小説の内容は、オリジナルです。DARKSAVER、SEAGUARDの戦闘員改造手術の内容は、DARKSAVER Secter18さんものを使用しています
内務省の戦闘員の裏切り行為や犯罪のなどを専門に捜査する特務戦闘員「肇」が登場する。鉛筆での指紋採取など、奇抜なアイディアが登場。
STORY 1
エリア10まで後1日。輸送船「黒瀬」は、順調に航海を続けていた。明日の夕刻には、汐入埠頭に入れそうだ。
・輸送船「黒瀬」(こくせ)基準排水量4800t、馬力70,000PS、主機関タービン2基2軸、定員370名、速力31kt、主要寸法153×17.5×5.2、無火薬式20機関砲×2、54口径5インチ無火薬式単装速射砲×2、3連装短魚雷発射 管×2、輸送支援用ヘリコプター×1
輸送船のわりには、重装備の船である。戦艦や駆逐艦の護衛がなくても、輸送船単独で行動できるように戦艦を改造した艦艇で、船自体は、20世紀に造船された旧式、あまり足は速くなかった。
「提督すいません。じゃ、俺たちは、お言葉は甘えて、喫茶ムールに行ってきます。ブリッジをお願いします。」
「操舵は、今、DACK(ダック)がやっている。ゆっくり休憩を取ってくれ。入港の際は、忙しくなるぞ。」
ブリッジスタッフの戦闘員達は、エレベーターの乗込み喫茶ルームに向かった。
「提督も、お茶にされたらどうですか。」
「んー。そうだな。そうだ、ダック。汐入埠頭への正確な入港時間はわかるか。」
「天候も順調ですし、このままですと、明日の午後6時頃です。既に統治には連絡。受入れ体制は、万全です。」
「相変わらず早いな。」
提督は、ポットの珈琲を注いでいた。暫くするとエレベーターが上がっているのがわかった。
「キン。」 エレベーターの扉が開いた時の電子音だ。
「て、て、提督、金庫室の戦闘員二人が遣られています。」
「なんだと。」 慌ててエレベーターから降りて来たのは、副官竜二であった。かなり慌てた様子で、息を切らしていた。
「で、例のものは。」
「金庫も破られていて、ありません。」
二人は、急ぎエレベーターに乗り込んだ。ブリッジには、誰もいなくなってしまった。いくら、ダックが操舵していたとしても無人ブリッジにするのはしてはいけない行為だった。しかし、提督にとっては、ブリッジスタッフを呼び戻すことなど考える余裕がなかったのである。金庫室には、最新鋭の飛行機エンジンの設計図面が入っていた。それが無くなったのは、一大事なことである。 提督が操舵卓から飛び下りた瞬間、コーヒーが少し零れた。
「提督、珈琲が零れました。あー。行っちゃた。端末が、壊れます。しゅうがないな。」
提督と竜二は、エレベーターの乗込み金庫室に向か途中であった。ダックの声で艦内放送が入った。
「ブリッジよりブリッジスタッフへ。提督は、急用のため席を外しました。ブリッジスタッフは、至急ブリッジへ。」
金庫室に入って、初めに目に入ったのは、遣られた戦闘員二人であった。ダークブルーのラッシュガードとブラックのバトル競パン、膝まであるブーツ。そしてラッシュガードの左胸と右袖には、POLICEの文字が入っていた。その二人のセイバースーツは、ダークセイバーポリスであることを示していた。提督の命により特別に金庫の警護にあたらせていた信二と一馬だ。一人は金庫の前で、もう一人は、金庫の横に横たわっていた。二人ともバトル競パンの脇からエナジー液をだし、急所の睾丸タンクを遣られているのは、すぐわかった。遣られてからあまり時間が経っていないようだ。エナジー液がまだドクンドクンと脈打つように出でいた。 提督は、金庫の横に横たわっている一馬に寄り、首に手をあてた。
