何の関係も共通点もない2人のチート化対決第10弾です。
いや、巨神兵はチート化してないから、本シリーズには該当しないかも・・・。でも入れました。
金目さんにオリジナルスタンド能力を目覚めさせました。
いや、スタンドでも無理だよ・・・。巨神兵倒すの・・・。
そうでしょうか?ジョジョ第三部旧作OVAを見てください。承太郎とDIO超人バトルしていますよ。あのようなイメージで戦わせました。

1 / 1
・本件は創作作品キャラクターの二次創作作品であり、本編キャラとは全く関係ありません。
・本件では、二次創作者の「キャラクター元設定を生かした上で、二次創作者が想像できる上で魅せられる戦闘範囲で最強のキャラクターに変えて」戦わせる話です。ただし全能同士の戦いはつまらないと二次創作者は思っております。
・本件は『あえて何の関連性もない相手と戦わせる』というコンセプトです。海外のYoutube番組にデスバトルというものがあり、似たキャラクターを死ぬまで戦わせるというのがあるので、あえて似ないキャラを選択します。
・キャラクターは死にます。死んでも生き返ります。受け入れられない方は戻るボタンを。
・基本的には魔人ブウレベルの攻撃性不死性にするつもりです。受け入れられない方は戻るボタンを。
・キャラの姿を変えます。二次創作者が考える最強の姿に。変えない場合もあります。
・ストーリーを入れます。感情を入れます。そうしないと面白くないから。
・基本的には「何だか知らないけどこの相手と戦わなければいけない」という本能で戦いを進めます。戦いを拒むキャラクターも。人質は取りません。
・戦闘ルールはありません。どちらかが死ぬまで。降参するまでです。
・能力設定入れます。中二病的表現あります。受け入れられない方は戻るボタンを。


無限舞闘シリーズ #10 金目綿花奈VS巨神兵

金目綿花奈(きんめ わかな)といいます。

多分・・・本名です。

多分というのは・・・、私、自分の過去を知らないんですよ。

記憶喪失というものです。

そんな私でも、一応は仕事をしています。

熱海でクリーニング屋の御仕事を。

私が唯一忘れていなかった事です。

何で、クリーニングの仕事なんてしていたんでしょうね?

そんな私の日課は、早朝ジョギング、日中仕事。夜になったら銭湯へ。それが私のルーティーンです。

・・・ある時、本屋さんに寄ったんですよ。立ち読みしました。殺し屋が主人公の物語。

表向きはクリーニング屋の仕事・・・。

思わず吐き気がして、私は本を置いて店から飛び出しました。

細道で呼吸を整えていました。・・・まさか、私の過去は、こんな恐ろしい事を・・・。

私はかぶりを振りました。そんな事はしていない。していない筈・・・。

私の店は、熱海の坂が多い小道にあり、御老人の方は来るのが大変だと思うのに来ていらしてくれて。私のお客様は、とても優しい方ばかりです。だから、私はどんな困難な汚れの消去にも笑顔でこう答えるのです。

「金目にお任せください。」と。

何故そんなに自信があるか?かなり高度なクリーニング技術を使用しているんですよ。採算度外視です。だって、私、実は結構資産あるので・・・。

・・・なんで資産がこんなにあるんだ・・・。まさか本当に汚れた仕事を・・・。

ある時、私は、仕事場の前に鏡を置きました。自分の表情を見る為に。

まるで、機械の様な目をしていました。何の感情も無い目。

即、鏡を畳んで、顔を洗いました。

「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ・・・。」

違う。私はそんな人間じゃない。違うんだ・・・。

1時間位、仕事を休んで体育座りで考え込んでいました。

 

 

結局、その日は仕事があまり手につきませんでした。プロとして恥ずべき事です。

私は、『本日の営業は終了しました。』の看板を吊して、後片付けをしようとして・・・。

何か外に気配がしました。何だろう?私は店の扉を開けて外に出ました。

上り坂の上の方に、女性がいました。大きい弓矢を引き絞って。

咄嗟に分かりました。狙いは私。正確に言えば、私の左胸・・・。

ドズゥツ!

