。

 

「あれが、ぶぞん様の手」

 

 あんなもの手と呼ばない。あんな不定形の触手なんて、手なんかじゃない。アレはもっと、悍ましいものだ。アレは触れられてはいけないものだ。

 

「手に触れられるとね? 超気持ちいいんだよ? ほら、よく聞いて?」

 

 気持ち、いい……?

 何を言っているのか理解出来ない。だって皆、狂ったかのように叫んでいて……。

 

「あああああぁ気持ちいいいいいいっ!」

「いくっ! いくいくいくいくぅぅっ!」

「ぶぞん様ぁっ! もっとおおおぉっ!」

「ひぁあああああっ! あああぁあっ!」

 

 狂ったかのように、皆が、嬌声を、あげていた。

 

「ぁ……ぁ、ぁ……」

 

 叫びは悦びの声で、痙攣は絶頂の震えで、地に伏したのは耐えきれず崩れ落ちた姿で、皆が皆、快感に狂っていた。

 気が狂ったのだったら、痛みでのたうち回っていたのなら、まだ良かった。まだ理解出来た。超常の存在に触れて、自我を保てなくなったのだったら、まだ理解出来た。

 だけどこんなの、理解出来ない。

 

「ね? 気持ちよさそうでしょ?」

 

 同意を求められるけれど、あまりの非現実に脳が認識を拒否する。あまりの非常識に脳が理解を拒否する。

 海の香りだけだったのが、今では性臭しか漂ってこなくて、五感が狂っていく。

 

「私達も……あぁなるんだよ?」

「っ⁉︎ い、やだ……やだ……!」

 

 純は私を後ろから抱きしめ、耳元で囁く。

 あんなものに触れられたら、あんな風になってしまったら、私は私じゃなくなる。私を保てなくなる。体感するまでもない。アレは、そういうものだ。

 だから、純を振り解いてでも逃げるべき、だった。

 

「ほら、きたよ……?」

 

 そして、いつの間にか、目の前に、不透明な、アレが、伸びてきていた。

 

「詩季……一緒に、気持ちよくなろ?」

 

 あぁ、少し前の私に言い聞かせてやりたい。

 あれは、迷信なんかじゃなかった。

 

 そして、ソレが、私の胸の中心に、触れた。

 

「ぅぁああああああああああっ⁉︎」

 

 その瞬間、脳内が快感で染まった。

 有り得ない。有り得ない感覚。心臓の真上という何の性感帯でもないそこに触れられただけで、恐怖に縮み上がっていた筈なのに、一気に絶頂させられた。

 意味が、意味が分からない。

 

「んぁああああっ‼︎ ああああぁああっ‼︎」

「あっは。詩季ったら噴いちゃってるー」

 

 耳元から純の声が微かに聞こえる。下半身からぶしゅ、ぶしゅ、と何かが噴き出す音が微かに聞こえる。

 けれどそんなの気にしていられない。頭が、頭が快感に塗りつぶされて、こんなの、こんなのおかしくなる。

 

「あああぁぁあああっ‼︎ はあっ! はあっ!」

 

 この一瞬で何度絶頂したか分からない。触手がいつの間にか胸から離れているのに気付けないほどに、絶頂し続けていた。

 意味が分からない。意味が分からない。こんなの、こんなの無理。絶対無理。触れちゃいけない。触れさせちゃいけない。

 だけど、身体はもう制御出来ないほどに快感で打ち震えていて、純から支えられているからこそ直立出来ているだけで、私にはもう自分で動く事すら出来ない。

 

「は、あ……く、ぁ……」

「詩季ばっかり良いなー」

 

 羨ましがるような声が耳元で響く。私はこんなの要らない。純が欲しいというのなら、幾らでも代わる。

 

「たす……けて……」

 

 だから、だからどうか助けてほしいと、この恐怖から逃してほしいと懇願する。

 

「あー確かに怖いよねー」

「う、ん……あ、れ……純……?」

 

 私の恐怖に同意する声があがるけれど、私を拘束するその力はもっと強まった。

 

「ねぇ……! す、純、助けて……! んぁっ⁉︎」

「分かる分かる」

 

 理解出来ると言いながら、純は私の乳房を抱えるようにして持ち上げ、先程の衝撃で限界まで張り詰めた乳首を、触手の方へと、突きつけた。

 

「や……だ……やだ、やだやだやだやだ!」

「分かる。普段感じないとこでイくとめっちゃ怖いよねー」

 

 触手がまた近付いてくる。

 それだけじゃない。さっきまではただの丸みを帯びた棒状のものだった筈なのに、今は形状を明らかに変えている。

 先端が何条にも分かれ、花弁のように広がり、その内側には小さな突起が無数にあって、また、私に、近付いて、きた。

 