「脈は無いが、まだ温かい。遣られて間もない。」 そして、金庫に目をやった。開いた扉から金庫の中は確認できた。提督は金庫の中を覗き込むと、
「そうは、簡単にはいかんのだ。」 そう言うと金庫の上部分をこじ開け始めた。
「提督、何をしているんです。」
「隠し扉があるんだ。こういうこともあろうかと、紙ベースとマイクロフィルムベースとを作っておいたのだ。あった、マイクロフィルムの方はあるな。」
金庫の隠し扉から小さい箱を取り出した。
「提督、同じところに隠すのは、危ないじゃないですか。」
「竜二、人と同じことをしていては、戦闘員は、生き残れないぞ。大切な図面だ。バックアップを取るのは、当たり前だ。しかし、まさか同じところに隠すとは思わん。普通なら、別々に保管する。それを逆手に取るのだ。いいか、教訓1だ。物音がしたら、音のした方に行くな。反対へ行け。敵は後ろにいる。地下に逃げたら、屋上を探せ。」
「そんなものですかね。」
「いずれにしても、紙ベースの設計図は盗まれてしまった。シーガードの手に入る前に取り返す必要があるな。それに艦内に裏切り者がいるんだ。帰港までに探すんだ。竜二、金庫室は閉鎖。現場を維持。肇とともに私のところに出頭せよ。」
「はっ。はい。肇ですか。戦闘員に中では、目立たない奴ですが。」
「そうだ、肇だ。」
STORY2
提督は、自室に戻った。部屋に入った提督は、執務机の後の壁に掛けてある黒瀬の写真を外した。壁に切れ目が入っている。切れ目の入った壁を押すと 「カチン。」 と言って壁の一部が開いた。壁の奥には金庫があった。ダイヤルを回し金庫を開け、その中にマイクロフィルムをしまった。そして、金庫、壁を閉めた後、また、写真を掛け直していた。そして、机の上に置いてあるパソコンのスイッチを入れた。
「ダック、統治に連絡だ。」
「わかりました。回線をつなぎます。」
提督は、事の始終を話し始めた。しばらくすると、部屋の扉からノックする音が聞こえてきた。「コンコン。」
「竜二です。肇を連れてきました。」
「入れ。」 竜二と肇は、提督の執務机の前に進み、ダークセイバーの礼を行った。足を肩幅ぐらいに開き、手を腰に、そして自分の生殖器辺りを少し前に出し、お辞儀をする方法だ。この礼には、ちゃんと意味があった。彼らの急所は、改造手術を施された睾丸だ。これを突き出すことで「貴方には敵意がありません。自分の睾丸タンクを貴方に潰されても、文句を言いません。」そんな意味があった。提督は、机の上のパソコンのディスプレーを、三人が見えるように、横に向けた。
「今、統治に報告していたところだ。」
画面には、統治の顔が写っていた。統治の背後の壁には、ダークセイバーの紋章が大きく描かれてあり、その背景から見て統治の執務室であることは誰にもわかった。
「提督、大変なことになりましたね。このことが総統のお耳に入ると、提督といえども処刑されます。」
「わかっている。帰港前までに、裏切り者と図面を探しだす。」
「提督、肇を連れていっていたのですね。予感でも。」
「偶然。」
「提督、肇は、何者なんです。普段は、あまり目立つことのない戦闘員です。」
「竜二、お前が知らんのも無理はない。」
「提督、私から話しましょう。肇は、金田一の血をひく。5代目にあたるのだ。戦闘員養成学校卒業後、直ぐに、内務局入り、戦闘員の裏切り行為や犯罪のなどを専門に捜査する特務戦闘員だ。普段は、いろいろに部隊に配属されている。自分が目立っては、困るのだ。」
「そう言うことなんですか。」
「統治、提督お久ぶりです。養成学校以来です。ところで提督、何が起きたのか、話していただきますか。」
「肇さん、ダックです。提督は、今、統治にお話したばかりです。私からお話します。それと同じ内容をプリントします。」
