禿げかけ腹出し五十五歳のおっさんが毎週金曜にタワマン最上階でお帰りされて、清楚系センターに「武田しゃん……おちんちんくだしゃいっ♡」って敬語のまま泣きながら懇願されて、ギャル巨乳に「おじさんのまじさいこー♡」って白目剥かれて、クール系氷の女王に「……バカ。あったかい」って泣きながらしがみつかれる、国民的アイドルハーレムのお話♡

※抜き特化の短編です。テレビの中の「透明なわたしたち」が中年おっさんの汚い身体に裸で群がる背徳感を堪能してください。

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 俺のスペックを先に言っておく。
 武田剛造。五十五歳。建設会社の社長。身長百七十五、体重九十五。頭頂部は確実に薄い。腹は確実に出ている。

 で、なぜかこの冴えないおっさんのタワマンに、毎週金曜の夜、国民的アイドルグループ「シュガートリック」の三人が集まってくる。

 センターの橘唯花(ゆいか)。清涼飲料水のCMで白いワンピースを着て草原を走ってるあの子だ。そいつが俺の靴を揃えながら「今日も、お仕事お疲れさまでした」と微笑んでくる。

 ムードメーカーの星野ひなた。バラエティで暴れ回ってる巨乳ギャル。そいつが俺の腹に胸を押し付けて「おじさん遅ーい!」と甘えてくる。

 氷の女王こと氷室凛音(りのん)。「恋愛に興味がない」と公言してるクール系美少女シンガー。そいつが壁に寄りかかって「……遅い」とだけ呟いて、でも俺のスリッパだけは綺麗に揃えてある。

 三人とも目が潤んでいる。俺が「始めるぞ」と言えば、唯花が真っ先に膝をつく。

 なぜこうなったかは省く。さあ、今夜も金曜日だ。


毎週金曜、国民的アイドル三人が俺のベッドで「おちんちんください♡」って順番待ちしてくるんだが

 金曜日の夜、都心のタワーマンションのエレベーターが最上階に到着する。

 

 武田剛造は、スーツのネクタイを緩めながら鍵を開けた。五十五歳、百七十五センチ九十五キロ。腹は出ているし、頭頂部は確実に薄くなっている。建設会社の社長だが、見た目はどこにでもいる冴えない中年のおっさんだ。

 

 廊下に漂う匂いが、いつもと違った。三種類の香水が混ざり合っている。花のような甘い香り、柑橘系の爽やかな香り、そしてバニラに似た甘ったるい残り香。三人とも、もう来ている。

 

 玄関の扉が開いた瞬間。

 

「お帰りなさい、武田さん。今週も、お仕事お疲れさまでした」

 

 黒髪ロングの少女が、柔らかい笑顔で頭を下げた。橘唯花(ゆいか)。シュガートリックのセンター。あの清涼飲料水のCMで、白いワンピースを着て草原を走っていた女だ。

 

 その少女が、中年男の靴を揃えている。

 

「おじさん遅ーい! ひなたもう待ちくたびれたんだけどー!」

 

 小柄な身体が正面からぶつかってきた。明るい茶髪のツインテールが揺れる。星野ひなた。バラエティ番組で暴れ回っている、グループのムードメーカーだ。

 

 その胸が──でかい。Gカップだ。武田の腹に押し付けられ、柔らかく潰れた。パーカー越しでも伝わる体温と柔らかさ。ひなたの身体からバニラの甘い香りが漂ってくる。

 

「……遅い」

 

 壁に寄りかかった銀灰色のショートボブが、ぼそりと呟いた。氷室凛音(りのん)。雑誌のインタビューで「恋愛に興味がない」と答えて以来、ファンがつけた渾名がある。「氷の女王」。

 

 腕を組んで不機嫌そうにしているが、その足元を見れば分かる。三足のスリッパが綺麗に揃えてある。いちばん手前のひとつだけ、武田のサイズだ。誰よりも先に玄関の前にいたのは、この女だった。

 

 武田は三人の顔をぐるりと見回して、口の端を持ち上げた。

 

(毎週金曜、俺はこいつらで遊べる。極楽ってのは案外、こういうもんかな)

 

 リビングに入ると、八十インチの大画面テレビが点いていた。画面の中では、ちょうどシュガートリックの清涼飲料水CMが流れている。真っ白なワンピースを着た三人が、草原を駆け回っている。逆光の中で髪をなびかせ、カメラに向かって微笑む。キャッチコピーは「透明なわたしたちへ」。

 

 武田は目の前の三人を見た。

 

 唯花(ゆいか)はレッスン後の白いTシャツにデニムのショートパンツ。髪は汗で首筋に張り付いている。凛音(りのん)は黒のタンクトップにジーンズ。タンクトップの脇から黒いブラの紐が覗いている。ひなたはピンクのパーカーにミニスカート。パーカーのジッパーが半分下りていて、谷間が影を作っていた。

 

 透明どころか、三人とも目が潤んでいた。

 

 武田がソファの真ん中にどかりと腰を下ろす。革張りのソファが大きく軋んだ。

 

「ほら、始めるぞ」

 

 その一言で空気が変わる。

 唯花(ゆいか)が最初に動いた。武田の正面に回り込み、フローリングの上に膝をつく。白い指がベルトのバックルに伸びた。

 

「今日は唯花(ゆいか)からご奉仕させてくださいね。ずっと、楽しみにしてたんです」

 

 いつもの丁寧な敬語。なのに、その黒い瞳はもう潤んで甘くなっている。

 

 ひなたが左側からまとわりついてきた。武田の二の腕に自分の胸を押し付け、頬ずりする。柔らかい肉の塊がむにゅりと形を変え、腕を包み込んだ。

 

「えへへー、おじさんの腕あったかーい。てかおじさん、今日もいい匂いー」

 

 良い香りのはずがない。建設現場を回ってきた中年男の汗の臭いだ。それでもひなたは嬉しそうに鼻を寄せて、すんすんと嗅いでいる。

 

