ヒロシは何が起こったのか理解出来なかった。
時間にしてみれば、ものの数十秒で天に昇っていた。その間、彼女は首を前後にすら動かしていない。
先端を軽く咥え込んではいたが、背面を這う舌の動きだけで、ヒロシを絶頂にまで到達させていた。
便器の前で漠然とするヒロシは、その余韻と、今まで感じたことのない刺激に朦朧としていた。
「はぇーなぁ~。秒殺じゃねぇかよ!」
少女はそう言いって、口の中のものを雑に吐き出す。
ヒロシは床に吐き付けられた、自分の子種を見て、どこか虚しさを感じていた。
しかし、そんなことよりも、さっきの刺激が忘れられない。
あの舌の感触が記憶に焼き付いて離れない。
果てたばかりだというのに、記憶がリピートして、萎んだものがムクムクと大きくなる。
──もう一度、味わいたい……
そう思っていると、少女はヒロシの顔を見つめながらニヤリと笑った。
「また、大きくなってきたな……忘れられねぇんだろ?」
図星の言葉にヒロシは何も言い返すことができなかった。
顔を赤らめ、初心な乙女のように「えっ! ……う……うん……」と言ってモジモジする。
五十を超えた大の大人が、こんな小娘に軽くあしらわれているのに、ヒロシは咎めることも出来ない。もはや、それを完全に受け入れている自分がいた。
「しょうがねぇなぁ~」
すると少女は、そう言って大きく溜め息をつく。だが、その細い指は復活したものを再び握り、意味深な笑みを浮かべた。
ヒロシは微笑を浮かべた少女の顔を見てゾクッとしていた。整った顔は確かに美しい。しかし、唇から目が離せない。想像を超えた、快感の秘密はそこにあるのだ。
──プルンとした見た目の艶やかな唇。
吸い付く感触が、優しい吸盤のようで想像以上に心地よかった。しかも、中は驚くほど温かい。ぬるま湯に”そこ”だけを浸らせてるようで、身体中がとろけていくような感覚が広がった。
そして、ヌルヌルと側面を這う舌の感触。
猫のように、ちょっとしたザラつきがありながら、不快な痛みは全くない。むしろ、動くたびに快感が脳天を貫き、膝がガクガクと震えるほどだった。
この世の物とは思えなかった”あの快感”を思い出し、ヒロシはまた息を呑む。
──もう一度、あの天国を味わうことができるのだ。
「あと、一回だけだぞ~」
しかし、少女のその言葉にヒロシは落胆する。一回と言わずに、ずっと繰り返されてもよかった。
ヒロシはもはや、これから会社に出勤だということも、ここが公衆トイレだということも忘れていた。
目の前の少女の唇が迫ってきている。ただ、それだけに心を奪われていた。
そして、濡れた唇が再び吸い付き、快感が全身を駆け巡る。
吸い付いては離れ、また吸い付いては離れを繰り返されて、ヒロシは気が遠くなり白目を剥いた。
「お前のここは、やらしい匂いがするなぁ~」
貶されているというのに、ヒロシの耳には届いていない。
いや──届いたとしても、それは興奮を高める材料となるだけだろう。
「うぅ……はぁ~っ」
僅かな時間、それを繰り返されただけで、ヒロシは悶絶していた。
微かに保つ意識の中で、「チュッ、プチュッ」という吸い付く音が耳に響き、もどかしい思いだけが募る。
ヒロシはこの時、早く咥えて欲しいと心から願っていた。
蛇の生殺しのようなことをされているのに、また終着点が着実に迫っていたからだ。
──このままでは、堪能するどころか、口の中にまで辿り着くことはできない。
「あ……あのぅ……」
そう声を出した瞬間、先の一部が温かさに包まれる。
「……はぁ~っ!」
ヌルりとした感触に包まれた、何ともいえない充実感がヒロシを襲う。
ザラつきのある舌が側面を回ると、スジに沿って行ったり来たりを繰り返す。
ヒロシは思わず、神官帽の上から彼女の頭を抱え込んだ。
──この唇を誰にも奪われたくないと心から願っていた。
