帰宅時の電車の中は、いつものように身動きが取れないほど、ぎゅうぎゅう詰めだった。
そんな不快な状況にもかかわらず、マサオは何故かにやけた顔を浮かべ、機嫌の良さを隠そうともしなかった。
それもそのはず──
マサオは昨日の出来事で、自分に人生初の彼女ができたのだと、疑いもなく信じていた。
(あわよくば、彼女は妊娠し、嫁さんになってくれるだろう)
そんな浅はかな考を巡らせながら、マサオは昨日の夜の出来事を、頭の中で何度もなぞっていた。
童貞を拗らせた彼には、彼女の心の痛みなど、想像することすらできない。
それが、どんな結果を招き、不幸を呼び込むという危機感すらないのだ。
吊革を掴みながら昨夜のことを思い出し、下卑た笑みを浮かべていたマサオ。
次の瞬間、その視界に、黒いパーカーのフードを被った小柄な少女が割り込んできた。
白いミニスカートを穿いたその少女は、顔を伏せたまま、片方の手をポケットに突っ込んで動かない。
だが、胸の辺りに彼女の身体が密着し、その感触がだんだんと伝わっていた。
ほんのりとした温かさと、マシュマロのような柔らかさに、想像力が広がり股間が熱くなる。
ズボン越しに硬くなったものが、その太股に密着している。なのに、彼女は気にも留めずに、ただ俯いていた。
(なんだ? この女……あそこが硬くなってるの気付いているはずなのに……もしかして、僕に気があるのか?)
マサオはサヤカとセックスができたことで、有頂天になっていた。
あれだけの美少女を自分の女にすることができたのだ。
今まで女性に相手にされなかった分、運が回ってきたのだと勝手に解釈していた。
(女を経験して、僕にもモテ期が到来したんだ! ……この娘も、頂いちゃおうかなぁ~)
マサオは、またしても自分勝手な思い込みで、胆略的な思考を巡らせていた。
目の前の少女を品定めするように、舐めるような視線で頭の先から足元までを追う。
その瞬間、少女はゆっくりとパーカーのフードを下ろし、素顔を晒した。
──その姿を見た途端、マサオの脳裏に戦慄が走る。
そこに立っていたのは、言葉を失うほどの美貌を備えた少女だった。
サヤカも美少女ではある。だが、この存在を前にしては、どうしても霞んで見えてしまう。
絹糸のように細いブロンドの髪。
雪のように白い肌には、傷一つ見当たらない。
切れ長の二重の瞳には、瑠璃色の光が静かに宿り、こちらを射抜いている。
それはまるで、異国の絵画から抜け出してきた存在──その正体はエルザ・フォン・エスタービッチ。
彼女はマサオを見て、値踏みするようにニヤリと笑った。
しかし、能天気なマサオには、彼女の意図などまるでわからない。
その微笑は、彼からしてみれば、誘ってるようにしか思えなかった。
(この笑顔、僕を誘っているのか? ……やはり、ツキは僕に向いて来たんだ!)
そう思いながら心の中でほくそ笑む。すると、エルザはパーカーのファスナーを、目の前でゆっくりと下ろしていった。
そして、まるで中を見せつけるように、それをゆっくりと開いていく。
そこに現れた素肌を見て、マサオの思考がまた凍りつく。大きく目を見開き、愕然と息をのんだ。
(何も着ていない!? ……パーカーの下は、どう見ても裸。彼女は痴漢されることを望んでいて、この大勢の中から僕を選んだ!?)
パーカーの中は下着すらも付けていなかった。それが肌けられると、AVでも見たことがないほどの、形の良い胸の膨らみが現れる。
サヤカほど大きくはない。だが、その色と形は、人間の理想を凝縮したような完成系で、まさに美乳。
マサオは先端のピンクの部分に向かって、引き寄せられるように指を伸ばしていった。
艶やかに染まった小さめな乳輪。その中心には、プクッと膨らむ突起物が、反るように上を向いている。
心を奪われるほどの美しさに、そこからは一瞬たりとも目を離すことなどできなかった。
マサオの震える指が、淫らな部分の先端をゆっくりと摘まむ。
その瞬間、エルザは罠に掛かった獲物を見るように、ニンマリと口角を上げた。
マサオは、彼女の乳首を両手で摘まみ、一心不乱に捏ねくり回していた。
絶世の美女の、こんなに美しい部分を触ることができて、頭の中は真っ白だった。
プルプルと揺れる膨らみ自体も、異様なほど柔らかい。だが、摘まんだ部分はコリコリとしてるが、指に吸い付くような弾力性まである。
興奮する彼は、その部分を思いつく限り全てで弄んでいった。
軽く抓ってみたり、キューッと引っ張ってみては彼女の反応を見る。そして、膨らみ自体をプニプニと揉んでみたり、先っぽに軽く息を吹きかけてみる。
しかし、彼女は感じてる様子も、微かな喘ぎ声さえも漏らさなかった。
微笑を浮かべたまま彼の頭を胸に引き寄せ、その股間に手を伸ばす。
そして涎に濡れた彼の唇が、目の前に迫る艶めかしい部分を、スッポリと包み込んだ。
マサオはこのまま、やれると確信していた。
彼女の手は、硬くなったペニスをズボンの上から優しく撫でてくれている。
愛おしむように撫で回す温かい感触は、彼女がここを求めていることを、赤裸々に伝えていた。
ズボンの中のものは、はち切れんばかりに膨張して、その形をハッキリと浮き立たせている。
呼吸を乱すマサオは、口に含ませた乳首を、舌でゆっくり転がし続けていった。
そんな時、彼女の手が何の前触れもなく、ズボンのジッパーを下ろす。
そして、そこから入り込んだ手がパンツの中にまで侵入し、硬直したものを強引に取り出していった。
マサオは彼女の積極性に少し困惑していた。
(いくら欲情してるとはいえ、こんな所でしようと思う女など、いるだろうか?)