 凛音(りのん)は右側から近づいてきて、武田の肩に顎を乗せた。耳のすぐ横で、低い声が囁く。吐息が耳朶をくすぐった。

 

「……早くしろよ。待たせんな」

 

 唯花(ゆいか)がベルトを外し、ジッパーを下ろす。下着の中から武田の逸物が現れた。太く、節くれだったおっさんのそれだ。すでに半勃ちで、先端から透明な汁が滲んでいる。

 

 唯花(ゆいか)の黒い瞳が、すう、と細まった。唇が無意識に開いて、小さく息を呑む音がした。

 

「今日も立派ですね、武田さん」

 

 ねろねろと、唯花(ゆいか)の舌が、亀頭の裏側を舐め上げた。

 

 丁寧で、ゆっくりで、一ミリも手を抜かない舌使い。根元から先端まで、一筋の線を引くように舐め上げては、てっぺんをちゅ、と吸う。唇と亀頭が触れるたびに、くちゅ、ちゅぷ、と湿った音がリビングに響いた。

 

「ん、ちゅる……れろ……武田さん、今日のおちんちん、すごく熱いです……」

 

 唯花(ゆいか)の黒髪が武田の腿の上に広がっている。清楚な花の香水と、その下から立ちのぼる肉棒の雄臭さが、不釣り合いに混ざり合っている。

 

 ひなたが不満そうに口を尖らせた。

 

「ずるーい、ゆいちゃんばっかー。ひなたもしたーい」

 

「順番だろ。大人しく待ってな」

 

 武田が空いている左手でひなたの頭を撫でる。ひなたは「えー」と文句を言いながらも、嬉しそうに目を細めて武田の腕に頬をこすりつけた。

 

 右側では凛音(りのん)が武田の耳朶を甘噛みしていた。小さな歯がかぷりと肉を挟み、舌先でぺろりと舐める。そこに息を吹きかけた。ぞわりと武田の背筋が粟立つ。

 

「……あたしのも、触って」

 

 凛音(りのん)が武田の右手を取り、自分のジーンズの股間に導いた。デニム越しに、じわりと湿った熱が掌に伝わってくる。

 

 武田は指先でデニムの縫い目をなぞった。布の上から、膨らんだ秘裂の形を辿る。ゆっくりと、上から下へ。また上へ。

 

「んっ……」

 

 凛音(りのん)が小さく声を漏らして、肩を竦めた。顔は横を向いたまま、でも腰だけがわずかに武田の指に押し付けられている。

 

 三人が同時に武田の身体に群がっていた。正面からは唯花(ゆいか)の舌がじゅるじゅると蠢き、左からはひなたの胸の重みが圧しかかり、右からは凛音(りのん)の秘所の熱が指に伝わる。

 

 武田はテレビに目をやった。シュガートリックの番組宣伝が流れている。画面の中の三人は完璧に笑っていた。

 

「そういや、来月のCM撮影どうなった?」

 

 唯花(ゆいか)が咥えたまま顔を上げた。頬が膨らみ、目が潤んでいる。

 

「んぐっ……らいげつ……おきなわでしゅ……」

 

 口の中に太いものを含んだまま懸命に答えようとしている。舌がもごもごと動いて、唾液が顎を伝って垂れた。テレビの中の清純派センターとは似ても似つかない。

 

 ひなたが唇を尖らせた。

 

「ずるーい、ゆいちゃんばっかり味見してぇ……ひなたもぺろぺろしたいんだけどー」

 

 凛音(りのん)が呟く。

 

「……うるさい。集中、させろ」

 

 口ではそう言ったが、凛音(りのん)の口元がわずかに緩んでいた。

 

 武田は唯花(ゆいか)の頭を撫でて、ゆっくりと口から引き抜いてやった。ずるりと肉棒が唇から離れ、唾液の糸が細く光って切れた。

 

「ぷはっ……すみません、うまく喋れなくて……」

 

 唯花(ゆいか)の唇が唾液でてらてらと光っている。上気した頬。甘く緩んだ瞳。ネクタイを緩めただけのスーツ姿のおっさんの股間に跪く、人気アイドルのセンター。

 

「いいよ。喋んなくていい」

 

 唯花(ゆいか)が跪いたまま、武田のネクタイに手を伸ばした。するすると結び目を解いていく。丁寧な手つきで、フェラの最中と同じ、一ミリも手を抜かない指遣い。

 

「脱がせますね、武田さん」

 

 ひなたが横から腕を伸ばし、ジャケットの肩をぐいっと引いた。

 

「おじさん脱がすの、ひなたがやるー!」

 

「力任せにすんなよ」

 

 凛音(りのん)が無言でワイシャツのボタンに手をかけた。ひとつ。ふたつ。三つ目で、ぽつりと呟く。

 

「……邪魔」

 

 ボタンではなく、武田のワイシャツ自体に言っている。

 

 三人の手が武田の身体を剥いていく。ジャケット、ネクタイ、ワイシャツ。中年のたるんだ上半身が晒された。腹は出ているし、胸毛が薄く生えている。アイドル雑誌の表紙を飾る女たちの前に曝すような身体ではない。

 

 だが、三人とも目を逸らさなかった。

 

 ひなたがベルトに手をかけ、するりと引き抜いた。凛音(りのん)がズボンのフックを外す。唯花(ゆいか)がそっと裾を下ろしていく。三人がかりで、武田は丸裸にされた。

 

「唯花(ゆいか)、お前からだ。ベッドに行くぞ」

 

 唯花(ゆいか)の顔がぱっと明るくなった。

 

「はいっ……嬉しい」

 

 残された凛音(りのん)とひなたが顔を見合わせる。

 

「えー、あたしが先がよかったー」

 

「……別に。どうでもいいけど」

 

