【完結】もし衛宮士郎がメディアリリィを拾ったらというお話 作:ふりかけ@木三中
俺に柔らかなその肢体を押し付けて、しなだれかかってくる彼女たち。
そんな彼女達に対して強張っていた緊張を解き、ゆっくりと受け入れるように力を抜く。
「ふふっ、それが正しい選択です。この世界ほど安らかな場所はないですからね」
貼り付けたような笑顔を浮かべてセイバーがギジリと体を傾けて俺に体重を預けてくる。
「先輩はいままで頑張ってきたんですから、少しくらい休んでもバチは当たりませんよ」
桜が自らの豊満な胸に、俺の手を導くようにして添える。
「今は何も考えないで、目を瞑って……気持ちいいことだけをしていましょう」
蠱惑的な遠坂の声を聞いていると、意識がぼんやりと霧散していく。
「…………」
何か大事なことが、やるべきことがあった気がする。
「んっ❤️ちゅ❤️れろっ…❤️」
「んふっ、先輩……気持ちぃいですか❤️」
ぴちゃり、ぴちゃりと子猫が甘えるようにして遠坂と桜の舌が俺の体を這いずり回る。
とろけるほどの官能。
鉄のように硬い意志は溶け落ちて。
炎のように燃える理想は掻き消える。
「辛いことは考えないでいいのよ、全部忘れてしまいましょう」
イリヤがよしよしと子供をあやすように俺の頭を撫でる。
辛いこと……そう言われて脳裏によぎったのはかつての大火災の記憶だった。
赤い炎が舐めるように街を覆い、人の命が消えていく。
そんな地獄で数多の人々の悲鳴に耳を塞ぎ、助けを求める手から目を逸らして俺は生き残った。
その罪を今まで忘れたことはない、どれだけ辛くともそれを忘れてしまっては消えていった命があまりにも報われないから。
そう考えて、いままでずっと生きていた。
たが……
「もう、どうでもいいか……」
小さな呟きが俺の口から溢れ出る。
「過去の罪にいつまでも囚われている必要などありませんよ」
ライダーの手が蛇のように滑らかに俺の太ももをなぞる。
「正義の味方なんてつまんない夢忘れてさ、今この瞬間を気持ちいいことだけしてりゃいいじゃん」
美綴が肩に手を回して、むにゅりと胸を押し付けてくる。
「シロウは何も悪くありませんよ…悪いのはこの理不尽で過酷な世界の方だ」
セイバーの言葉で……ふっと体が軽くなった気がする。
背負ってきた過去の罪も。
正義の味方になると言う理想も。
そんな重みはもう全て投げ出してしまおう。
「…………」
ゆっくりと、セイバーの白い肌に手を伸ばす。
「あんっ❤️」
響く甘ったるい嬌声に自ずと息が荒くなる。
「…………」
桜の胸をむぎゅむぎゅと乱暴に揉みしだき、遠坂の太ももを貪るように舐める。
「うふふ❤️男の人はやっぱりおっぱいがお好きなんですね❤️」
「もう、そんなに舐められるとふやけちゃうわよ❤️」
舌をダラリと伸ばし、目を血走らせて、目の前の雌達を堪能する。
その姿はまるで本能に従う獣のようで、正義の味方を目指した少年の姿はもはやありはしない。
ただ、『世界』や『運命』と言うぼんやりとしていてそれでいて理不尽で残酷なものに怯え、この小さな世界で快楽にふけっているだけだ。
かつての厄災の中で耳を塞ぎ、目を逸らして生き延びた罪。
それを忘れるようにまた耳を塞ぎ、目を逸らして罪を重ねる。
その行為が悪だと気づかぬままに。
「んっ❤️んっ❤️んっ❤️」
「あっ❤️あん❤️あっ❤️」
衝動に任せて自らの肉棒を突き刺して、彼女達もそれを受け入れる。
雄と雌が体を絡ませ合う原始的なまぐわい。
全てを忘れさるように、ただ享楽に耽り官能を味わう。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
俺の体と彼女達の体が擦れ合い、汗がぬめり混じり合う。
この奇妙な世界は、俺に望むだけのものを与えてくれる。
目の前に淫美な笑みを浮かべるセイバー、遠坂、桜、イリヤ、ライダー、美綴達……。
他にも望めば美女や美少女が現れて俺の欲望を埋めてくれることだろう。
「…………?」
そんな中で、ふと物足りなさを感じる。
『誰か』が……いない、そんな違和感。
「…………」
肉欲に溺れる饗宴の中で、チラリとだけ窓から外に視線を向ける。
窓の外からはザーザーと雨が降り続けていて、雨粒が激しく舞い落ちている。
そんな雨を見て、一瞬だけ『誰か』の青い瞳を思い浮かべて……
「…………」
すぐに、そんなことも忘れてしまった。
暗い空は雲に覆われていて、降りしきる雨は止むことはない。
まるで誰かの流した涙のようにただ、いつまでもいつまでも降り続けていた。
BAD END