「お願いやめて! 純っ! こんなのやめてっ!」

「分かる。ああやって見せられるとめっちゃ怖い、分かる」

 

 だけど純はうんうんと頷くだけで、拘束を解いてくれない。助けてなんてくれない。

 

「だけどさ」

 

 触手が、胸の先で、ピタッと、止まり、

 

「めっちゃ気持ちいいから大丈夫」

「ひあああぁぁっぁぁぁぁぁあああっ‼︎」

 

 ソレが、私の乳首目掛けて、張り付いた。

 触れられただけでまた絶頂した。恐怖で埋め尽くされていた脳内がまた一気に快感で染め上げられる。

 

「あああぁぁぁあっ⁉︎ だっめえええぇぇえっ‼︎」

 

 それだけじゃない。触れられているだけならまだ良かった。まだ耐えれたのだと今この瞬間分からされた。

 純から支えられた胸が花弁によってぐにゅぐにゅと揉みしだかれ、胸の奥に尋常じゃない速度で快感を送りつけられる。

 ただ揉まれるだけなら、まだ良かった。花弁の内側にびっしりと生えた微細なコブが擦れ回り、まるで無数の小さな手で捏ねくり回されているかのような刺激が与えられ、それと共に絶大な快感が送り込まれてきて、胸が溶けてしまいそうな感覚に陥る。

 

「んぁあああぁああっ‼︎ ふぁああぁああっ‼︎」

 

 それだけじゃない。揉まれているだけならまだ良かった。まだ耐えれたのだと今この瞬間分からされた。

 純から突き出された乳首を、花弁の中にある無数の極小のコブが乳首を縦横無尽に捏ねくり回す。全周を、先端の先端をコリコリコリッとなぶり回し、引っ張られ、押し込まれ、乳首という極小の領域なのに更に極小のものが暴れ回り、乳房よりも遥かに快楽神経の詰まった場所が蹂躙され、乳首が爆発したような感覚に陥る。

 

「やめてええぇぇえっ‼︎ ああっ‼︎ ぁぁああっ‼︎」

「まーた詩季おもらししてるー」

 

 もう身体の制御が効かない。純の支えでは足りなくなり、抱きしめられたまま砂浜に腰から崩れ落ちる。

 股の間から勢いよく漏れ出たものが砂を濡らし、そこだけ地面が固くなっていく。

 

「ふふん。おっぱいだけでイき続けるの、気持ちいいよねー」

「やだあっ、ああぁぁあっ‼︎ いやああぁああっ‼︎」

 

 こんなの嫌だ。かろうじてそう思うけれど、そんな思考は一瞬にして快感に流されていく。

 触手も花弁も半透明だからこそ、胸がぐにゅぐにゅと揉まれ形を変えるのが見え、乳首もぐにゅぐにゅと揉まれて形を歪めているのが目に見える。見えてしまうからこそ、今なにをされているのか明確に理解出来てしまって、理解出来ている筈なのに送られてくる快感が見た目と一致しなくて、頭がおかしくなる。

 

「ひぁああっ‼︎ すみっ‼︎ たすけっああぁあっ‼︎」

「仕方ないなー」

 

 私の胸を支える純の腕を爪痕が残ってしまうほど強く握りしめていると、その片方の腕が動いた。

 助けてくれる。そんな淡い期待なんか持つべきではなかった。

 

「んあああぁあっ⁉︎」

 

 腕の動いた先は私の下半身。その一部。おまんこ。

 純の指が、じゅぷん、ともう愛液で溢れかえっていたおまんこに潜りこんだ。

 

「普通の気持ちよさで休憩しよっかー」

「はぁああぅううっ‼︎ ちがっ、うぁぁああっ‼︎」

 

 胸は相変わらずソレに犯されていて莫大な快感が発生し続けていて、休憩になんかなっていない。

 そこにぐちゅぐちゅぐちゅ、とおまんこがかき混ぜられてしまっては、休憩になんかなる筈がない。

 もはやアレに溶かされている私にとって普通の気持ちよさなんて無い。絶えず胸の刺激でイき続けていて、おまんこへの刺激という慣れ親しんだ快感でさえも今は耐えようのない快楽となって私に襲いかかってくる。

 

「ああぅ‼︎ んあああっ‼︎ ひっんあぁぁあっ‼︎」

 

 何度も何度も私から出た潮が純の手にぶつかって辺りに散らされる。胸から何か出せとばかりに無数のコリコリから乳首をなぶられ、勝手におまんこから潮が噴き出ていく。

 そんなところをかき混ぜられてしまって、腰が勝手に宙に浮いていく。

 

「ああああああだめっ‼︎ いくいくいくいくっ‼︎」

 

