あれから、エルザはヒロシのマンションに居座るようになった。
人の家だというのに、まるで自分の城のように振る舞う彼女。ヒロシはそんな突然の同居人に戸惑っていた。
いきなりこの世界に迷い込んだエルザは、もちろん着替えなど持っていない。
この世界のお金も一切ない。エルザのために、服や日用品といった必要なものは、すべてヒロシが買い与える羽目になった。
「ワハハハ……テレビって面白いなぁ~!」
リビングのソファで、エルザは腹を抱えて笑っている。
仕事を終えて帰宅したヒロシは、その光景に思わず固まった。
テーブルの上には食べかけのスナック菓子が散乱し、その真ん前でエルザは缶ビールを片手に、王侯貴族のような顔で寝そべっている。
しかも、素っ裸──。
用意した衣服は、そこら中に投げ散らかされ、脱いだ下着も”丸めたティッシュ”のように部屋の片隅に転がっていた。
エルザが来てから見慣れたいつもの光景──だが、穏やかな生活が日に日に、乱れ始めている。
そう思いながらも、ヒロシは反発することもできない。
堕ちてしまった彼は、彼女の奴隷として、従順に尽くすしかなかった。
あの日の公衆トイレでの行為は、一晩中続いた。昇天するたびに何度も気を失い、覚えてることなど殆どなかった。
だが、”あそこ”を包む感触と射精に至る衝撃だけは、いまだに脳裏に焼き付いて離れない。
それに、どんなに自堕落な格好をしながらも、エルザの身体付きは見事に美しい。目を奪われるほどの悩ましい曲線に、ヒロシは暴走しそうになるのを必死に堪えるほどだった。
ヒロシはあれ以来、エルザと一つになれてはいない。
どんなにお願いしても、「気分が乗らなぁ~い」と、冷たくあしらわれている。
帰宅したヒロシは、一目散にソファーの前に跪いた。そして、愛おしむように剥き出しの太股に頬擦りを繰り返す。
今日こそは、何としてでも「一つになりたい!」──。そう思いながら、エルザの機嫌を取りにいった。
しかし、エルザはヒゲ面のチクチクとした不快な感触に、眉をひそめる。
「おっさん、うぜぇよ! 気持ちわりぃなぁ~」
そして、面倒そうにヒロシの顔面を躊躇いもなく足蹴にした。
しかし、その動きで股の間から雌の匂いが、ほんのりと漂う。
本能を掻き立てる卑猥な香りは、ヒロシを更に狂わせる。彼は足蹴にされたはずの、足の指を躊躇いもなく「チュパ、チュパ」としゃぶり始めた。
そして、ブロンドの薄い陰毛に包まれた”あの部分”に、何としてでも辿り着きたい──と切実に願う。
「き、今日は……させてください……お願いです」
願いを込めたヒロシの言葉。しかし、エルザはそんな彼を相手にしようとさえしなかった。
缶ビールを飲みながらテレビに没頭し、ヒロシのことなど見向きもしない。
まるで、空気のような粗末な扱い。ヒロシは自分でも気付かぬうちに涙を流していた。しかし、諦めずに指への愛撫をひたすら繰り返す。
見捨てられたら生きてはいけない──そんな思いが、ヒロシを突き動かしていた。
あの時、延々と続けられた出し入れで、ヒロシはエルザとの行為の虜になっていた。
いくら放出しても、すぐに復活させられ、繰り返し続いた快感はまさしく天国。
仕事中にも、あの時の記憶が蘇り、刺激も与えていないのに下着の中で精子を撒き散らす。
まさに、中毒になった今の彼は、エルザとすることしか頭になかった。
「お願いです……何でもしますから……」
ヒロシはエルザの足の指を舐めながら言った。
ブタのように鼻を鳴らし、涙を流しているのに必死に笑顔を浮かべている。
それを聞いたエルザは、今まで何の反応も示さなかったのが嘘のように、不意に笑顔を向ける。
そして、ソファーの上でM字に脚を開き、大切な部分を惜しげもなく見せた。
「ここが、そんなに欲しいの?」
彼女はそう言いながら、閉じていた割れ目を、両手の指でパックリと広げた。
