誕生日目前の女主が日付変わった途端にテトさんから速攻手を出される話です

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第1話

私が成年を迎えるまであと20分。この20分さえ超えてしまえば、私はテトさんとようやく次のステップへ踏み出せる。

 

月明かりだけしか指さない寝室。ベッドに私とテトさんが沈み込む。窓際を背に、時を知らす秒針の音がいつもより耳に入ってくるのを感じる。あと、あの秒針が何百回鳴ったら私は歳を1個重ねれるんだろう。

 

目線が目の前のテトさんじゃなくて、ベッド脇の時計へと向けたところで首筋にリップ音がつけられる。首からゆっくりと、上へ向かっていってついには唇へと到達したかと思いきや、今度は額同士を重ねてそのまま見つめ合わされる。

 

さっきキスされた所が熱い。見つめられているところも、触れられているところも全て。どぐ、どぐと心臓が跳ねる度にそのまま溶けていきそうなくらい。

 

息遣い。どちらとも熱い。いつもは大人っぽくて、穏やかに笑みを浮かべているはずのその顔は無に沈んでいる。内に潜む熱気とケダモノを抑えるように、わざと深く呼吸をしているのも、余裕が無さそうに私を見つめているのも、初めて見る"顔"だ。

 

少し怖い。けど、全て私のことを思って我慢してくれているのだとわかるから。その気の緩みが見抜かれたのか、テトさんは突然顔を近づけて口付けを交わす。

 

交わした時から、テトさんの舌が私の口の中に素早く入り込んで奥へ奥へと侵入してくる。テトさんの舌は止まらない、縦横無尽に頬の肉や上顎を撫でるだけ撫でて、逃げたように引っ込めた私の舌を吸って引っ張り出す。

 

自分の中の何かに、抗えず深いところまで、口腔内全てを食むようなディープキスをされて取り返しがつかなくなって。自分のファーストキスがとか。日付変わってないのにキスしてしまったとか。

 

考えは巡るけれど息を取り込む乱れた呼吸と心拍、熱いくらいに歪む頭と血流。溢れる涎と吐息。

 

「日付、とっくに変わってたの気がついた?」

 

急激に酸素を取り込めるようになったから、肺がびっくりして収縮を繰り返す。は、は、と呼吸を馬鹿みたいにして口を開けるけど、肺はろくに機能してくれないからあんまり意味が無い。

 

「これでボクと同じ大人だ。今までずっと我慢してたけど…ようやく、ようやく君を抱ける」

 

艶っぽく目を潤ませながら、口角をこれ以上ないくらいにニヤケさせて私を逃げられないようにベッドへ押し倒すテトさんの顔は。

 

大好物を前に待てを言われて、それがようやく許可された凶暴な犬と似ていた。

 

 

 

 

 

「かわいい声もっと聞かせて?ん、ここイイんだ♡反応良くなったよね♡」

 

1本の指で精一杯だったナカが、たった2、30分で音が出るくらい動かされてるなんて。元々不感症気味だったのに、どうしてこんな。こんなに簡単にイキそうになるの。ナカを突き動かす指が、自身のものではなく好きな人のものだから?それにしたって、単純過ぎないか。

 

お腹側の、子宮口手前ぐらいの場所。そこを執拗に指の腹で擦られて押されて、腰からお腹まで跳ねちゃう。がに股になりながら、みっともない声を出してテトさんに翻弄される。

 

きっと酷い顔をしているだろうから、せめて顔だけは隠そうとしてもテトさんの力には逆らえず、両手を片手だけで押さえつけられているから何も出来ない。

 

真正面からじっくりと観察されてるみたいに直視されているのも、ベッドシーツが私から漏れ出している色んな体液でぐしょぐしょになっているのも恥ずかしい。

 

自分の、からだなのに。制御がきかなくてわけも分からず目の前の大人に縋るしかできない。そうさせているのはその目の前の大人だってことは分かってる。けど、助けを求めるように縋りついてその人の名前を呼ぶ。そうしたいから。

 

「は〜〜...えっろ」

 

ぎゅ〜っと、ナカを強く押され一際大きく声を漏らす。仰け反って、手足をばたつかせて快感を逃そうとするもテトさんから体を抑えられているから体内に留まって爆発するだけ。

 

真顔で、私の体を見つめて汗を垂らすテトさんの顔。無言のまま、そのまま湿ったるい吐息を吸って吐くその空気。細くて長くて、少し骨ばったような指が動いて出す音はあまりにも淫らすぎて顔を背けたくなる。それぞれに呼応するように、ちかちかと光って明滅する視界に炭酸の泡みたく弾けながら、気持ちよさの神経が全てめちゃくちゃに壊されていくのが分かる。