「おい、おっさん! 頭に触るな。 髪型が乱れるだろう!」
命令口調のキツイ言葉を吐きながら、続けられる舌使いだけは、やけに優しい。
そのギャップが尚更、ヒロシの心を虜にしていく。
狂気と思えるほどの、おかしな性格など、もはや気にもならなかった。
快感に身をまかせ、夢見心地で天井をぼんやりと見つめている。すると、ニュルっと吸い込まれるような感覚と共に、彼女の唇のスライドが始まる。
「ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ……」
唾液を大量に含ませた口の感触は、まさに悪魔的だった。
唇の柔らかさも、さることながら、舌を上手に使って、中のものを懸命に搾り出そうとしている。
飲み込むタイミングで口を窄めたかと思うと、吐き出す時には舌が這う。
力加減も絶妙で、敏感な部分は優しく這いまわり、鈍いところはザラつきを強調して行き来する。
けして、ワンパターンになることはない。
ヒロシはそれを繰り返されると、泣き出しそうな顔で彼女を見つめた。
まだ、始まったばかりなのに、カウントダウンが間近に迫っていた。
浅い呼吸をひたすら繰り返し、虚ろな目で膝元の少女に何かを訴える。
──も、もう……だめだ……
ヒロシの声にならない切ない思い──。
クリっとした目で、じっと様子を伺う少女は、そんな気配に気付き、咄嗟にそれを口から解放する。
「まだ、ダメだ。 もう少し、我慢しろ」
もう少しだったのに突然の中断。
今のヒロシに、少女の低い声は死刑宣告にも感じた。
モヤモヤした、やるせない思いが湧き上がり、血の気までもが引いていく。
青白い顔をしたその前で、少女はすっと立ち上がり、彼を便器に座らせる。
唾液に光った股間のものは、天に向かって反り返り、激しく脈を打ち続けていた。
──これで、終わりだろうか?
落胆するヒロシの前で、少女はなぜだか、ほんのりと頬を赤く染めていた。
「咥えてるうちに、したくなっちまったじゃねえか! 責任取れ!」
少女はそう言って、白い法衣を一気に捲り上げる。
ヒロシの目に、今まで隠されていた、彼女の秘密の部分が、鮮明に映しだされた。
そこを隠すようなものは一切なく、むろん下着すらも履いていない。
淡い茂みに覆われた、ひとつの筋から、糸を引く粘膜が垂れ、キラキラと輝いている。
彼女の髪の毛と同じような、絹糸のように細いブロンドの茂み。
それに隠されるように、真ん中にくっきりとした筋が一本通っている。
そこからトロトロと溢れ出す粘膜が、糸を引きながら太股を、ゆっくりと伝って垂れている。
そこから漂う、いやらしい匂いが鼻にまで届き、ヒロシはゴクリと唾を飲んだ。
──えっ! できるの? こんな美人と……?
それは、まさに青天の霹靂だった。
性格に難はあれど、こんな美人と一つになることを、ずっと夢見てきた。
これまでの人生で、モテたことなど一度もない。
「いい男だ」と言われた記憶もない。
バレンタインやクリスマスは、自分とは無関係の行事。
その日だけは、街が輝くほど、自分の虚しくなり、誰とも会わずに早足で家へ帰った。
そんな人生を、生まれてからずっと続けてきた。
それが、こんな事態になるなんて……まさに奇跡としか言いようがない──。
ヒロシは自分が置かれている状況など、すっかり見えなくなっていた。
自分に向かって、ゆっくりと近付いてくる、濡れた筋の部分から目を離せなかった。
少女は不敵な笑みを浮かべながら、便器の上のヒロシに跨る。すると、その部分がパックリと開く。
太股を伝って垂れていた粘膜は、また糸を引きながら真下に垂れていく。
そこにあるのは、天に向かって伸びるヒロシの敏感な部分。
とろりと滴り、伝って流れる粘膜の温かさに、ヒロシは卒倒しそうなほどの眩暈を感じた。
──凄く、温かい……異世界の人間は体温が高いのだろうか?