「それは、助かります。さすがダックですね。提督の子供のようなものですね。」
「それは、一部の者しか知らん事だ。ここでは・・・・。」
「そうだ、肇、少し過ぎるぞ。」
竜二は、ダック誕生の以後に戦闘員になり秘話を知らない世代の戦闘員だったのである。
一人だけ不思議そうな顔をしていた。
「まずは、現場を見たいですね。」
「現場は、提督に言われて閉鎖してある。そのままの状態だ。」
「グットですね。その方がいい。提督、鉛筆とカッターそれにセロハンテープを貸して下さい。それと、副官、医務室へ行って、ラテックスグローブを人数分です。持ってきて下さい。」
提督と竜二は、不思議そうな顔をしていた。 提督、竜二、肇は提督の部屋を後にした。
「て、提督、また電源を切るのを忘れている。統治、大丈夫でしょうか。犯人と図面見つかるでしょうか。」
「ダックいや祐二。心配するな。大丈夫だよ。これまで、いろいろなことをきり抜けてきた提督だ。」
「統治、回線を切ります。自分の端末電源も落とさないと。」
三人は、現場である金庫室に移動した。竜二が鍵を開けた。扉を開け中には入ると、同じ光景が目に入った。
「現場に変化は無いようです。」
肇は、提督の部屋から持ってきた鉛筆を削りはじめた。
「何をしてるんだ。」
「まあ、見てて下さい。」
肇は、その削りカスを金庫のダイヤルに吹きかけた。そして、虫眼鏡で見始めた。
「提督も、副官も、どうぞ見て下さい。」
提督と竜二は、言われるまま虫眼鏡で見始めた。その瞬間だった。竜二が大声を上げた。
「指紋だ。指紋が見える。」
「そうです、後は、セロハンテープで取ります。そうすると、くっきりと指紋が採れます。」
「犯人の指紋があるのか。」
「それは、わかりません。後でいろいろと照合しないとね。まずは、検死です。こちらが一馬さんですね。カッコいい方ですね。」
そう言うとラテックスグローブを手に嵌めた。提督と竜二も、それを見ていて同じ様に嵌め始めた。肇は、一馬のバトル競パンを剥いだ。そして、平手で睾丸タンクを触り始めた。
「睾丸タンクは、破壊されています。この壊れ方は、回し蹴りです。提督、触ってみて下さい。一部だけ砕けて柔らかくなっています。砕けた後の形が、つま先の形に似ています。」
「ん。確かによく似ている。」
「右上の斜めに砕けています。方向から見て、右足の回し蹴りです。副官、右足で蹴るマネをして下さい。」
竜二は、言われるまま、右足の回し蹴りで空をきった。
「止めて。」
肇は、竜二の足先を持った。そして、指で足先を示し、
「つま先を見て下さい。親指側が下で、薬指側が上です。右上になります。砕けた形になります。後、鳩尾の辺りが、紫色になっています。拳にでは、ここまでうっ血しません。同じ様に蹴りです。多分こうです。犯人は、一馬さんから見て、やや右に立ち、右足で鳩尾に一発。怯んだところを睾丸タンクに一発です。後、格闘の痕がありません。正面に立たれて、蹴りがくるまで無警戒だったと思います。それを考えると顔見知りの犯行ですね。」
提督と竜二は、うなずくだけであった。
「次は、信二さんです。」 そう言うと、一馬同様バトル競パンを剥いだ。同じ様に睾丸タンクを触りはじめ
「真二さんは、ベテラン戦闘員ですね。あちこちに格闘痕があります。しかし、これは、今回のものではありません。睾丸タンクの、この壊れ方は、握り潰したものです。今度は、副官触ってみて下さい。」
竜二は、腫れものをさわるように信二の睾丸タンクを触り始めた。