 イき続けているのに、もっと高いところへイってしまう。

 せめてイく事を口にしないと本当に死んでしまうような気がして、必死に絶頂を訴える。

 けれど、そんな私の反応を嘲笑うかのように胸はもっと激しく揉みしだかれ、乳首は圧縮するかのように激しく揉み潰されて、おまんこは全部掻き出すかのように激しく動いて、急速にそ(・)こ(・)へ持っていかれる。

 

「いくいくいくぅぁぁあっ‼︎ あぁぁあああっ‼︎」

 

 そこへ辿り着いてしまったらもう戻ってこれない。だから必死に口にする。必死にイきたくないと叫ぶ。

 だけどソレには通じない。純も聞いてくれない。愛撫のカタチを取った処刑が、止まらない。

 どこまでも浮いていくような、どこか遠い場所まで行ってしまいそうな快感。

 

 それが、高みの限界を、越えた。

 

「ああああああいくいくいくいくいっくぅうううううっ‼︎ ああぁぁあっ‼︎ ひぁああうぅうううぁあああああああっ‼︎」

 

 脳が、弾けた。視界が何度もバチバチと煌めく。身体の感覚が無くなり、快感だけが暴れ回る。

 胸なんか溶け落ちたかのように感覚が無いのに、まだそこから気持ちいいのが止まらない。

 あぁ、休憩の意味がようやく分かった。おまんこへの刺激がとても優しく感じる。アレによる暴力的なものじゃない、もっと人の温もりを感じるような、柔らかい愛撫だった。

 

「はあああああっ‼︎ あああぁっ‼︎ んあっ‼︎」

 

 終わらない。暴力的な快感が終わらない。だから優しい快感を求めて腰を暴れ回し、もっと優しい快感を、おまんこを純に弄って欲しいと訴える。

 

「詩季……超かわいいじゃん、やば」

「ひっぅううううっ‼︎ もぉっ、とぉぉおおおっ‼︎」

「鼻血出るわ……ぶぞん様、一旦休憩で、なんとか、どうか、そこをなんとか」

「あああぁぁあっ‼︎」

 

 ぐちょぉ、という粘液質な音と共に胸が解放された。されたけれど、まだ胸が快感に支配されていて、身体のビクビクが止まらない。

 

「詩季、呼吸整えよっかー」

「はああぁぁぅ……! んんんぅう……!」

「……ま、初めてなら仕方ないかぁ」

 

 呼吸なんか整う筈がない。今まで経験した事のない絶頂に、身体も脳もついていけない。今ここに正気でいられる事自体が奇跡のように思える。

 

「ほら、おっぱい普通に撫でてあげるから」

「あぁぁあっ……! ん、は、ぁ……!」

 

 純が乳首を避けて胸に触れてくる。その普通の刺激に胸の感覚が戻っていき、優しい感覚になんとか、なんとか現実に戻ってこれた。

 

「す、み……すみぃ……」

「はいはい純ちゃんですよ」

「たす、けて……」

 

 だから、助けを求めた。

 

「……よいっ、しょ」

「ふぁっ⁉︎」

 

 なのに純は体勢を変え、私を正面から押し倒した。

 まるで、逃がさないとばかりに。

 

「すみ……? すみ、んぅっ⁉︎」

 

 そして、助けを呼ぶ声が、純の唇によって塞がれた。

 

「っ。ふへ、詩季が可愛すぎてちゅーしちゃった」

 

 もう何が何だか分からない。何が現実なのか分からない。

 そんな中、両手が、純の手により絡め取られる。

 

「ま、って。やめて……んっんぅぅっ!」

 

 まるで恋人同士のように重なり合いながら、また純は私にキスを落としてきた。

 

「ちゅ……んっ、じゅるっ……ちゅぷ、ん……」

「まっ! んんっ! んちゅっ、んぅ!」

 

 それだけじゃない。抗議の声をあげた瞬間、開いた口の中に純の舌が入り込んできて、私の舌がめちゃくちゃに絡め取られる。

 初めてだったのに。女の子同士。そんな考えが一瞬頭をよぎるけれど、初めて体験する甘い感触と先程までの激感の後遺症が混ざり合って、そんな些細な問題なんて消し飛んでいく。

 

「じゅるっちゅぅ! ちゅっちゅっちゅっ!」

「んむぅんんぅっ! んぅっはっんぅぅっ!」

 

 気付けば、純のそれを完全に受け入れて自ら積極的に舌を絡め合わせていた。

 アレによる意味の分からない快感と違う。確かな人間による激しくも優しい快楽。唇が触れ合う度に、舌が触れ合う度に広がる頭がぼうっとする幸せな快感。胸同士の柔らかなものが潰し合い、先端の硬くしこりあがっているもの同士がコリコリと潰し合うのすら心地いい。