そんなことを考えていると、少女が耳元で囁く。
「おっさん、私を満足させろよ……」
甘い口調でありながら、命令めいた言葉に、ヒロシはゾクッとしていた。
耳から伝わる息遣いまで温かく、優しく擽られているような、もどかしさが襲う。
少女はヒロシの頭に手を回し、固くなったものに手を添えながら、ゆっくりと腰を下ろす。
「ちゃぷっ」という音がしたと同時に、ヒロシの敏感な部分は、根元まで埋め込まれていった。
「あ゛────ーっ!! 吸い込まれるぅ────ー!!」
絶叫と共にヒロシは涙を流していた。
こんなものが、この世に存在するとは思わなかった。
今まで夜のお店で交わった女たちとは、まるで違う。
温かさも、さることながら、周りを包み込む肉壁が、あそこを更に奥に向かわせようと、締め上げてくるのだ。
まだ、動かしてもいないというのに、ヒロシは軽く意識を失っていた。
気を狂わせるほどの刺激が、その中にはあった。
「なかなか、いいもん持ってるなぁ~。でも、私が許可するまで出すんじゃないよ」
少女はそう言いながら、ゆっくりとピストンを繰り返していった。
ヌチヌチという音が響き、彼女の悩ましい吐息が耳に向かって吹きかけられる。
息遣いに混じった微かな喘ぎが、少しずつヒロシを妙な気分にさせていく。
意外と大きな胸の温もりが、衣服越しに伝わり、その柔らかさが更なる感動を呼び覚ます。
結合した部分から溢れ出す粘膜は、既にヒロシの股間をビショビショに濡らしていた。
出すなと命令された。だが、ヒロシはもはや、それどころではなかった。
「う、動かさないでー! 出ちゃいます……」
その声で少女の動きが一瞬、ピタリと止まる。
そして、抱きしめていた身体から離れ、ヒロシの顔を不思議そうに眺めた。
「このままで、いいの? 私は、構わないけど……」
そう言い掛けて、彼女はニヤリと笑う。
「そんなこと言って……おっさん! 自分で腰、動かしてんじゃん! ケラケラケラケラ……」
少女は、またしても狂ったように笑った。
ヒロシは気付かぬうちに、自ら腰を動かしていたのだ。
ヌルヌルになった結合部分を必死に擦り付け、中の感触を堪能しようと、膝まで浮かしている。
──身体は正直だ。これを知ってしまった以上、もう後戻りはできない。
ヒロシは険しい顔をしながらも、少女を抱きしめ、下から突き上げるように腰を動かしていった。
それに合わせるように、少女も再度、腰を動かし始める。
ニュチュニュチュという音と共に、締め付けてくる肉の柔らかさが、切ない思いを込み上げさせる。
根元に絡み付く小陰唇が、擽るような刺激を加え、興奮を高まらせる。
中で蠢くヌルヌルした無数のヒダが、奥へと向かって、あそこを吸い上げる。
ヒロシはその刺激の繰り返しに、もう耐えることはできなかった。
一定のリズムで腰を動かす少女の胸に、縋るようにして顔を埋めた。
そして、許可を取ることも忘れ、彼女の中に思いのすべてをぶちまける。
「うぅ────っ! イッちゃぅ────!」
ヒロシはそう叫んで、彼女の身体を強く抱き締めた。
放出の心地好さに身を震わせながら、彼女の感触を改めて堪能する。
先端から飛び出す体液の勢いに合わせて、あそこを包み込む肉壁が、波打つように形状を変える。
それは、まるで蠢くイソギンチャクのように、ヒロシの精根を一滴残らず搾り尽していった。
余韻に浸りながら、胸に顔を埋めたまま呆然とするヒロシ。
しかし、彼女の腰の動きは止まらなかった。
放出する前と同じように、一定のリズムでピストン運動を繰り返している。
全てを出し尽くし、萎んできたというのに、その動きはまったく止まらない。
ふと、顔を上げると、能面のような顔をした少女の冷たい視線が突き刺さる。
我に返ったヒロシは得体の知れない恐怖を感じ、この少女と関わったことを改めて後悔していた。
~to be continued~