 凛音(りのん)は素っ気なく言い捨てて、唇を舐めた。唯花(ゆいか)が残していった唾液と武田の汁の味を、確かめるように。

 

 ◆◆◆

 

 ベッドルームの空気は、リビングとは違っていた。間接照明のオレンジ色の光。キングサイズのベッドには清潔なシーツが張ってあるが、枕元にはうっすらと唯花(ゆいか)の香水が染みついて残っている。毎週金曜日、唯花(ゆいか)が一番に来て枕を直すからだ。

 

 唯花(ゆいか)はすでに自分でTシャツの裾を掴んでいた。

 

「脱ぎますね」

 

 許可を求めるでもなく、当たり前のように。

 

 Tシャツを頭から抜く。白いブラジャーが現れた。掌にすっぽり収まりそうな控えめな膨らみ。鎖骨が細く浮き、首筋から肩にかけて薄く汗が光っている。レッスンの残り香。汗と花の香水が混じって、若い女の肌からほのかに立ちのぼっている。

 

 デニムのショートパンツに指をかけ、するりと腰を落とす。布が足首に落ちて、白い太ももがむき出しになった。

 

 下着姿の唯花(ゆいか)が、ベッドの縁に腰を下ろした。膝を揃え、両手で太ももの上に重ねている。堕ちたはずの女の身体に、消えきらない恥じらいが残っていた。

 

「下着は……武田さんに外してほしいです」

 

 上目遣い。黒い瞳が橙色の灯りを吸い込んで潤んでいる。

 

 武田は唯花(ゆいか)の前に立った。唯花(ゆいか)の肩に手をかけ、ブラジャーのホックに指を滑らせる。ぱち、と小さな音がして、布が緩んだ。ブラジャーがぱさりと落ちて、薄い乳房が現れた。白い肌に薄い桜色の乳輪。乳首はすでに硬く尖っている。

 

「ここ、もう固くなってんのか」

 

「……武田さんが来るって分かった時から、ずっとです。レッスン中もずっと、固くて……」

 

 恥ずかしそうに、でも目を逸らさずに言う。

 

 武田が唯花(ゆいか)のショーツに手をかけた。引き下ろすと、ぬるりとした感触がショーツの布地を伝った。クロッチの部分がしっとりと濡れて、布地の色が変わっている。

 

「おう、すげえな。もうこんなにか」

 

「……ずっと、待ってましたから……」

 

 唯花(ゆいか)を仰向けに倒す。黒髪が白いシーツの上に扇のように散った。

 

 武田は唯花(ゆいか)の膝を左右に押し開こうとした。──が、そこで手を止める。

 

「自分で開け」

 

 武田は手を離した。

 

「見せてくれよ」

 

「……っ」

 

 唯花(ゆいか)の頬が一段と赤くなった。膝が一瞬きゅっと閉じかける。──けれど。

 

「……見て、ください……」

 

 唯花(ゆいか)の両手が、自分の膝の内側に添えられた。ゆっくりと、震える指で、自分の脚を開いていく。秘裂が露わになった。大陰唇がぷっくりと膨らみ、隙間から蜜がとろりと糸を引いている。淡いピンク色の粘膜が、ひくひくと蠢いていた。

 

 蜜の薫りが、ふわりと武田の鼻を掠めた。甘酸っぱい、若い女だけが放つ体臭だ。

 

「……恥ずかしいです。でも、武田さんに見てほしいです……」

 

(自分で開いた。俺が開かせたんじゃねえ。この女は、自分の指で、自分の脚を開いたんだ)

 

「入れてくれますか……?」

 

「もう少し待て。いい匂いがするから、もうちょっと嗅がせろ」

 

「……っ。お願いします……早く……」

 

「焦んなよ」

 

 武田は唯花(ゆいか)の秘裂に指を一本這わせた。上から下へ。愛液を掬い上げ、陰核の包皮をくるりと剥く。

 

「ひあっ……!」

 

 唯花(ゆいか)の腰がびくりと跳ねた。

 

「ここか。もう、こんなに勃ってやがる」

 

「はいっ……そこ、敏感で……でも、おちんちんがいいですっ……」

 

「まだだ。おちんちんが欲しいなら、もう一回言ってみろ」

 

 指で陰核を小さく円を描くように撫でる。ねっちりと、ゆっくりと。唯花(ゆいか)の太ももがわなわなと震え始めた。

 

「武田しゃん……おちんちん、くだしゃいっ……もう待てないですっ……」

 

 三度目の懇願。舌足らずが出た。ここだ。

 

「よく言えたな」

 

 武田が唯花(ゆいか)の腰を引き寄せた。

 

「入れてやるよ」

 

「お願い、します……っ!」

 

 亀頭を入り口に宛がい、ゆっくりと腰を押し込んだ。ぬぷ、ぬぷ、と粘膜が肉柱を呑み込んでいく。唯花(ゆいか)の膣は熱く、濡れていて、吸い込むようにきゅうきゅうと締め付けてきた。

 

「あっ……あぁっ……おっきい、ですっ……」

 

 唯花(ゆいか)の指がシーツを掴んだ。白い指先に力が入り、布が皺を寄せる。

 

「武田さんっ……すごい、ですっ……おなかの奥まで……届いてますっ……」

 

 根元まで入ったところで、武田は腰の動きを止めた。じわりと腰を回す。内壁の感触を、亀頭で探る。唯花(ゆいか)の中はきめが細かく、柔らかい。入口はきゅっと狭いくせに、奥はとろりと広がっている。そして、ここだ。子宮口の手前にある、わずかな窪み。ここに亀頭がはまると、唯花(ゆいか)は必ず声を上げる。

 

「動くぞ。噛みつくなよ」

 

「……優しく、してください……嘘です、いっぱい、してください……」

 

 ゆっくりと引いて、押し込む。にちゅ、にちゅ、と粘膜が擦れる湿った音。同じリズム、同じ深さ。唯花(ゆいか)の声が、動きに合わせて漏れ始めた。

 

