3章:灼熱の(救いの)絶頂
I. 憎悪と化す希望:ハイヴ・マトリクスの真実
どれほどの時間を、阿鼻叫喚の中で突き進んだのだろう。
ジャガーノートの強固な装甲は、もはや無数の鉤爪に引き裂かれ、原型を留めていなかった。
先にCポッドのアヤが引きずり出されたのを皮切りに、反対側のD-ポッドも数分後に沈黙。
4基あった迎撃ポッド「ヴィブラ-リッパー」は、今やクロエが守るA-ポッドと、ケイが守るB-ポッドの2基を残すのみとなっていた。
彼女たちは殺されたのではない。
アヤがそうされたように、オマンコに生体ドッキングを施され、まだ息のある「資源」として、巣の奥へと運搬されていったのだ。
残されたクルーは、10名。
ブリッジの空気は、アヤたちが拉致される映像と、「ユダス-ゴート」という不吉な通信を傍受してしまったミリアの推論によって、鉛のように重かった。
「……隊長……」
リナが、震える声でミリアに問う。
「……『持って』いかれたって……『資源』にされるって…本当、なんですか……?」
「……分からない」
ミリアは、自らの動揺を押し殺し、冷徹に告げた。
「だが、作戦は続行する。私たちの任務はXポイントの破壊だ。それが合理的な判断よ」
彼女は、心の奥底で、まだ信じていたかった。自分たちの任務には意味があり、「生還(サバイブ)チケット」という通称は、まだ有効なのだと。
そして、ついに。満身創痍のジャガーノートが、目的地……作戦MAPが示すXポイントに到達した。
車体のヘッドライトが、前方の暗闇を照らし出す。
「……あ……」
ブリッジのリナが、言葉を失った。
そこは、司令部がブリーフィングで「巣の入り口」と呼んでいた場所だった。
だが、そこに建造物の残骸はなかった。
壁も、地面も、天井も、すべてがおぞましいほどに脈動する肉で覆われ、その奥は暗い地下の空洞へと繋がっている。
周囲は湿った粘液と、鉄が焦げたような生臭い異臭に満ち、ドクン、ドクンと、低周波の地響きにも似た「肉の子宮」の脈動音が、鼓膜を直接叩いていた。
ミリアは、ブリーフィングで聞き慣れない単語として流していた「ハイヴ・マトリクス」という無機質な言葉が、この「生きた肉の子宮」そのものであったことを、今ここで初めて理解した。
そして、ヘッドライトがその肉の壁を照らし出した時、彼女たちは、自分たちが「資源」と呼ばれる本当の意味を、その目で理解した。
先に捕獲された無数の女性たちが、生きたまま肉の壁と融合させられていた。
彼女たちは皆、恍惚とも苦痛ともつかない表情を浮かべ、虚ろな目で宙を見つめている。
壁そのものから伸びるおぞましい挿入器官が、彼女たちのオマンコやアナルを容赦なく貫いていた。
その機械的な陵辱に、痩せ細った身体はビクン、ビクンと痙攣し、硬く尖った乳首は絶え間ない刺激に晒され、性器からはだらしなく愛液が垂れ流れている。
彼女たちは、まるで燃料のように生命力を吸い取られ続けていたのだ。
「……嘘……」
クロエが、その光景の中に、見つけてしまった。
「……あ……! あれ……! ガン-ポッドの……『アヤ』……!?」
ライトの先に、先ほどドッキングされたアヤの、まだ息のある姿があった。
他の女たちと同じように壁に張り付けられ、オマンコにプラグを突き立てられ、虚ろな目で痙攣している。
彼女の太ももは強制的に開脚させられ、その膣の奥深くから、プラグの根元を脈動する肉の輪が締め付け、膣粘膜と子宮頸部を連続的に抉(えぐ)り続けているのが、肉の壁の青白い光に照らされてはっきりと見えた。
あの、豊満だった乳房は、今はもう、養分を吸い取られたかのように萎んでいた。
「……あれが……」
リナが、生理的な恐怖に息を呑む。
「……『燃料』か……!」
クロエが、憎悪に奥歯を噛み締めた。
「あんなモノになるくらいなら……!」
クルー全員の心が、一つになった。
生還ではない。
目の前の地獄を、自分たちの手で破壊し、アヤたちを(たとえ死という形であれ)解放すること。
そして、自分たちも燃料として捕らえられる前に、任務を完遂すること。
それが、彼女たちの最後の、そして唯一の使命となった。