だが、悪の組織は最期にサニーの淫紋の呪いをかけた。
常人なら発狂しそこらの男と乱交していただろう程の発情を押し付けられたサニーは、残る理性を振り絞って唯一事情を知っている親友、湊の家へと逃げ込む。
そこで親友の匂いを嗅いだサニーは思わず襲い掛かろうとして……
悪の組織との死闘を制し、なんとか湊のアパートまで辿り着いた時、サニーの限界はすでに超えていた。
「はぁ、っ……はぁ……!」
玄関のドアが閉まる音と同時、サニーの膝が崩れ落ちる。
それを間一髪で支えたのは、親友の湊だった。
「おい陽向! 大丈夫か、顔が真っ赤だぞ。まさかまだ毒が……」
「ちが……う……熱い、身体が……おかしいんだ……」
ただの負傷ではない。敵が最後に放った『淫紋の呪い』が、魔法少女の身体を芯から溶かそうとしていた。
脳が麻痺するような甘い疼きに、思考力が蒸発していく。目の前にいる湊の匂いを嗅ぐだけで、どうしようもない衝動が腹の底から突き上げてくる。
「みなと……助けて、俺……」
理性が焼き切れる寸前、サニーはすがるように湊の胸に顔を埋めた。
汗ばんだ肌を擦り付け、震える指先で湊のシャツを掴み、潤んだ瞳で見上げながら、その唇を求めようと背伸びをする。
「っ!?」
あまりに唐突で濃厚な接触に、湊が息を呑んでビクリと身体を強張らせた。
湊にしてみれば、ボロボロの親友を心配していた矢先の出来事で、単に驚いて動きが止まっただけだった。
だが、極限状態のサニーには、その一瞬の硬直が「拒絶」に思えてしまった。
(――ああ、そりゃそうだよな)
冷水を浴びせられたように、サニーの動きが止まる。
魔法少女の姿をしていても、中身は男の幼馴染だ。そんな相手に、発情して迫られても
(引くよな。……気持ち悪いよな、普通)
急速に恥辱と自己嫌悪が膨れ上がる。
陽向はパッと湊から手を離し、よろめきながら後ずさった。
「ご、ごめん……! 変身のせいで、頭おかしくなってて……」
合わせる顔がなくて俯くと、涙が滲んだ。
このままここに居ては、親友としての関係まで壊してしまう。
「やっぱり、男になんてされたら嫌だよな……忘れろ。俺、今日は帰るから……」
震える声でそう言い捨て、逃げるように踵(きびす)を返してドアノブに手を伸ばした――その時だった。
「――どこ行く気だ」
背後から伸びてきた手が陽向の手首を痛いほど強く握りしめた。
「え?」と振り返る間もない。
強引に腕を引かれ、バランスを崩したサニーの身体は、そのまま近くのベッドへと投げ出された。
「あっ……!」
背中がマットレスに沈み込む。
何が起きたのか理解するよりも早く、大きな影が視界を覆った。
覆い被さってきた湊。その瞳は、先ほどまでの「心配する親友」のものではなかった。
もっと昏く、重く、情欲と焦燥がない交ぜになった「雄」の色を宿して、陽向を見下ろしている。
「み、湊……?」
「勝手に決めるな」
湊の低い声が鼓膜を震わせる。
逃げようと身じろぎするサニーの両手首を、湊は片手で容易く制圧し、頭上で縫い留めた。
「気持ち悪い? ……俺が今まで、どうやって理性を保ってたと思ってんだ」
至近距離で重なる視線。
湊の顔が、逃げ場のない距離までゆっくりと近づいてくる。
「男だとか女だとか……そんなの関係ないんだよ」
鼻先が触れ合う距離で、湊は観念しろと言わんばかりに囁いた。
「覚悟しろ、陽向。……もう帰さない」
その低い声が鼓膜を震わせた瞬間、俺の思考は恐怖と、それを上回る甘い期待で凍りついた。
見下ろしてくる湊の瞳は、俺が知っている幼馴染のものではない。獲物を追い詰めた肉食獣のように鋭く、ギラギラと光っている。
「まっ、湊……!」
抵抗しようと身じろぎした俺の胸元に、湊の手が伸びた。
俺が変身している「マジカルサニー」の衣装は、魔法力で織り上げられた絶対防御の鎧だ。戦車砲ですら傷一つつかない。だから、湊が掴んだところでどうにも――
ビリッ、と。
静まり返った部屋に、布が裂ける乾いた音が響いた。
「え……?」
俺の思考が停止する。
