せどりライターはカリスマバンドマン達と宅飲みに耽る 作:トクメイデス
『ぼっち・ざ・ろっく!』 1巻第13話後~2巻第0話前
『廣井きくりの深酒日記』1巻第5話前~第5話後
本編は『廣井きくりの深酒日記』1巻第5話が『ぼっち・ざ・ろっく!』 1巻第13話の翌日の話として扱っております。ご理解の程よろしくお願いいたします。
「ぷはーっ! やっぱ酒入れてないとダメだわ~」
「ダメなのは飲んだくれてるあんたでしょ、もう……」
ライブ前の新宿『FOLT』にて、物販バイトを手伝う為に準備に加わっていた大槻ヨヨコは、店長の銀次郎から受け取ったギターケースから『おにころ』のパック酒を取り出して飲み出す先輩バンドマンこと廣井きくりに呆れつつも、『ロックだなぁ……』と少し、羨まし気に眺めていた。
「そんなことじゃ、そのうち
「だ~いじょうぶだって! かず君私にメロメロなんだからさ~」
「……そう言ってはいろんな意味で哭かされてるのはどこの誰よ」
適当なテーブル席で『おにころ』を飲んでいたきくりだったが、突然ベースの入ったギターケースごと荷物を残して、椅子から立ち去り出した。
「ちょっとお花にお水を~」
「隠語位ちゃんと使いなさい」
そう言い残してトイレへと消えるきくりが居た場所には、黒いワークポーチがテーブルの上に置かれていた。
(あれ……姐さん、あんなの持ってたっけ?)
そのワークポーチが気になったヨヨコは、物販の準備を終えてから近付こうとする。
「お疲れ様で~す」
その挨拶と共に、『SICK HACK』のドラムスである志麻が『FOLT』の中へと入ってきた。箱に入る前まで電話していたのか、その手にはスマホが握られている。
「は~……」
「お、お疲れ様です……」
未だに苛立っている様子が拭いきれていない志麻は、ヨヨコに手だけで挨拶を返すと、そのままきくりの居た席に腰掛けた。
「…………」
そして数度、スマホを叩いた志麻はテーブルに残されたワークポーチに手を伸ばしていた。
(え……?)
ワークポーチに入っていたのはケース入りの煙草とメタリックなオイルライター、そして金属製の安っぽい携帯灰皿だった。その中身を手慣れた仕草で取り出した志麻は、一本を口に咥えてから火を点ける。
「すぅ……、は~」
じりじりと燃える煙草の煙を吐き出しながら、志麻はライブハウスの天井を眺めていた。
(え、あれって志麻さんの、なの……?)
きくりが持参していたので、持ち主も同じだと考えていたヨヨコは思わず首を傾げてしまう。相手が成人かつバンドマン(偏見)なので喫煙自体は気にしていないが、本当に志麻の所有物なのだろうか。
「あ~、すっきり~」
手隙となったヨヨコは志麻の下へと歩き出したが、その前にきくりがトイレから帰ってきてしまう。
「ん? 志麻お疲れ……って、ああっ!」
そして、煙草を片手に見上げていた視線を降ろした志麻を見たきくりは……
「い~けないんだ、いっけないんだ! か~ず君に言ってやろっ!」
等ときくりは子供っぽく、志麻の喫煙を指摘し出した。
「小学生か……」
半分位吸った煙草の灰を落としながら、志麻は呆れた顔と口調で指を差してくるきくりを見つめ返していた。
「その後藤にはもう、許可取ってんだよ」
そう言い、志麻はスマホを掲げて見せてきた。
「そもそも、私がストレスで吸いたくなってるのはお前のせいだぞ」
「え? 何かやったっけ?」
「昨日、伊地知先輩ん家に迷惑掛けてきたばかりだろうが。ここに来る前にわざわざ謝罪してきたんだよ」
「あ~……」
苛立ちを少しでも宥めようとしてか、志麻はさらに一口と煙草を咥え出す。
「めんご」
「殺すぞ」
舌を出して拝み手をしてくるきくりに殺意を込めて睨みつけた志麻は、吸い終えた煙草を携帯灰皿に押し付けて火を消した。
「もうすぐイライザも来るからな。さっさとリハの準備するぞ」
「へ~い……」