「かはっ!は・・・う・・・。」

私は「何が起こったの?」という顔をしていたと思います。そのまま、その場に崩れ落ちました。

自分の左胸を見ました。大きい矢が私の乳房に突き刺さっていました。恥ずかしいですけど私の胸は大きくて、その中にクリーニング店のエプロンがめり込んでいて。肺も心臓も潰れているのが分かりました。背中まで突き抜けているのが分かりました。胸全体で信じられない様な痛みを感じていたから。

「ごぶっ!・・・がふっ!」

何度も血を吐きました。・・・この傷では私はもう助からない・・・。直感で分かりました。

ズググググ・・・ズボゥ!

「んくっ・・・ぐふうっ!」

無理矢理矢を抜きました。とても矢尻が大きい矢。何か装飾が施された黒い矢。普通刺さった矢なんて抜いたら出血多量で死にますよ。でも、抜かずにはいられなかった。あまりに痛くて。

・・・へたり込んでいる私の目の前に、私を射貫いた女性がいました。見上げました。

その人は、この世の者とは思えない美しい女性で・・・明らかに人ではない雰囲気をしていました。

その時、私が発した言葉は「どうして、私がこんな目に遭うんですか?」ではありませんでした。

「私は、こうなる事を過去にしていたんですね・・・。」でした。

その女性は答えました。

「いいえ?あなたの過去と、私がした事は何の関係も無いの。あなたに『素質』があったから射貫いた。それはもうすぐ目覚める。」

「それって・・・どういう事・・・。ごふっ!」

「やはり、この能力発動方法は乱暴よね。善良な人であればあるほど苦しむ。

でも、自分の胸を見てみなさい。目覚めた兆候が現れてきたから。」

私は自分の胸を見ました。・・・逆再生のように血が自分の胸の穴に帰っていく・・・。吐いた血も胸の穴の中へ。血で染まったエプロンも元に戻っていく。

「はは・・・。私は殺し屋どころか、人間じゃなかったんだ・・・。」

そう呟いて、私は前に倒れ意識を失いました。

 

 

・・・私は、クリーニング店の中で目が覚めました。

「オ目覚メデスカ。我ガ主。」

私の目の前に、人型ロボットがいました。いえ、よく見ると向こう側が透けて見える。

「あなたは誰・・・。」

「私ノ名ハ、『ステイン・ハングオーバー』ト申シマス。私ハ『スタンド』トイウアナタノ精神ガ生ミ出シタ存在。私ハアナタノ武器トシテ戦ウ事ガ使命。」

「武器・・・。はは・・・。私はやっぱりろくでもない事をしていたんだ・・・。」

「違うわよ?」

接客カウンターにもたれかかって、私を射貫いた女性がいました。

「誰ですか。あなたは。」

私は敵意を持って聞きました。

「私の名はミザリィ。何故こんな事をしたか?もうすぐね、この街に忌むべき存在が現れる。それを倒して欲しいのよ。あなたの力で。そうしないと、この街は、いえ、世界は火の海になるでしょう。」

「倒してって。私、そんな戦った事なんて・・・。」

「無かったかもしれない。あったかもしれない。あなたはそういう存在で。でも、1つだけ言える事。あなたは、他人を傷つける存在では無い。逆に守る存在。

ちょうどいいわ。これから自動車事故が起きるから。それを未然に防ぎましょう。あなたの能力試運転を兼ねて。」

 

ステイン・ハングオーバーの容姿を説明します。

私と同じ、ポニーテールのような髪型。でもそれは機械のような固形物で。

白い顔にロボットのような光り輝く楕円形の大きな目。整った鼻と口。

首から下はロボットというより、白を基調とした様々な装飾を施したボディスーツの様でした。体型は胸の形等私そっくりで・・・。その上に青いマントを羽織っている。うん、隠して欲しいな。私の体型を見られている様で恥ずかしいから。