湊の無骨な指が、フリルのついた胸元の生地を、まるで劣化した古紙か何かのように容易く引き裂いていた。
ブチブチと糸が弾ける音と共に、冷たい空気が肌に触れる。
「な、んで……これ、魔法の……」
ありえない。敵の必殺技すら防ぐ最強のドレスが、ただの素手で破られるなんて。
だが、湊はそんな俺の動揺など気にも留めていない。破れた布の隙間から露わになった鎖骨に、飢えたように噛み付いてきた。
「あっ、痛っ……!」
「うるさい」
首筋に熱い舌が這い、ゾクリとした戦慄が背筋を駆け上がる。
呪いの熱が、湊に触れられた場所から爆発的に広がっていく。
「や、やめ……湊、俺たちは男同士だぞ……! 変身してるだけで、中身は…… ぅッ!」
必死の抗議は、強引に塞がれた唇によって押し戻された。
甘いキスじゃない。唇同士が強く押し付けられ、歯が当たる音が頭蓋骨に響く。
お互いにキスの経験なんてない。ただ衝動のままに貪るような、暴力的な口づけだ。湊の舌がこじ開けるように侵入してきて、俺の舌を捕まえ、絡め取る。
「ん、んんっ……! ぷはっ、げほっ……!」
唾液を飲み込まされ、息継ぎのために唇が離れると、銀色の糸が俺と湊の間を繋いだ。
湊の顔が赤い。呼吸が荒い。その必死な表情を見て、身体の奥がどうしようもなく疼いた。
「ひな、た……」
名前を呼ばれただけなのに、腰が浮きそうになる。
湊の大きな掌が、破れた服の下へ、無防備な肌の上を這いずっていく。
ゴツゴツとした指先が、敏感になっている乳房を鷲掴みにした。
「ひっ、あ……!」
男の俺には本来あるはずのない器官。けれど今は、魔法と呪いのせいで、そこは快感のスイッチになってしまっている。
親友に胸を揉まれているという異常な事態。
けれど、湊の指が先端を摘み、コリコリとあやし始めると、脳髄が痺れるような快楽が弾けた。
「あっ、や、あぁっ! そこ、変になるっ、みな、とぉ……!」
「嫌がってる割には、いい声出すな」
湊が低く囁き、もう片方の手をスカートの中へと滑り込ませる。
太ももの内側、一番触れられたくない場所へ。
「だ、めだっ! そこだけは……!」
俺は必死に足を閉じて拒絶した。
見られたくない。男の意識があるのに、股間が濡れてしまっているなんて、そんな無様な姿を親友に知られたら死んでしまう。
「離せ、触るな……っ! 気持ち悪いだろ、こんなの……!」
「……俺がいつ、気持ち悪いなんて言った?」
湊は俺の抵抗を力ずくでねじ伏せ、閉じた膝を無理やり割り開いた。
M字に開脚させられた俺の秘所は、すでに呪いの愛液でグショグショに濡れそぼっていた。
「見ろよ、陽向。こんなに垂れてる」
「み、見るな……っ!」
羞恥で顔が沸騰しそうだ。けれど湊は、そんな俺の秘部をまじまじと見つめ、人差し指で溢れる蜜を掬い取った。
「お前、ずっと我慢してたのか?」
「ちが、これは呪いが……っ、んあっ!」
否定しようとした言葉は、湊の指が秘裂をなぞった瞬間に嬌声へと変わった。
クリトリスを執拗に弄られ、入り口をじらし責められるたびに、俺の腰は勝手に跳ねてしまう。
「や、ぁっ、んあぁっ! 待って、湊、おかし、おかしくなるぅ……!」
「なりゃいいだろ。俺もとっくにおかしくなってる」
ズリュ、と音がして、湊の中指が一本、俺の中に沈み込んだ。
「ヒッ、ぐぅ……!」
異物感。けれど、それは苦痛ではなく、焦がれるような充足感だった。
空っぽだった空洞が埋められる感覚。
湊の指が中で曲げられ、弱い内壁をガリガリと掻き回す。
「あッ、そこっ、だめ、あぁぁあッ!」
「ここか? 男のくせに、こんなところで感じるのか?」
「ちが、うっ、そこは……んあぁッ! 湊の指、すごい、かき回さっ、てるぅ!」
否定したいのに、口から出るのは淫らな喘ぎ声ばかりだ。
指の抽送が速くなる。粘膜が擦れる水音が、部屋中に卑猥に響き渡る。
呪いの熱が脳を焼き、理性が蒸発していく。
ダメだ、もう耐えられない。指だけじゃ足りない。もっと、もっと湊の全部が欲しい。
「はぁ、っ、はぁ……みな、と……」
「どうした? 嫌なら止めるぞ」
湊が意地悪く指を止める。