「全体的に壊れています。何と言っていいか。ちょうど、ゆで卵を握り潰した感じに似ています。この壊れ方は、握り潰したのです。それしかありません。そして、首から肩、背中の途中まで、一直線にうっ血痕があります。首の骨が折れているのも特徴です。副官、金庫の前に立って下さい。そして、中の物を取り出すように覗き混んで下さい。」
竜二は、言われるようにした。
「提督、ゆっくり金庫の扉を閉めて下さい。」 提督は、金庫の扉を竜二の身体に当たるまで閉めた。 「竜二、お前には、見えないのが残念だな。信二のうっ血痕と金庫の扉が身体に当たっているところ。一致する。」
「提督、扉の鍵の部分が、俺の首に当って、少し痛いです。離していただきませんか。」
「現場は、多分、こうだったと思います。信二さんは、金庫の前に立ち、金庫から何か取り出そうとしています。一馬さんは、金庫の右側に立ち、その様子を見ていたと思います。犯人は、信二さんが金庫の中を覗き込んだところで、思い切り扉を閉めます。重い扉は、信二さんの身体にうっ血痕を残し、内鍵の部分が首の辺りにめりこんで首の骨を折ったのです。それを見た一馬さんが止めようと近づきます。そこへ、まず鳩尾に一発、空かさずタンクに一発です。犯人は、信二さんを金庫と扉の間に挟んだまま、後ろから睾丸タンクを握り潰したのです。」
「そこまでわかるのか。」
「それだけではありません。犯人は、キックを連続して繰り出せる能力があります。バランスを崩してなかなか難しい行為です。そして、顔見知りです。金庫は、彼らが開けたものです。彼らに金庫を開けさせ、中の図面を取り出すように命じたのです。そう出来る者は、誰です。」
「俺と提督ぐらいか。おいおい、そのままの推理だと、俺と提督が犯人だぞ。」
「可能性の問題です。提督、そのとおりです。さっきから気になっていますね。扉の正面です。信二さんを動けないようにし、首の骨を折った金庫の扉です。犯人は、ダークセイバー戦闘員と同じ格好をしていたはずです。私達のバトルグローブは、指の部分が空いています。信二さんを挟もうと扉を閉めたときです。間違いなく指紋がついています。」
「拭き取っていたら。」
「まずないと思います。副官、自分が敵基地に侵入して、作戦を遂行した後、わざわざ指紋を拭き取っていますか。」
「やらないな。」
「そこです。」
STORY 3
提督は、自室で待っていた。そこに、肇が白い紙を、竜二は、写真を持って入ってきた。
「どうだった。」
「ばっちり、取れました。」
そう言うと、テーブルの上にその白い紙を広げた。鉛筆の黒鉛とセロハンテープで採取された指紋が貼ってあった。
「この一枚は扉の指紋です。手を広げた形で残っていましたので、間違いなく犯人の指紋です。他の紙は、金庫室から採取した全ての指紋を貼ってあります。」
「竜二、お前の指紋を採取する。もちろん私の指紋もだ。疑いは、はらしておいた方がいい。」
提督と竜二は、全部の指の指紋を白い紙に押し、肇に渡した。肇は、採取した指紋と提督と竜二の指紋とをルーペで見比べた。
「提督と副官も見た方がいいですね。」
二人もルーペで見比べはじめた。
「良かったな。二人とも犯人のものとは、まったく違う。」
「提督、疑っていたのですか。」
「万が一ということもある。」
「問題は、この後だ、犯人の指紋はわかった。」
「乗組員の全員の指紋を取りましょう。それが一番てっとり早い。」
「副官、乗組員が全員で何人いると思っているんです。」
「300名位だ。」
「無理だな。時間的にも。そうだ、現場の写真は」
「可能な限り撮りました。これです。」
と言って竜二がテーブルの上に広げた。
「現場は、提督の言われたとおり、綺麗にしました。遣られた戦闘員二人は、霊安室に。床は掃除機で。掃除機のゴミも袋に入れて取ってあります。誰にも知られずにやるのは、苦労しました。」
