カヤちゃんはコワくないの佐藤神八ちゃん(カヤちゃん)と鵺の陰陽師の鵺さんが契約し、共に裏バイト:逃亡禁止の怪異達と戦っていく話です。2人とも凄惨にリョナられます。
・・・カヤちゃん幼稚園児だよ?5歳だよ?お前正気かよ・・・。
鵺さん:本作主人公。・・・話の都合上、なんか嫌な性格になっています。ごめんなさい。私、彼女好きなキャラなんですけどね。そして鵺本編の技一切出さない。すみません表現しづらいので。当然ながらメインでリョナられるのは彼女。
カヤちゃん:彼女は扱いづらい・・・。5歳なのに立派過ぎて。カヤちゃんの物語が結構陰鬱なので、また原作改変しまくる悪癖を犯しました。また子供に対してリョナをする大罪を犯しました。
裏バイトの怪異達:ほぼ敵キャラ。原作で怪異ほぼ倒されないので叩き潰したかったから使用。でも戦闘シーンほとんど無し。箇条書きで潰していく。戦闘シーンが思いつきません。箇条書きでも文字数が多くなりましたし。
前から読んでいて人類滅亡させる存在がポンポン出てくるなぁと思って、ネットで調べたら一覧があって参考に。・・・よくこの世界滅びないね。
リョナさせる怪異は最初から決めていました。他はミンチ系で趣味に合わないので。それでも、リョナさせる怪異は結構改竄しました。
さて、救ってくれるキャラは・・・裏バイトにいた!これも拡大解釈。
最後は、鵺さんをカヤちゃんが救う形で。ヒーローが助けを求めている時に、助けるのはヒーロー。相互補完だと思いました。それが結論です。

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カヤちゃん&鵺さん(鵺の陰陽師)リョナ短編

鵺(ぬえ)とは、鷲に蛇、ライオン、虎が合わさって生まれた妖怪。

えっ?違う?あはは。ジョークだよ、ジョーク。

改めて自己紹介しよう。私こそ鵺だよ。

男を魅了する様な女性の姿をしているのは、この形態が一番過ごしやすいのと、趣味だ。

今回の話はね?私が、現在のパートナー:夜島学郎と出会わなかったIFの物語・・・かもしれない。

もしかしたら、鵺の陰陽師最終回後の話かもしれない。

長い間生きているとね、こういう感覚になるんだ。

確かな事は、私にとって最も幼き契約者、佐藤神八(さとうかや)との出会いと共に過ごした日々と別れの話だ。

・・・そして、私が最も愚かな過ちをした戒めの話だ。

 

 

私はね、ふとある幼稚園の近くを通ったんだ。高校の制服じゃ無いよ?普段の黒を基調とした私のスタイルの良さを際立たせる装飾華美な服装さ。ジャミングをかければ他人には認識されない。

・・・凄まじくおぞましい気配を感じたね。ここは形容できない存在が多すぎる、と。

最近の創作作品では、そういう存在を『怪異』と総称する。

鵺本編で形容される幻妖なのか、それとも幽霊なのか妖怪なのか宇宙人なのか旧神なのか、よく分からないからね。

まぁ、放っては置けない。現在いる怪異の数を検知。侵入して始末していく。

怪異と聞けば人は恐れるが、殴れれば殺せるんだ、殴れれば。

奴らが厄介なのは、自分達は攻撃できて、人間達には触れさせない、あるいは触れれば即死、という点だ。ずるいよね。だから私は、怪異を容赦無く殺すんだ。

・・・ある程度殺した時に、私は気が付いた。私が殺した数以上に怪異が減っている事に。

怪異が『減少している』所に急行。・・・私は目を疑ったよ。

見た目は幼稚園児の少女だ。『幼女』という形容は使わないよ?卑猥な展開でよく使われる言葉で嫌いだし、女を下に見ているからね。

その少女がね?怪異をパンチ1発で粉々にしているんだ。あるいは引き裂いて。あるいは踏みにじって。

その時の少女の顔は・・・怪異そのものだった。巨大な二つの目。それ以外は影で覆われていて。

でも、私は人間と価値観が少しずれている。その時の彼女の顔や立ち振る舞いを見て、私は興奮した。感動した。「この少女こそ、私の求めていた契約者だ」と。

 

その後、幼稚園で彼女がどう扱われているか、ジャミング継続で観察した。

酷いものだよ。

同じ幼稚園生からは大抵怖がられている。まぁこれは当然だ。

問題はだ。先生等大人達まで、彼女に対し『問題児』『言う事を聞かない』『他の幼稚園児に意地悪をしている』等のレッテルを貼っている所だ。彼女の意見を聞かないで。

唯一、新人の先生が、怪異がある程度見えるらしく、彼女を庇っている。でも、新人というのは、どの世界でも軽く扱われる。そしてこの幼稚園では、他に怪異が見える先生は、ほぼいない。当然この新人先生の言う事なんて信用しない。

そして私が最も辛かったのは、彼女が腫れ物に触る扱いや遠回しに蔑む扱いをされているにもかかわらず、それらの人間達を怪異から守っている事だ。対価も感謝すら求めない。

・・・彼女だって普通の幼稚園児の少女だよ?同じ園児と普通に遊べば笑顔を見せるし、花飾りをプレゼントされれば照れるし。普通の女の子さ。

現実でも創作作品でも、人から讃えられるべき行動をしているのに非難されている人間は数多くいる。その中で、最年少で理不尽な非難に晒されている英雄が彼女だ。

もう、彼女という形容も止める。失礼だから。

本名、佐藤神八。カヤちゃんと以降呼ぶ。

これは親しみではない。崇拝だよ。たった数日で、私は彼女に魅入られてしまった。

「ヒーローが助けを求めている時に、助ける存在は誰か?」最近よく聞くテーマだが。

私は、カヤちゃんを助ける存在になりたかったんだ。

・・・そう、彼女を英雄視した事。その時点から私の過ちは始まっていたんだ。

 

