※この作品はR-18です。

オルガ・コード・ゼノ(OCZ)   作:XYZ_L

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OCZ『赤錆色の監査(オーディット)』8. 狂宴と誕生

8. 狂宴と誕生

深夜。

基地の外では、赤錆色の砂嵐が轟音を立てて防壁を叩き続けている。

 

閉鎖された空間に、少女の苦悶に満ちたうめき声と、胎動する肉の湿った音が反響する。

逃げ場のない閉鎖空間で、兵士たちの精神は限界を迎えていた。

 

ガラスの向こうで、憧れのエリートだった少女が、目の前で「産む機械」として壊れていく。

次は自分かもしれない。

 

その根源的な恐怖が、伝染病のように士官用バーの空気を汚染していた。

 

「ねえ、セレスティーナ」

 

レベッカが、指先で栗毛のツインテールを弄りながら提案した。

 

「……このまま朝まで、ただモニターを眺めて過ごすつもり? 兵士たちの士気(メンタル)、もう限界ギリギリよ」

 

彼女はチラリと司令官たちを見る。

 

彼らの目は血走り、震えが止まらないでいる。

恐怖で勃起すらままならない者もいれば、逆に死への恐怖から異常な性欲に駆られ、目をギラつかせている者もいる。

 

「ここらで一度“ガス抜き”してあげないと、外の嵐が止む前に、中の人間が壊れちゃうわよ?」

 

セレスティーナは、モニターに表示される少女のバイタル数値から視線を外し、周囲を見渡した。

恐怖、疲労、そして……極限状態特有の、歪んだ「欲望」。

 

AIの論理では「エラー」として処理されるはずの、非効率な感情の濁流が、そこには渦巻いていた。

 

「……非効率な精神構造ですこと。ですが、指揮系統の崩壊は防がねばなりませんわね」

 

「話が早くて助かるわ」

 

レベッカはニヤリと笑うと、躊躇いなく自らの監査官用コートの前を寛げた。

バサリ、と黒い布地が床に落ちる。

 

「……ッ!」

 

兵士たちが息を呑む。

露わになったのは、実戦的なマットブラックのスーツに包まれた、豊満で力強い肢体だった。

 

シースルー越しに透ける肌には、古傷と、生々しい体温が宿っている。

 

「あら、何を怯えているの? ……どうせ死ぬかもしれない夜よ。堅苦しい階級章は、あの嵐にでも預けておきなさい」

 

彼女は挑発するように、豊かな胸を強調して見せた。

それは「許可」ではなく、現場を知る先輩からの「命令(あおり)」だった。

 

兵士たちの中にあった「権威への恐怖」が、猛々しい「生存本能」へと切り替わる。

 

「……仕方ありませんわね」

 

それを見て、セレスティーナも小さくため息をつき、ゆっくりと立ち上がった。

彼女もまた、完璧に仕立てられたコートのボタンに手をかける。

 

「これは『士気維持活動(メンテナンス)』の一環として、処理します」

 

その指先が白磁のような肌を滑り、コートが床に滑り落ちる。

 

現れたのは、胸元が大きく開かれた黒銀のスーツ。

極薄のシースルー素材に包まれた、管理された肉体の美しさが、薄暗い部屋で妖しく光った。

 

その夜、士官用バーは、人間の汗と酒と、そして欲望の熱気に満たされた。

兵士たちは、普段なら直視することさえ許されないAIの「目」である監査官たちを、その権威ごと組み敷き、貪った。

 

「……あ……っ! ……そうよ……もっと奥まで……!」

 

レベッカは、元エースの意地もプライドも捨て、ただの「女」として、兵士たちの荒々しい欲望を受け止めた。

彼女の豊満な胸が揺れ、汗ばんだ肌が男たちの熱と混じり合う。

 

彼女が兵士たちをリードし、恐怖を快感へと塗り替えていく。

 

「……んっ、あぁ……! ……乱暴ですわ、もっと……効率的に……っ!」

 

一方、セレスティーナは、複数の兵士に身体をまさぐられながら、自らが「非効率」と軽蔑していたはずの快感に翻弄されていた。

 

AIの代理人としてのプライドは、肉体に刻まれる刺激によって蹂躙され、彼女の口からは計算外の甲高い声が漏れる。

それは、死を前にした人間たちが、互いの体温と快楽で「生きている」ことを確認し合う、泥濘のような儀式だった。

 

壁のモニターには、隔離室の映像が映し出されている。

少女の腹部は限界まで膨れ上がり、皮膚が透けるほどに張り詰め、裂ける寸前だった。

 

「……くる……! う、うまれ……っ!! 嫌ぁぁぁぁ!!」

 

乱交が最高潮に達した、その瞬間。

モニターの中の少女が、背中を弓なりに反らせ、絶叫した。

 

彼女の限界まで拡張された膣口が、内側からの暴力的な圧力によって裂け広がる。

羊水と血液、そして粘液の奔流と共に、異形の幼体がズルリと這い出した。

 

「あ、ああああああああッ!!!」

 

少女の絶命の叫び。

幼体の産声なき胎動。

 

そして、監査官たちと兵士たちの、獣のような絶頂の喘ぎ。

それら全てが重なり合い、一つの和音となって響き渡る。

 

新しい命(怪物)の誕生と、性行為の果てにある小さな死。

生と死、快楽と恐怖が混然一体となった、背徳的で、しかしどこか神聖ささえ感じるカタルシスがそこにあった。

 

「……はぁ、はぁ……。……羽化、確認……」

 

セレスティーナは、乱れた髪もそのままに、モニターを見つめて呟いた。

その瞳は潤み、頬は紅潮していたが、そこには任務を遂行した者だけが持つ、奇妙な満足感が宿っていた。

 

「……記録、終了」

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