夢にまで見たその部分を前にして、ヒロシは大きく目を見開く。
呆然となりながらも、ゴクリと息を呑み、その部分に釘付けになっている。
開かれたその部分は、あまり濡れてはいない。だが、誘うような”うねり”を繰り返し、少しだけ潤う粘膜が壁と壁の間で糸を引いている。
そして、モワっと漂う女の匂い。ヒロシは鼻息を荒くさせ、何かに憑りつかれたように、”そこ”に顔を近付けていった。
「しょうがねぇなぁ~。じゃあ、出掛けるから金を出せ!」
しかし、夢見心地な気分から現実に引き戻す唐突な声。ヒロシはその言葉に嫌な予感がしていた。
これだけの美貌を持つ彼女を人目に晒したくはない。それに、誘われれば誰とでも簡単に如何わしい行為をしてしまうだろう。
女性としての貞操概念はかなり低いし、それどころか目的としてる節すらある。
現にこの前も、「遊びに行くから金をくれ!」と言った。だが、その言葉の後に続いたのが「新しい奴隷を探しに行く……」だった。
彼女は奴隷と呼ばれる玩具を周りに侍らせたいのだ。
ヒロシは今まで、それをなんとか阻止してきた。「危ないから」と外に出ることを禁止して、部屋から一歩も出さないように、二重三重の施錠を外側からかけた。
お金はいっさい渡さない。だが、欲しいものは何でも買い与えてきた。
新しい奴隷など見つければ自分はすぐに捨てられる──そんな予感がヒロシの頭から離れなかった。
「安心しろよ。ちゃんと戻ってくるからさぁ……」
しかし、エルザはそう言いながらニコっと笑う。
彼女はヒロシの考えなど、既にお見通しだったのだ。この部屋はマンションの高層階。だが、魔法を使えば何時だって抜け出せることなどできた。
敢えてそれをしなかったのは、ヒロシを従順に躾けるため。
ご主人様と奴隷という主従関係をはっきりさせ、嫉妬の気持ちすらも喜んで受け入れる。そうなるように機会をずっと伺っていた。
「ほ……ほんとうに?」
エルザの言葉に安心したかのように、ヒロシは瞳からぶわっと涙を溢れさせた。
「ああ……約束してやんよ。だから、安心しな」
エルザはそう言って彼の頭を撫でる。その雰囲気は、いつもと違い妙に優しかった。
ハゲた頭を行き来きする手の動きは柔らかく、ヒロシの心の奥に温かい感情を芽生えさせる。
そして、触ることすら禁じていた股の間に、彼の頭をそっと引き寄せていく。
ヒロシは険しい顔をしながらも、溜め息を付き、観念したように口を開いた。
「わかりました……でも、必ず帰ってきてください」
ヒロシはそう言って、夢にまで見たその部分に唇で吸い付いた。
その言葉を聞いたエルザは、そこに夢中なヒロシを見下ろしながら二ヤリと笑った。
「チュプッ……チャップッ……」という音が、部屋の中に虚しく響く。
ヒロシは愛おしいその部分を、愛情を込めながら丁寧に舐めていった。
──感じることはないとわかっている。
だが、自分の良さを少しでもエルザに知って貰いたい。
まさに、そんな思いがヒロシを突き動かしていた。
舐め続けると中から溢れたものが、トロリと舌に絡み付く。エルザの体温を感じさせる粘膜は、ヒロシの舌と大事な部分を繋ぐように、ダラリと糸を引いていた。
穴の周りのビラビラが、ヒロシの舌に合わせて、プルプルと蠢いている。
そこから漂う卑猥な匂いが本能に訴えかける。”今すぐ繋がりたい”という衝動に駆られながらも、ヒロシはそれを丹念に続けていった。
「もう、準備はできたよ。 ソファーに座りな」
そんな時、エルザは言った。ヒロシの手を引いてソファーの上に座らせた。
そして、ズボンのジッパーを下ろし、固くなったものを取り出して、手を添えたまま身体の上に跨った。
均衡のとれた悩ましい裸体を目にして、ヒロシは思わず息を呑む。
絹糸のようなブロンドの長い髪を揺らし、微笑む姿は、まさしく異国から来た絶世の美女。
そんな存在が、惜しげもなく裸を晒し、今、自分と繋がろうとしてるのだ。