ある夜、私は彼女の家に向かった。装飾華美な普段着で。

カヤちゃんの一族を調べて、知っていた。カヤちゃんでは無い、とてつもない怪異がこの家にいる事を。

玄関を開いて出てきたのは、カヤちゃんのパパとカヤちゃんだった。

私はパパを速攻で眠らせた。あなたは無害な人。故に、何も出来ない。

即、カヤちゃんが私を攻撃してきた。呪力の布を召喚し、拘束。

残念だけどね、私と君とではまだ差があるんだよ。

カヤちゃんを空中に浮遊させて操作しながら、2階に向かう。

2階奥の部屋。邪悪な気配が漂う部屋。蹴り飛ばして開けた。

・・・そこにいたのは妊娠中のカヤちゃんのママ。佐藤ミライ。旧姓、戎杜ミライ。

彼女は怪異、彼女の家系では呪物という、を妊娠していた。自らも呪いに汚染されて。

ミライは即怪異となり襲いかかった。私は動きを封じた。

戎杜家は、代々呪物を、産まれてくる子と融合させていたんだ。強い巫女とする為に。

陰陽師、呪術師の家系ではよくある話さ。カヤちゃんは歴代で最強の、巫女と呪物の融合体だった。

カヤちゃんのママ、ミライから呪いを祓うのは難しいが、出来ないわけじゃない。

だがね?私は、その時卑劣な事を思いついたんだ。

「ねぇ。カヤちゃん?君の力で、ママを助けたいよね?」

「・・・うん。でも、無理。カヤの力ではママは・・・。」

「私が君を強くしてあげようか?」

「・・・え?」

「私と共に旅をするんだ。半年もかからない。その間に君を更に強くしてみせる。

その間、ママはこの部屋ごと時間を止める。パパには君とママの事を旅から帰るまで忘れさせる。

半年後、君の力でママを救うんだ。」

・・・私は、カヤちゃんを見た。母親を心配して涙する少女がそこにいた。

「・・・ママを、助けたい・・・。」

私はカヤちゃんを抱きしめて、

「大丈夫だ。私が君を導いてあげるから。」

そんな事を言った。嘘八百だ。私はカヤちゃんを己のエゴで、史上最強の陰陽師に育てるつもりだった。私はどんどん暴走していった。

 

次に、幼稚園の説得。エリートそうに見えるスーツを着て、幼稚園に向かった。

私は、国の教育関係組織の者。カヤちゃんは天才だ。特別教育を施したい。偽装しまくって。

簡単に幼稚園はカヤちゃんを手放した。愚かしい幼稚園だ。いつか調教して、大人共全員をカヤちゃん崇拝者にさせてやる。

ただ1人、例の新人先生が抵抗した。

「カヤちゃんは5歳なんですよ?同じ年代の子と過ごさせるべきです。」

私は顔を近づけて、凍り付いた目で恫喝した。

「・・・カヤちゃんが、同じ園児、それどころか他の先生からも恐れ・不審の目で見られているのを助けられないあなたに、カヤちゃんを守れると?

いつかあの子は、その目に耐えられなくなります。その時、あなたは彼女を立ち直らせる自信があるのですか?

見えないと思いますが、私はあなたより年長で人生経験も豊富です。私の方がカヤちゃんを幸せに出来ます。絶対に。」

・・・新人先生は泣き崩れてしまった。私は、その事に対して何の良心の呵責も抱かなかった。過去の私を殺したいね。

 

後は、事後処理だ。この幼稚園・・・というか、この街は怪異が出やすいスポットだ。封印等を何重も仕掛け、1年以上は怪異が出ない様にした。

怪異にある程度抵抗能力がある眼鏡の男が、困惑した目で私を見ていた。私は、彼についてハッキングして調べて近づいて、

「私は、あなたと同じカヤちゃん崇拝者ですよ。彼女を成長させる旅に出ます。半年ほど。あなたは、その間に不審者に見られる見た目、立ち振る舞いを何とかしなさい。

・・・娘さんも、あなたが第二の人生を歩まれる事を望んでいますよ。」

・・・上から目線で偉そうに。私の方が遙かに不審者兼異常者の癖にね。

事後処理継続。今度は、怪異討伐能力がかなり高いイケメン男が、敵意を持って私を見ていた。

無視した。彼もなかなかの逸材だけど、カヤちゃんと比較すればダイヤと石ころだ。それに私を祓えない様じゃ、まだまだ未熟だね。精進したまえ。

・・・偉そうに。

 

 

私とカヤちゃんは旅をした。彼女の力を伸ばす旅に。

陰陽師の知識のイロハより、実戦経験だと思った。怪異はどんどん複雑怪奇なものになっていく。古くさい陰陽師のルールなんて簡単に無視する存在が次から次へと生まれてくる。だから必要なのは、実戦だ。慣れだ。そう思った。

もちろん、何のデータも無い存在と戦うつもりは無い。神のごとき存在と遭遇する可能性は結構ある。億が一の可能性でもカヤちゃんを守れなかったら何の意味も無い。だからある程度情報がある方がいい。教科書、悪く言えばゲーム攻略本に載っている様な存在が良いな。

事前に、私はインターネットで、ある程度目星をつけていた。

ネット。誕生して約30年で、怪異出現の代表例の1つにまで昇格した恐ろしい存在だ。もちろんカヤちゃんには、まだ見させないし触らせない。

その中で、通称『裏バイト』と呼ばれるサイトがあった。

詐欺、強盗等の手助けを募集するサイトでは無い。・・・そっちの方がある意味怪異よりおぞましいが。

そこは、何らかの怪異が必ず絡んでいるバイトを紹介している。

その中で体験者・・・生き残った者達と言うべきか、の『(裏)帳簿』という記録がある。

勤務地、勤務時間、時給何円、備考1~2行しか書かれていない。

それだけで十分だった。私は、そこから怪異の情報が読み取れる。体験者のありありとした経験が読める。帳簿記載者で、何十回も記載している数名の女性達がいた。他の人間は、あまり記載していない。死んだか、人間では無い存在になったのだろう。

何で彼女達が、何度もそんなバイトを体験しているのか理解できない。まっとうに働けば良いのに。まぁ事情があるんだろう。その心理はどうでもいい。

必要なのは、怪異の具体的な形態、能力、危険度だ。まず低レベルな怪異から慣れさせて、段々と強い存在撲滅に移行していく。そうして半年でカヤちゃんの怪異退治の能力を激増させる。そういう算段だった。

まず、カヤちゃんに武器が必要だ。私は聞いた。

「カヤちゃん。恐ろしい存在と戦う時に、武器とか必要だと思わないかな?」

「・・・思わない。危ない物は持たないでって、パパに言われているから。」

「では、危なくない武器を贈ろう。」

私はカヤちゃんにデカいボクシンググローブを付けた。

「これは、君の意思でいつでも出現できるし、消せる。殴る事はもちろん、君の意思で斬ることも出来る。これなら怪我もしないし危なくないだろう?