彼女は私の側から離れない。離れられない。距離は2メートル位。

ミザリィという女性から、近距離パワー型スタンドという種類であると説明を受けました。

車を破壊できるパワー、弾丸の連射を何度も弾くスピード。

そんな力はいらないよ・・・。私は平穏に過ごしたかったのに・・・。

夜の熱海の海岸の道に来ました。

「これから、自動車事故が起こる。それを止めてちょうだい。」

「止めるってどうすれば・・・。」

「ゴ覧ニ入レマショウ、我ガ主。」

程なく、右往左往フラフラ走っている車が来ました。居眠り運転でした。

「ステイン・ハングオーバー!止めて!」

私はヒーローみたいに向かいに立って、受け止めるのかと思っていました。違いました。

ステイン・ハングオーバーは、何かを道に振り撒きました。

「コレハ『染み』デス。私ノ能力ハ、任意ノ対象ガ引キツケラレル染ミヲ作リ出ス事。イクラデモ。・・・主、車ヲ誘導サセマスノデ、私ト共二移動ヲ。」

「あ、はい。」

ステイン・ハングオーバーは次々と、道に染みを作っていきました。それは段々と小さい染みになっていく。

居眠り運転の車は、最初は大きい染みに引き寄せられて移動し、染みが段々小さくなるにつれて減速。そして歩道に沿った所の最後の染みで停止しました。運転手は一切怪我をしていない。車も破損が無い。

ミザリィは拍手しながら言いました。

「お見事。これなら3日後に現れる、あなたが戦うべき存在も倒せるでしょう。」

「戦うべき存在ってどういう人なの?」

「人ですらない。こういうの。」

ミザリィに頭を触れられました。

・・・今まで見た事も無い程の悪夢でした。

炎に包まれた崩壊した都市を、ビルを遙かに上回る大きさの巨人達が歩いている。

顔は凶悪な目、牙だらけの口、光の翼を何枚も生やし、光の槍を持っている。

口から巨大な光線を放って、都市を、人々をあっという間に煙に変えて・・・。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

私は、しゃがみ込んで怯えた。自分の身体を抱きしめた。震えが止まらない。

「大丈夫よ。最初は1体だけだから。」

「無理よ・・・。1体でも、あんなの倒せる訳が無い・・・。軍隊・・・自衛隊に頼んでよ・・・。」

「核兵器持っている米軍でも大勢の人が死ぬわ。まして自衛隊なんて論外。彼らに死ねって言うの?」

「じゃあ、私に死ねって言っているのと同じじゃない!」

私は叫んだ。・・・私が叫ぶなんて記憶に無い。

「では、この熱海はあっという間に火の海になるでしょう。想像してみて?あなたの大切な人達が焼き尽くされて、只の炭になっていく姿を。」

・・・想像してしまった。

「うぉぇぇぇぇぇ!!!うぇぇぇぇぇ・・・・。」

嘔吐した。胃の中が空になるまで吐いた。

「あらあら、繊細ねぇ。あと3日間、よく考えると良いわね。ちなみに逃げても良いのよ?某アニメみたいに逃げちゃ駄目だなんて、私は言わないから。」

・・・いつの間にか、ミザリィは消えた。

後には這いつくばって涎を垂らしている私だけがいた。

「私ガゴ自宅マデ運ンデイキマショウ、主。私ハ『意思を持つスタンド』。コノ位ノ芸当ハ容易デス。」

ステイン・ハングオーバーにお姫様抱っこされて、私は自宅に帰った。虚ろな、何も映さない目をして。

 

 

1日目。私は店を臨時休業にし、布団にくるまって寝ていた。

ジョギングもせず、お風呂にも入らない。食事すら喉を通らなかった。

ステイン・ハングオーバーが色々声をかけてくれたが、私は「出てこなくて良いよ。」と言ったら、彼女は出てこなくなった。彼女は私の心の一部とも言える存在。私は自分自身も拒絶しているのか・・・。

 

2日目。私は布団で寝たまま。自分の臭いを嗅ぐ。臭い。嘔吐したから。

あと1日で、あの巨人が来る。私は熱海の街と共に炭になるだろう。・・・もういいよ。そのまま楽に死にたいよ。そう思っていた。

 

