メダリストの結束いのりちゃんと狼嵜光ちゃんが、魔物に拉致されて魔物の大観衆の中、スケートリンク内で陵辱されると同時に拷問される話です。
書くきっかけは、某男女ペア2人の関係性を聞いた記者の失礼な質問です。あぁ、やっぱりそういう見方が好きなんだなぁと。では、もっと惨い話を見せましょうか、という気持ちに。はい、私の方が最低ですね。でも、その質問がなければ、メダリストの彼女2人が私に狙われる事は無かったんですよ?
不良やヤクザ、中年オヤジ・ジジィ等に襲われるのは嫌いです。頭の中で絵面にすると見栄え悪いし、人間が出来る以上の加虐を加えたいし。という事で魔物に。
救い主は、魔物の女王と言えば彼女に。何かフィギュアも簡単にできそうですし、彼女。

1 / 1
結束いのり・狼嵜光陵辱リョナ短編

「〇〇選手と〇〇選手は、プライベートではどの様なご関係ですか?」

冬季五輪が終わり、帰国した金メダルを取ったスケートペアに対する記者の質問。

はぁ?そんな見方しか出来ないの?ふざけるな!

という気持ちを、私、結束いのりは抱いた。

選手がどれだけ苦労したか知らない癖に。

選手の陰で、どれほどの人達が夢破れたか知らない癖に。

そう、スケートリンクに夢は無い。煌びやかな世界に見えるが、その氷上は茨で満ちている。数多くの人が挫折や家庭等の事情で辞める。そして将来、スケートで生活できる保証も無い。

私達は多くの屍の上で舞っている。その中には私のお姉ちゃんも含まれている。その事をやっと受け入れられたのは、中学1年、そう最近だ。

だから侮辱は許さない。絶対こんな記者にそんな事を言わせない演技を見せてやるんだ。

そんな思いを抱きながら、私は衣装に着替えた。白とピンクを基調とした衣装。今日は本番さながらに滑る為に。着替え終わり、更衣室から出て行こうとした時、

・・・巨大な人の形をした何かがいた。人間じゃない。鬼みたいな奴。コスプレでもない。

「え?な、何ですか?」

私がそう聞いたら、頭を掴まれ簡単に持ち上げられた。私は軽いけど、こんな簡単に持ち上げられるなんて・・・。

ドボォッ!

「は・・・う?」

お腹を殴られた。そんな経験した事無かったから、認識するまで時間がかかった。激しい痛み。お腹に目線を下ろす。私の細い腹部のほとんどを潰す様に鬼の拳がめり込んでいた。

ドズッ!ドゴッ!ボズッ!

「がはぁっ!や・・・やめ!ぐは!」

私はお腹を殴られて、くの字になっては再び殴られるのを繰り返した。

「ぐふっ!か・・・おぐっ!」

何度も血を吐いた。死ぬ・・・。いや、死ねない。こんな訳の分からない事で死んだら、スケートを挫折した人達に申し訳が立たない。私は鬼を睨み続けた。

ズドッ!ボゴッ!ボズッ!

「ご・・・ぐぉ!・・・か。」

睨んでいたんだ。なのに、それすら維持できなくなった。目の前が段々暗くなっていく・・・。こんなに痛いのにどうして・・・。耐えるんだ、私。必ず誰かが助けに来る筈。耐えろ・・・。

しかし、全身の力も無くなり、私の意識は消えた。

 

 

「いのりちゃん。しっかりして。いのりちゃん。」

「う・・・。」

私は、身体を揺すられて目が覚めた。

揺すっていたのは、狼嵜光ちゃん。私の友人・・・かもしれない。ライバルかもしれない。『敵』。そんな印象を最も大きく感じる彼女だった。

「ここは・・・?」

更衣室の様な一室。でも、さっきまでいた更衣室では無い。

「わからない。あなたも化物に襲われたんでしょう?随分起きるのが遅いね。」

彼女は一見温厚な様で・・・毒がある。言葉にも。内面にも。

彼女は、よく着ている黒を基調とした衣装だった。

「とりあえず逃げ出すよ。化物に襲われたから、ここが日本かどうかも怪しいけれど。」

そして、私は立ち上がり、光ちゃんと共に部屋から出ようとし、

・・・鬼達に出くわした。

光ちゃんは躊躇無く股間を蹴った。

鬼には全く効かず、反対に光ちゃんのお腹が蹴られた。

「が!」

吹き飛んで、ロッカーにぶつかる光ちゃん。ロッカーが簡単にひしゃげた。

「止めて!光ちゃんが死んじゃう・・・。」

鬼達は私の声を無視して、倒れている光ちゃんの首を掴んで、持ち上げた。

光ちゃんの腕が折れている。変な方向に曲がっている。

「・・・離せ・・・。」

光ちゃんは痛い筈なのに、それを感じさせない凄みで睨んでいた。相変わらず周囲の全てと戦っている様な子だった。

鬼は無視して、光ちゃんに瓶に入った液体を飲ませようとしている。

「止めろ!そんなもの!ん!ぐんんんんんん!!!」

抵抗空しく光ちゃんは液体を飲まされた。そして、

ゴキボキゴキ・・・。

「あが!がぁぁぁぁぁ!!!」

光ちゃんの腕が凄まじい音を立てて元に戻っていく。明らかに痛そうな音。これは治療では無い。拷問だ。光ちゃんの胴体も骨が折れていたらしく、腕が元に戻っても、胴体から凄まじい音が聞こえた。

「あが!ぐぉ・・・。」

音が止んで治ったのに、光ちゃんは息も絶え絶えだ。

そういえば、私もお腹を散々殴られて・・・。お腹を触った。なんともなかった。私もあの液体を飲まされたんだ・・・。

そして、私も鬼に首を掴まれて更衣室らしき部屋から外に出される。

「・・・少しは抵抗しなさいよ・・・。あなた・・・。」

光ちゃんに毒づかれた。怖くて抵抗出来なかったなんて言えなかった。

 