「犯行時間についての考察をしたいんです。」
「どういうことだ。」
「まず、犯人象です。犯人は、遣られた戦闘員達に対して、疑うこともなく、金庫を開けるように命じることができる者です。艦内には、提督しかいません。訓練を受けた戦闘員です。言葉巧みでは、無理です。他の者だったら、必ず提督に確かめようとしたはずです。そうすると、変装しかありません。提督になりすましたのです。戦闘員の中に裏切り者がいるのではなく、シーガードの変装を得意とする戦士が乗り込んでいると考えた方が、今回は自然です。今もダークセイバー戦闘員になりすまし艦内にいます。提督の話では、まだ、遣られて間もないと思ったと。」
「一馬の方だか、温かかった。」
「そうすると、副官が金庫室に入る直前の犯行です。なぜ、こんなことを聞くのかと言うと、犯行時間は重要なのです。長い航海です。いつ盗むのかが大切になります。早い時間に盗んでしまっては、艦内の捜索に十分な時間がかけられ、自分が窮地に追いやられる可能性があります。航海中で最後の空け番です。従事中では、いなくなれば、それだけで疑われます。」
「艦内は、四交代制をひいています。それだけで、調べる奴が四分の一になるな。」
「犯人は、空け番中に、提督になりすまし、金庫室に行き、金庫を開けさせ、二人の戦闘員を遣り、図面を手にしたということになります。」
「ダック、聞いたな。」
「聞きました。前回、空け番だった戦闘員のリストをプリントアウトします。」
提督は、プリントアウトされたリストを見て
「竜二、お前、空け番か。」
「そうです。やだな。まだ疑っているんですか。」
「そうじゃない。お前が、犯人でないことはわかっている。空け番中にも、金庫室の様子を見に行こうとするその気持ちが大切なのだ。」
「副官、副官の話、重要な手かがりになるかも知れません。自室を出てから金庫室までに誰かに会いませんでしたか。詳しく話して下さい。」
竜二は、たどたどしく話始めた。
「確か自室を出たのが、2時半を回っていたと思う。空け番に入って、シャワーを浴びて、タンクにエナジー液を補給した後だ。そう2時半ごろ。まず、自室を出て、金庫室に向かおうと船尾のエレベーターを使った。」
「なぜ、船首のエレベーターを使わない。」
「船首のエレベーターは、ブリッジに繋がっている。いつも、混んでいるので、ブリッジに行く以外は、船尾のエレベーターを使っています。金庫室は、B2フロアーなので、B2のボタンを押し、B2へ、金庫室は、船首側の 角にあるので、そこまで、誰とも会わなかったな。」
「声は、どうです。」
「声?そうだ自室を出てすぐ、船首側のエレベーターの方から声がしていた。機関室の浩二と哲也だ。喫茶ルームのメロンソーダが美味いとか。」
「トイレは、どうでした。」
「寄ってない。」
「そうではありません。水洗の流れる音です。艦内のトイレは、全て自動です。便器の前に立つと自動で流れます。犯人は、提督の格好をして帰る途中です。副官と、はち合わせになりそうになります。どこに隠れます。」
「トイレだ。そうそう、金庫室のフロアーだ。誰かが入っていた。流れることが聞こえていた。」
「浩二と哲也を呼べ。聴取を行う。」
STORY 4
二人の聴取のため、提督と肇が会議室で待っていた。そこへ、竜二が浩二と哲也を連れてやって来た。
「これから、聞くことは、他言無用だ。もし、漏らすようなことがあれば、処刑される。冗談ではないぞ。前回は開け番だったな。そこで聞く、何をしていた。」
「俺たち二人は、自室に戻って、しばらくしてが、喫茶ルームに行きました。喫茶ムールには、約2時間いたと思います。そうそう、ブリッジスタッフもいました。他にも。」
