男なんかに渡すくらいなら、私が凛花の「雄」になればいい。
ペニスバンドとアナルバイブを手に、沙織は娘の寝室へ向かう。そして。
◆
夜の帳が降りた一軒家の二階で、私は娘の部屋の前に立ち尽くしていた。ドア越しに聞こえてくる弾んだ声は電話をしているらしく、その調子がいつもと違う。甘く浮ついた響きが私の鼓膜を刺す。
「……うん、うん。わたしもね、放課後楽しみにしてる」
心臓がぎゅっと握り潰されるように軋んだ。男だ。凛花の相手は間違いなく男である。あの声色を私は知っていた。かつて自分も、あんなふうに誰かに焦がれていたことがある。結婚する前の、まだ夢を見ていた頃の話だ。そしてその夢がどれほど残酷な結末を迎えるか、身をもって知らされることになった。
夫に捨てられたのは、凛花がまだ幼い頃のことである。若い女と逃げた——それだけの理由で私の人生は粉々に砕け散った。あの日から私の世界には凛花しかいない。凛花のために働き、凛花のために生き、凛花のことだけを考えて眠りについてきた。凛花こそが私の存在意義そのものなのだ。
「じゃあね、また明日……うん、わたしも」
電話が切れる気配がする。私は音もなく自室へと戻り、ベッドに腰を下ろした。手が震えている。いつかこの日が来ることは分かっていた。凛花は可愛い。艶やかな黒髪に透き通るような白い肌、まだ幼さの残る愛らしい顔立ち。男が放っておくはずがない。
でも認められない。凛花が男のものになるなんて。あの子が誰かに奪われるなんて。脳裏にかつての夫の顔が浮かぶ。優しい笑顔の裏に隠された身勝手さ。甘い言葉で私を縛り、飽きたら捨てた男の姿が蘇る。あんな生き物に凛花が汚されることだけは絶対に許さない。男なんてみんな同じだ。優しい顔をして近づいてきて、散々弄んで、最後には捨てていく。
私はクローゼットを開けた。奥の奥、誰にも見つからない場所に隠してあるものがある。黒い革のハーネスと、それに取り付けられた肉色のシリコン——ペニスバンドだ。その隣には小ぶりのアナルバイブが鎮座している。いつ買ったのかもう覚えていない。ただ、いつかこれが必要になる日が来ると本能的に分かっていた。
男に凛花を奪われるくらいなら、私が凛花の「男」になればいい。
私の唇が歪んだ笑みを形作る。
その夜、私は凛花の部屋を訪れた。パジャマ姿の凛花が不思議そうに首を傾げている。あどけない仕草。まだ何も知らない無垢な子供の姿がそこにあった。
「少し、話がしたくて」
私は静かにドアを閉め、鍵をかける。かちり、と小さな音が響いた。凛花の声に僅かな警戒が混じる。私はゆっくりと凛花に近づいた。ベッドに腰掛けている娘を見下ろしながら口を開く。
「凛花。最近、楽しそうね」
「え? う、うん……」
「学校で、何かあったの?」
凛花の頬がほんのり赤く染まった。その反応だけで、私の胸の奥で何かが弾ける。
「……好きな人が、できたの?」
「えっ……な、なんで分かったの……」
凛花が慌てて視線を逸らす。その仕草がたまらなく愛おしくて、たまらなく憎らしい。
「そう。そうなのね」
私の声は不気味なほど穏やかだった。
「お母さんね、凛花のこと、誰にも渡したくないの」
「え……?」
「男なんて、みんな嘘つきよ。優しい顔して近づいてきて、最後には捨てていくの。お父さんがそうだったでしょう?」
「お母さん、何言って……」
「だから、私が守ってあげる」
私は凛花の肩を掴んだ。細い肩。まだ子供の壊れやすい身体である。
「私が、凛花の全部になってあげる」
凛花がもがくが私は離さない。そのまま娘をベッドに押し倒した。凛花の目に恐怖が浮かぶ。私はその恐怖を、恍惚とした表情で見つめていた。
パジャマを剥ぎ取り、まだ小さな胸をあらわにする。私の視線がじっとりと凛花の肌を舐め回していく。
「綺麗ね、凛花。本当に、綺麗」
「お母さん、やめて……! どうしたの、おかしいよ……!」
必死に抵抗する凛花を押さえつけ、下着も剥ぎ取る。まだ薄い茂みに覆われた秘所と、その下の小さな窄まりが露わになった。
「これはね、ペニスバンドっていうの。男の代わりになるものよ。いいえ、男より、ずっといいもの」