・・・さて、この武器に君はなんて名前を付けるかな?」

鵺の陰陽師本編だと、常闇銀(とこやみのしろがね)とか垓反婁宿(スタースレイブ)とか、中二病全開の命名を付けるのだが。というかほぼ私の案なのだが。

ここでカヤちゃんが命名したのは、

「絶対ママを助けるんだグローブ。」

「うん!最高だね!」

心から賛辞した。私はカヤちゃんの崇拝者だから。以降『ママグローブ』と呼ぶ。

 

 

これからは、裏バイトの怪異をぶちのめしていく記録を端的に書いていく。

 

いちょうさん:ある中学校に潜む怪異。髪の毛を捧げ、何かしらの約束をした者は1週間それを守り通さねばならず、約束を破った者を殺す。目的等一切不明。

「約束を破っても殺しちゃ駄目。」

「そうだね。罰が重すぎる。懲らしめよう。」

私の髪の毛で、いちょうさんを誘い出し、カヤちゃんが殴って消滅させた。

 

がまずみ:あるラジオ番組に延々リスナーメールを送ってくる怪異。送ってくるメールの文章意味不明。対応しないと、体中から出血させる等遠距離から殺害。

「・・・離れている人、カヤ殴れないよ。」

「では、私が引きずり出そう。カヤちゃんはその間ラジオで好きな歌でも歌っているといい。」

私は、がまずみと応対している間に存在場所を特定。空間歪曲で引っ張ってきた。女の悪霊だった。カヤちゃんがパンチで滅殺。残念な事にカヤちゃんは歌ってくれなかった。ラジオで突然撲殺音が聞こえ、リスナーは『何だ?』と思っただろう。こんな放送局が嫌々続けているラジオ番組を聞いているリスナーがいたらの話だが。その後、ようやく番組は放送中止できた。

 

ムッキー:ある街を襲撃している毛むくじゃらの人形の様な怪異。遊び『ケイドロ』を仕掛け、見つけた人間を肉塊になるまで潰し、しかも死なせず幽閉する。恐ろしい事に増殖している。

「日本中のあちこちの街にいるのが分かる。」

「感覚も成長してきた様だね。ではママグローブに『全員ぶっ飛ばす』と念を込めて1体だけ殴ってみてくれ。ゲームのぷよぷよみたいに、連鎖的に消滅していくから。」

カヤちゃんはムッキー1体を破壊した。私は、連鎖的に日本中からムッキーが全て消滅したことを知覚した。これはカヤちゃんも日本中のムッキーを知覚していたから出来る芸当。素晴らしい。

・・・ちなみに、潰された人間は、全員私が復活させたよ。それは、人間では無い私しか出来ないからね。

 

13番ホーム:ある駅のホームの怪異。ホームに近づく人間から徐々に記憶を奪い、何処かに連れて行く。脱出方法、人間には理解不可能。変な脱出方法では平行世界へ行く。

「カヤはカヤだよ。思い出なんて奪わせない。」

「本当に君は強い子だ。人間の意志の強さを見せつけてやろう。」

侵入し、怪異の根本である乗客全員を殴って消滅させた。崩壊していく電車とホーム。私達は脱出した。私は人間では無いからね。ただし、カヤちゃんにも脱出方法をマスターさせた。今後、同様の惑わす怪異に対応する為に。

 

鞄:その名の通り鞄の怪異。持った人間を誘導する。この鞄の危険な所は、持っている人間を見た人間が『鞄の中身を見たい』と襲撃してくる点。中身を見たらことごとく発狂。これで、世界の何カ国かを滅ぼしたらしい。

私は鞄を空間歪曲で引っ張り出して、カヤちゃんが消滅させた。カヤちゃんは中身が見たいと特に思わなかったらしい。本当に精神的に強い子だ。

 

マダライツヅ:全身血塗れの子供の姿をした怪異。たった数人の人間が生贄に捧げられた為、人類滅亡を決定したらしい。それは、数百年後位なのだが。

「カヤの孫の孫の・・・?とにかく、カヤの未来の人達を殺させない。」

「そうだね。・・・しかし、こんな危険な怪異がポツンと、ある村に存在しているのだから恐ろしい。今回旅をしていなかったら危なかったね。」

パンチ撲殺。しかし、遂に神レベルの怪異も出てきたか・・・。カヤちゃんだけは全力で守るよ、私は。

 

アンドロイド『ルーシー』:かつて誘引者と呼ばれた、ある工場の怪異。生命に興味を持ち、快楽の様に解剖して殺害する。これらは、人間と寄り添うアンドロイドになり発売予定だったが・・・。

「ごめんね。あなた達とは友達になれない。」

「ロボもどき君達に教えよう。お前らがやっていたのは友達探しじゃない。玩具探しだ。地獄で友達を探すといい。」

発売前にルーシーを全て消滅させた。

 

軍手落とし:『軍手を道に落とし続ける』という異常すぎるバイトの原因の怪異。軍手落としをしないと、天から巨大な腕が全人類分下ろされて、手に潰されて人類滅亡。軍手を動かした者、その目的を探った者も手で潰して殺す。明らかに神レベルだ。

そこからは大冒険だよ。わざと腕を下ろさせて、避ける。そして腕を伝って、奴らの元、天の彼方まで移動。奴らの世界へ行き、全滅させた。移動等はもちろん私がカヤちゃんを背負って。・・・まぁ大冒険といっても一週間位だけどね。皆殺しにしたの。

 

おだんごになりたい:カラオケ店の怪異。出現時間になると、おだんご云々の歌を歌い、カラオケ店の廊下等を徘徊、客等を惨殺する。凶悪な点は、殺害された人間は、世界の全存在の記憶・記録から消去される事。

「カヤは忘れられたくない。・・・そういうのは許せない。」

「そうだね。目には目をというが・・・。これは逆だ。お前らの存在は永遠に記録を詳細に残す。次に同じ存在を発生させない為にね。・・・お前らは消滅するけどね。」

撲殺。終了。

 

太空神社の神:どんな呪いも祓う怪異。参道途中に出現するが、顔を見る事は許されない。見た者には厳罰なペナルティを科し、それを続けた果ては、あらゆる苦痛を伴って、永遠に参道を歩かされる。

「さて、カヤちゃん。呪いを祓う存在って居ても良いと思わないかい?」

「・・・うん・・・。でも、酷い事もしているんでしょ?」

「そこで、人類の叡智、『交渉』を使うんだ。人々の役に立つ様に呪いを祓わせる。そして、苦しめている人間達の解放と、今後の苦痛の軽減を約束させる。その代わり人類に害の少ない対価を提示して。手本を見せよう。」