 

薄れぼやけた擦れた視界。滲んだ赤と、肌色がまっすぐに私の顔へと近付いてくる。少し遅れて、体温と同じくらい温かくて何故か体を熱くさせる空気も。

 

唇にまた触れるのかと思った。まだ丁寧にナカを解されて、思考が途切れ途切れになりながら浮かべた予想とは違い、テトさんは私の耳元に口付けて淡くリップ音を散らす。

 

耳たぶ。そこを引っ張るように吸われて、落とされて、また吸われて、首から頭まで素早く電流が走る。なおかつ、入れられてる指もぐちぐちと音を立てるほど動かされてイイところをこれでもかと押される。こんなの、一体どっちで気持ちよさを感じているのか。どっちの刺激でイキそうになっているのか分からない。

 

テトさんの体のどれか、どこかが私の体を擦れたり触れるだけで肩を震わす。それがまた、耳と指が入れられている中と同時に反応して更に刺激をかきたてる。お腹の内側を強く押されたり、指の角度によって強弱つけられてる快楽と。耳たぶを吸われて、たまに甘噛みされることで脳にまで直接殴られてるような反射が複雑に絡み合い、初めて"イク"感覚に追い詰められた。

 

「ねぇ、好きだよ。好き、好き。君の全部、好きでたまらない」

 

テトさんの甘くて痺れて大好きな声が聞こえる度に、脳の中身が丸ごとひしゃげて溶けて弾けてしまいそうになる。ううん、もしかしたらもうなってるのかも。

 

耳元で言われているからか、鼓膜を通り越してその奥までテトさんの言葉が響く。ひたすらに指でかき混ぜられながら、脳内も声で蕩けさせられる。

 

好き、好き、好き、好き。テトさんの顔が好き。声も、口調も、性格も。私だって、テトさんの全てが好き。好きで好きでたまらなくて、身体が勝手にその愛を示そうと濡れて内側が悶えてくる。

 

気持ちよさの感覚が止まない。視覚的にも、体感的にも、聴覚にだって、全ての知覚情報から気持ちいいことの証明がなだれ込んで。

 

テトさんにはこんな汚い声聞かせたくないのに。汚い顔だって見せたくないのに。どうしたって取り繕えない喘ぎ声とぐちゃぐちゃの表情を垂れ流しになる。

 

「イキそう?いいよ、我慢しないで。ほら、ちゅーしよう」

 

濁音だらけの声を喉から開いてる私の口の中へ、私と同じくらい熱い舌が滑り込む。優しく、けれど私の舌を捕らえて離さないそれは、わざとなのか分からないけどちょうど今まさに激しく動かされている指と同じ音を発していた。

 

じっと私の顔だけを見据えて、赤い髪の毛が汗ばんで頬に吸い付くその表情。私の後頭部を抱えて、離れないようにして抑える手。がくがくと震えて逃げようとする私の最奥を追従してより奥へ奥へ入り、小刻みに動かしながら振動する指。

 

そして、口の中でテトさんの舌が私の舌を吸いながら蛇みたいに絡みついた瞬間、お腹と頭が真っ暗になってから真っ白になって。全身が狂ったように痙攣を起こす。

 

まだ絡みついて吸われている舌は何かの音を発声しようともがいて動こうとするも、抱きしめられているようにされているから動けない。腰も、頭も、後ろに仰け反りたいけどぎゅってされてるから何もできない。

 

ただただ、好きな人とキスしながらイかされていることだけに溺れて幸福感で死にそうになる。

 

しつこく、ねちっこく這い回る舌がイったばかりの私のくぐもった酷く甘い声をそのまま食べられてる。目も背くこともできないから、テトさんの顔を、目を少しとろんとさせながら薄ら笑いを浮かべているような目元だけを直視させられた。散々かき混ぜられたナカも、今度はゆっくりと指を折り曲げられて、絶頂のてっぺんから落ち着いて下がれるように解すような、微弱ながらに絶えず刺激を与えられた。

 

ようやく口を離された。私とテトさんの口元にはありえないぐらい長く重力に従って下に落ちそうな艷めく糸ができていて、私はその光景にもまたぶるりと身体が震えるのを感じた。

 

やがて、蕩けきった中からテトさんの指がぬるっと出てくる。テトさんの指どころか手はもう、どろっと鈍く光るやや粘性を帯びた液でびしょびしょだった。

 

その指を、テトさんは自らの口元へ持っていく。てらてらと光って自己主張するものが、私から出たものだと思うと途端に理性を取り戻して恥ずかしくなる。

 

2本、中指と薬指を離したりくっつけたりする動きを繰り返す。ねちゃ、ねちゃとやけに耳に響く音は息をするのも忘れるぐらい淫らで、私がどれほど乱れたのかをこれ以上ないほど分かりやすくしているものだった。

