III. 魂の奔流:最後の同時絶頂
「隊長……! でも、もう、動力が……!」
機関室のシズカから、初めて焦燥のにじむ声が返った。
リアクター・ルームの隔壁も破られ、動力供給員の二人が既にライダーに引きずり出されていたのだ。
「……7人しか、残っていません……! これでは、最大船速(ブースト)は……!」
「関係ない!」
ミリアが、侵入してきたライダーの触手を、ブリッジの非常用アックスで叩き斬りながら叫んだ。
「行けるところまで行く! あとは『意志』で補うのよ!」
「……いや……」
コンソールで震えていたリナが、顔を上げた。
「……燃料になんて、……ならない……!」
彼女は、絶望的な拒絶を決意に変え、自ら操縦桿を握り、スロットルを最大に倒した!
「……ああ、やってやるよ……!」
ガン-ポッドのクロエもまた、ケイがおぞましい挿入器官(プラグ)で犯され、引きずられていった最期を思い出し、憎悪と共にトリガーの安全装置ごと引き絞った。
「シズカ!」
ミリアが最後の通信を繋ぐ。
「全クルー、並列直結! メルトダウンは、私たちが『選ぶ』!」
「……了解!」
能面のような無表情で、シズカは応答した。
機関室の薄暗い緊急灯が、彼女の「最終最適化」されたインナー――ほとんどハーネスだけの、無防備に晒された白い肌を照らし出す。
子宮や卵巣の位置に貼られたセンサーパッドが、冷たく光っている。
彼女の周囲では、ホーネット発射の過負荷(オーバーロード)によって、残る2名のリアクタークルーが、既に快感に壊れた廃人として、ハーネスに繋がれたまま虚ろに喘いでいた。隔壁を破って侵入してきたライダーが、その無防備な肉塊にまさに蹂虙(じゅうりん)を加えようとしていた。
(…うるさい)
シズカは、そのほぼ裸の姿のまま、迫るライダーにも、壊れた仲間にも目もくれず、コンソールに小さなキーホルダーのお守りをコツン、と当てた。
「オルガ-ブースト、シークエンス起動。全クルー、並列直結」
生存する7名全員のオルガ-ハーネスが、安全装置を無視して、リアクター-コアに強制的に並列直結された。
瞬間、7人の少女たちの意識が、おぞましい快感の奔流で一つに結ばれた。
リナの恐怖が、クロエの憎悪が、ミリアの悔恨が、そして機関室で壊れゆく仲間たちの最後の痛みが、シズカの無機質な精神を灼(や)き、共有される。
「捕まりたくない」
「あんなモノに、オマンコを犯されてたまるか」
「あの『元凶』を、道連れにする…!」
その強烈な「意志」が、7名のパルスを一つに束ねた。
「行けえええええッ!」
ミリアが叫ぶ。
ジャガーノートの補助機動スラスターが青白い光を噴射し、巨獣は残された全エネルギーを推進力に変え、Xポイントの奥深く、地下へ続く肉の穴へと突貫する。追ってきたライダーたちも、獲物を追う本能のまま、その穴へと殺到する。
彼女たちは、自分たちを殺す(救う)ために、仲間たちの絶望と快感を共有しながら、人生で、最も強烈な「絶頂」のパルスを、自らの「意志」で迸らせた。
「……お母さん……っ!」
リナが、共有された仲間たちの決意の奔流に耐えきれず、自らの恐怖もろとも、甲高い絶叫と共にイく。
その未発達な身体が、インナースーツの中で、初めて知る仲間たちの痛みに激しく痙攣した。
「……(クソが)……ッ!」
クロエが、アナルを犯される仲間の最期の屈辱を自らの痛みとして感じ取り、その憎悪をすべて叩きつけるように、奥歯を噛み締め、絶頂(イ)った。
快感じゃない、これは怒りだ、と。
「……みんな…ごめん…っ!」
ミリアが、指揮官として仲間を守れなかった罰と、彼女たちを燃料にさせないという最後の愛を受け入れ、涙と共に、自らを開放(イ)った。
そして、機関室。
仲間たちの、人生最後の「絶頂」と「意志」の奔流が、シズカの精神を焼き尽くす。
FTDでさえ「ゼロ」で欺瞞した彼女の精神が、他者の「感情」に、初めて「犯された」。
彼女は、初めて、自らの意志で、あの「無表情の仮面」を捨てた。
感情を殺すための偽装を、解いた。
(…ああ…これが、…みんなの…『痛み(おもい)』…)
乳輪を縁取る冷たい金属フレームの中で、彼女の乳首(ちくび)が、初めての絶頂の痙攣(けいれん)に、硬く尖っていく。
下腹部のセンサーパッドが、共有された快感と苦痛の奔流に激しく明滅する。
シズカもまた、「初めて」他者の「感情」に犯され、その激痛と歓喜に耐えきれず、銀色の姫カットを濡らしながら、静かに絶頂(イ)った。
7名の少女たちの、人生最大にして最後の同時絶頂の痙攣。
その絶頂がメルトダウンの最終トリガーとなり、司令部の起爆カウントを無視して、即時起爆。
次の瞬間、ジャガーノートは内部から閃光に包まれ、戦術級の大爆発を起こす。
侵入してきたライダーも、7名の少女たちも、そして、彼女たちが突入したハイヴ・マトリクスの最深部もろとも、すべてが灼熱の中に蒸発する。
彼女たちは、最後の最後で、燃料になる運命から逃げ切り、そして、司令部の計画すら超えて、その任務を完遂したのだ。