ワークポーチに煙草一式を仕舞い終えた志麻に遅れて、ギターケースを掴んだきくりが慌てて控室へと向かっていった。
>>『廣井きくりの深酒日記』1巻第5話の内容の為、省略
後日、ヨヨコとカラオケに行く約束をしたきくりは荷物を纏め、
「カズトはいつものところですカ?」
「コンビニに寄ってから行くってさ。だから早く行こ! 行こ!」
「はあ……」
汗を拭い終えた『SICK HACK』の三人は荷物を纏め、『FOLT』から帰ろうとし始める。その時ふと、先程まで話していたヨヨコの頭にはライブ前のワークポーチが脳裏に浮かんでいた。
「そういえば志麻さん、姐さんが持ってたワークポーチが後藤さんの物だって、よく分かりましたね」
ヨヨコとしては、何気ない疑問をぶつけただけだった。
さっき『SICK HACK』のギター担当、清水イライザが言っていた通りに、バンドメンバー全員と
だから打ち上げとか、『FOLT』の外で全員が一緒に居る時に見たのかと思っていたのだが……ヨヨコの疑問に対して、何故か志麻が挙動不審になってしまっていた。
「ああ、あれ実は」
「後藤の奴! よく打ち上げで吸ってるんだよ!」
きくりの言葉を遮り、志麻がそう説明してくる。
「席は外してくれるけど、その時によくあのワークポーチを持ち歩いててさ! だから中身も知ってて」
「あのワークポーチですカ?」
だがその後の、イライザの無自覚な発言までは止められなかった。
「あれって昔……志麻がカズトと付き合ってた時にプレゼントした物だって、言ってましたよネ?」
「ぁ、ぁ……」
取り押さえていたきくり(口元を押さえられて息が続かなくなっている)を手放した志麻は、頭を抱えてその場に蹲ってしまっている。それに対して、ヨヨコは不思議そうに首を傾げた。
「あれ? 後藤さんって姐さんの前に志麻さんと付き合ってたんですか?」
「言ってなかったでしたっケ?」
「ゲホ、ゲホ……まあ、恋バナとかしててもあんまり言わないもんね。別れ話なんて」
むせていたきくりの背後では、しゃがみ込んでいる志麻が未だに頭を抱えている。
「くそ~後藤め~」
「いや、かず君別に悪くないじゃん」
「元カノからのプレゼントなんてさっさと捨てりゃいいんだよっ!」
大体、と志麻は跳ね上がってきくりに詰め寄ると、その胸倉を掴んでガクガクと振り揺らしだした。
「そもそもお前が
「責任転嫁っ! こればっ、かりはっ、言いがかっ、りだって~!」
早口で詰め寄る志麻に、きくりも言い返そうとはするがその度に身体を振られてしまい、つっかえつっかえにしか言葉が出てきていない。
(志麻さん、本当に後藤さんの元カノだったんだ……)
激情に駆られている為か、おそらくは昔使っていたであろう『
「昔の恋とか、むしろ気にしない方が良いですよね? よっぽどひどい別れ方をしたんですか?」
「ノー。カズトは怒ると怖いだけで普通に良い人ダシ、振ったのは志麻の方ネ」
ヨヨコとイライザが話している中、きくりと志麻のあまりの暴れっぷりに顔を出してきた銀次郎が二人を叱るまで、ものの一分も掛からなかった。
(…………ん?)
コンビニで買った無料クーポンのコーヒーを飲みながら、『FOLT』の近くにある喫煙スポットの前で待っていると、『SICK HACK』の面々が歩いてきたのはいいのだが……
「何かあったのか?」
「いや~、カズトと志麻が昔付き合ってたことをヨヨコが知った途端、ギンチャンが怒っちゃっテ……」
「話がまったく見えん」
因果関係が分からずに首を傾げる
「お前もお前だっ!」
そう言い、掲げて見せるのはかつて、志麻が
「いいかげん買い替えろよ、これっ!」
「と、言われても……」
しかし、こればかりは志麻の目利きの良さが招いた悲劇としか言えない。
「結構使いやすい上に、代わりがなかなか見つからなくてつい」
「つい、じゃねえよっ!」
次いで志麻は、ワークポーチを
「ああクソっ! やり直してぇ~……」
「そんなに嫌なんですカ?