私は腰にハーネスを装着しながら説明する。
「そしてこれはアナルバイブ。凛花のお尻の穴に入れるの」
「えっ……!? そんなところに……!?」
「大丈夫よ。ちゃんと気持ちよくなれるから」
私はローションを手に取り、凛花の肛門に塗り込んでいく。凛花が身を捩るが構わず、指を一本、後ろの穴に侵入させた。ぬるり、ぬるりと粘着質な音が響く。やがて二本目の指も入り、凛花の肛門は少しずつ慣らされ柔らかく開いていった。
準備ができたところでアナルバイブを押し当てる。ずぷり、と先端が侵入し凛花が悲鳴を上げた。私は構わずゆっくりとバイブを押し込んでいく。やがて根元まで埋まり、凛花の小さな肛門がぴくぴくと震えていた。バイブのスイッチを入れると、ぶぅん、という低い振動音が響く。
「ひぎっ……!? な、何これ……! お尻が……お尻がおかしい……!」
凛花が混乱した声を上げる。私はその姿を満足げに眺めながら、自分の腰のペニスバンドを凛花の秘所に押し当てた。
「さあ、こっちも入れてあげるわね」
凛花の懇願を無視して、ずぷり、と先端を侵入させる。肛門のバイブと膣内のペニスバンドが薄い肉壁を挟んで押し合った。凛花は声にならない悲鳴を上げ、全身を痙攣させる。
「気持ちいいでしょう? 前と後ろ、両方気持ちいいでしょう?」
「ちがっ……ちがう……いたい……おかしい……!」
「嘘おっしゃい。こんなに濡れてきてるじゃない」
私は腰を動かし始める。ずちゅ、ずちゅ、と淫靡な水音が部屋に響いた。同時に肛門のバイブが凛花の内壁を震わせ続けている。二つの刺激が凛花の幼い身体を容赦なく責め立てていく。凛花の声が少しずつ変わり始める。痛みだけだったはずの悲鳴に、別の色が混じっていった。
「ほら、気持ちよくなってきたでしょう?」
私は凛花のクリトリスを指で転がしながら、腰を打ち付け続ける。ぐちゅ、ぐちゅ、ぬちゃ、と卑猥な音。凛花の身体がびくんと跳ね、悲鳴とも嬌声ともつかない声が漏れる。
「お尻と前、両方気持ちいいのよ。もっと、もっと教えてあげる」
私は凛花の足を肩に担ぎ上げ、さらに深く抉り込む。同時にバイブの振動を強モードに切り替えた。凛花が絶叫する。その声が私の背筋をぞくぞくと痺れさせた。
それから毎晩、私は凛花の部屋を訪れた。最初は泣いて抵抗する凛花を押さえつけ、無理やり二つの穴を犯した。でも三日目くらいから凛花の反応が変わり始める。抵抗が弱くなり、嫌がる声に混じって甘い吐息が漏れるようになった。
一週間が経つ頃には、凛花はもう抵抗しなくなっている。それどころか私が部屋に入ると、怯えながらも期待するような表情を見せるようになった。私は満足だった。凛花は着実に私のものになりつつある。
ある夜、私はペニスバンドを外し自分の下着も脱いだ。凛花の前で淫らに濡れた自分の秘所を晒す。
「お母さんのここ、舐めてごらんなさい」
凛花は呆然と私の股間を見つめていた。私が凛花の頭を掴み自分の秘所に押し付けると、最初は何をしていいか分からないようだったが、優しく——時に厳しく——指導するとすぐに覚えていく。凛花の舌が私のクリトリスを転がす。その舌使いは日に日に巧みになっていった。
「凛花、あの男の子のこと、もう忘れたでしょう?」
口を塞がれた凛花は頷くことしかできない。私は満足げに微笑んだ。凛花は完全に私のものになりつつある。男なんかに渡さない。誰にも渡さない。凛花は私だけのものなのだ。
◇◇◇
お母さんがわたしの部屋に来るようになって、一ヶ月が経った。
最初は怖かった。毎晩毎晩犯されて、泣いて抵抗して、それでもお母さんは止まらなかった。お尻の穴にバイブを入れられて、お股にはペニスバンドを突っ込まれて、二つの穴を同時に犯されるのは最初は痛くて苦しくて死んでしまいたいくらいだった。
でも、いつからだろう。
気持ちよくなってしまったのは。
「あっ、あっ、お母さ、んっ……! そこ、そこぉ……!」
自分でも信じられない声が出る。お母さんのペニスバンドがわたしの中のいちばん気持ちいいところを的確に擦り上げてくるのだ。同時にお尻の中のバイブがぶるぶる震えて、わたしの頭を真っ白にしていく。
「両方気持ちいいのね、凛花」