2日目夜。家のチャイムが鳴った。無視した。

鍵が開けられた。合鍵を持っているのは彼女しかいない。私の友人、矢柄麻未さんだ。

「どうしたの。店も休んで。具合悪いなら、相談してよー。友達でしょ?」

「すみません。何もしたくないんです。」

布団をめくられた。

「クサッ!お風呂行こ。お風呂。」

強制的に銭湯に連れられていった。

 

矢柄さんに、銭湯で身体を洗われた。髪も綺麗に洗われた。

「・・・ごめんなさい。」

「いいって。いいって。・・・何、悩んでんの?」

私は全てを打ち明けた。この人なら信じて貰えると思って。

「ふーん。あれだね。よく漫画とかアニメである、いきなり世界の命運託された主人公ってこんな感じになるんだね。」

「・・・私は、主人公なんかになりたくないです。脇役でいたかった。街の片隅のクリーニング屋でいたかった。」

「あのね。人生は誰でも自分が主人公なんだよ。」

「・・・じゃあ、矢柄さん代わって下さいよ。」

「私はね?賭けをする物語の主人公なの。金目さんに全財産と命を賭けるギャンブラーなの。バトル系主人公じゃないの。」

「・・・私だって戦う主人公じゃないですよ。」

誰かが入ってきた。大家さんだった。

「・・・安治さん、お風呂お持ちじゃないですか・・・。何で・・・。」

「あ?引きこもりの習性を観察しに来ただけだよ。」

「・・・すみません。何日も引き籠もって。」

「2日。日数くらい数えなよ。そして、その位の日数では「私、引きこもりじゃありません!」って言うんだよ。」

「・・・ごめんなさい。」

「んで。何でそんなに気負ってんだよ。どうせみんな死ぬんだろ?引き籠もって死んでどうすんだよ。・・・あんた、何でジョギングしてるんだ?」

「眠気覚ましに。後、熱海の風景が美しいから。」

「じゃあ、その美しい風景見て死にな。」

「熱海が炎に包まれて廃墟になるのを見るのは耐えられません・・・。」

「ほれ。戦う理由が出来たじゃないか。大切な人の為に戦うーとか、綺麗事はあたしゃ嫌いなんだよ。「自分は熱海の風景が好きだから戦う。」ってのは自分の為。その方がよっぽど人間らしい。」

「私、人間なんでしょうか・・・。記憶も無いですし・・・。」

「あなたは、洗濯が好きで、甘い物が好きで、ジョギングとか運動が好きで。私もそれしか知らないよ?だからさ、これから作っていこうよ。」

「私、それしか無いんですね・・・。」

「『これから作っていこう。』って言ったんだよ、金目さん。あなたの過去とかどうでも良いの。人間じゃない?どうでも良いの。先ほど言った情報しか知らない金目綿花奈という女性が好きだから、私は全財産と命賭けるギャンブラーになったんだよ。これは過去形。絶対に変えない。」

矢柄さんが言った。何で私にそんな・・・。

「じゃあ、あたしも全財産と命賭けようか。老い先短いとか言わないよ?あと百年は生きる気だから。生きさせてくんなよ。」

「安治さん・・・。」

私は本当に周りの人に恵まれて・・・。泣きそうになったけど、無理して泣かないようにした。まだ、泣く時じゃない。

 

3日後、夜明け。

巨神兵と呼ばれる巨人が突如として空中に出現した。

まだ、みんな眠っているのだろうか。それとも唖然としているのだろうか。騒ぎは起きていない。

私は、髪をリボンで結んでポニーテールにして、いつもの仕事着、肩まで捲ったシャツを着て、ロングスカートを履いて、エプロンを着けて。家の前で矢柄さんと安治さんに見送られて、自転車で海岸まで向かう。

「まぁ適当にやんな。」

「もう通販特急便で、高級お菓子注文したから、後で食べようね、金目さん。」

私は振り向いて笑顔で言った。

「はい!金目にお任せください!」

 

