※この作品はR-18です。

オルガ・コード・ゼノ(OCZ)   作:XYZ_L

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ゼノ・ブルードシリーズの一つ。
短編として楽しめるようになっています。


OCZ『エリア-ゼロの、一輪』

聖暦2060年。

人類の希望であったはずの入植惑星テラ・ノヴァは、今や「ライダー」と呼ばれる異種生命体ゼノブルードの汚染に沈んでいた。

 

見捨てられた市街地「エリア-ゼロ」。

そこは、5年前に連合が「合理的」に建設した、入植初期の管理都市の残骸だった。プレハブ式の高層集合住宅が墓標のように整然と立ち並び、碁盤目状の合理的な道路は、今や瓦礫と砂塵に埋もれている。

 

空は、遠くの工業地帯から流れてくる黒煙で淀み、空気は廃油と鉄錆の匂いが混じり合っていた。ハイヴ・マトリクス(巣の中枢)から漏れ出す生臭い異臭は、まだこの外縁部までは届いていない。

 

イリーナは、その汚染された大通りの中央、崩れた噴水の縁に、四つん這いの姿勢で身を潜めていた。

彼女の服装は、この惑星開拓時代の歪んだ合理性を示している。緑色の迷彩服は、かろうじて背中と四肢を覆うのみ。その胸部は大きく刳り抜かれ、豊満な乳房が重力に従って張り詰めている。戦闘ズボンの中央部は、彼女の陰毛と生々しい肉体を、無防備に夜気に晒していた。

肌には、任務用の増幅ジェルが冷たく塗られている。

 

後方二十メートル。

緑色の軍服を隙間なく着込んだ運用担当の男性兵士たちが、瓦礫の陰に伏せ、冷徹な視線で彼女を「監視」していた。

ヘルメットの通信機から、無機質なAIの声が響く。

 

「デコイ・ユニット、起動。フェロモン出力、規定値まで上昇させろ」

 

その瞬間、イリーナの膣の奥深くに挿入されていたオルガデバイスが、低い駆動音と共に脈動を始めた。

 

「っ……ひぅ、あンっ…!」

 

反射的に奥歯を噛みしめる。恐怖と、制御不能な快楽の波が同時に全身を駆け巡り、彼女の脳を焼いた。この体質は、極限の恐怖と苦痛を、ライダーが最も好む「オルガフェロモン」へと強制変換するよう最適化されているのだ。

露出した股間から放たれる甘く濃密な匂いが、廃油の匂いに混じって拡散していく。

 

「システム応答、良好。ライダー、目標(デコイ)から三十メートル。接敵まで十秒」

 

闇が動いた。

廃ビルの窓から、地下鉄の入り口から、無数の影が蠢きだす。

それは、地球の原始的な節足動物を彷彿とさせる、生体機械の悪夢だった。

濡れたように艶めかしい、黒色のキチン質の装甲。硬質な外骨格の隙間からは、青白く脈動する生体組織が淡い光を放っている。それが「ライダー」だった。

 

「……ッ! く、来るな…!」

 

イリーナは、震える手で旧式のライフルを握りしめた。彼女もまた兵士であり、武装している。だが、その手はデバイスが引き起こす痙攣で、小刻みに震えていた。

銃床を肩に当て、照準器を覗き込もうとした瞬間、オルガデバイスがさらに強いパルスを放った。

 

「ひぎゃあああッ! あ、だめ、狙えない…っ! き、もち良くて…ッ!」

 

快感が理性を焼き切り、引き金にかけた指は力を失う。

旧式のライフルは、彼女の「兵士」としての最後の尊厳だった。だが、その銃口は、自らの「兵器」としての本質の前では、もはや無力だった。

彼女の絶叫と、ライダーの甲高い鳴き声が重なった瞬間。

 

「今だ! 撃て!」

 

後方から、乾いた射撃音が連続して炸裂した。

イリーナは、迫りくるライダーの群れと、頭上を掠める曳光弾の閃光の中で、ただデバイスに貫かれたまま喘ぎ続けた。

彼女がこの戦闘で放った最大の「弾丸」は、ライフルからではなく、快感と恐怖に引き裂かれた彼女の肉体そのものだったのだ。

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