 

「詩季……」

「純ぃ……」

 

 目線が絡み合う。まだ足りない、もっとと訴える。

 だから、もう一度触れ合おうとした。

 

「んぁあああああああああっ‼︎」

「っ⁉︎」

 

 なのに、眼前で、純が突然嬌声をあげた。

 

「あっあっあっあっああぁんんんっ‼︎」

「す、純……?」

 

 先程までの優しくも意地悪気な表情が一気に消え、まるで海辺の皆のように、先程までの私のように快感に蕩け切ったような表情をしている。

 

「ぶぞん、さまっ! いきなり過ぎっあぁあっ‼︎」

「純? 純っ!」

 

 握り合っていた両手に更に力がこもり、何度も純の身体がビクビクと波打つ。

 ぶぞん様。その言葉に先程までのアレを思い出す。

 

「あああぁぁぁああおまんこだめぇぇえええっ‼︎」

 

 純の豹変に、聞いた事のない淫猥な声に動転しつつも下の方へ視線を移すと、アレが、純の下半身に突き刺さっているのが垣間見えた。

 

「そんなにしたらっ‼︎ でちゃううぅぅうっ‼︎」

 

 その言葉と同時、私の下半身にビシュッビシュッと勢いよく何かが叩きつけられた。

 

「あああぁああ詩季ごめっ止めらんないぃいっ‼︎」

 

 純が、潮を噴くほどに乱れ狂っている。

 至近距離で表情を蕩けさせながら、私に嬌声を叩きつけながら、身体を跳ね回らせながら、全身で気持ちいいと叫んでいる。

 

「そこぐちゅぐちゅするのっ、やばいいぃっ‼︎」

 

 その姿に、何故か身体の奥が熱くなり、何故か胸の奥が寂しくなる。

 不定形のソレが激しく前後している。その度に蜜壺を掻き回す音が大きく聞こえてきて、その音が鳴る度に純は嬌声をあげ、身体をのたうち回させる。

 胸だけでも、乳首だけでも頭が狂うほどの快感だった。ならばそこは、より快楽を感じやすいそこなら、どれだけ、気持ちよくなってしまうのだろう。

 

「んんぁぁあ詩季っ‼︎ きもちいいよぉおぉっ‼︎」

 

 その疑問に答えるかのように、純は私にそれを伝えてくる。

 快感を処理しきれていないのか、暴れ回った腰がパンパンと何度も私に叩きつけられ、その度に甘い衝撃がお腹の中に響く。

 もし私に、私にアレが触れてしまったら、アレが入り込んできてしまったら、どうなって、しまうのだろう。

 

「詩季ぃっ‼︎ いっしょにっ‼︎ ふぁあぁああっ‼︎」

 

 純が私を呼んでいる。一緒に気持ちよくなろうと誘っている。

 怖い。アレに触れられるのが怖い。

 けれど、目の前の純はただただ気持ちよさそうで、全然怖くないよと誘っている。

 怖い。あんなものに身を委ねるのが怖い。

 けれど、乱れる純を見ていると、よく分からない感情が浮かび上がってきて、私は、私は、私は、私も。そう、私も。

 

 だから、少しだけ、腰を上げた。

 

「あああぁああぁぁああああああっ‼︎」

 

 その瞬間、にゅるり、と何かが私の中に入り込んできた、なんて認識すら出来ない。乳首の時と比べ物にならない快感がおまんこから発生した。

 

「あっは‼︎ 詩季っ‼︎ ああぁっ‼︎ んぅうぅっ‼︎」

「んああぁあぁぅうっ‼︎ はぁあんんぁあああっ‼︎」

 

 触れているだけでも気が狂うほどに気持ちいいのに、それが何度も何度も入口から奥まで前後して、おまんこが一気に溶け落ちるような感覚に陥る。

 中なんて自分でも経験した事がないのに、でも痛みなんて無くて、処女はどうなったんだろう、なんて考えられる筈が無い。ただただ常軌を逸した快感がおまんこから全身へと駆け巡る。

 

「きもちっ‼︎ いいね詩季っ‼︎ んぁああぁぅっ‼︎」

「ひぁあぁああああっ‼︎ ああっ‼︎ ああああっ‼︎」

 

 この快楽を前にして、なんで純が正気を保っていられるのか分からない。

 おまんこがぐちゅぐちゅと掘り返され、だけどそれは一定の動きじゃなくて、何度も勢いを変え、何度も深さを変え、何度も角度を変え、おまんこのありとあらゆる場所が絶頂のトリガーとなり、気持ちよすぎるという意思しか口に出来ない。

 