「あっ……あっ……武田さ、んっ……きもち、いいですっ……」

 

 丁寧な敬語は、まだ保っている。けれど声の端々が震え始めていた。太ももの内側に汗が浮き、シーツに染みを作る。

 

 武田が角度を変えた。わずかに上向きに、あの窪みを狙って突き上げる。

 

「ひあっ……! そこっ、そこですっ……!」

 

 Gスポットに当たった。唯花(ゆいか)の腰がびくりと跳ね、背中が弓なりに反る。甘い電流が腰から脳天に駆け上がるような顔をしている。

 

「ここだろ。知ってるよ」

 

「はいっ……そこ、気持ちいいでしゅっ……そこ、ばっかり……突いてくだしゃいっ……」

 

 出た。「ください」が「くだしゃい」になっている。舌がもう、言うことを聞いていない。

 

 武田はリズムを上げた。ぱん、ぱんっ、ぱんっ。腰と腰が打ちつけ合う。唯花(ゆいか)の愛液が泡立ち、くちゅくちゅと卑猥な音を立てていた。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……武田しゃんっ、奥をっ……もっと奥、お願いしましゅっ……」

 

 唯花(ゆいか)の脚が武田の腰に絡みついた。細い足首が背中で交差する。足の指が、きゅっと丸まっている。

 

 涙が目尻から流れ落ちた。泣いているのではない。快感で溢れた涙だ。

 

「おちんちんっ……おちんちん、すごいでしゅっ……ゆいか、もう、だめっ……」

 

(こいつ、テレビじゃ「皆さん大好きです」とか言ってんだよな)

 

 武田は内心でほくそ笑んだ。あの「清楚すぎるアイドル」が、禿げたおっさんのベッドで「おちんちんすごいでしゅ」と泣いている。

 

「イきたいか」

 

「イきたいでしゅっ……イっちゃいましゅっ……武田しゃんのおちんちんでっ……イっちゃいましゅっ……」

 

「イっていいぞ。よく頑張ったな」

 

「イッ──ぐッ、ぁ、ああぁぁっ……!」

 

 唯花(ゆいか)の身体が弓なりに反った。白い腹筋がびくびくと引きつり、膣内がきゅうっ、きゅうっ、と脈打つように逸物を吸い締めた。白い喉が仰け反り、涙と涎が同時に頬を伝う。足の指が限界まで丸まり、全身がガクガクと震えている。

 

 その吸い込みに堪えきれず、武田も果てた。

 

 びゅるっ、びゅるっ、と脈打つ逸物から、精液が唯花(ゆいか)の最奥へ送り込まれていく。熱い塊がぶつかるたびに唯花(ゆいか)の身体がひくっ、と痙攣した。

 

「あ、ぅ……あったかい……です……武田しゃんの、おなかの中に……」

 

 唯花(ゆいか)の目は焦点が合っていない。焦点のぼやけた甘い瞳で、ぼんやりと武田を見上げている。涙の筋が頬に光り、半開きの唇から涎が垂れている。髪は乱れ、汗で肌が光っていた。

 

 唯花(ゆいか)の内心──

 

(武田さんのが……おなかのなかに……あったかい……いっぱい、出してくれた……しあわせ……)

 

「……ありがとう、ございましゅ……」

 

 最後の敬語を搾り出して、唯花(ゆいか)は幸せそうに目を閉じた。

 

 ベッドルームの入り口に、二つの影が立っていた。

 

 凛音(りのん)が腕を組んで壁に寄りかかっている。視線は逸らしているが、太ももを強く閉じ合わせていた。ひなたが目を輝かせて覗き込んでいる。パーカーのジッパーはさらに下がって、ブラジャーすらつけていない谷間が丸見えだ。

 

「……次、あたし」

 

「えー! りのんちゃんずるーい!」

 

 武田は唯花(ゆいか)から逸物を引き抜いた。ずるりと精液が唯花(ゆいか)の秘裂から溢れ、白い太ももを伝ってシーツに滴り落ちる。

 

 ◆◆◆

 

 武田はベッドの端に腰を下ろし、足を投げ出した。インターバルだ。

 

 凛音(りのん)がベッドの端で立ち上がった。何も言わず、タンクトップの裾を掴んで一気に頭から抜いた。黒いレースのブラの下で、白い肌が間接照明に浮かぶ。

 

 ジーンズのボタンを外し、するりと落とす。黒い下着が露わになった。クロッチの部分が、しっとりと色を変えている。唯花(ゆいか)の行為を見ていた間に、ここまで濡れていたのだ。

 

 凛音(りのん)は武田と目を合わせず、下着もブラも自分で外した。脱いだ衣服をベッドの脇に几帳面に畳む。──全裸なのに、所作だけは几帳面だった。

 

「……何見てんだよ」

 

 パーカーはとっくに脱ぎ捨てている。ノーブラの胸が武田の腿に押し付けられ、潰れたまま揺れた。ひなたがヌメヌメと亀頭をしゃぶり、凛音(りのん)がネチネチと裏筋に舌を押し当てる。じゅるっ、ちゅぱっ、と唾液の音が重なった。

 

 ひなたが無邪気に言う。

 

「おじさんの、ゆいちゃんの味するー。甘い」

 

「……黙れ。味なんか、してない」

 

 凛音(りのん)が顔を顰めながら竿の側面に舌をベッタリと張り付かせ、根元からゆっくりと登っていく。

 

 武田はテレビのリモコンに手を伸ばした。チャンネルを変える。バラエティ番組で、ちょうどシュガートリックの特集をやっていた。『清純派三人組の素顔に迫る!』というテロップが画面を横切る。

 

「お前ら、テレビの中と全然違うな」

 

 ベッドで蕩けた顔の唯花(ゆいか)が、シーツに頬を押し付けたまま力なく微笑んだ。精液が太ももを伝い、まだとろとろと溢れている。

 

