誰にだって好きな人はいる。かっこいいから、かわいいから、優しくしてくれるから、お金をくれるから、色々あるだろう…なら…
【キスしたいっていう理由で人を好きになっちゃいけないんですか!?】
~キーンコーンカーンコーン~
終わりのチャイムが響き渡る。待ちに待ったと言わんばかりに生徒が門から雪崩のように溢れだして来るなか、私はとある1室へと向かう
ーガラガラガラー
相変わらず開けにくいドアを開けると中には何時ものように一人の女性が座っている【佐々木(ささき)真愛(まな)】。私がセンパイと呼んでいる。
センパイ『お、ハルだぁ、いらっしゃい~』
私の名前は【水瀬(みなせ)春(はる)】センパイが好きだ。センパイに会うためにこの部活、漫画研究会に入ったと言っても過言じゃない。
センパイ『この部活もセンパイとハルだけだからさ~、来てくれて嬉しいんだ!』
ハル『あ、ありがとうございます…///』
さらに、この部活がセンパイと私だけだったのが大の誤算だった。何せ部活中はセンパイを独り占めに出来るのだ。幸せの他あるまい。
センパイ『…大丈夫?顔真っ赤だよぉ?』
ハル『…な、なんでもないですよ……心配しないで下さい…』
センパイ『ほ、本当に大丈夫なのぉ?…』
センパイが私を心配してくれて近付いてくる度に心臓が激しく揺れるのを感じる。センパイが私を触ってくれる。そう思うだけで身体が火照った。
ハル『ひゃっ……///』
センパイ『んー、熱は…無さそうだね』
ハル『センパイ…』
私は思わずセンパイの頬を両手で包み込む、センパイも私の状況を察したのか優しく微笑んでいる。私は両手でもちもちほっぺをモミモミするしかなかった。
センパイ『くしゅぐったいよぉ…///,』
ハル『もちもちなんですもん。仕方ないでしょ…』
センパイ『じゃあ私はハルのことぎゅぅ~ってする』
突然センパイが私を抱き締めた。最初は理解が追い付かなかったが、だんだんと状況を把握し始めて身体が融解しそうになる。少し間を空けて私もほっぺから手を離してセンパイを抱き締めた。
センパイ『ぎゅぅ~』
ハル『こ、子供じゃないんですからもう少し大人しくしてて下さいよ…』
センパイの髪の匂いが鼻をくすぐる、良いシャンプーの匂いがする。センパイの大きな胸が、私の貧相な胸に押し当てられる。マシュマロみたいに柔らかい。
ハル『センパイ…胸が当たって……』
センパイ『……ハルなら…触っても良いけど?』
ハル『そんなことするわけ無いですよ…ばか』
ハグが終わり解放される。正直センパイの胸に興味はあるが、本命はそこじゃない。私の本命はセンパイとのキスだ。そのぷっくりとした唇、一度で良いから味わってみたいものだ。
ハル『…センパイ…あの…その……』
センパイ『ん?どうしたのー?』
口がもごもごして話せない。今までセンパイとはハグしたり手を繋いだりしてきたじゃないか……なのになんで今この言葉が出ないのだろう……言ったって嫌われることはないと思う。なのに、なんで……
ハル『えっと…あ……うぅ』
センパイ『何でも私に話してごらん?大丈夫だよ~』
センパイの言葉によって私の心が突き動かされる。恐らくこの気持ちを伝えても大丈夫なのか?……と頭の中で思い始める。わたしは、勇気を振り絞って口を開ける。自分の顔がどうなってたって良い。今はただ、この気持ちを言葉に乗せるだけだ。
ハル『……せ、センバイ!キスしても良いですか!』
センバイ『は、ハルちゃん……?』
センパイは少し固まった後、じわじわと顔が赤くなっていくのが見えた。その顔は、困惑したような、嬉しいような顔をしていた。少し間を空けて言った。
センパイ『…は、ハルちゃんなら…しても良いよ…?』
ハル『…せ、センバイ?…』
センバイの顔が真っ赤なトマトみたいになる。センバイが顔を赤くすることはたまにあったがこんな顔は私もみたことがなかった。その時、頭の中でこう思った【食べ頃(意味深)】だと。
ハル『センバイ……ホントに……良いんですね?』
センバイ『うん。おいで?ハルちゃん…///』
センバイが両手を広げて私を誘う。羞恥心で真っ赤になりながらもそんなことをするセンパイは、私にとってはドストライクだった。私はセンパイに飛び込むようにセンパイに抱きついて、すぐさま口付けをする。
ハル『んんっ…はむっ…(センパイ…センパイッ!)』
センパイ『んちゅ……(ハルちゃん…カワイイ……)』
センパイの柔らかくてぷにぷにとした唇が私の唇を包み込む、甘く、爽やかな香りが鼻を擽り、私はセンパイの唇を激しく貪るしかなかった。流石に息が苦しくなってきて、唇を離す。ぷはぁっ!と言う声と、センパイと私を繋ぐ銀色の糸が、先程の行為を物語っているようだった。
センパイ『ハルだけズルいよぉ~えいっ!』
ハル『せ、せんぱ……んうっ///』
センバイが突然息を切らしている私に襲いかかってきた。無防備な口に舌をねじ込み、かき回す。センパイの唾液が私の口に流れ込む。私も負けじと舌をセンパイの舌に絡ませる。ちゃぷ。じゅる。といった淫らな水音が響く。
ハル『じゅるる。れろっ……ちゅぱ(すきっ!すきぃっ!)』
センパイ『んんっ…ぢゅるる……はむっ(ハルちゃん…!)』
ぷはっ!という息と共に互いの口を離す。惜しまれたように銀の糸が互いの口を繋ぐ。私は恥ずかしくてセンパイに目を合わせられない。
センパイ『ハルちゃん…どうだった?』
ハル『……最高です!』
たぶん自分の顔は火照っているだろうな。と思いながらセンパイに向けて笑顔で話す。これからもセンパイと一緒にいれるんだろうな。と思うと胸の奥が疼いてしょうがない。
ハル『センパイ…♥』
センパイ『ハルちゃん……♥』
今の私は思いもしなかっただろう。これからのセンパイとの関係性を。センパイを思う気持ちが、ありもしない方向へと曲がってしまうこと。センパイだけが生きがいになること。私たちは、こんな未来になることを覚悟……いや、誓ったように口付けをする。外で鳴っている五時のチャイムがまるで私たちを祝福している鐘のように鳴り響く。
ハル『センパイ!大好きです!』
ありがとうございました。