「いや……こいつと付き合ってたこと、それ自体は別にどうでもいい」
イライザの疑問に、志麻は顔を顰め、呻くようにして答えてきた。
「一番嫌なのは……こいつと付き合ってた過去を振り返る度に、余計なことまで思い出しちまうことなんだよぉ!」
そうぼやく志麻の背後では、
「余計なことって……俺の前に付き合ってた初カレに『仲間も楽しませてやってくれ』って風俗嬢代わりにされかけたことか?」
「それともその直前に助けてくれたはずのかず君振る時に、顔面を思いっきりぶん殴ったこと?」
「両方だよっ!」
片方は自業自得な気もするが、どちらにせよ、志麻にとっては二つとも忘れたい過去なのだろう。
「クソ~……MCダダ滑りだったあのライブ程じゃないとはいえ、もういいかげん忘れてぇ~」
「前から思ってたんだが……それ以上に嫌なことって一体何があったんだよ?」
「聞かないでかず君、後生だから~……」
するときくりもまた、志麻の横で頭を抱えてしまいだした。このままでは通行の邪魔になるからと
「ほらもう行くぞ。他の人に迷惑だろうが」
「二人共行きますヨ~」
そして四人は通いつけの大手スーパーへと向かいだした。
「さっきの話、カズトは知らないんですカ?」
「聞く限り岩下と別れた後の話っぽいし、そもそもライブ自体、観に行くようになったのはきくりと付き合い始めてからだしな……」
そうこうしている内にきくりと志麻も立ち上がり、四人揃って目的のスーパーへと入っていく。
「今日は何を食べましょうカ~」
食品ロス対策により見切り品が出始める時間帯に入店した
「……お、豚肉が割引されてる」
「白菜もあったぞ。見切り品だが、状態は悪くない」
「じゃあキムチ鍋にしよ~」
「良いですネ~」
メニューが決まり、それに必要な食材を買い物かごの中に放り込んでいく。
「この時期でも、まだ出汁とか売ってるんだな……」
「保存が利くからだろ。割高だけど、こういう時は便利だよな」
「後は……ニラや長ネギか?」
「きのこ類も欲しいな……って、あいつ等は?」
他の具材でも探しに行ったのかと周囲を見渡すと、たしかに別の商品を手に持って戻ってきていた。
「ねえ! ビールも入れよ~!」
「それが許されるのはすき焼きだけで、どうせお前の胃に入るからボツ!」
「きのこのお菓子がありましタ~! 今ならコラボグッズがついてきますヨ!」
「グッズ一つ分にしなさい。食べきれないし、他の欲しい人が困るだろ」
まるで二人の子供を持つ夫婦の家庭のような光景だが、悲しきかなバンドのメンバーとその内一名の彼氏という面子である。
「『おにころ』売ってた~」
「この前一升瓶買ってやったろ! 先にそっち飲み干せっ!」
「こっちのジュースも今、コラボ中なんデス~」
「分かった。多分後藤が飲むから、そっちの炭酸にするなら良いぞ」
「……ちゃんとウィスキーで割れるやつだろうな?」
追加の鶏肉や海鮮類も見繕ってから、四人は会計を済ませて
「ただいま~」
「同棲してないけどな」
「……いっそのこと、こいつ囲って管理してくれないか?」
「勘弁してくれ。あちこちゲロ吐かれて大変な未来しか見えない」
玄関を入って右に曲がり、ダイニングキッチンに購入した食材を置いてから、その奥にある部屋へと腰掛けた。
「にしても……まさか、別れた後もここに通うことになるとはな」
「どちらかと言えば、『バンドメンバーでたむろしてる』だろうが。ほら、いいから準備するぞ」
座卓を用意し、カセットコンロと土鍋を並べてから、キッチンで刻んできた材料を入れて煮立てていく。出来上がるのを待つ間、
「またCDやDVDか……」
「せどり出来る分野で、明るいのはこれだけだしな」
中古品で購入した中から、レンタル等では観られないDVD特典が含まれている物を一つ取り出すと、テレビに取り付けてあるDVDプレーヤーにセットして、映像を流し始めた。