「……武田さんの前だけ、ですよ……こんな顔、ファンの皆さんには見せられません……」

 

 二人の舌が交互に武田のモノを復活させていく。唾液と唯花(ゆいか)の愛液と精液の残りが混ざり合い、ねとねとと竿全体を覆った。

 

 再勃起。

 

 武田はにやりと笑い、凛音(りのん)の顎をくいっと持ち上げた。

 

「凛音(りのん)、こっち来い」

 

 正面から向き合う形。凛音(りのん)の銀灰色の瞳が、至近距離で武田を見つめていた。涙で濡れている。汗で前髪が額に張り付き、唇は半開きで荒い呼吸を繰り返していた。

 

「お前、可愛いな」

 

「──っ!」

 

 凛音(りのん)の目から、涙がぼろりと零れた。

 

 凛音(りのん)がいちばん弱いもの。「氷の女王」で通してきた女が、誰よりも欲しがっていたのは──こんな、たった一言の褒め言葉だった。ファンが何万人叫んでも届かなかったものが、このおっさんの一言で溢れた。

 

「バカ……そういうこと、急に言うなっ……」

 

「事実だろ」

 

「……っ、ばか……」

 

 凛音(りのん)が武田の首に縋りついた。細い腕が太い首に巻きつき、顔を肩口に埋める。汗と涙が武田の素肌に染みた。

 

 そのまま、自分から腰を動かし始めた。ぎこちなく、でも必死に。肉壁が逸物を締め上げながら、上下に擦りつけてくる。くちゅ、くちゅ、と二人の結合部から水音が漏れた。

 

「くっ……んっ……武田っ……武田ぁっ……」

 

 ──名前で、呼んだ。

 

「あんた」でも「おい」でもない。「武田」だ。

 

「んあっ、んあっ……止めんなっ、止めんなよぉっ……武田っ……」

 

 武田は凛音(りのん)の腰を両手で掴み、下から突き上げた。ずん、ずん、と深く。凛音(りのん)のいちばん奥に先端がぶつかるたびに、痺れるような快感が凛音(りのん)の背骨を突き抜けた。

 

 凛音(りのん)の腹の奥が、じわぁっと溶けるように熱くなっていく。

 

「凛音(りのん)」

 

 低い声で名前を呼ぶ。

 

「イけよ」

 

「イクっ……イク……武田ぁっ……」

 

 凛音(りのん)の歯が食いしばられ、全身が硬直した。肛門がきゅっきゅっと収縮し、肉壁が逸物を万力のように締め上げる。

 

「イッ──ぐ、ぅうっ……!」

 

 凛音(りのん)の全身が、一瞬、石になった。──次の瞬間、がくがくと崩れ落ちた。武田の肩に爪が食い込み、赤い筋を刻む。背中を丸めて武田にしがみついたまま、全身が小刻みに引きつっている。涙だけが、止まらなかった。

 

 武田は凛音(りのん)の中で果てた。精液が溢れ出して、結合部からとろりと太ももへ伝い落ちる。そのぬるい感触に、凛音(りのん)の身体がふるっと震えた。

 

 しばらく、二人とも動かなかった。

 

 凛音(りのん)が武田の胸に顔を埋めている。肩が小さく震えていた。泣いているのだ。静かに。声も出さずに。

 

「……バカ」

 

 しばらく間があった。武田の胸に顔を埋めたまま、凛音(りのん)が掠れた声で呟いた。

 

「……あったかい」

 

 それだけ言って、凛音(りのん)は武田から離れようとしなかった。

 

 ──くやしい、と凛音(りのん)は思った。こんなオッサンに。頭が薄くて、腹が出てて、ちょっと優しくて、ちょっと面倒見がよくて、「可愛い」なんて簡単に言うような──こんな男に。でも。もう、いい。もう、いいんだ。あたしは、こいつの──

 

 武田は凛音(りのん)の銀灰色の髪を撫でた。汗で湿った髪が、指の間をするりと通り抜ける。凛音(りのん)は目を閉じたまま、ん、と小さく喉を鳴らして──自分から、頭を武田の掌に押し付けた。

 

 ◆◆◆

 

 テレビからシュガートリックの新曲MVが流れていた。

 

 画面の中の凛音(りのん)は、クールな表情でダンスを踊っている。銀灰色の髪がスポットライトに輝き、鋭い目がカメラを射抜く。ファンが「氷の女王」と呼ぶにふさわしい、完璧に計算された冷徹な美。

 

 ベッドの上の凛音(りのん)は、涙の痕を頬に残したまま、武田の腕に絡みついていた。几帳面に畳んだはずの服は足元でくしゃくしゃになり、髪は乱れ、太ももの間からは白い精液がとろりと垂れてシーツに染みを作っている。

 

 唯花(ゆいか)がくすくすと笑った。シーツを身体に巻いたまま、枕に頬を乗せている。

 

「凛音(りのん)ちゃん、テレビの凛音(りのん)ちゃんと全然違いますね」

 

「……うるさい」

 

 凛音(りのん)はそう言ったが、武田の腕から離れない。むしろ、きゅっと腕を抱く力が強くなった。

 

「……おじさん」

 

 ひなたの声が、いつもより低かった。

 

 ベッドの端で仁王立ちしている。ツインテールが揺れ、上半身はもう裸で、ありえないほど大きな乳房がたぷんと揺れた。ピンク色の乳首がぴんと尖っている。太ももの内側が、てらてらと光っていた。

 

「ひなたの番、まだ? ……もう、おなかのしたグチュグチュなんだけど」

 

 武田は凛音(りのん)の頭をぽんぽんと叩いてから、ゆっくりと腕を解いた。凛音(りのん)が名残惜しそうに指先を伸ばしたが、武田は構わずひなたの方を向いた。

 

「ひなた、最後だ。たっぷりしてやるよ」

 

「やったー! おじさんだいすき!」

 