「誰がいたかが重要なのだ。」
「そう言われましても。」
「思い出して下さい。この紙に書いて。整理していくと思い出します。」
二人は、相談しながら、名前を書き始めた。
「結構いますね。」
「一人一人尋問しますか。」
「副官、喫茶ルームにいた戦闘員達は、犯人である可能性は、少ないです。事を終えて、提督の変装を外し、盗んだ図面を隠さないといけません。」
「君達が、喫茶ルームに向かう途中だ、誰かに会わなかったか。」
「誰にも。」
「悪いが、君達の指紋を採取する。」
「提督、どうしました。とんなとこに。」
「いや、ちょっと機関室に用があってな。」
「もう少しで汐入埠頭ですね。」
B2フロア、船尾側のトイレであった。士官達也は、夕食の準備のため、食材倉庫の払い出しチェックの帰りであった。
「いつも、思うんです。改造手術を施された戦闘員と言えども飯を食らい、用もたすんです。もう少し便利に改造してくれませんかね。」
そう言うと達也は、隣で用をたしている提督の男根を覗き込んだ。提督は、バトル競パンの脇から出した自分の男根を押し込んだ。そして、トイレから出ようとした。
「待て。貴様、何者だ。」
提督が振り返ると達也は、構えていた。
「提督は、若いころ敵アンドロイドの自爆の巻き添えにあい、睾丸タンクの片方は、人工睾丸だ。貴様のは、綺麗過ぎる。戦闘員に成り立てだったが、提督の部下だったこともあるんだ。」
「ひょんなとこで、ばれたか。貴様には、死んでもらう。」
「そうは、いくか。」
そう言うと、達也は、提督に対して、右ストレートを繰り出した。提督は、それを、さっさり左手ではらった。右手をはらわれた達也は、前が空いた。瞬間、提督は、達也の首根っこを掴み、そのまま、持ち上げた。達也の身体は、宙に浮いた。
「グェ。グルジイ。放せ。」
達也の手は、自分の首にある提督の手を放そうと、もがいていた。提督は、そのまま、壁に押し付けた。その時だった。
「キン。」
エレベータの扉の開く音がした。達也は、声を上げようとしたが、提督は、もう片方の手で、それを覆った。塞がれた口は、息ができず、宙に浮いた達也は、苦悩の表情となり、足をバタバタさせていた。エレベータから降りた足音は、トイレを通り過ぎ、離れて行く。それを確認した提督は、
「首の骨をへし折ってやる。」
「やめていく、首が。グァ。アッ。ア。首の骨が折れる。」
提督は、達也のバトル競パンから男根と睾丸タンクを引きずりだした。そして、睾丸タンクに手をやり握った。
「潰れる。グェ。ウッ。」
握り潰された睾丸タンクから漏れ出したエナジー液は、行き場がなく達也の男根の先から、勢いよく飛び出した。提督の身体にかかった。
提督は、意識が朦朧としてしている達也の前で立て膝になり男根をくわえ込んでしまった。
「搾り出してやる。」
そう言うと、達也の睾丸タンクを握り締めた。達也のエナジー液は、哺乳瓶を握り締めたように出始めた。提督は、全部飲み干してしまった。達也は、時折、身体がピクン、ピクンと動いていたが、力尽き、ダランとなった。
「様ないぜ。死んだか。お前たちのエナジー液は、超人的パワーを生み出す。飲んでも、胃から吸収され、同じような作用があるのさ。」
提督が、手を放すと達也の身体は、壁伝いにズルズルと朽ちていった。
「提督、士官慎也から緊急通報が入っています。回線をつなぎますか。」
「ダック、つないでくれ。」
「提督、さっきから達也の姿が見えません。食料庫から戻ってこないんです。」
「食料庫は、確か。」
「B2です。」
提督、竜二、肇は、顔を見合わせた。
「しまった。B2のトイレだ。」
「緊急連絡、慎也、B2のトイレに向かえ。私たちも行く。」