「本はよっぽどの希少品じゃないと送料以下の価値しかつかないし、グッズ関連なんて欲しい奴は限定品以外、大体新品を買ってくだろ?」
そもそも、と
「そこらの転売屋みたいにCtoC(個人間取引)で利益出そうとする方が頭悪いだろ。個人が企業に勝てっかよ。いちいち店頭に並ばず、普通に小売店として仕入れた方が確実に儲かるわ」
「ホントそうですよネ。それなのに、ファンの気持ちを利用した極悪非道な商売をして……〇ァック」
イライザの黒い部分から目を逸らし、バックハグしてもたれかかってくるきくりをいなしながら、
「大体俺がせどりやってるのだって、レンタルできない
「まあ、付き合ってた時に古物商許可申請で手古摺ってるのを見てたからな……」
その少し後に、志麻と別れたことを思い出した
「なんかこのバンド、テクニックは良いけどそればっかりで感情みたいなのが感じられないな……こっちにするか?」
「アニソン~!」
三十分以上のボリュームでまだ途中だが、イライザは構うことなくアニソンCDの特典DVDに入れ換えて再生してしまう。
「……あ、こっちの方がなんか良いね」
志麻が鍋の蓋を開け、
スーパー酒呑童子EXくん『真似したら死ぬぜ!』ボーン
「最近のアニソンもすごいよな。昔のやつは感情優先で勢いまかせだったのに、今じゃ有名どころのアーティストが手がける時代になったし」
「それは分かるんだが……どうもピンとこないな」
イライザがアニソンの中でも電波系を推している為か、志麻にはしっくり来ていないらしく、しきりに首を傾げている。
「ほら、そろそろ食うぞ」
テレビのチャンネルを適当な番組に変えてから、
「じゃ、ライブお疲れ~」
『お疲れ~!』
そして、打ち上げという名の宅飲みが開始されたのだった。
「きくり、酒ばっか飲んでないでもっと食え。特に肉と野菜と海鮮類」
「全部じゃん。私太らせて食べる気~?」
「イライザ居るから今度な」
「少しは私も気にしろ」
きくりの冗談発言に対して適当にいなしながら、
「いまさらだけどさ……お前等、直箸とか気にしないの?」
「かず君と志麻達だから、私は気にしな~い」
「それこそいまさらだしな……」
「何か気にすることありましたカ?」
今カノ、元カノ、文化の違いにより、男の
「まあ、気にしてないなら良いけど」
本当にいまさらながらすごい状況だと思いつつ、次は野菜を器に移して口に運んでいく。
「そういえば後藤……お前のいとこ、伊地知先輩の妹さんとバンド始めたんだって?」
「伊地知……ああ、下北のライブハウスの人か」
鍋から貝類を適当に漁りながら、
「そこまで詳しくは聞いてなかったけど……同じバイトの子と組んでる、とは言ってたな」
「そうそうぼっちちゃん、私の最近のお気に入り~」
器片手にもたれかかってくるきくりを押し返し、零すからと姿勢を正させる。
「でも、これも運命だよね~。私が愛しの彼氏のいとこに偶然出会う……これはもう、かず君と結婚するしかない!」
『借金返してから言え』
「ぁぅっ」
きくりの戯言に、
「イライザ~かず君とついでに志麻がひどい~」
「オーよしよし」
「私はついでか?」
器を座卓の上に置いてそのままイライザの下へと転がり込んでいくきくりに、
「残念ながら、お前が全面的に悪い。せめて告白前に一度、きっちり清算しといてくれればここまで拗れなかったのに……」
「その件は散々謝ったし、かず君も無茶苦茶怒ったじゃんか~……私と志麻、ちょっと漏らしたんだよ」
「余計なこと言うなっ!」
鍋そっちのけで暴れ出す『SICK HACK』の面々を横目に、
「近所迷惑だから、あんまり暴れんなよ~」
「締めのラーメン入れる前に志麻止めてよっ!」