寸止めされた身体が、渇きで震えた。
俺は潤んだ目で湊を見上げ、プライドも羞恥心もかなぐり捨てて、懇願した。
「やめない、で……欲しい……」
「何が欲しいんだ? 言ってみろ」
湊の瞳が、獲物を狙うように細められる。俺の言葉を待っている。
俺は震える手で湊のベルトに触れ、彼のはち切れそうな股間を擦った。
「湊の……ちんちん、欲しい……。俺の中に、入れて……」
その言葉が合図だった。
湊が荒い息を吐き、ズボンを引き下ろす。
目の前に現れたのは、親友のものとは思えないほど凶暴に勃起した雄だった。
それを見た瞬間、恐怖よりも先に、喉から手が出るほど「食べたい」と思ってしまった。
「……もう加減しねぇからな」
湊が俺の腰を高く持ち上げる。
亀頭が、濡れそぼった入り口に押し当てられた。
「あっ、入っ……!」
ズヌゥ、と重たい感触が侵入してくる。
指とは比べ物にならない太さと熱さ。
きつい。俺の身体が、湊を受け入れるために無理やり押し広げられていく。
「くっ、きっつ……! なんだこれ、締め付けが……」
「あ、あぁっ……! おっきい、湊の、入ってきてるぅ……!」
内壁がひだの一枚一枚まで押し広げられ、侵略されていく。
内臓の位置がずれるような圧迫感と、それを上回る強烈な快感が、背骨を駆け上がって脳天を突き抜けた。
「はぁッ、全部、入った……!」
根元まで飲み込んだ瞬間、俺たちは同時に息を呑んだ。
繋がっている。
幼馴染で、親友で、男同士だった俺たちが、今はオスとメスとして完全に一つになっている。
「動くぞ、陽向」
「うん、いいよ、めちゃくちゃにして……っ!」
湊が腰を引いて、勢いよく打ち付けた。
パンッ! と肉と肉がぶつかる音が弾ける。
「あ゛ッ! んあぁぁぁあッ!」
強烈な突き上げに、視界が白く明滅した。
一番奥、子宮口のような場所に、湊の先端がゴリゴリと擦り付けられる。
そこを突かれるたびに、頭の芯が溶けていくような快楽が押し寄せる。
「すげぇ……陽向の中、熱い、トロトロだ……!」
「あッ、湊っ、湊ぉッ! 激しいっ、そんなに突いたら、壊れ、ちゃうぅ……!」
「壊れろ! お前がこんなに可愛すぎるのが悪いんだ!」
湊のリミッターが外れた。
獣のようなピストン運動が始まる。
ガックンガックンとベッドが揺れ、俺の身体は湊の楔に繋ぎ止められたまま、波のように揺さぶられる。
「ひぐっ、あ、あ、イッ、イくっ! そんな深いのっ、むりぃぃっ!」
「まだだっ! 俺も、もう……っ!」
呪いの強制発情と、湊からの愛撫、そして激しい交合。
すべての刺激が一点に集中し、俺の限界を超えようとしていた。
「湊っ、だめ、もう、くるッ! おかしくなるぅッ!」
「俺も全部、中に出すぞ……ッ!」
湊が俺の腰を強く掴み、最奥へと渾身の力で突き入れた。
「あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
「うぉぉぉぉぉッ!!!」
ドクンッ! と、体内で何かが破裂した。
熱い。焼けるように熱い奔流が、俺の胎内に勢いよく放たれる。
一度、二度、三度。
脈打つたびに注ぎ込まれる湊の白濁液が、呪いの毒を洗い流し、俺の身体を湊の色だけで塗り替えていく。
「んぅ、あ、あぁ……ッ! 熱い、いっぱい、出てるぅ……!」
ビクビクと痙攣する俺の膣肉が、最後の一滴まで搾り取ろうと、無意識に湊のモノを締め付ける。
目の前が真っ白で、何も考えられない。
ただ、親友の精液でお腹の中を満たされたという、圧倒的な幸福感だけがあった。
しばらくの間、俺たちは荒い息を吐きながら、繋がったままで重なり合っていた。
破れた魔法のドレスは汗と愛液でぐちゃぐちゃになり、シーツに散らばっている。
俺の頭を、湊の大きな手が優しく撫でた。
「はぁ……はぁ……。陽向」
「……ん」
「……愛してる」
事後の気だるさの中で囁かれたその言葉は、どんな魔法よりも強力に、俺の心臓を縛り付けた。
もう二度と、この腕から逃げることなんてできない。
俺は湊の胸に顔を埋め、小さく頷いた。
「俺も……大好きだ、湊」