私は、太空神社の神と交渉。この存在は、今も全世界の呪いを祓って駆け回っているだろう。その代わり、全人類に万引き等、逮捕されても懲役に服さない犯罪者にも『不幸』を与える事を許させた。悪意のある重犯罪者は当然重い不幸を。この存在は苦しみを喰っている様だからね。カヤちゃんにも交渉術を丁寧に教えた。

ちなみに、これを読んでいる人も、万引き等軽犯罪でも、するべきではない。この存在が苦しめにやってくるから。

 

炁神(かみ):ある新興宗教団体の神・・・という体の怪異。この存在自体に害は無い。炁神を信仰している人間が段々と炁神と同じ存在になっていくのだ。害があるのは宗教団体関係者全員だ。

私はあえて、この存在・・・というかこの宗教団体をカヤちゃんに見させた。『人間も愚かしい』という教訓を得させる為に。

・・・愚かなのは私だったよ。カヤちゃんはなんとも言えない顔になって、2時間で我々はここから離れた。幼児虐待そのものだ。愚かしい。

腹立ち紛れに、その後私は炁神を全滅させ、信者達を強制洗脳し、この団体自体を消滅させた。

 

マザー・フィッシュ:ある水族館に潜む超巨大な魚の怪物。大きさ、水族館以上。この怪異の音を聞いた者達は、水槽に引きずり込まれ、魚達の餌になる。

当然、殴って消滅。

「さて、カヤちゃんは泳ぐのが得意かな?」

「・・・苦手。」

「じゃあ温水プールに行こう。私が泳ぐのを手取り足取り教えてあげるから。」

 

倒した怪異を数えるときりが無いから、ここまでにしよう。

とりあえず、裏バイトを知っている人は、人類滅亡レベルの怪異はあらかた倒したから安心するといい。地獄の様な場所に行ってしまった人々は、極悪人を除き、全員天国へ逝かせた。人間で無くなった人も同様に。死者はもちろん、長年の失踪者は、天国へ逝かせる事しか出来ないのは残念だけど。

私達の旅は、ホテルに泊まったり、民泊したり、様々だ。カヤちゃんが外食に慣れてしまっても困るから、ほぼ毎日私の手料理だ。当然勉強の様な課題も教える。私が好きなゲームもする。色々な事を共に体験した。彼女が育っていく様に。

 

・・・気になる事はね?カヤちゃんは『欲しがらない子』なんだ。

当然テレビ等も一緒に見て、面白そうなおもちゃが出たりするんだが、カヤちゃんが興味を示す事は無かった。私は発達障害を疑ったよ。遊びと見せかけて検査した。発達障害のいずれでも無くて安心した。

では原因は何か?ママだろうね。ミライを呪いから完全に解放しない限り、カヤちゃんが本当の子供になる事は無い。永遠に心を閉ざし続ける。

私はそれが分かっていた。分かっていながら、この旅で私だけ浮かれていた。

私の力は、契約者の潜在能力に比例する。

今の、鵺の陰陽師2026年1月現在での、学郎の潜在能力では、失礼ながらカヤちゃんより遙かに劣る。将来的には分からないけどね?ただ、現在の学郎と旅をしても、上記怪異、特に神レベルの怪異には到底敵わなかっただろう。カヤちゃんが契約者だったから出来た芸当さ。カヤちゃんは日に日に成長していった。私のカヤちゃんへの依存はますます強まる。共に毎日レベルアップしていくんだよ。この成長に酔いしれない者はいない。

・・・本当に愚かだ。

 

・・・そう、私は愚かだった。怪異達が協力して、私達を襲撃してくるなんて予想が出来ないほどに。

 

 

『デザイナー』という怪異がいる。この存在は、『自分にとって都合の悪い出来事が起きた場合、関係者を殺害し、入れ替え、歴史ごとリセットし続ける』事が主な目的。神レベルを遙かに上回る存在だ。

私は、この存在の逆鱗に触れてしまった。

この存在は、私達を惨殺して歴史をリセット・・・しようとしたが、止めた。もっと苦しめないと、苛立ちが収まらないから。

そして他の怪異にコンタクトというか命令を出した。

それはある研究室の元人間達。彼らは、研究室に入り込んできた人間を解剖し、改造する。

ここには、怪異と化した研究員の他に『成功体』と呼ばれる4種の怪異が存在する。

笑顔のまま立っていて挨拶だけする唯一複数体いる『精神成功体』。

怪力を有する『肉体成功体』。

念力を有する『超常成功体』。

何もしない、動かない『完全成功体』。

上記成功体はヒエラルキーがあり、精神<肉体<超常<完全、の順。これらは絶対である。

デザイナーは彼らに命令した。「この2つの存在を、自分が連れてくるから、拷問しろ。激痛を伴う解剖の限りを尽くせ。」と。

研究室の怪異達は興奮しただろうね。これまでの人間と異なる存在を思う存分いじり回せるんだから。

ただ1人、完全成功体の考えは違った。・・・この存在が考えをしているなんて研究員も他の成功体も想像もしていなかった。・・・まさかデザイナー以上の上位存在として成功していたなんて、同じ上位存在の怪異さえ知らなかった。

完全成功体は運命を操作した。

 

カヤちゃんの、あの新人先生、蓮見千枝は心に傷を負ったまま幼稚園に勤務していた。

・・・私のせいで。

カヤちゃんの行方はようとして知れない。父親ですら、自分の娘と妻の事になると話をはぐらかす。自分は本当に無力だ。あの女性が言ったとおりだ。

・・・彼女には何の落ち度も無いのに、私のせいで。

ある日、蓮見先生は、遊具箱の中に見知らぬ人形があったのを見つけた。小さいペコちゃん人形の様な。何だろうこれ・・・。まさか、またオバケの様な存在じゃ・・・。

「やぁ!初めまして!蓮見先生!会いたかったんだよ!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

人形がしゃべり出したら、そりゃ驚くよね。

ちなみに周囲に園児も先生もいるが、蓮見先生とこの人形は『突然周囲の認識から除外された』。

「私は『バディ・ユメちゃん』っていうんだよ!・・・それより先生、カヤちゃんがピンチなんだよ。」

「・・・え?」

「え?じゃないよ。助けに行くんだよ!」

「・・・でも・・・。私・・・。何も出来ないから・・・。」

「先生がいないといけないんだよ。大丈夫だから。99%は私が何とかするんだよ!」

次の瞬間には、蓮見先生とバディ・ユメちゃんは幼稚園から消えた。

ちなみにこの出来事は、時系列でいうと、この後行われる私の解剖中の、後の話になる。

 