しかし、彼女はズボンの中からペニスを取り出すと、自分のスカートをゆっくりと捲り上げる。
そこに現れた嫌らしい有り様を目にして、マサオの疑念は瞬く間に消し飛んだ。
(スカートの中は、パンティすらも履いていない……!)
その美しい髪と同じ、絹糸のように細いブロンドの茂み。
それに覆われるように、真ん中にくっきりとした一本の筋が通っている。
そこからトロトロと溢れ出す粘膜が、糸を引きながら太股を伝って、ゆっくりと垂れている。
さらに、そこから漂う卑猥な匂いが、彼の欲望を掻き立てていく。
サヤカとは、まったく違ったその部分の様子に、マサオは息を呑んでいた。
(見た目が違うから、挿入した感触もまったく違うのだろうか?)
息を荒げるマサオは乳首を吸いながら、しっとりと濡れたその部分に手を伸ばす。
しかし、エルザは彼の頭を胸から離し、その首に腕を巻き付けた。そして片足を上げて、彼の腰の辺りに膝を掛ける。
マサオは慌てて彼女の腰を支えた。あまりの急展開に、思考が追い付くことができなかった。
(セックスできるぅー! それも、こんな美女と! やっぱり、僕はモテ期なんだ!)
しかし、やはり胆略的な思考で、”ぬか喜び”。そうだと知らずにニヤニヤと笑う。
その時、彼の硬くなったものが、「ピチャ」っと音を立てて、エルザの膣に飲み込まれていった。
「う゛ぅ────っ!」
マサオは思わず声を上げた。だが、電車の走行音で周りの人間は誰も気付かない。
(な、なんだぁ、これぇ! 吸引力がハンパない!)
エルザの膣の中は、サヤカとまったく違っていた。挿れた瞬間から、精子が搾り取られるような感覚が広がり、射精感が急速に込み上げていく。
まるで、生き物のように蠢くその中は、とろけるように温かく、ニュルニュルした膣壁が奥へ向かって吸い込んでいる。
泣きそうな顔で彼女の腰を、必死に抱きしめるマサオ。
だが、エルザはそんな彼を見つめながら、ゆっくりと腰を動かしていった。
「ヌプっ、ヌプっ……」と音を立てながら、彼女の腰が上下に動き、ペニスが出たり入ったりを繰り返していく。
マサオは白目を剥きながら、朦朧とした顔付きで天を眺めていた。
すぐにでも出したい。なのに、何故だか勿体ないような気がして、射精することができない。
柔らかく擦り続ける膣の感触に悶えながら、必死に耐えた。
しかし──
「ポイントヒール……」
彼女が詠唱を唱えると、更に股間が熱くなり、ペニスの感覚が今まで以上に跳ね上がる。
それもそのはず──
ポイントヒールは回復するだけではなく、身体の一部を活性化させる。
それは、まさに媚薬と同じ効能。何も知らないマサオが、耐えられるはずもない。
「の゛あぁ──────ーっ!」
マサオが奇声を上げると同時に、エルザは膣の中に入ったペニスを抜いた。そして、何事も無かったように、フードを被って人混みの中に紛れていった。
それと並行して、野ざらしにされたペニスから、白い液体が「ビュッビュビュッビュ……」と飛び散っていく。
マサオは射精の衝撃で口から泡を吹き、その場に崩れるようにへたり込んでいった。
そして、ペニスを剥き出しにしたまま、大の字に倒れていく。
それでも、噴水のように飛び出る精子は、いつまで経っても止まらない。
やがて、まき散らされる精子が、他の乗客にも掛かり、その異変に気付いた人たちが声を上げる。
「なんだ? ……これ?」
「嫌だぁ。 なんか臭~い!」
「あっ! あの、おっさんチンコ出してるぞ!」
ズボンからペニスを出して、噴水のように精子をまき散らすマサオ。その姿に、電車の中は一気に騒然となった。
そんな時、エルザと入れ替わるように、マサオの前にサヤカが現れた。そして、大きな声で叫ぶ。
「きゃ──────ー! 痴漢!」
彼女はそう叫びながら、マサオの股間を思いっ切り踏みつけていった。
ゴリっという鈍い音と共に、マサオの口から悲鳴が漏れる。
マサオは、その痛恨の一撃で、男として完全に終わった。しかも、公共の場でこんな姿を晒したことで、社会人としても終わっていた。
断末魔のような悲鳴が響く中、エルザとサヤカはお互いの顔を見合わせた。
そして、二人して満足げにニヤリと笑った。
~to be continued~