「志麻っ! 凶器はまずいデス! それだけは一番まずいデスカラ~!」
無言で部屋の隅に転がっていたボックスドライバーを掴み、先端をきくりに突き立てようとする志麻を涙目のイライザが一緒になって必死に止めようとする中、
「ああ、食った食った……」
一人だけ鍋を食べ終えた
「ぅぅ、かず君が助けてくれなかった~……彼氏なのにひどい……」
「いいから飯食え、お前痩せ過ぎなんだよ」
とはいえ、四人で食べるには少し足りなかったからと、志麻が今米を炊きにキッチンへと席を外している。イライザはイライザで、
「前から思ってたけどさ~かず君、少しはデレてよ。先輩以上にツン激し過ぎない?」
「だったら少しは借金どうにかしろよ」
仰向けになって
「だって~全力で音楽やったら、いっつも機材ぶっ壊れるもん」
「正確にはぶっ壊してる、だろ?」
アニメに夢中になっているイライザの背中を眺めながら、
「別に、きくりの演奏までは否定してねえよ。ちゃんと返すなら増やしても構わないしさ……まあ、それ以上に稼げないと意味ないけど」
「……そういう正論込みのデレは要らない」
チューチューと『おにころ』のパック(一升瓶は飲み干した)を飲みながらそっぽを向くきくりを見ていると、思わず高校時代を思い出してしまう
(やっぱり、こうなるよな……)
当時のきくりが、どれだけ
そんな予感がしたからこそ、お互いの半端な気持ちから目を背け、卒業と同時に疎遠になっていた。
それが大学時代に志麻と付き合って別れ、卒業後にある目的を片付けて……やがて、きくりと再会して告白された。
(まあ、酒癖の悪さやバンドマンになることは予想できなかったが……これはこれで、悪くないよな)
グラスに入れたウィスキーを傾けながら、寝落ちしかけているきくりから『おにころ』が零れないように取り上げた。
「くぅ……」
「スヤァ……」
酒が回って酔い潰れたきくりと、ライブとアニメ鑑賞疲れで倒れ込むイライザに毛布を被せてから、
「ふぅ……」
夏場だが涼しい夜風が吹く中、
「ここに居たのか」
ベランダの戸が開くと共に、志麻が外へと出てきた。
戸を閉めて煙が部屋に入らないようにしてから、志麻は
「煙草、少しは減らしたらどうだ?」
「……減らしたから、今吸いたくなってるんだよ」
きくりにワークポーチごと取り上げられたことは、ライブハウスからのロインですでに知っているはずだ。それでも志麻は
「後藤……まだ、死にたいとか思ってないよな?」
「だからあの時も言っただろ? 『死にたい』じゃなくて……『生きたいと思えない』って」
一時期、
そんな時に尋ねてきたのが志麻であり……彼女を介して再会したきくりのお蔭で、
生きたいと、思えるようになった。
「偶然が重なったとはいえ、お前等には感謝してるよ。特に、長い間想ってくれていたきくりと……再会させてくれた岩下に」
「気にするな……元とはいえ、一応は彼氏彼女の関係だったろ?」
解かれた腕の片方が、
「それに……お前には何だかんだ、助けられた借りがあったしな。あれでチャラだ」
「……そうかよ」
箱ごと、
「ちょっと待って、ろ……」
ライターを取り出そうとする中、グイと身を引かれる
「……別れ話の時に殴っといて、いまさら未練があるとか言わないよな?」
「仕方ないだろ」
顔を離し、煙を嗜みながら志麻は
「根本的に男運がない上に…………悪役が下手過ぎなんだよ、お前」
「悪かったな……」
そして少しの間、二人はベランダからの景色を眺めつつ、煙草の煙を飲んでいた。
「……岩下」
「ん?」
そろそろ、煙草が半分以上燃え尽きる。そうなる前に、
「そろそろだと思うんだが……」
「あ~、たしかに」
煙草を持たない方の手が二本、宙に掲げられる。
『…………シッ!』
そして二人は、互いの手を出し合った。
『……シッ!』