 

「う・・・ん・・・?」

私は目を覚ました。手術台で、手足を手錠で拘束されて。

隣にカヤちゃんがいた。同じく手足を手錠で拘束されて。

「ヌエさん・・・。目が覚めた?大丈夫?」

カヤちゃんは、私より先に目を覚ましていた。

「ここは一体・・・?」

わからない。まず拘束を引きちぎろう。・・・出来ない?他の力は・・・。何も使えない・・・。こんな・・・。私にこんな事が起こるなんて・・・。

「カヤちゃん・・・。力を使える?」

「・・・何も出来ない。」

カヤちゃんも同様だった。

 

「うちゅう。せかい、かみ、こうぞう。」

・・・おぞましい声が聞こえた。

近づいてきたのは人間の様で人間では無くなった存在達だった。皆、研究員の様な白衣を着ている。

「のうみそにんげん、しっぱいした。つよくなかった。・・・きみたち、つよいよね?

かいぼうさせてね?かいぼうさせてね?かいぼうさせてね?

もーっと、とーっても、つよいにんげんをつくるんだ。」

「・・・解剖するなら私だけにしろ。彼女に手を出す事は許さない。」

私は出せる限りの殺意を出した。

「・・・きみ、なまいきだね。」

その声と同時に大きな黒い目をした巨体が現れた。

「うちゅう。せかい、かみ、こうぞう。」

さっきの声は、こいつか・・・。殺気を放っても全く怯む様子が無い。

「こいつ、にくたいせいこうたい。ちからがつよいよ。・・・ぼこぼこにしてやって。」

次の瞬間には、私は腹や胸を殴られていた。何十回も。

ボズッ!ドボッ!ドゴッ!ボズッ!・・・

「ぐっ!がふっ!がはっ!あうっ!」

「ヌエさん・・・。」

「見ちゃ駄目だカヤちゃん!ごはっ!目に毒だから!うぐっ!はは・・・私は大丈夫だよ、この程度。ぐ!」

何十回訂正する。何千回だった。更に、脚も、腕も殴られ続けている。私の黒を基調とした服が私の肉体と共に陥没していっているよ・・・。私の人間体の構造は人間と同じだよ。筋肉も骨も臓器も同じ。耐久力はまるで違うけどね。そう、私はこの程度ではダメージを受けない筈なんだ・・・。

それが潰れていっている。黒のストッキングを履いた脚は、筋肉が千切れ、骨がグシャグシャに折れて陥没している。腹部がクレーターだらけだよ。内臓のほとんどが損傷した。私はゴボゴボ血を吐いている。血は顔にかかって、口から溢れて手術台を濡らして。胸の衣服の白い部分が血で真っ赤だよ。白い袖の腕もグシャグシャに折れている。乳房が両方とも潰れた。あぁ両肩も砕かれた。凄まじい激痛だ。

何故私がこんな事に・・・。

考えたら思い当たりがありすぎた。カヤちゃんを身勝手に連れ回して怪異退治をしていたからだ。彼女の母親も放置して。父親の精神記憶をいじって。幼稚園の先生も泣かして。

・・・ははは。これが天罰という奴か。いや、罰の始まりだろうな。この程度で私の罪が許される筈が無い・・・。

ドジュ!ズボッ!グチャ!バキッ!・・・

「がは!・・・か・・・。ごぶふぅ!が・・・あう・・・。」

「ヌエさん・・・。」

「大丈夫だよ、カヤちゃん・・・。ぐぶ・・・。私はこの程度平気さ・・・。絶対に君を助けてみせるから・・・。がふっ!」

私は、カヤちゃんに顔を向けて微笑んで言った。血にまみれた顔で。殴られ続けながら。苦悶の声と血反吐を吐きながら。・・・本当は苦悶の声なんか出さない様にすべきなんだ。彼女の耳に毒だよ。でも、我慢できなかった。私はこんな痛み味わった事が無かったから。自分が強いと自惚れていたから。こんな醜態晒して何様だったんだろうね。はは・・・。

「もういい。なぐるのあきた。でも、こいつわらっている。むかつく。つぎ、ちょうじょうせいこうたい。」

肉体成功体と呼ばれた存在が、慌てて部屋の奥に逃げ込んで、しゃがんだ。そうか、こいつより強い存在が来るのか。

超常成功体と呼ばれた存在が現れた。顔中に縫い付けた跡がある頭のデカい怪異だ。

「ちょうじょうせいこうたい。そこにぱいぷがあるだろう?むりやり、こいつのからだにぱいぷをおしこめ。」

穴の空いた長さ50cmの鉄パイプが何本も空中に浮かんだ。先端は尖っていない。これを刺すのか・・・。ぶち込むと言うべきか。さぞかし痛いんだろうな・・・。

「そのまえに、こいつのからだだけ、もとにもどせ。へこんだままではつまらない。」

私の肉体が瞬時に回復した。痛みやダメージはそのままだ。

両太ももに1本ずつ鉄パイプが押し込まれていく。

グリグリグリグググググ・・・・

痛い・・・。ははは。私は人間じゃ無いんだよ?鍛えてなんかいない。インドア派だし。でも太ももの70%の肉は筋肉で構成してある。そう簡単にぶち破れやしない・・・。

ブジュゥ!ズブブブブ・・・

遂にパイプが私の脚に突入した。皮膚が裂け、肉が千切れ、骨すら簡単に砕かれた。手術台に面している私の太ももの裏、皮膚一枚の部分で静止。

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

あはは・・・。私の脚に突き刺さった鉄パイプの穴から噴水の様に血が出ているよ・・・。通常こうなった人間は、もう一生歩けない・・・。そんな事はどうでも良いんだ。カヤちゃんを助ける方法を考えろ鵺。こうなったのもお前の責任だ鵺。魂消滅と引き換えでも必ず救出方法を実行しろ鵺。

・・・鉄パイプが凄まじい速さで、私の臍の上部分に突き刺さった。そのまま肉を潰し、内臓を千切り、背骨まで砕いた。

ブジュル!ジュブブブグチャァ!