 ひなたは待ちきれないとでも言うように、ミニスカートを蹴り飛ばした。ピンクの花柄のショーツは、もう手遅れなほど濡れていた。クロッチの部分に濃い染みが広がり、太ももの付け根にまで蜜の筋が伝っている。

 

 ひなたはそれも自分で脱いで、ベッドに飛び乗った。全裸の小柄な身体が、スプリングの反動でぽよんと弾む。身体に不釣り合いなほどの乳房が、たぷん、たぷん、と暴れ回った。重みに引かれて左右に広がり、弾むたびに乳首が上を向く。

 

 バニラの甘い香りが、濃くなった。香水の奥から、ひなたの汗と蜜が混じった甘ったるい体臭が立ちのぼっている。三人の中で、いちばん甘い。

 

「おじさん、まずおっぱいでしてあげるね!」

 

 言うが早いか、ひなたは武田の腰を跨ぐようにして這い寄った。半勃ちの肉棒を両手で起こし、自分の胸の谷間に挟み込む。

 

 ずぷん、と肉棒が柔らかい谷間に呑まれた。

 

 圧倒的な柔らかさ。唾液と汗でヌメヌメに湿った胸の谷間が、肉棒を四方から包み込む。肉の壁が左右からむにゅりと圧し掛かり、亀頭だけが谷間の上から顔を覗かせた。

 

「んふふー、おじさんのおちんちん、ひなたのおっぱいに埋まってるー」

 

 ひなたが身体を上下に動かした。巨大な乳房がたぷん、たぷんと波打ち、その間で太いものがぬるぬると前後に滑る。谷間から顔を出した亀頭を、ひなたがぺろりと舌で舐め取った。

 

「気持ちいー? おじさん、ひなたのおっぱい気持ちいー?」

 

 下から見上げるひなたの目は、無邪気そのものだ。けれど、その瞳の奥にはちゃんと計算がある。おねだりの声色。下から覗き込む瞳。耳だけが、真っ赤になっていた。

 

「ああ、最高だ。お前のおっぱいは天下一品だよ」

 

「えへへっ! ほんと? ……じゃあもっとおっぱいでイかせてあげるー」

 

 ひなたが嬉しそうに笑って、パイズリのリズムを速めた。ぬちゅ、ぬちゅ、と胸の谷間から水音が漏れる。乳輪を横切る血管がうっすらと浮き、乳首はピンと勃起したまま。谷間から突き出た亀頭を、ひなたの舌がれろれろと舐め回した。

 

「やばっ、おちんちんぴくぴくしてるー。まじかわいー」

 

(こいつ、「抱きしめたいアイドル」一位なんだよな)

 

 その一位が、おっさんの股間であの胸を揺すっている。

 

「おじさん、入れていー?」

 

「まだだ。もうちょい楽しませろ。お前のおっぱい、やめられねえんだよ」

 

「えー! ひなた、もう下グチュグチュなんだけどー! おちんちんのほうがいいのにー!」

 

「もうちょいだ。我慢できるだろ?」

 

「……じゃあ、おっぱいでイかせちゃうからね。おじさんの負けだよ?」

 

 ひなたが頬を膨らませながら、パイズリを続けた。胸の谷間に唾液をたらして滑りを良くし、逸物を包む圧力を強めていく。

 

「……ねー、おじさん。もういい? ひなたのなか、もうグチュグチュなんだけど」

 

 武田は充分に硬くなった肉棒をひなたの谷間から引き抜いた。

 

「ご褒美だ。来い」

 

「やっと……っ。おじさん、はやく……おなかの奥まで、ちょうだい……っ」

 

 ひなたが仰向けになった。自分から両脚を開いて、武田を受け入れる態勢を作る。秘裂は蜜でぬらぬらと光っていた。ぽってりとした大陰唇の間から、溢れた愛液が臀部を伝って落ちている。

 

 ひなたの膣内は三人の中でいちばん温かかった。肉壁が柔らかく、たっぷりとした弾力で逸物を包み込む。入り口は広いが、奥に入るほど肉のひだが複雑に絡みつき、先端を舐め回すように蠕動する。いちばん深い場所がとりわけ敏感で、触れるとひなたの全身がぴくんと跳ねた。

 

「あっ……ぁぁっ……きたぁ……おなかのなか、あっつ……おっきい……」

 

 ひなたの目がとろんと甘くなった。あの胸が呼吸のたびに大きく上下し、突き上げるたびにゆっさゆっさと揺れる。

 

 武田が腰を動かし始めた。ぬぷっ、ぬぷっ、と粘膜が擦れるたびに、くちゅくちゅと卑猥な水音が鳴った。

 

「きもちーっ……おじさんの、まじやばいっ……」

 

「やばい」が、もう「やばい」の意味しか持っていない。普段のギャル語が、そのまま喘ぎ声になっている。

 

「ああんっ、ああんっ……おくっ……奥、やばっ……もっと奥っ……まじでっ……もっとっ……」

 

 武田がひなたの脚を肩に担ぎ上げた。角度が変わり、より深い位置に逸物が届く。いちばん奥に先端がぐりっと押し付けられた。

 

「ひぁっ……! そこっ、そこやばいっ……おじさんっ……」

 

 腹の奥がぐにゃりと蕩けて、頭のてっぺんまで甘い痺れが広がった。ひなたの目がうっすらと白濁する。涎が唇の端から垂れ、ツインテールが枕の上でぐしゃぐしゃに乱れた。茶色い髪がばらばらに広がって、汗でシーツに張り付いている。

 

「イっちゃうっ……やばっ……おじさんのが気持ちよすぎてっ……イっちゃうっ……」

 

「ダメだ。俺が言うまで我慢しろ」

 

「むりぃっ……もうむりっ……おじさん、やばっ……やばいってばっ……」

 