提督、竜二、肇がB2のトイレに急行した。慎也は、すでに到着していた。
「提督、何もありませんが。」
掃除用具置き場や大便器の扉も全部開けたが、何も異常はなかった。しばらくすると、竜二が天井の換気ダクトを指差した。換気ダクトのガラリから、白い液体がポタリ、ポタリと垂れ、竜二の肩にかかっていた。全員が予感した。竜二の肩に慎也が乗り、換気ダクトのガラリを開けようとした瞬間だった。達也の体重で支えきれなかったガラリが外れ、達也の死体が、天井のガラリから落ちてきた。
「達也。」
提督が一言言った。
STORY 5
「達也さんは。」
「だいぶん昔になる部下だったこともある。」
提督、竜二、肇の3人は、提督の自室に戻っていた。
「犠牲者が3人です。」
「達也さんは、変装を見破ったんだと思います。」
「犯人解決への糸口は、沢山あるんだが、とうも、犯人には結びつかんな。」
「ブリッジより提督へ。1時間ほどまえからシーガードのA型潜水艦だと思われます。黒瀬を追尾しているようです。」
「距離は。」
「それなんですが、探知ぎりぎりの距離を保って追尾しているようです。機影が消えるんです。最初は、気がつきませんでした。はじめは、魚影だと思ったんです。今も、消えています。5分ぐらい前に、船体の形が確認出来るまで近づきまして。それでようやく。」
「どういう事でしょうか。」
「図面を受け取りに来たのさ。それしかあるまい。」
「どうやって。」
「図面を海に投げ込むとかですか。」
「広い海です。レーダーには、小さい箱では、反応しませんし、無理ではないでしょうか。」
「GPS付のブイを付けるとか。」
「それでは、黒瀬からでもわかります。」
「沈めるんだ。」
「は?」
「発信機付のBOXで沈めるんだ。」
「発信機付です。ダックが、すぐ感知するのではないでしょうか。」
「無理です。周波数が特定出来ない限りは。もしわかったとしても、黒瀬は、潜水艦じゃありません。拾いに行けないのです。」
「すでに、投げ込んだ後かも知れませんね。」
「それなら、追尾をやめる。ブリッジに上がる。お前たちも来い。」
提督、竜二、肇の三人は、ブリッジに上がった。提督は、ブリッジの中央に立ち、いきなり、
「180度旋回、敵シーガードA型潜水艦を攻撃する。」
ブリッジスタッフは、驚いた。
「どういうことです。」
「A型潜水艦とは、足が違いすぎます。無茶です。勝ち目は、ありません。」
「詳しい話をしている暇はない。」
そう言うと、船内放送のマイクを持った。
「提督の大洋である。戦闘員諸君に連絡。敵潜水艦が、この黒瀬を追尾している。これより、攻撃に向かう。全員戦闘配置に着け。」
船内放送を終えたと同時だった。
「機関室より連絡。」
「提督、機関長の大二郎です。面白くなってきましたね。機関の方は、任せて下さい。黒瀬のエンジンは、順調です。少々の無理はききます。」
「頼みましたよ。第1砲門開け、全魚雷発射準備。支援ヘリコプター出発急げ。」
「船長、黒瀬が反転しています。」
「何だと。追尾がばれたか。あれほど、距離をあけるように言ったのに。」
「黒瀬の足が遅すぎるのです。5分ほど前、ちょっと、近づきました。」
「黒瀬の砲門が開いています。こちらに向かってきます。」
「提督め。勝ち目はないと思うが。どういうつもりだ。反転。反転。」
「返り討ちにしましょう。」
「馬鹿言え、大切な図面が乗っているのだ。いいか、よく聞け。本作戦は、失敗だ。黒瀬の追尾は、中止。黒瀬は、旧式の船だ。こちらが、全速力で逃げれば、追いつかん。」
「図面の受け渡しが。」
「2の策、3の策は、うってある。」
「黒瀬より回線を開くよう、要求されてします。」