最初は互いにパー、次いでグー。
『シッ!』
最後に出た志麻のパーに対して、チョキを出した
「じゃ、頼んだぞ~」
「お前の彼女だよな? ったく……」
しかし、志麻は
『めろろろろぉ!』
『待て廣井! まだ吐くなっ!』
『Help Me! Help!』
「やっぱり吐いたか……」
残る煙草を吸い終えた
第2.5話
ゲロまみれの臭いに包まれた部屋に消臭剤をばら撒いている間に、南側の部屋に朝日が差し込んできた。
「また、ある意味朝までコースかよ……」
酔い潰れているきくり、雑巾で吐瀉物を掃除する志麻、そして消臭剤のスプレー片手にそうぼやく
「カズト、これくださ~イ!」
「購入した時の値段プラス五百円な。観終わったら渡すよ」
せどりで出品する前の商品をイライザが目敏く見つけて購入していくのも、きくりと付き合ってからの恒例行事になっていた。
スーパー酒呑童子EXくん『ちなみにCDやDVD単品とかで五百円以下の時はワンコインだぜ!』ボーン
番外編1
一人:後藤
一人「始まったな……誰得か分からない二次創作」
志麻「というか、作者も忙しいんじゃなかったのか? 別ペンネームでの連載と新作の同時進行で」
きく「なんか、作者が思いつきで一気に書き上げたらしいよ~気分転換というか承認欲求というか、自分の願望優先させて」
イラ「これもオタクのサガですネ~分かりマス、分かりマス」
一人「さすが、オタ活の為に日本に来たまであるな」
志麻「本当、この情熱はすごいよな……」
きく「ところで、何でタグが『オリ廣、オリきく』なの? 表記ゆれ対策?」
一人「……お前が酒で豹変し過ぎなんだよ。それで別人格扱いされてるから、『酒クズの廣井』と『シラフきくり』のダブルミーニングにしたらしい」
志麻「私としては、『オリ志麻』がタグに含まれてる方がもやっとくるんだが」
イラ「でも志麻、今でもカズトのこと気になってますよネ?」
志麻「『SICK HACK』の活動優先な上に、未だに良縁に恵まれてないからだよっ!」
きく「だからって、かず君取ろうとしないでよ~」
志麻「その辺りは……次かその次の話になるんじゃなかったか? 結局ここで終わったけど」
一人「元々はそこまで書いてから投稿する予定だったけど、時間が押して仕方ないからってここまでになったんだよな」
きく「まあでも、これで終わりだしいいじゃん」
イラ「そうですヨ! 後は作者が年一更新で頑張れば良いですシ」
スーパー酒呑童子EXくん『一瞬、沈黙が流れたぜ!』ボーン
一人・きく・志麻『…………え?』
イラ「作者が言ってましたヨ。『『管理局贔屓の情報屋』も終わったから代わりに年一更新、可能ならコミマ(≒コミケ)に合わせて投稿したい』ッテ」
一人・きく・志麻『…………マジで?』
作者『マジです。ちなみに、やる気はアンケート結果にも左右されます。気が向いたら投票してください。よろしくお願いいたします』
アンケート
1.『管理局贔屓の情報屋』の代わりにコミマ(≒コミケ)更新頑張って
2.『管理局贔屓の情報屋』の代わりに年一更新頑張って
3.それより『コレデモカノジョデス』の続き書いて
4.それより『1room after illusion』の続き書いて
5.何か違うから別の新作(二次創作)書いて
6.ハーメルン様から書籍化した人がいるけど、ここではオリジナル書かないの?
7.ここは俺達にまかせて、別ペンネームを優先して頑張ってくれ!
8.アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』2期製作決定、放送が楽しみです
今後の更新について
-
選択肢1.
-
選択肢2.
-
選択肢3.
-
選択肢4.
-
選択肢5.
-
選択肢6.
-
選択肢7.
-
選択肢8.