 ひなたの両手が武田の背中を掴んだ。短い爪が肩甲骨に食い込む。つま先がぴんと伸びきって、ふるふると震えている。腹筋が波打ち、膣内がぎゅうぎゅうと締まっては緩んでを繰り返していた。

 

「おじさんっ……もうむりっ……ひなた、おじさんのでイきたいっ……」

 

「いい子だ。──イけ」

 

 武田は最後の一突きを、子宮口に叩きつけた。

 

「──イグッ……んぉぉっ……ぅぅぅっ……!!」

 

 ひなたの目が飛んだ。白目を剥いて、口が半開きになり、全身の力が一度抜ける──直後、腹の底から津波のような収縮が突き上げてきた。腹筋が波打ち、膣の奥がごうっと逸物を吸い込んだ。吸って、搾って、離さない。ひなたの子宮が、自分から精を強請っている。つま先がぴんと張ったまま、だらしなく開いた口から涎が枕に垂れた。

 

 武田が三度目の射精をした。どぷっ、どぷっ、と最奥に精液が叩きつけられる。ひなたの膣が、一滴残さず吸い上げるように脈動した。

 

「あ……ぁ……おじさんの……いっぱい……おなかのなか、とろとろ……あっつい……」

 

 ひなたの顔に、だらしない笑みが浮かんだ。涎と涙でぐしゃぐしゃなのに、幸せそうに笑っている。汗で張り付いた髪。焦点の飛んだ目。半開きの唇。ファンが「天使」と呼ぶ笑顔の、裏側の顔。

 

「やばぁ……おじさん、まじさいこー……」

 

(おじさんの、ぜんぶ受け止めた……えへへ……おなかいっぱい。おじさんだいすき……)

 

 ひなたはそのまま、ふにゃりと笑ったまま意識を手放しかけていた。

 

 ◆◆◆

 

 広いベッドに、四つの身体が横たわっていた。

 

 武田が仰向けに転がり、右腕には唯花(ゆいか)が腕枕を独占している。黒髪が武田の胸に広がり、唯花(ゆいか)は目を閉じて穏やかな寝息を立てかけていた。

 

 左腕にはひなたが顔を埋めている。むにゅりと胸が潰れて、武田の脇腹を温めていた。

 

 凛音(りのん)は武田の足元から這い上がってきて、腹の上に頬を乗せた。ごつごつした腹を枕にして、静かに呼吸している。

 

 四人分の汗と体液と三種類の香水が混じった甘い空気が、ベッドルームに充満していた。薄暗い灯りが、裸の肌をなめらかに照らしている。

 唯花(ゆいか)が最初に声を出した。うとうとしながら、武田の胸元で呟く。

 

「武田さん……来週も、来てくださいね……」

 

「ん」

 

「来週は唯花(ゆいか)が特別なことしますから……ちゃんと準備しておきますね……ふふっ……」

 

 何を準備するのかは聞かなかった。来週の楽しみにしておく。武田は唯花(ゆいか)の黒髪をゆっくりと梳いてやった。唯花(ゆいか)が気持ちよさそうに目を細める。

 

 ひなたが反対側からぴったりと身体を寄せた。

 

「ひなたは毎日がいーなー。おじさんの隣でねむりたい。ずーっとくっついてたい」

 

「バカ言え。俺にも仕事がある」

 

「えへへー。じゃあお仕事行く前に、ひなたがおくちで起こしてあげるー」

 

 ひなたは笑いながら、武田の脇腹に頬をこすりつけた。ぶよぶよの腹に、すべすべの頬。脂の浮いた中年の肌と、化粧水の匂いがする若い肌。

 

 凛音(りのん)は武田の腹の上で、指先でへその辺りをなぞっていた。何も言わない。けれど離れようともしない。

 

「凛音(りのん)」

 

「……なに」

 

「お前も何か言えよ」

 

「……知らない。来なくてもいいけど」

 

 言葉とは裏腹に、武田の右手を取って自分の頬に当てた。目を閉じる。ごつごつした指に、自分から頬を押し付けて──離さない。

 

「……来なくてもいいけど。でも、来なかったら許さない」

 

 武田はその手をそのまま凛音(りのん)の頬に当てたまま、天井を見上げた。

 

 ここに在るのは、テレビの中の「国民的アイドル」ではなかった。ただの三人の若い女が、一人の中年男の汗ばんだ身体に、裸で絡みついている。それだけの光景だ。

 

「来月の沖縄ロケ、俺も行くか」

 

 三人の反応が、同時だった。

 

「本当ですかっ?」

 

 唯花(ゆいか)が目を開けて、ぱっと顔を上げた。

 

「やったー! おじさんと沖縄ー! 海行こー! 水着買わなきゃー!」

 

 ひなたが飛び起きて、ベッドの上でぴょんぴょん跳ねた。胸がたぷんたぷんと暴れる。

 

「……ふん」

 

 凛音(りのん)は顔を上げなかった。けれど口元がかすかに上がっていた。武田の腹の上に乗せた頬が、少しだけ温かくなった。

 

(国民的アイドルが三人、俺のベッドで裸で甘えてる。来月は沖縄で、この三人と。人生、悪くねえな)

 

 武田は三人の頭を順番に撫でた。唯花(ゆいか)の黒髪。ひなたの茶髪。凛音(りのん)の銀灰色。

 

 唯花(ゆいか)がそっと身体をずらした。武田の腰のあたりまで下がり、シーツの上に横たわったままのモノに視線を落とす。

 

 三人分の精を搾り取られた逸物は、すっかり力を失っていた。根元の辺りに乾きかけた体液がこびりつき、精液と愛液の残り香がうっすらと漂っている。

 

 唯花(ゆいか)がその萎えた先端に、そっと唇を落とした。

 

「……今日も、ありがとうございました」

 

 ちゅ、と音を立てて離す。武田の目を見上げながら、少しだけ場所を変えて、もう一度。竿の真ん中に。もう一度。根元に。

 

「一番に選んでいただけて……すごく、嬉しかったです」

 