「がはっ!ごぼぉ!ぐぅぅぅぅぅ!!!ぐふっ!」

また血の噴水。・・・あぁ私に失血死は無いからね。血は無限に生成できる。・・・カヤちゃんが見ている。凍り付いた目で。彼女に悪影響だから増血やめようか。そうすると、私は死に、カヤちゃんが標的になる。駄目だ。死ねない。

鉄パイプが下腹部子宮部分、鳩尾部分に突き刺さった。

私が処女か?それは秘密というか、分からないんだよ・・・。私は何度も過ちを繰り返してきたから、犯されたりしたと思うんだ。契約者を守る為に。

私の失敗で契約者が死ぬ位なら、相手の靴だって喜んで舐めるし、レイプだってされるよ。いつでもね。

「ぐお・・・。がは・・・。あうぅ・・・。」

しかし、痛い。痛すぎる。こんなに私が打たれ弱いなんて・・・。

両乳房に鉄パイプが突っ込まれた。大きな乳房は鉄パイプを飲み込んでいき、肋骨が砕け、肺や心臓が潰れ、肩甲骨も砕いた。

グジュグジュグジュバキバキブジュゴキブジャ!

「あ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!あ゙ぐお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!!」

私は獣の様な声を出して身をよじらせて苦しんでいる。目を見開いて。涙を流して。悔しくてたまらないから。・・・その状態が数時間続いた。

「あはははは。にんげんもどき。くるしそうだな。ざまぁみろ。もっとそのようすをみせ」

私は研究員達の方に向けて、胸の鉄パイプから出る鮮血をぶっかけてやった。

「はは・・・。どうした沈黙して。悔しいのかな?人間やめた癖に。そんな感情が残っているとはね。・・・まぁ今までの態度から低俗な存在に成り下がった事はうかがえるよ。いや、人間だった頃から低俗だったのかな?おそらく自分達を改造したんだろ?進化どころか退化したんだよ、お前らは。ははははは・・・。あがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ!!!」

私の全身に突き刺さった鉄パイプを回転させながらゆっくり引き抜かれた。

更に、私の鉄パイプによって出来た傷口を『強引に』閉じさせた。皮膚を、肉を引っ張って。

「が・・・。は・・・。は・・・。は・・・。」

「もういい。『ごうもんしろ』というのるまはたっせいしたはず。このあとは、かいぼうだ。ないぞうをたくさんみせろ、にんげんもどき。」

 

私は衣服をビリビリに破られて、全裸にされた。

あぁ、殴られた箇所が青痣や赤黒い痣になっているんだね。本当に見た目だけ治したのか。突き刺された傷口は雑に縫われた手術痕の様だ。ははは・・・。本当に実験動物そのものだ。

研究員達は、私の胴体をメスで胸から下腹部まで一気に切り開いていった。ん?先ほどと比べれば、なんて事のない痛みだよ?まぁ内臓引きずり出される覚悟はしているよ。それを耐えれば・・・。

・・・メスで切り開いた傷口を、数人で掴んで強引に開いた。

ブジブジブジグジュグジュグジュジョボジュボジュボ・・・

「がはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!ぐぶふぅぅぅぅ!!!ぐは!ごぼ!」

私の胴体から、口から大量に血を出した。・・・もうこの部屋の床は、私の血が足首くらい溜まっているんじゃないかな?

・・・もちろん、カヤちゃんには血液の一滴もかけない。・・・解剖されたカエルみたいな姿で誇っていても無様なだけだが。

ギリギリギリ・・・ズボッ!ビリビリビリ・・・グジョッ!ブチブチブチ・・・ボジュッ!ブリブリブリ・・・ブチッ!ベキョベキョベキョ・・・ズジャッ!・・・

「かはっ!ごぶっ!あ・・・。く・・・。ごふぅぅ!あはうぅぅ!」

研究員達は、私の内臓をメスで切り取っては放り投げ、たまに面倒くさいのか、素手で千切っている。子宮を、小腸を、大腸を、腎臓を、肝臓を、胃を、肺を、心臓を、その他内臓全て。その間もおびただしい血を、私の肉体は放出している。

目が覚めてから、もう半日くらい経過したかな?私の胴体の中身は、すっからかんだ。骨も乱雑に折られて摘出された。背骨もね。

「さすが、にんげんもどき。これでもしなない。おもしろい。」

「喜んで貰えて何よりだよ・・・。ところでさ、先ほどノルマって言ったよな。私とカヤちゃんの力を封じる能力は、お前らには無い筈。そいつの事、教えてくれないかな?」

そいつの存在を特定すれば、力を封じている仕組みを解析し、力を取り戻し、脱出できる。そういう算段だった。

「だめ。はなすことはゆるされていない。・・・おまえ、にげようとしているな?ゆるさないよ。・・・おまえ、ちいさいにんげんもどきがだいじなようだな。」

「カヤちゃんを『もどき』と言うな。殺すぞ。」

「では、ちいさいにんげんもどきをかいぼうする。せいしんせいこうたい、はいってこい。」

「「「「「「「「「「はい、こんにちは。」」」」」」」」」」」

常に笑顔をたたえた一見普通の人間が入ってきた。10名。

「せいしんせいこうたい。ちいさいにんげんもどきのふくをやぶけ。」

「「「「「「「「「「はい、こんにちは。」」」」」」」」」」」

精神成功体と呼ばれた者達は、笑顔のまま一気にカヤちゃんの周りに群がり、カヤちゃんの衣服に手をかけた。

「止めろ・・・。私には何をしてもいい・・・。なぁ、私の解剖途中だろ?私を優先しろ・・・。」

カヤちゃんが服をビリビリに破られて全裸にされた。

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

研究員達が、私を無視してカヤちゃんの方に集まった。そして、メスで彼女の胸から下腹部まで一気に切っていった。

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「・・・大丈夫だよ・・・。うぐ!ヌエさん・・・。こぷ・・・。カヤは丈夫だから・・・。」

続けて私のように、カヤちゃんの傷口に手をかけて強引に開きにした。

ボジブジュブジュグジョブジョブジョ・・・

「かは!かふ!・・・・あくっ・・・。大・・・丈夫・・・だから・・・。ヌエ・・・さん・・・。ごふっ!」

「大丈夫な訳が無い・・・。痛いと言ってくれ。苦しいと言ってくれ!君をこんな目に遭わせた私を恨んで、罵って、呪ってくれ!!・・・お願いだから・・・。」

私はそう言いながら手錠をガチャガチャ鳴らした。どうやっても、手首足首を砕いても外れない。・・・なんて無力なんだ・・・。私は一体何の為に存在しているんだ・・・。

ボジュ!ボン!ブジュ!ズボッ!・・・。

「かは・・・。あう・・・。ふう・・・。あ・・・。う・・・。」

研究員達は、カヤちゃんの内臓を手づかみで引きちぎっては放り投げていった。カヤちゃんの身体から出血が止まらない。口から血を吐き続けている。

「大丈夫だよ・・・。こふ・・・。ヌエさん・・・。私は何も怖くない。かはっ!そう、カヤは何もコワくないから・・・。」

助けてくれ・・・。誰か助けてくれ・・・。私は神にも仏にも本心から祈った事は無い。

でも、カヤちゃんを助けてくれるなら誰でもいい・・・。どんな存在でもいい・・・。私は何でもする・・・・。身体だって、命だって、力だって、魂だって、喜んで差し出すよ・・・。永遠に嬲り者にしていいよ・・・。だから彼女だけは、カヤちゃんだけは助けてくれ・・・。誰か・・・。

 

「ヒーロー参上なんだよ!」

え・・・?