「提督のやり方だ。無視しろ。反転中だ。黒瀬に対して、横腹を見せることになる。回線を開いている暇はない。その隙を見て、魚雷を発射するぞ。その前に先手を打つのだ。一番管、二番管、魚雷発射。」
「敵潜水艦より、魚雷が発射されました。到達まで、約1分。」
「敵潜水艦もやるな。」
「この距離からの魚雷発射です。十分退避出来ます。命中の可能性は、少ないと思いますが、なぜでしょうか。」
「命中しなくてもいいのさ。黒瀬の足を遅くすればいい。」
「敵潜水艦、反転終了。」
「全速力。速度を上げろ。」
「機関室より、提督へ。まだいけます。速度を上げます。」
「魚雷発射。」
「もっと接近しないと、退避されて、命中しません。」
「いいのだ。お礼だよ。」
「敵潜水艦、速度を上げました。離れます。」
「用意はできたか。」
「支援ヘリコプター出発準備完了。提督の言われました爆雷を搭載しています。」
「支援ヘリ。発射。」
「黒瀬よりヘリが出ました。」
「足の遅い黒瀬の変わりに、ヘリで追うつもりだ。たぶん、爆雷を搭載している。潜行。潜行。爆雷が、破裂する水深より、深く潜るんだ。」
「ヘリ、間もなく、接近。」
「こらら、レッドブル。提督応答願います。現在、敵潜水艦の上空を旋回中。爆雷投下の指示を待ちます。」
「黒瀬よりレッドブル。敵潜水艦は、潜行している。爆雷投下せよ。」
「ラジャ。投下。」
「ヘリより爆雷投下。」
「この水深なら、爆雷が破裂しても大丈夫だ。」
「爆雷。破裂。」
爆雷破裂のわりには、潜水艦は振動しなかった。
「被害、状況、報告せよ。」
「現在時、被害なし。」
「でも。」
「何だ。」
「爆雷破裂と同時に大きな旗が爆雷から出てきまして。文字が書いてあるんです。」
「読め。」
「シーガードの皆さん。追尾ご苦労さん。提督。」
「提督め。覚えていろ。」
「機関は、巡航速度に低下。反転して汐入埠頭に向かう。」
提督は、船内放送のマイクを持った。
「敵潜水艦は、反転、黒瀬の追尾を断念した。黒瀬では、残念ながら、追いつかない。戦闘配置を解く。皆、ご苦労だった。」
提督は、ブリッジスタッフ、そして竜二、肇をブリッジ作戦台に集めて、事の始終を話し始めた。
「提督、このまま、犯人わからず、図面見つからずで、帰港すると、どうなります。」
「作戦に失敗した戦闘員として、全員処刑だ。」
「そんな。何とかして見つけないと。」
「とりあえず、ここにいる全員の指紋を取る。」
「まずは、これで、犯人は、図面を海に投げ込まないですね。」
「そうだ、肇、犯人像について、お前言っていたな。」
「副官、犯人は、連続しキックを繰り出せる能力があります。」
「俺は出来るぞ。」
「副官は、体力勝負ですからね。格闘技は、お得意でしょう。」
「そこだ。」
「提督、どう言うことです。」
「体格だ。自分達を見ろ。得意不得意で、筋肉の付き方が違う。前回、空け番だった戦闘員を全員、講堂に集めるんだ。」
3人は、講堂の2階踊り場からインスタントのカップラーメンを食べながら、戦闘員達を眺めていた。
「夕飯を食べていませんからね。これで、我慢して下さい。」
「どうだ、わかるか。」
「この中から格闘技を得意とする筋肉の付き方をしているのは、5名です。しかし、この二人は、変ですね。」
「何処が。」
「戦闘員の個人ファイルを、ダックより打ち出してもらいました。この二人の経歴からは、格闘技がとても得意とは、思えません。一人は。水球です。もう一人は、ライフセイバーですね。」
「普段は、体格まで変装出来んということか。」
「そう言えば、提督。さっき、肇が言ってましたね。提督の子供のようなものと言ってました。どう言う意味です。」
「竜二、ストーリーのDACKのところからやり直すんだ。」
「は?」