「んんんあっ‼︎ ああっ‼︎ あっはお揃いっ‼︎」

「あぁあぁぁあっ‼︎ ああっ‼︎ あぁああっ‼︎」

 

 身体の制御が全く出来ない。あそこから何か出そう、なんて考えられない。気付いたら潮を噴いていた。

 だけど正気を保っている純からもそれは噴き出ていて、私達の間で潮同士がぶつかり合い、身体に、辺りに猥りがわしい液体が撒き散らされていく。

 

「はぁあぅぅっ‼︎ いつもよりっはげ、しぃっ‼︎」

「うぁぁあぁぁああぁっ‼︎ あぁぁぁぁぁあっ‼︎」

 

 お互いの腰が激しく前後し、まるでセックスしているかのようにパンパンと音が鳴る。

 身体の表面には汗や愛液や潮などが満ち満ちていて、少し身体が擦れ合う度にそれがまるで濃いローションのようにお互いの身体を繋ぎ、腰を叩きつけ合う度にちゅにちゅと粘液質な音が鳴る。

 

「んんんんちゅぅぅっ‼︎ はむっじゅちゅぅうっ‼︎」

「あああんんんんんっ‼︎ あっんんっんんぅぅっ‼︎」

 

 おまんこから有り得ないほど快感が昇ってくる中、至近距離にいた純が更に距離を詰め、私の唇を貪り始めた。

 驚いている暇なんて無い。口からは勝手に嬌声が出ていて、常に開きっぱなしの私の口の中をにゅるにゅるとしたものが暴れ回る。

 だけどそれは、頭がおかしくなるほどの激感の中で唯一安心できる快楽で、絡み合わせていた手を解き、純の身体を抱きしめながらその愛撫を受け入れた。

 

「じゅるるっ‼︎ んちゅっ‼︎ ああんっんぅぅっ‼︎」

「んむうぅっ‼︎ んあぁっ‼︎ あぁぅんんんんっ‼︎」

 

 舌がどう動いているかなんて認識出来ない。おまんこからの快楽に抵抗するかのようにして純の舌を必死に求める。

 純も私を抱きしめ返してくれてて、身体だけ犯されていたのに、心まで気持ちよくなってしまう。

 

「っぷあっ‼︎ はぁんっ‼︎ しきっ‼︎ しきぃっ‼︎」

「っああっ‼︎ ああぅっ‼︎ すみっ‼︎ す、みぃ‼︎」

 

 だけどおまんこをじゅぽじゅぽされながらキスなんてずっとしていられなくて、嬌声と共に純が離れてしまう。もう一度唇を重ね合わせたくても、勝手に開く口のせいで純を求められない。

 だから純の名前を呼ぶ。相手の名前を呼ぶ事で、死んでしまいそうな快楽の中、なんとかこの世に自分を繋ぎ止める。

 

「ふぁああぁあっ‼︎ そこっ‼︎ すごいぃぃいっ‼︎」

「んぁああああっ‼︎ だめっ‼︎ だっめぇぇえっ‼︎」

 

 おまんこの入口が何度も引っ掻かれ、おまんこの中が何度も擦られ、おまんこの奥が何度も突かれ、おまんこの性感帯という性感帯が全て覚醒させられる。

 軟体生物のようなソレが、ぬちゅ、と突き刺さり、ぐっちゅぐっちゅと中を掻き回し、トントントンと奥を叩く。そこに痛みなんて一切なく、全部が全部気持ちいい。

 触れられるだけでも脳が弾け飛びそうな快感が発生するのに、そんな気持ちいい事をされてしまったら、脳が壊れてしまう。

 

「ああんっ‼︎」

「あああっ‼︎」

 

 急に、ソレが引き抜かれた。

 だけど身体は常に絶頂していた状態から戻ってこれずビクビクが止まらない。おまんこなんて今も掻き回されているかのように感じる。

 

「ああっ! はぅっ、んぅっ! はっ、はっ!」

 

 息が、落ち着かない。必死に身体を正常化しようともがくけれど、うまくいかない。

 

「は、んっ……はっ……詩季。次、来るよ?」

「つ、ぎ……?」

 

 いつでもキス出来るような距離で純が囁く。

 つぎ……次。次が、また、来てしまう。またあの怖いほどの快感が来てしまう。

 だから急いだ。急いでおまんこからの衝撃に備えた。

 

「ああああきったあああっぁぁぁああっ‼︎」

「ひゃぅううううぅうぅぅぅああああっ‼︎」

 

 なのに、爆発的な快感が、お尻から発生した。

 

「こっちっ‼︎ すっご、ああぁぁああっ‼︎」

「んやぁああああっ‼︎ うぅあぁああっ‼︎」

 