私は、声の方を向いた。部屋の入口辺り。

ペコちゃん人形みたいな存在がいた。その隣には、蓮見先生が。

「えーと。バディ・ユメちゃん?私いつの間にかアイマスクとイヤホン付けられているんだけど、何で?」

「今の状況は、清い心の持ち主には見せられないし、聞かせられないんだよ!」

「なんだ?おまえら。・・・にくたいせいこうたい。ころせ。」

肉体成功体が立ち上がった。先生達の方に歩いて行く。

「先生・・・。ぐぶ!駄目だ・・・。ごふぅ!逃げて・・・。」

「ふっふっふ!盡器No.3 柱刀骸街(ゼノブレード)!」

人形が巨大な刀を出した。あれは私の盡器(じんぎ)じゃないか・・・。確かに幻妖でも使う存在はいるが・・・。同じ盡器を持つのは契約者以外あり得ない。しかも人形はいつの間にか、先生と同じ位の大きさになっている。・・・何なんだ、こいつは。

そう考えていたら、肉体成功体はいつの間にか細切れに斬られて消滅した。

「・・・またつまらぬモノを斬ってしまったんだよ・・・。」

「???りかいふのう。りかいふのう!りかいふのう!!ちょうじょうせいこうたい!せいしんせいこうたい!なにをしてもいい!ころせ!」

「「「「「「「「「「はい、こんに

精神成功体が全員斬られて消滅した。

「ちなみに、ここにいるそいつらは全滅させたんだよ!」

超常成功体が、近づかずに何か強大な力を放出しようとしたが・・・、いつの間にか斬られており、消滅した。一連の斬撃は、私の目ですら捉えられなかった。

「くるな。くるな!くるな!!なんなんだ、おまえは!」

「私は、バディ・ユメちゃん。おおいなるものを吸収し、その他よく分からないけど強そうなモノを次々に吸収していった神というか何というか・・・。よく分からない存在だけど、不安の種とか見える子ちゃんとか、創作世界の怪異を全て粉砕したり更生したりして回っているんだよ!・・・ちなみに責任は裏バイトの作者が持つ。」

「やめ

研究員達が全て切断され、消滅した。

私とカヤちゃんの拘束も、いつの間にか、斬られていた。

・・・力が戻ってきたことが分かった。私は即座にカヤちゃんに駆け寄る。血飛沫を上げながら。

「ヌエさ・・・。」

「喋らないでカヤちゃん。すぐに元通りにするから。」

私は瞬時にカヤちゃんの怪我を治し、ダメージを消し、服を元通りにした。次は記憶を・・・。

「消さないで、ヌエさん。私は何も怖くないと言った。以前にも記憶を消されるのは嫌と言った。」

「でも・・・。こんな酷い出来事・・・。子供である君が耐えられる訳が無いじゃないか!」

「私を信じてよ。契約者でしょ?それより、自分の傷とか治してよ。」

私は、自分の傷を治した。服も。部屋の充満した血も内臓等も消した。

「先生。アイマスクとイヤホンを取って良いんだよ!これからは先生の仕事なんだよ!」

蓮見先生はカヤちゃんを見て、駆け寄ろうとして、私の前で止まった。

「・・・先生、私の事恨んでいますよね・・・。私、あなたに散々偉そうな事言って、この状況にさせました・・・。カヤちゃん、抱きしめてあげて下さい・・・。私には、もう彼女に触れる資格すら無い・・・。」

先生は複雑な表情で、私を見た後、カヤちゃんに駆け寄って抱きしめて、泣いた。

「会いたかった!会いたかったよ!カヤちゃん!うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・!」

「先生・・・。」

カヤちゃんも蓮見先生を抱きしめた。しばらくそうしていた。

私はフラフラと歩いて、バディ・ユメちゃんの側に来た。

「先生は、血の臭い等も感じていなかった・・・。君の仕業だろ。君は何なんだい・・・。」

「さっき説明したんだよ!・・・ちなみに、この対価を支払うのは、あなた。これから1年間、毎日私が指定する所に、とんぶり一瓶1ダース分配送するんだよ!私が食べるから。」

「はは。私は金持ちだからね。お安い御用さ。・・・とんぶりでいいのかい?キャビアは?」

「あれはしょっぱ過ぎるんだよ!でもなー。高いし、せっかくだからキャビアも配送するんだよ!1年間一瓶1ダース分。」

「お安い御用さ。」

・・・私は、まだ黒幕を倒していない事を思い出した。

「・・・まだ、カヤちゃんを狙っている存在がいる。・・・悔しいけど私達の力を封じ、ここに転送する程の相手だ。私では敵わない・・・。」

「心配ないんだよ!私が何とかするんだよ!後で、DVDとかで顛末を送るから、安心すると良いんだよ!」

 

デザイナーは、研究所の顛末を見て激怒した。やはり、些末な奴らに委任したのが間違いだった。自分は拷問とか思いつかないという下らない理由で。

速やかに、自分で奴らを皆殺しにしよう。そして歴史をリセットし・・・。

「そうはさせないんだよ!」

バディ・ユメちゃんがいた。隣に、椅子に腰掛けたYシャツにネクタイをして前を向いている存在がいた。目の形等から怪異である事が分かる。完全成功体だった。

「何故邪魔をする?お前達も超越者だろう?自分は、宇宙規模の世界を管理している。怪異は人類等自惚れた下等な知的生物の過剰進化を抑える為の存在。悪戯に消し去る事は許さない。理解できる筈だ。」

「・・・つまんね。」

完全成功体だった。

「俺から見たら人類も超越者も宇宙も同じだよ。同じ塵みたいな存在。・・・だがね、怪異ってさ。最近調子に乗り過ぎてんだよね。そこに異なる展開が現れた。暇つぶしに見ていたら、お前に邪魔された。つまんね。俺と同じく、さらなる上位存在に作られた塵の癖にさ。」