カーテンの隙間から差し込む朝陽が、散らかったベッドを照らし出す頃。
嵐のような夜が明け、部屋には静寂と、むせ返るような情事の残り香だけが漂っていた。
「……ん」
俺は重いまぶたを持ち上げた。
身体中が軋むように痛い。特に腰回りは感覚がないほどだが、それよりも鮮烈なのは、下腹部に残る重たくて熱い違和感だった。
昨晩、何度も何度も湊に注ぎ込まれた証。それが、確かな質量を持って俺の中に留まっている。
(……できちゃった、みたい)
不思議と、嫌悪感はなかった。
魔法少女の身体構造なんて分からないけれど、直感が告げている。俺の中に、新しい命が芽生えてしまったのだと。
横を見ると、湊がすでに目を覚ましていて、俺の顔をじっと見つめていた。
その瞳は昨夜の獣のような色は消え、いつものぶっきらぼうだけど優しい親友のものに戻っている。
「……おはよう、陽向」
「おはよ、湊」
掠れた声で返すと、湊が俺の髪をそっと撫でた。
その手つきがあまりに優しくて、胸が詰まる。
「……なぁ、湊」
「ん?」
「俺……たぶん、できた気がする」
俺は無意識にお腹に手を当てながら、ぽつりと告げた。
湊の手がピクリと止まる。
「魔法少女の身体だから、どうなるか分かんないけど……でも、分かるんだ。湊の子供、俺の中にいる」
俺は湊の目を見つめ、震える声で尋ねた。
「……本当に、良かったのか? 相手が俺なんかで。一生、責任取ることになるんだぞ」
俺は元男だ。世間から見れば異様なカップルだし、普通の幸せな家庭なんて築けないかもしれない。
湊にはもっと普通の、可愛い女の子と幸せになる未来があったはずなのに。俺が、それを奪ってしまったんじゃないか。
不安で視線が揺れる俺に、湊は何も言わず、ただ俺の身体を引き寄せ、強く抱きしめた。
「……そのセリフ、そっくりそのままお前に返すよ」
耳元で、湊の低い声が響く。
「お前こそ、本当に良かったのか? ……もう、男には戻れないかもしれないんだぞ」
ハッとして湊を見上げると、彼は痛ましそうな、けれど強い光を宿した瞳で俺を見ていた。
昨夜の行為は、「契約」のようなものだ。魔法少女としての身体が完全に書き換えられ、俺はもう二度と、ただの男子高校生には戻れない。そんな予感がある。
湊はそれを察して、その罪悪感を感じているのだ。
「俺は……お前が男だろうが女だろうが、陽向といられればそれでいい。でも、お前は……」
湊の言葉が震えている。
ああ、そうか。
俺たちは二人とも、自分よりも相手のことを心配していたんだ。
自分が失うものよりも、相手に背負わせてしまうものの方を恐れていた。
そう気づいた瞬間、胸の奥から温かいものが込み上げてきて、自然と笑みがこぼれた。
「……ふっ、ははっ」
「な、なんだよ」
「いや……俺たち、似た者同士だなって」
俺は湊の首に腕を回し、その胸に額を押し付けた。
戻れなくてもいい。男としての人生が終わっても、代わりにこの世界で一番大好きな人の隣にいられるなら、それは「喪失」なんかじゃない。
「俺も、湊といられればそれでいいよ。……男に戻るより、湊の奥さんになる方が、ずっと幸せだもん」
少し茶化して言うと、湊は一瞬呆気にとられた顔をして、それから「……馬鹿」と呟き、俺の額に優しくキスを落とした。
その表情は、憑き物が落ちたように晴れやかで、幸せそうに笑っていた。
「覚悟しとけよ、陽向。……一生、離してやらないからな」
「うん。……お願いね、ダーリン」
朝の光の中で、俺たちはもう一度、今度はゆっくりと確かめ合うように口づけを交わした。
これから訪れる未来がどんなに困難でも、この手さえ離さなければ大丈夫。
確かな愛とお腹の中の温もりを感じながら、俺は魔法少女としての新しい人生を受け入れた。
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ここで出たVISPさんのお題で書いたもの。
コメント残してくれれば書くかもしれません。
シチュが詳細なほうがはかどりますが、それが反映されるかは未定です。