 

私は海岸に着いた。

巨神兵は熱海全体を覆うほど巨大だ。まだ浮遊していて、何もしようとはしない。

私はステイン・ハングオーバーを出現させた。

「ステイン・ハングオーバー。私は戦いについて何も知らないから、あなたに作戦があれば教えて欲しい。巨神兵を倒す方法を。」

「カシコマリマシタ、我ガ主。」

ステイン・ハングオーバーから作戦を聞いた。そんなに上手くいくものだろうかと疑問に思ったが彼女に従うしかない。

ステイン・ハングオーバーが、次々と染みを熱海の海岸に放出している。直径20メートル位の1つの染みになった。それは、波に逆らって海の沖へと高速で進んでいく。

「我ガ主。戦イトハ全ク関係ノ無イ事デスガ、オ話ヲ。アナタガ機械ノ様ナ目ト称シタ、アナタノ目。ソレハ、戦ウ者ノ目デス。覚悟ヲシタ者ノ目デス。気取ッタ言イ方デスト『黄金の目』。」

「黄金の目・・・。」

「カツテ、我々スタンドノ能力ニ目覚メタ者ノ一部は、ソノヨウナ目ヲシテイタト、私ノ心ニ予備知識トシテアリマシタ。ソシテ、ソノ者達ハ、困難ニ、恐怖ニ、邪悪ニ、立チ向カウノデス。」

「私、クリーニングの仕事しかしてないよ?」

「ソノ者達ハ、アル人間ハ料理人デ、料理シカシテイマセン。アル者ハエステヤ整形。アル者ハ貸金ノ取リ立テ屋トイウ、アマリ褒メラレタ仕事デハ無イ者デ。アル者ハ、スタンド能力スラ備ワッテイナイ何ノ超能力モ無イ者。

ソレデモ、ソノ者達ハ立チ向カウノデス。世界ヲ滅ボス意思ニ対シテ。」

・・・と、話している内に、海の奥まで行った染みに巨神兵が突っ込んでいった。

巨神兵は海に立ち、咆吼をあげた。

「デハ参リマショウ、主。ブン投ゲマスノデ、オ覚悟ヲ。」

「うん、いいよ。」

私は、ステイン・ハングオーバーに投げられて、弾丸の様に巨神兵の方に向かった。

染みに挑む仕事の時の目で。黄金の目で。

 

巨神兵の口にエネルギーが集まっているのが分かる。これを一撃でも喰らえば、私はもちろん、熱海もその周辺も蒸発する。

ステイン・ハングオーバーは、巨神兵の胴体部分に染みを10発ほど放出。

その後、巨神兵がレーザー放出。私目掛けて。・・・私は、不思議な事に少しの恐れも抱いていなかった。

私と巨神兵の真ん中位で、レーザーがひん曲がって、巨神兵の胴体に激突した。

「グガァァァァァァァァァァ!!!!!」

巨神兵の胴体が焼け焦げている。レーザーの衝撃余波が、こっちにまで来た。ステイン・ハングオーバーは、片腕で私を抱きかかえ、片腕でマントを盾の様にして余波を防いでいる。

「私ノ染ミノ量ハ、引キ寄セル物体ノ大キサヤ威力ニ全ク関係アリマセン。『操作可能時間』と『引きつける速さ』、『染みを操作する速さ』ダケガ変ワリマス。ソシテ、コノマントハ私ノ身体ノ一部。防御力ハアリマスガ、ソレヲ差シ引イタダメージハ主ニモイキマス。大丈夫デスカ?」

「えーと・・・。全身が凄く痛い・・・。」

「生キテイレバ問題無シ。ソレデハ、巨神兵ノ背後ニ回ル為、ココカラ何度カブン投ゲヲ繰リ返シマス。」

・・・結構無茶苦茶な性格だ、このステイン・ハングオーバーは。私って、実はこういう性格なんだろうか?