 

一筋、二筋の銀が指にまとわりついている。下に落ちるより、テトさんの指にしっかりと捕まって離れたくないって泣いてすがりついているかのように。テトさんはその様子を熱っぽく眺めて、息を少し吐いてから流れるように口に含んだ。

 

さっきまで私の舌に触れ合っていた舌が、その指についた体液をすくって飲み込んで、またすくって舌ですり潰すように味わっている。それも、私に見せつけるようにして。

 

ほんの微かな動作のみで人を狂わす魔性を淫魔と呼ぶなら、それはきっとテトさんしかいないだろう。今この時にだって、私を見つめながら生々しく音を立ててまだ粘液が残る手の甲にまで舌を這わせている。

 

一つ一つ丁寧に全ての指を舐めあげてから、手の甲、そして手首に至るまでに舌先で寄せ集めて喉元へ誘い込む。喉を鳴らしながら私の愛液を飲み込むテトさんを見ていると、汚いはずのものなのにそれすら好きだと言われている気分になる。

 

一通り食べ終わり、今度はテトさんの唾液まみれになった手を私の口の中へ突っ込まれる。抵抗しようにもイったばかりの体は重く、力も入りずらくて結局はされるがままだ。

 

舌を中指と薬指で押さえ込んで、私の舌の上をゆっくりと滑らせる。テトさんの指はもう、私の体液でとうにふやけきっていた。口内の中で少し動かされるだけでさっきキスされて覚えたテトさんの味と、ほんのり薄くねとっとした液体が私の味覚に襲いかかる。

 

無理やりにだって近いのに、不思議と嫌だとは思わない。思えない。そんなに悦に浸るような顔をされながら微笑まれたら、私だって嬉しくなる。開きっぱなしだった口を、少し閉じてテトさんの指をしゃぶるように味わう。

 

やっぱり好きな人の唾液は脳がはちけるほど甘くて、際限なくもっともっとと欲求が膨らむ。けど、そこに私が濡らした体液が合わさる。味はちょっと苦くて生々しかった。

 

考える力は最低限に。正気をぼろぼろと無くされていく。興奮で熱が出て少しでも体を冷まそうとして涙と、とっくにかききった汗がまた吹き出す。

 

赤ちゃんに戻ったみたいにしゃぶりつく。この指が、私の中を気持ちよくさせてくれたのだと思うと愛おしくて、テトさんの唾液がいっぱいついていると思うと舐めたくて仕方なかった。

 

なのに。まだ味わいたかったのに唐突に指を抜かれた。口の中が寂しい。さっきまであったはずのものが急にいなくなって物寂しさが湧いて出てくる。

 

首筋が大きく脈を刻んで、どっどっと心拍が血管の中を通るのが分かる。鼓動が鳴る度に、あの味が欲しくて思わず息を飲み込んだ。

 

テトさんの浅い、けどいつもより低くて掠れたため息が耳に入った。視界はもう、目から溢れた涙で赤色くらいしか見えないけど、それでもまた顔が近づいてくることだけはかろうじて見えた。

 

大粒の涙が落ちて、少しだけ視界が晴れる。その晴れた視界には、今まさに私の首に口をつけようとするテトさんの姿があった。

 

あ。今更気がついたけど、テトさんって服を着たままだったんだ。いつものと変わらない服装のまま、その手と顔と口と体で私をあんなに乱れさせてたんだ。

 

そんなの、そんなのもう。この先テトさんを見るだけで、この初めての夜を思い出すことになっちゃう。その事実を見てしまった後悔はしてもとうに遅く、むしろより記憶中枢の深層に刻みつけられる。

 

どうしようと考えてもなんにもならない無駄な自問自答をぶつ切りにしてすり潰すように。首に強くぢゅ、ぢゅうと齧られている感覚に苛まれた。

 

吸われている音が、引っ張られている皮膚が、ざらっと当たる舌も。くたびれた全身の末端にまで響いて身悶えする。足なんかもう仰け反りすぎて、足先がビクンビクンと震えるし。当たり前のように腰もかくかくと、内臓ごと上下に揺れた。

 

そんな私を慰めるように、頭をぽんぽんと優しく撫でられる。よくできた子を褒める時みたいに、いい子いい子って。

 

だから、その優しさと首元の執着の差にゾクゾクとする。これだけの愛と独占欲を私に向けていてくれていることに。いっその事醜いくらいの愉悦にどっぷり浸かる。むしろ止めずにテトさんの背中を抱き寄せて、なるべく濃くキスマークが残る事を期待したまま、意識の限界を迎えてまぶたを段々と下ろしていった。

 


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