 唯花(ゆいか)の唇が皮膚の上をねろねろと移動していく。萎えて皺の寄った竿を、舌先でなぞりながら。乾いた精液の残り香が唇に触れるたび、唯花(ゆいか)は嫌がるどころか目を細めた。

 

「奥を突かれたとき、頭が真っ白になって……最高でした。来週も……よろしくお願いします」

 

 敬語のまま、精液の残ったペニスにキスを繰り返す。清涼飲料水のCMで「透明なわたしたちへ」と微笑んでいた口が。

 

「ひなたもやるー」

 

 ひなたが反対側から顔を寄せた。亀頭にちゅっ。竿にちゅっちゅっ。裏筋にちゅっ。子供がぬいぐるみにキスするような無邪気さで、唇を押し当てていく。

 

「いっちばん気持ちよかったの、おなかの奥にどくどくってされたとき! おじさんの熱いの、まだおなかの中にあるかんねー」

 

 ひなたが武田を見上げて、にかっと笑った。精液の匂いが漂う唇で、満面の笑みを浮かべている。

 

 ぴくり、と逸物が反応した。

 

 二人のキスで血が戻り始めている。力なく横たわっていた肉が、じわりと熱を帯びる。

 

 凛音(りのん)は黙ったまま、二人の様子を見ていた。やがて、何も言わず、裏筋に唇を寄せた。触れるだけの、淡いキスを一度きり。それなのに鼻先がそのまま竿の表面に留まって、くん、と小さく息を吸った。

 

「……別に。感謝とか、しない」

 

 言いながら、白い頬を竿にぴたりと押し当てた。血管の脈動が、凛音(りのん)の頬骨にこつこつと響いている。

 

「凛音(りのん)。お前、今日いちばん気持ちよかったのはいつだ」

 

「……言わない」

 

「言え」

 

 沈黙。凛音(りのん)の頬が赤くなっていく。ペニスに触れたままの頬が。

 

「……じぶんから、腰うごかしちゃったとき」

 

 ほとんど聞こえないような声だった。武田の目を見たのは一瞬だけで、すぐに視線を逸らした。

 なのに頬だけは、硬くなり始めた竿にぴったりくっついたままだ。

 

 半ばまで硬さを取り戻した肉柱に、三人の顔がこすりつけられていた。唯花(ゆいか)が右の頬を寄せ、ひなたが左からぐりぐりと押し付け、凛音(りのん)が正面から静かに頬を預けている。三人の吐息がペニスに触れ、三人の体温が血流を押し上げていく。

 

 三人が、同時に武田を見上げた。

 

 瞳の色はそれぞれ違う。唯花(ゆいか)の黒。ひなたの茶。凛音(りのん)の灰。けれど三つの瞳に浮かんでいるものは同じだった。

 

「来週もいっぱいちょうだいねー、おじさん」

 

 ひなたが甘えた声で言い、唯花(ゆいか)がこくりと頷き、凛音(りのん)は何も言わずに小さく息を吐いた。

 

 三人とも目を閉じる。武田の手が頭に触れた瞬間、三つの喉から同時に、猫のような吐息が漏れた。

 

 ◆◆◆

 

 翌朝。

 

 武田は先に起きて、リビングでコーヒーを淹れていた。カップに注いだ黒い液体から、湯気がゆっくりと立ちのぼる。

 

 テレビの朝の情報番組が流れている。芸能コーナーで、女性キャスターが明るい声を上げた。

 

『さあ、次の話題です。国民的アイドルグループ「シュガートリック」が、来月沖縄でCM撮影を行うことが発表されました! 新CMのテーマは「ピュアな夏」だそうですよ』

 

 画面に三人の写真が映った。

 

 唯花(ゆいか)は清楚な微笑み。白いワンピースに黒髪が映えて、握手会のポスターにそのまま使えそうな正統派の美しさ。凛音(りのん)はクールな横顔。銀灰色のショートボブが光を弾いて、鋭い目がカメラの向こうを射抜いている。ひなたは満面の笑顔でピースサイン。茶色いツインテールが跳ね、「天使」の異名にふさわしい無邪気な笑顔を振りまいていた。

 

『清純派として絶大な人気を誇る三人。今年のファン投票でも「理想の彼女」ランキング上位を独占しています』

 

 武田はコーヒーを啜りながら、ベッドルームの方を見た。

 

 キングサイズのベッドに、三つの裸体が折り重なるように眠っている。シーツは乱れ、枕元には脱ぎ散らかされた下着が転がっていた。部屋には汗と体液と香水が混じった、甘く生々しい残り香が漂っている。

 

 唯花(ゆいか)は幸せそうな寝顔で、両手を胸の前で合わせている。──精液まみれの指で祈られても、神さまも困るだろうが。

 ひなたは大の字で、胸が左右にだらしなく溢れてシーツに潰れている。涎の跡が枕に付いていた。

 凛音(りのん)は胎児のように丸まって、唯花(ゆいか)の髪を一房、指に絡めたまま眠っている。

 

「……ったく、テレビの中じゃ『ピュアな夏』ってツラしやがって」

 

 唯花(ゆいか)が寝返りを打った。むにゃむにゃと口が動く。

 

「むにゃ……たけだしゃん……いかないでくだしゃい……」

 

 寝言でも敬語。寝言でも舌足らず。

 

 武田は小さく笑って、コーヒーカップをテーブルに置いた。

 

 画面の中の「清純派アイドル」は、今日も隙なく笑っている。

 

 その裏側を知っているのは──世界でたった一人、この冴えない中年男だけだ。

 

 来月は沖縄。「ピュアな夏」の撮影で、三人はまたカメラの前で透明に笑うのだろう。

 

 そしてロケが終われば、三人ともホテルの武田の部屋に集まってくる。

 

 武田剛造。禿げかけて、腹が出ている。

 

 だが、人生は悪くない。

 

(終わり)


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