何度かぶん投げられ、巨神兵の背後に辿り着いた。

「コノ背後ガ、巨神兵ノ安全地帯。ココヨリ、染ミヲ全身各所ニ配置シ、巨神兵ノ全身ヲ攻撃シ撃破シマス。私ノ染ミハ30分シカ持続シナイノデ、後30分以内ニ決着サセマス。」

「・・・本当にこんな巨大な奴、倒せるの?」

「私ノ力デハアリマセン。説明シタトオリ、自然ノ力ヲ利用シマス。造ラレタ存在ハ、自然ニヨッテ倒サレルノガ定メ。デハ、コノ掛ケ声ヲゴ一緒ニ。叫ブ様ニ。歌ウ様ニ。」

私達は叫んで、ステイン・ハングオーバーは殴り続けた。

「「ウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュ!!!!!!!!!」」

ステイン・ハングオーバーの攻撃力は車を破壊する『程度』。巨神兵にダメージなんてある筈が無い。でも、染みは巨神兵の身体の各所に散らばっていく。

・・・巨神兵の右手に光る槍が出現した。街を攻撃する気だ!

「ステイン・ハングオーバー!」

「ゴ心配ナク、我ガ主。切腹ゴッコデモシヤガレ、化物。」

巨神兵の振り上げた光の槍は・・・、染みに誘われて自分の腹を貫いた。

「ゴゴゴ!ガガガガガガガガガァァァァァァ!!!!!」

巨神兵が、叫び声を上げた。

「凄い・・・。あなたの力で、こんな怪物を手玉に取っている・・・。」

「私デハアリマセン。主、アナタノ力デス。デハ、ゴ唱和続キヲ。ウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュウォシュ!!!!!!!!!」

ステイン・ハングオーバーの染みが、巨神兵の全身各所に行き渡ったのだろうか。殴るのが停止した。

「仕込ミ完了デス。離脱シマス、我ガ主。マタ何度カブン投ゲマスノデ。」

ステイン・ハングオーバーに投げられて、私達は熱海の海岸に戻った。

「空ヲゴ覧下サイ、我ガ主。」

空を見上げた。空中から無数の隕石が飛来し、巨神兵に当たっていく。

「当タルト段々ニ熱海カラ遠ザカルヨウ染ミノ配置ヲ計算シマシタ。巨神兵トイウ存在ノ構成上恐ラク大爆発スルト思イマスノデ。」

ステイン・ハングオーバーの言う通り、巨神兵がどんどん遠ざかっていく。悲鳴の様な叫び声をあげながら。

・・・私はふと、自分も実は戦いの為に存在していたモノだったのではと思った。記憶が無いって、その位怖いんですよ・・・。

「ソノ心配ハ杞憂デス、我ガ主。力ガ恐ロシイノハ、ソレニ飲マレル事。アナタハ決シテソノ様ナ過チヲ犯シマセン。・・・サテ、巨神兵ガ水平線ノ彼方ニ消エマシタ。モウスグ爆発スルト予測シマス。ソレデハ決メ台詞ヲゴ一緒ニ!」

水平線の彼方から核爆発・・・知らないけれど、その位の大爆発が起きた。

「Washing completed!!!!!(洗濯完了!!!!!)・・・ノリガ悪イデスネ、我ガ主。」

決め台詞を言いながら、目の横でピースした決めポーズを取っていたステイン・ハングオーバーがやや不満そうに言った。・・・いや、もうヘトヘトなんだよ、悪いけど。

 

巨大な爆発の煙がやや収まりかけ・・・私は絶句した。恐怖した。

無数の巨人が出現していた。光の槍を右手に持って。巨神兵の群れ。あの悪夢と同じ光景だ。・・・嘘だ・・・。無理だ・・・。

「・・・撤退シマス。我ガ主。」

「撤退ってどこに逃げるの?逃げる所なんて、どこにも無いよ・・・。」

「私ハ、アナタヲ助ケル事、生カシ続ケル事ガ最優先デス。コノ熱海ハ諦メルベキカト・・・。」

「出来ないよ!ここには私の大切な人達が、友人が沢山いる!その人達に出会わなければ、私は記憶の無い空虚な存在のままだった!