 意味が分からない意味が分からない意味が分からない。なんでそんなところが気持ちいいのか理解できない。心臓の上を撫でられた時以上の混乱が私を襲う。

 

「おしりっ‼︎ きもちいっ、はぁんんんっ‼︎」

「ひっぅうううっ‼︎ うあっああぁぁあっ‼︎」

 

 お尻。気持ちよくなんてなれる筈がない場所。

 そんな場所が半透明のソレに掘削され、有り得ない場所からありえない快感が立ち昇ってくる。

 

「あぁっ‼︎ 詩季きもちいいっ⁉︎ んんっんぅっ‼︎」

「うぅぅぁあああっ‼︎ やぁっ‼︎ ああぁああっ‼︎」

 

 今度はお尻が溶けた。おまんこの感覚がまだ戻りきっていないのに、お尻の感覚まで消え去った。

 なのに、そこから絶大な快感が発生し続ける。

 お尻の穴が拡がる不快感なんて一切無い。寧ろ拡がった事でより快楽を受け止める形になっている気さえする。

 

「おしりほじくられるのっ‼︎ いいよぉっ‼︎」

「んんんんんんぁああっ‼︎ ああぁああっ‼︎」

 

 ほじくられる。

 本来は有り得ない入ってくるという感覚。お尻の穴の周りの媚肉を巻き込みながら入ってきて、その度に背筋に尋常じゃないゾクゾクが走る。

 本来通りの出ていくという感覚。お尻の穴の周りの媚肉を捲り上げながら出ていって、その度にお腹の奥に尋常じゃない熱が発生する。

 それが、高速で繰り返される。

 

「ああぁぁぁお尻溶けるっ‼︎ 溶けちゃうぅうっ‼︎」

「はぁああぅううぅぅっ‼︎ あっあっああぁあっ‼︎」

 

 意味が分からない。意味の分からない場所が気持ちよくなっている。

 全然意味が分からないのに只々気持ちよ過ぎるだけで、腰がぐん、と跳ね上がり、また純の腰とぶつかり合う。

 抱きしめ合っていて、胸が重なり合っていて、腰もぴったりとくっついている。だからお腹も重なり合っていて、攣るんじゃないかと思う程にお腹がお互いビクビクビクッと痙攣し続けている。

 

「詩季っ‼︎ ねぇ詩季っ‼︎ きもちっいいよねっ‼︎」

「ああぁぁぁああぁぁあきもちいぃいいぃぃぃっ‼︎」

 

 つい、純の問い掛けに応えてしまった。

 その瞬間、快楽が爆増した。

 

「んぁああっ‼︎ だよねっ‼︎ きもちいいよねっ‼︎」

「すごいぃぃいっ‼︎ あああっ‼︎ んぁあああっ‼︎」

 

 もう後戻り出来ない。こんなの知ってしまって、もう現実に戻ってこれない。

 ソレ本来が纏っているぬるぬるのせいで、後ろの穴からもぐちゅぐちゅと淫猥な音が鳴り響く。一往復する度に鳴るそれと同時に、お尻の感覚が無くなっていく。なのに一往復する度に莫大な快感が発生して、もっとずっとして欲しいと思ってしまう。

 

「はあぅっ‼︎ 詩季っ‼︎ もっと‼︎ もっとぉっ‼︎」

「んぁあっ‼︎ すみっ‼︎ すみっ‼︎ ひぁああっ‼︎」

 

 だから純の名を呼んで、なんとかこの世に自分を繋ぎ止める。そうでもしないと気が狂う。気が狂うほどに気持ちいい。

 お尻の穴を絶えず刺激され、お尻の肉がただの快楽器官に成り果てる。お尻の中を掻き回され、感覚なんて無い筈の場所なのにそこすら快楽器官に成り果てる。お尻の穴は気持ちいいのだと脳が学習していく。

 特に抜けていく時、それが多幸感さえ感じる程に気持ちよ過ぎて、また突き入れてほしいとお尻から力を抜こうとするけれど、触れているだけで絶頂してしまうソレに身体が言う事を聞いてくれない。

 

「ぁぁぁああいくっ‼︎ もっといっちゃう‼︎」

「ぁあああいくいくっ‼︎ いくいくいくっ‼︎」

 

 またあの私の存在が消えてなくなるようなものが近付いてきた。

 それは純も一緒のようで、私の目の前でそれを大声で宣言している。

 お尻でイく。こんな場所でイってしまう。

 けれど、そう思っていられる余裕なんてなくて、より高みに昇る恐怖に似た快感で身体が勝手に更に浮いていく。

 純を抱き締める。純の身体とぴったりくっつく。純と一緒に溶け合う。

 

「んあああぁぁあっ⁉︎」

「あああぁぁぁあっ⁉︎」

 