「やっ……やだ、言わないでぇ……!」
「お尻も前も、お母さんのものになっちゃったのね」
お母さんが嬉しそうに笑う。わたしは否定したかった。でも身体は正直で、気持ちよくて気持ちよくてどうにかなりそうだった。
「ひあぁッ……! またイく、イっちゃう……!」
「いいわよ、何回でもイきなさい」
お母さんがわたしのクリトリスを弾く。その瞬間わたしの身体は痙攣し、意識が飛びそうになった。
「あひィッ……! イくぅ、イっちゃうぅ……! おまんこもお尻もイっちゃうよぉおおお!!」
絶頂の波が全身を駆け巡る。前も後ろも同時に絶頂を迎えて、わたしは何も考えられなくなった。
学校で話しかけてきた男子がいた。名前は覚えていない。顔もよく見えなかった。確かこの子のことが好きだったはずなのに、今はどうでもいい。わたしはその子に笑顔で言う。
「ごめんなさい。わたしには、もう、お母さんしかいないの」
その子がどんな顔をしたか覚えていない。だってどうでもよかったから。早く家に帰ってお母さんに会いたかった。お母さんに触られたい。お母さんに犯されたい。お母さんのおまんこを舐めたい。
友達もいなくなった。何を話していいか分からないし、話す気も起きない。学校にいる間はずっとお母さんのことを考えている。早く帰りたい。お母さんに会いたい。お母さんに抱かれたい。
ある日、お母さんが言った。
「今日はね、特別なことをするわ。シックスナイン、知ってる?」
わたしは首を傾げた。
「お互いのおまんこを同時に舐め合うのよ」
わたしの目が輝く。かつてあった恥じらいはもうどこにもない。
「お母さんのおまんこ、舐めたい」
お母さんが満足げに微笑んだ。
ベッドの上でお母さんとわたしは絡み合っていた。お母さんが上になり、わたしの顔の上に自分の秘所を押し付ける。同時にお母さんの顔はわたしの秘所の前にあった。
「いくわよ、凛花」
「うん……お母さん……」
二人同時に舌を伸ばす。ぴちゃ、ぴちゃ、と淫靡な音が重なり合った。
お母さんのおまんこはとっても美味しい。最初は気持ち悪いって思ったけど、今は大好き。お母さんの匂いがして、お母さんの味がして、それだけでわたしは幸せになれる。
「んむ……ちゅぷ、れろ……」
お母さんのクリトリスを舌で転がすと、お母さんが甘い声を上げる。その声を聞くのがわたしの生きがいになっていた。同時にお母さんの舌がわたしのおまんこを舐め回してくる。気持ちいい。すごく気持ちいい。お母さんと繋がっているみたいで幸せだ。
「あっ……お母さん……イきそう……」
「ん……私も……一緒にイきましょう、凛花……」
二人の動きが激しくなる。互いの秘所を貪り合い、互いの体液を啜り合いながら絶頂へと駆け上がっていった。
「あひぃいいッ……! イくぅ、イっちゃうよぉおお!」
「んんッ……! 私も……イくわ……!」
同時に絶頂を迎えた二人の身体が痙攣する。愛液が溢れ出し、互いの顔を濡らしていった。
絶頂の余韻に浸りながら、わたしはお母さんのおまんこを舐め続けている。命令されなくても止まらない。止めたくない。ずっとこうしていたい。
おいしい。
あったかい。
おかあさんのにおい。
しあわせ。
もうなにもかんがえなくていい。
おかあさんがいれば、それでいい。
わたしは笑っている。にこにこ笑っている。お母さんのおまんこを舐めながら幸せそうに笑っている。
「いい子ね、凛花。ずっとこうしていましょうね」
お母さんの声が聞こえる。わたしは答えない。ただぴちゃぴちゃと音を立てて、お母さんのおまんこを舐め続けている。にこにこ笑いながら。
だって、幸せだから。
お母さんがいるから。
お母さんに愛されているから。
わたしの頭の中からはもうすべてが消えていた。学校の友達のこと。好きだった男の子のこと。将来の夢のこと。何もかも消えて、ただ「お母さん」という存在だけが残っている。
お母さん、大好き。
お母さんのおまんこ、おいしい。
お母さんのためならなんでもする。
お母さんがいれば──それでいい。
窓の外では冷たい月が、わたしたちの
たぶん、永遠に。
にこにこ笑いながら、わたしはお母さんのおまんこを舐め続けた。