・・・戦うよ。絶対に逃げない。私は死ぬけれど、1つでも多く巨神兵を倒してやるんだ・・・。」

「我ガ主・・・。失言、謝罪イタシマス。私ハアナタト共ニイル存在。・・・私ハ、アナタカラ生マレタ事ヲ幸セニ感ジテイマス。」

「ステイン・ハングオーバー・・・。行こう。」

私達は、海へ飛び出す用意をした。

 

パチパチパチ!

拍手が聞こえた。

「素晴らしいわ、金目綿花奈さん。あなたは、私の想像を遙かに上回る存在だった。」

ミザリィだった。

「何の用ですか・・・。あなたに巨神兵達が止められるんですか・・・・。」

「止められるというか、消せる。」

私は唖然とした。

ミザリィは、手を一回だけ叩いた。

それだけで、巨神兵の大群が塵になって消えていく・・・。

ミザリィは私に近づきながら言った。

「巨神兵を造った世界の伝承にはこうある。「火の七日間で世界を焼き尽くした」と。

・・・苦笑せざるを得ないわ。たかが地球1つ『如きに』あの大群で7日間も費やすなんて。

その存在に恐れている人々がどの位いるか。それより遙かに上位の存在をギャグキャラクター扱いしたりしているのにね。

世界観が違う?そんなの関係無い。重要なのは脅威度を客観視する事。そうすれば、脅威と思っていた存在が、たいした事が無いと思うようになる。

私は、この機会に巨神兵を単機撃破できる存在に矮小化したかった。その課題をあなたは見事にクリアした。そして、私の予想を遙かに上回る精神力を見せつけた。

・・・私はあなたが神などに祈る姿を予想していたのよ。もう、それしか手段が無いから。「誰かに頼る。」それが、あなたに欠けている事だから。私の完敗ね。賞賛せざるを得ないわ。」

「・・・言いたい事は、それでお終いですか・・・。」

私はミザリィの顔を思いっきり平手打ちした。

「ふざけないで下さい!あなたの下らない思惑で、熱海が危機にさらされたんですよ!私が戦うとか、私の事なんてどうでも良いですよ・・・。でも、それに矢柄さんが、安治さんが命を賭けたんですよ!あなたは彼女達を侮辱した・・・。許せない・・・。」

「・・・ごめんなさい。・・・そうね。私は彼女達に謝罪したい。私の車があるから、自宅までお連れするわ。自転車は、後で私が運んでおくから。」

 

その後、私は自宅に帰り、まず矢柄さんと安治さんにミザリィを殴らせ、ミザリィに謝罪させた。予想通り、あの女は平然としており、そのまま帰った。

・・・その後で、私は矢柄さんに抱きついて泣いた。様々な思いが駆け巡って。

安治さんからは「家賃1年分働いたから、その間、無しで良いよ。」と言われた。

そうかぁ・・・。巨神兵1体倒すの、家賃1年分程度なんだ・・・。

どうですか?ミザリィ。あなたの思惑通りになったでしょ?

 

 

あとがき

補足設定

金目綿花奈:能力名・ステイン・ハングオーバー。

【破壊力 - A / スピード – A / 射程距離 –B/ 持続力 – D/ 精密動作性 – C / 成長性 - E】

能力説明

・黒い染みを放出する。出せる染みの数や量は際限無し。染み自体に攻撃力は何も無い。染み1つにつき、ステイン・ハングオーバーが知覚した対象1つを誘導して引きつける。

染みの大きさは、操作可能時間と引きつける対象の引きつけ速度、染み自体の移動速度が関係し、大きくなればなるほど、その時間、速度が増す。全長50センチメートル未満だとほぼ操作できない。一回の放出で出せる染みは最大直径10センチメートル。放出速度はステイン・ハングオーバーのパンチ1発分の速度。染みは約30分で消える。染み最大移動速度時速100キロメートル。