 なのに、その直前でお尻からソレが引き抜かれた。

 

「あっあっあっああぁあっ! んぁああっ!」

「ひっんんっあぁっあっ! ふぁあああっ!」

 

 だけど、その余韻で私達は今にも絶頂しそうで。

 

「んあぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあっ‼︎」

「ああぁぁっぁぁぁあぁぁっああっ‼︎」

 

 その絶頂は更なる快感によって上書きされた。

 

「だめだめだめっ‼︎ こんなのだめええええっ‼︎」

「ひぁああああっ‼︎ あっあっあぁぁぁああっ‼︎」

 

 おまんこと、お尻と、それぞれにアレが挿入りこんできた。

 私達の四つの穴に、ただの快楽器官と化したそこの穴に、触れるだけで気が狂うほど気持ちよくなってしまうソレが、挿入りこんできた。

 

「おかしくなるうぅっ‼︎ ああぁぁああっ‼︎」

「んんっああぁああっ‼︎ あああああぁっ‼︎」

 

 一瞬遠ざかった絶頂が、また近付いて、通り過ぎた。絶頂なんてとうに通り過ぎた。

 気持ちいい。気持ちいい以外何も考えられない。だから純の背中に爪を立てて、立てられて、まだここにいると必死に互いを繋ぎ止める。そうでもしなければ、頭の大切なところが焼き切れて完全に戻って来れなくなってしまう。

 

「詩季っんんんんぅっ‼︎ んんんっ‼︎」

「すみぃんんんんぅっ‼︎ うんんっ‼︎」

 

 だから強引に純と求め合う。互いの唇をぶつけるように、快楽に身体を支配されたまま、ただ力任せに柔らかいものを求め合う。

 吸い合う、絡め合う、なんて出来やしない。唇がぶつかり合った結果、舌がたまたま触れ合う。そんな刹那の接触でも私たちには充分だった。

 

「んんんぁあああっ‼︎ はっんんんんっ‼︎」

「んんんゃああぁっ‼︎ ふぁんんんんっ‼︎」

 

 超至近距離で互いの脳に直接嬌声を撒き散らして、でも快楽から逃げられない。

 おまんこがじゅぽじゅぽされるのが有り得ないくらい気持ちいい。お尻がにゅぽにゅぽされるのが有り得ないくらい気持ちいい。

 ソレは時に同時に突き入れられ、時に相互に突き入れられる。おまんこもお尻も感覚なんてとうに消えている。只々想像を絶する快感だけが発生し続けている。

 おまんこの方は特に気持ちいい場所を擦り続けていて、奥の方も突き続けていて、お尻の方は穴をこれでもかというほど捲りあげ続けていて、触れているだけでも気持ちいいのに、更に気持ちいい場所ばかり苛め抜かれて、この世のものじゃない快楽に全身が犯される。

 

「んあっ‼︎ 詩季っ‼︎ しきっあああああっ‼︎」

「ああっ‼︎ すみっ‼︎ すみぃんんぁああっ‼︎」

 

 だから互いを強く抱きしめて、互いを強く呼び合って、この世に意識だけでも繋ぎ止める。

 でもそんな抵抗、無意味。

 クリトリスに、何かが、張り付いた。

 

「ひぁあああああああああああっ‼︎」

「んぁあああああああああああっ‼︎」

 

 限界だった。限界なんて通り過ぎていたと思っていた。

 クリトリスが爆発した。そうとしか思えないほどの激感が発生した。

 快感を得るためだけの器官が、犯される。想像を絶したなんてものじゃない。

 通り過ぎていた筈のそこが、また通り過ぎて、もっと遥か先へと連れていかれる。

 

「あぁぁぁああああっ‼︎ ああぁぁあああっ‼︎」

「あああぁぁぁぁあっ‼︎ ああああぁああっ‼︎」

 

 おまんこが縦横無尽に犯される。

 お尻の穴がただひたすらに犯される。

 クリトリスが理解不能なまでに犯される。

 お互いの汗で、愛液で、潮で全身ずぶ濡れ。濡れていない場所なんてどこにもない。

 

「ああああぁぁあいくいくいくいくいくっ‼︎」

「いくいくいくいくいっくうううぅぅうっ‼︎」

 

 宣言する。これから絶頂すると、元に戻ってこれない場所へいくと絶叫する。

 もはや意味のある言葉なんて紡げない。絶頂すると宣言し、ただ嬌声を全力であげ続ける事しか出来ない。

 おまんこが、お尻が、クリトリスが、重なり合っている肌という肌が、快楽以外何も感じていない。

 身体が溶ける。溶け落ちて純と一緒になる。身体だけじゃない、脳さえも、思考さえも快楽に溶け落ちた。

 