「・・・止めろ。それはタブーだぞ・・・。」

「タブーとか気にしている時点でお前はつまらない。下らない。よって消去するから。・・・お前なんかいなくても世界や宇宙は正常に動いていくんだよ?まぁ、それは俺もそうなんだが。」

私にも理解できない方法でデザイナーは消去された。

・・・これが、送られてきたDVDの顛末である。

 

 

その後の話だ。

カヤちゃんは、蓮見先生と共にママと対峙し、ママを怪異にしている悪意をママグローブで粉砕し、正常なるママを取り戻し、佐藤家はカヤちゃん以外普通の存在になった。

・・・私がそうした。

何故ならね?カヤちゃんの物語は、実はかなり残酷で多くの人間が死ぬか不幸になる。私は、それをゼロにし歪曲させた。もちろん、あの不審者眼鏡やイケメン能力者等との出会いも大事だから、それも限りなく平穏な形にして。戎杜家は平穏で無力な一族に変えた。

ミライ自身もかなり歪んだ存在だったのだが、彼女は娘への愛情をプラスの方向にMAXにした優しいママにして。

・・・デザイナーとほぼ同じ事をしているじゃないか。自己満足だから、更にたちが悪い。まだ懲りないのか私は。

私は、研究所の出来事以降、カヤちゃんには会っていない。会う資格なんて無いから。

 

私はある公園のベンチで、体育座りで何もしていなかった。

・・・この時系列に、鵺の陰陽師の、私と親しい存在は1人も現れない。

思えば、鵺の陰陽師本編でも、私は傲慢なのかもしれないな。

「学郎を最強の戦士に育て上げる」?私は全ての契約者に同じ様な事を言っているんだよ。

何様だよ。只の怪異の癖にさ。

私が人間を好きなのは自己満足で、人間を守っているのも自己満足で。

本当は、寂しがり屋の1つの怪異が人間達を成長させる名目で、あらゆる存在を自分の手の平で踊らせているんだよ。

欺瞞傲慢極まりない。こうして、寂しく1人でいるのも、遙か最上位存在による天罰だろうね。

 

・・・寂しいよ・・・。

 

「こんな所にいたんですね、ヌエさん!」

・・・蓮見先生とカヤちゃんだった。・・・何故だ。ジャミングかけているのに。・・・とんぶりとキャビア毎日送っている彼女か。思い当たる存在はそれ以外無い。

私は、挨拶すら出来なかった。顔すらまともに見られなかった。

蓮見先生とカヤちゃんが、私の両側に座った。

「ヌエさん。たまには遊びに来て下さいよ。カヤちゃんが寂しがっています。」

「・・・私には、カヤちゃんに会う資格はありません。」

「カヤちゃんはよく笑う様になりました。他の子や先生から恐れられたりする事も無くなりました。・・・あなたのおかげです。」

「・・・彼女自身の力ですよ。それと、あなたの。」

私は立ち上がって、蓮見先生の前に立って、深々と頭を下げた。

「大変無礼な事をして申し訳ございませんでした。」

「い、いや、止めて下さいよ!それにあなたがいなければ、カヤちゃんの家族は、まだオバケとかに苦しめられていた筈です。」

「それは、カヤちゃんとあなたが本来何とか出来た事です。私は余計な事をしただけです。」

私は頭を下げたまま言った。

「・・・カヤちゃんいつも言っていますよ。『ヌエさんと旅行して、本当に楽しかった。』って。」

「・・・そう仕向けただけです。自己満足です。カヤちゃんは普通の女の子として、友達と共に過ごすのが最良なんです。」

私は頭を下げたまま言った。

「違うよ。」

カヤちゃんだった。

「ヌエさんがいなければ、私はひとりぼっちのままだったと思う。・・・本当はね?辛かったんだよ?みんなから怖がられて。でもね、カヤの中の何かが、こうしろああしろって命令していたんだよ。だから私は戦っていた。・・・戦いたくないのに。」

私は頭を下げたまま聞いていた。

「でも、ヌエさんと旅行をしていた事で、その声は聞こえなくなっていったんだ。カヤはカヤになったんだ。

それに、一緒に旅行をして本当に楽しかった。ヌエさんのごはんは本当に美味しかった。楽しい遊びを沢山教えてくれた。勉強が楽しいなんて思わなかった。遊園地とかプールとか動物園とか沢山行けて楽しかった。」

「・・・それは、お金があるから出来る下らない事だよ・・・。」

「何処かに行ったかは些細な事で。ヌエさんと一緒にいた事が重要な事。それだけで楽しかった。

私はね、ヌエさんみたいな強くて優しい大人の女性になるんだ。それが夢になった。

だからこれからも、カヤは戦うんだ。ヌエさんみたいになりたくて。」

私は頭を下げたまま聞いていた。

・・・涙が止まらないから。

「・・・ヌエさん。人の話を聞く時は、相手の目を見て聞くんだよ。話す時も。これもヌエさんが教えてくれた事。」

私は頭を下げたまま聞いていた。

「・・・これも、ヌエさんが教えてくれた事。寂しそうな人にはね、こう言ってあげるんだ。『おいで。抱きしめてあげるから。』。」

・・・・私は顔を上げた。

カヤちゃんが手を広げていた。とても可愛らしい笑顔で。

私はカヤちゃんを抱きしめた。号泣した。子供の様にみっともなく。

カヤちゃんは抱いてくれたままで。そして私の頭を撫でてくれた。私は泣き続けた。

蓮見先生も後ろから、私を抱きしめてくれた。・・・とても温かい・・・。

どの位の時間だったのだろう。1時間以上かもしれない。5分ぽっちだったのかもしれない。

私は泣き止んで、カヤちゃんと蓮見先生と共に幼稚園に帰ったんだ。

 

 

これは、私の最大の過ちで、戒め。

今後も、私は間違えるだろう。人では無いから。愚かだから。

でもね、今後、私と出会った人々を絶対に不幸にはさせない。踏み台にしない。泣かせない。誰1人。それだけはもう絶対に誤らない。

これからも私は人を導くんだ。育て上げるんだ。

これは私の自己満足で。私の趣味で。

・・・そして、私が導いた人が・・・『ほんの少しでも』笑顔を返してくれた時、私は心の底から幸福を感じるんだ。

これは、どんなに私より遙かに上位の存在でも得られない、私だけの特権だよ。


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