マントを着ており防御の代わりが出来るが、防御力を上回るダメージは本体に向かう。はっきり言えば、マントの防御はスタンド同士の攻防でパンチを防ぐ時の防御より本体はダメージを受ける。

付随能力:なし。

備考: ステイン・ハングオーバーは、「後悔の染みが残る」という意味の実在するバンド名である。

 

巨神兵:能力名等全て無し。

ただ、破壊する為だけに生まれた存在で、それ以外に存在理由は無い。

生殖器、知性等が存在する説があるが詳細不明。

個人的見解では、この存在が進化・成長する事はあり得ない。

この存在が、生殖器や知性を持つ事は、破壊衝動に満ちた人間に対する皮肉でしかなく、ある意味人類の進化の終点を具現化した姿の1つと考えられる。

 

 

矢柄さんと安治さんに勧められて、私はあと4日クリーニング店を休みました。

有り難い事に、それに対する苦情は一切有りませんでした。

その後は、普通にお店を再開し、クリーニングの仕事を続けました。

お客様は、高校生の方や、小学生の方や、外国の方や、芸妓さんだったり。

様々な人と接しました。少しでもお力になれていれば、嬉しいです。

ステイン・ハングオーバーは、クリーニングの仕事を手伝ってくれています。頼もしい相棒です。私の心の一部ではあるのですが。

そしてある日、来て欲しくない人物が来ました。

・・・ミザリィでした。

「お仕事は順調そうね。金目綿花奈さん。」

「・・・何の用ですか。」

「あなたの正体について教えましょう。あなたは、〇〇〇〇〇〇〇〇よ。」

・・・私の心臓の鼓動が早まりました。ショックが無いと言えば嘘になります。

でも、私はそれを受け止められる心が出来ていました。皆さんとの出会いが私を支えたのです。あの戦いでは無い。断じてミザリィによるものでは無い。

「そうですか。」

「流石ね。ほとんど動揺していない。」

「私から聞きたい事があります。・・・あなたは何をされている方なのですか?」

ミザリィは話しました。・・・この神の様な力を持っている存在は、人の人生を弄ぶような事をしていました。趣味で。彼女の様な存在は結構いるらしいです。気まぐれで人を助け、気まぐれで人の人生を台無しにする。

・・・殺意が沸きました。

「何であなた達はそんな事をしているんですか・・・。一生懸命生きていない人なんて存在しないんですよ?それを自分の判断で踏みにじって・・・・。」

「あなたから見れば不幸な結末かもしれない。でも、当事者としたら幸福な結末かもしれない。価値観の相違。私達のしている事だけは、否定されたくないわね。」

「・・・そうですか。では、話は平行線です。お帰り下さい。」

「1つだけ言わせて貰うわ。あなたは世界を救える存在。それも何度でも。勿体なさ過ぎるのよ。成金が札に火を付けて靴を探させる風刺絵は知っているでしょう?あなたが、街の片隅で一見平穏そうな日常を送っている事。1兆円の大金で靴を探す行為よ。なんて勿体無い。」

「私の人生を、あなたに値踏みされたくありません。私の人生の価値は、私が決めます。あなたの判断する事じゃない。」

「やれやれ。これほど損失を感じた事は、あまり無いわね。では、失礼するわ。また会いましょう、金目綿花奈さん。」

「私は二度とあなたに会いたくありません。」

ミザリィは帰っていきました。古いしきたりですが、塩を撒きたい気分でした。

でも、1~2時間で、私はいつも通り笑顔で仕事をしていました。神の様な存在。それよりも私は、皆さんの生活を支える事が大事なんですよ。

 

もし、服などの汚れ等でお悩みの場合は、是非我がキンメクリーニングへ。

急な坂の多い目立たない場所にあります。不便でしたら集配もいたしますよ。遠距離の方も同様に。

・・・もし、お悩み事等がございましたら、お聞きします。微力ながら御手伝いいたします。

その時、私は必ずこの言葉を言います。決め台詞の様なものですから、お気になさらないで下さいね?

「金目にお任せください。」と。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。