 もう、イく事しか、考えられない。

 

「いっちゃう‼︎ いっちゃうぅぅうううっ‼︎ しきっ‼︎ しきぃいいんんあああぁぁあっ‼︎ きもちいいよぉぉぉおおっ‼︎ いくっ‼︎ いくいくいくっいっちゃあぁあっぁああっ‼︎ あっあっあぁぁぁあああぁあぁっんんあぁぁあああぁぁあっ‼︎」

「いくいくいくいくうぅぅうんんんぁああぁぁぁあっ‼︎ すみっ‼︎ すみぃっ‼︎ んいっ‼︎ いくぅううぅっう‼︎ はぁあぁあっ‼︎ うぅううぅんんゃああぁぁああっ‼︎ いくいくいくいく‼︎ あぁっぁああああぁぁぁあぁあんんぃいいいいっ‼︎」

 

 もう、気持ちいい事しか、感じられない。

 

「ふぁあああぁぁぁあああっ‼︎」

「んあぁぁぁぁあぁぁああっ‼︎」

 

 祭りは、まだ終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○

 

 

 

 

 

「純、また詩季ちゃんのとこかい?」

「うん。今日も泊まってくるー」

 

 お婆ちゃん。今日も心配そうな顔をしている。

 

「そうか……気をつけるんだよ?」

「はーい」

 

 でも大丈夫。怖い事なんて何もないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ……」

「んぅ……」

 

 純と、唇を重ねる。

 

「はっぷ、んっちゅ、ちゅ……」

「んぁっ、はんぅ、んんっ……」

 

 ベッドの上で、互いの手を握りしめながら、深く、深くキスをする。

 

「詩季……んっ」

「純……ぁっ」

 

 互いの服を脱がせ、でももう待ちきれないとばかりに下着越しの胸を愛撫し合う。

 

「んっ……ぁ……ん……」

「んん……ふぁ、ぁ……」

 

 時折唇を啄み、胸を揉みながら乱雑に服を脱がしていくと、露になったパンツにはお互い染みが出来上がっていた。

 

「んあっ!」

「ひぅっ!」

 

 だから、パンツと肌の隙間に手を潜り込ませ、すでにとろとろになったおまんこをほじくり返す。

 

「あっあっあっんんぅあっ! んんぅっ!」

「ぁあうっ! んっんんっ! ちゅぅっ!」

 

 くちょくちょ、と淫らな水音が部屋に響く。

 下着が手の形に盛り上がって、中指だけが激しく前後しているのが見える。

 そんな淫猥な景色を視界の端に捉えながら、貪るようにして唇を吸い合った。

 

「んちゅぅっ! はあぅんんっ!」

「んんんぅっ! ふぁぁぁあっ!」

 

 つぷり、ともう片方の手でお尻の入口に軽く指を沈みこませる。

 もう止まらない。

 

「あっあっあぅっ! 詩季っ! 詩季ぃっ!」

「んんぁあっ! あぁっ! 純! 純ぃっ!」

 

 くちょくちょとおまんこを掻き回し、つぷつぷとお尻の入口を押し拡げる。

 

「気持ちいいっ! 気持ちいいね詩季っ!」

「うんっ! 気持ち、いいっ! 純ぃっ!」

 

 もう気持ちいい事しか考えられない。

 あの時とは違う、理解可能で、優しくて、温かい気持ちよさ。

 

 だから、あっけなく、イく事が出来た。

 

「ふぁあああ詩季っ! いっくぅぅううっ‼︎」

「純っ! いくねっ! ああああぁぁあっ‼︎」

 

 ぐちゅぅ、とおまんことお尻の穴に指を突き込み、私達は絶頂した。

 おまんこに突き込んだ指全体がどろどろの膣内でぎゅぅぅ、と締め付けられる。

 お尻の穴に突き込んだ指先がぎゅぅぅぅぅ、と千切れそうになるほど締め付けられる。

 びくん、びくん、と身体が跳ね、クリトリスが、乳首が一際大きくなったのを感じる。

 純の表情は快感に蕩けきっていて、私もそうなっているんだろうなと頭の隅に浮かぶけれど、互いの唇が近付いていって、そんなものどうでもよくなった。

 

 

 

 満たされない。あの時の快感が忘れられない。それは純も一緒で、だから時折こうやって互いの身体を慰めあっていた。

 胸が、乳首が、クリトリスが、おまんこが、お尻が、全身の性感帯という性感帯が溶けきって頭がおかしくなるような快感。それを少しでも忘れようと、思い出そうとして身体を求め合う。

 

 

 

「また、来る?」

「うん、行く」

 

 

 

 あぁ、迷信なんて、そんなもの知るか。

 

 

 


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