ヒロシはそれだけで、既に興奮していた。剥き出しにされたペニスは固くなって上を向き、彼女の手の中でピクピクと跳ね回っている。
彼女はそれを扱きながら、腰を浮かして、彼の様子をジッと伺っている。
「早く挿れて欲しい」と願う辛そうな顔を見て、エルザは悪戯な笑みを浮かべながら、そこに向かって静かに腰を沈めていった。
ブロンドの茂みに覆われた、こんもりと膨らんだ部分に、ヒロシの固いものが突き刺さる。
血管の浮き出たカチカチのものは、エルザの割れ目を掻き分けて、中にニュルっと埋め込まれていった。
その瞬間、ヌルヌルの温かい感触が、ヒロシの”あそこ”を労わるように包み込む。
キュッと締め付けながら”うねり”続けるその中は、固くなった筋肉をマッサージでもするように、ヒロシのものを優しく揉み解していった。
久々のその感触を味わって、ヒロシは涙を流していた。エルザの膣の中は、刺激的ではありながらも、妙な優しさを感じさせていた。
子種を搾り取ろうと蠢いてはいるが、けして強制的ではない。この中をもっと堪能したいと思うのに、気持ちいい所を擽るように刺激する。
それだけで、得も言われぬ満足感が身体中を包む。
そして、陰部を密着させたまま、波打つような腰の動きが始った。
最初はゆっくりと──徐々にリズミカルに。
「クチュッ、ヌチュッ……」
そんな音を立てながら、うねり続ける中の凹凸が、カリ首の裏を優しく刺激する。
互いの陰毛が擦れるだけでも気持ちいいのに、その刺激はまさに悪魔的。あっという間にヒロシを限界へと誘っていった。
涙目の虚ろな眼差しで、ヒロシはエルザに目を向ける。
何かを訴えているかのような、口を半開きにした切なげな表情。それを見て、エルザはニヤッと笑う。
──お世辞にも、美しいとは思えない無様な表情がとてもいい。
その醜態を見下ろしながら、エルザは満足げに口を開いた。
「もう、出したくなったの? うふふっ……」
腰を動かしてまだ数十秒。それだけで限界を向かえたヒロシは、男としては情けないはず。なのに、エルザは何故か機嫌がいい。
「ヌップッ、ネチョッ……」と音を立てながら、更に激しく腰を動かす。
ヒロシの頭に腕を回し、「出してもいいよ……」と耳元で甘く囁く。
そして、「御褒美やんよ」と得意げに笑い、ヒロシの唇を強引に奪う。
突然のキスにヒロシは頭が真っ白になった。今まで、どんなに求めても唇だけは断固として拒否されてきた。
なのに、今、エルザは自分からそれを求めにきている。
「ムチュッ、プチュッ……」という音を立てた唇の触れ合い。それと共に、エルザの舌が口の中に侵入する。
絡まり合う舌のとろけるような感触が脳にまで響く。唾液を交換し合うような、濃厚なやり取りに、ヒロシの頭は次第にボーっとなっていた。
白目を剥きながら夢見心地で天を見上げてると、堪え切れない衝動が裏スジを一気に襲う。
淡々と続けられるカリ首への刺激で、込み上げてくる射精感は、もう止められなかった。
ヒロシは「ダメぇ~! 出るぅー!」と情けない声を上げながら、エルザの中に有りっ丈の精子を撒き散らす。
それと同時に、急速に吸い上げるような衝撃が尿道を襲い、ヒロシはまたしても気を失った。
グッタリとするヒロシを見て、エルザは静かにその身体から離れる。そして、床に散らばった衣服を、平然としたまま一枚ずつ身に着けていく。
派手さのないブラウスにジーンズというラフな格好。しかし、元々スタイルの良いエルザが着ると、どんなに地味でも輝きを増す。
それは、着るものを際立たせるファッションモデルのようだった。エルザの美貌とその着こなしは、すれ違った男たちを必ず振り向かせるだろう。
エルザは気を失ったままの、ヒロシの内ポケットから財布を抜き取り、金をせしめる。
そして、玄関のドアをパタンと響かせ、そのまま夜の街へと繰り出していった。
~to be continued~