 

鬼に連れて行かれたのは、大きな大会位のスケートリンクだった。観客席には明らかに人間ではない魔物でひしめいている。

「こーろーせ!こーろーせ!」

「おーかーせ!おーかーせ!」

日本語で叫んでいる。私達を慰み者にする言葉を。

「はっ!下らない。外見同様に低俗な奴ら・・・ぐぎぃぃ!」

「光ちゃん!ご!」

私達は、チェーンを首に巻き付けられた。そのまま引きずられて、鬼2名と共にリンクに入る。

鬼はスケート靴を履いていて、私達を引きずりながら器用に滑っていく。

私達は、首を引っ張られて引き回されリンクを滑る。こんな酷いリンクインをした選手はいないだろう。

もうこの時点で涙が出てきそうで・・・、耐えた。こんな奴らの前で泣いてやるものか・・・。

「が!ご!がぁぁぁぁぁぁ!!!」

「あぐぅ!ぎぃぃぃぃぃ!!!」

それでも首を絞められて引きずられる苦悶の声を出さずにはいられなかった。

「お集まりの皆様!生贄の登場です!狼嵜光ちゃんと結束いのりちゃん。将来有望なスケーターの少女達。彼女達は、これから・・・無惨にレイプされ、嬲り殺されます!」

実況の声に、観客は熱狂した。ふざけんなと思ったが、引きずられているだけで、死にそうだ。と、いうか普通首が折れて死ぬ筈・・・。

「人間は、か弱い。すぐに死んでしまう。その為、彼女達には首を切り落とされない限り、死ねない薬を飲ませました!これからどんな残酷な目に遭っても死ねません!再生し続けます!飽きたら殺しますが。それでは氷上の残酷ショーを楽しみましょう!」

観客の興奮は最高潮に。悔しすぎる。

リンクを一周して、鬼達は止まった。

「げほ!ごほごほごほ・・・。」

私達は呼吸を整えるので精一杯だ。

「それではレイプです!光ちゃん。いのりちゃん。どちらが、先が良いかな?それとも両方一度に?」

鬼にマイクを向けられた。私は何も言わないつもりだった。

「・・・私にしなよ。私が2人分、相手してあげる。どうせこの鬼が相手をするんでしょう?もし私が、こいつらをヘロヘロにイカセたら・・・私達を解放しろ。」

「光ちゃん!何で・・・。」

「勘違いしないで、いのりちゃん。弱いあなただったら耐えられない。それだけ。」

「感動的な友情シーン!それでは、狼嵜光ちゃんのレイプショー開始です!・・・ちなみに、鬼の精子は即妊娠臨月出産させます!氷上の出産ショーも楽しみですねぇ!」

下卑た大歓声が上がる。私は恐怖で震えていた。光ちゃんは無表情を貫いていた。

 

 

私、狼嵜光と、私のコーチである夜鷹純にとって、世界の全ての人間は敵である。

私達は、特に夜鷹純は、自分達より劣る人間を罵倒する。蔑む。それは、私達が人間嫌いだからだけではない。

私達は『魂を食べている』。相手を超越し尊厳を踏みにじる。その際、相手の表情・態度から出る憎悪、怨嗟、無力感等。それらは相手の魂の形。それを喰らう。そうして、私達は生きている快感を得るのだ。それを自分でも最低だと知っている。でも、止めない。

私達は、誰よりも他人を嫌悪していると同時に、他人がいなくては生きられない。

私の演技には人間の負の感情全てが込められている。私の演技に魅了された人、おめでとう。一緒に地獄逝き決定だよ。

そして私は、最高のご馳走を見つけた。結束いのり。同時に感じた。『いのりの内面には私と似た様な闇が宿っている』と。

その開花を邪魔する者は許さない。彼女のコーチ、明浦路司。スケートに希望とやらを見いだしている偽善者。スポーツマンシップとやらを大事にする馬鹿馬鹿しい存在。反吐が出る。いのりにとって最も邪魔な存在は、この男だ。

私は、いのりに死なれては困る。だから代わりに慰み者となる。死ねない?ならば生きて脱出するチャンスがある筈。ゾンビの様な姿になっても2人で脱出するのだ。そして、その責任を明浦路司に全てひっかぶせて、あの男を消す。これで、いのりは私のもの。

夜鷹純は遠からず死ぬだろう。あんな破滅的な精神の持ち主が、長生き出来る筈が無い。

夜鷹純が死ぬ事を、私は覚悟している・・・筈。

・・・とにかく、いのりは最高だ。彼女が成長する度、私は更に高みを目指せる。

いのりを上回る度に踏みにじり、彼女の表情が、心が、負の感情に覆い尽くされる。想像するだけで堪らない。

必ず一緒に帰るからね?いのり。

あなたは、私にとって最高の友達(ごちそう)なのだから。

 

 

鬼達が数人リンクインした。集団で嬲る気か。

「止めて!光ちゃんに酷い事しないで!んぐ!んんんんん!」

鬼の1人が、いのりの口に巨大なペニスをぶち込んだ。目から涙を流し、いのりは崩れ落ちる。

私の中で殺意が噴き出した。・・・いや駄目だ。まだ、こいつらは油断していない。

「私が2人分相手するって言ったの、聞こえなかった?脳みそまで筋肉なんだな、お前ら。馬鹿みたい。」

私の嘲笑に、鬼は私の腹を殴る事で答えた。

ドボォッ!

「うぐぅっ!・・・がふっ!」

私は腹を押さえて、へたり込んだ。

そして、私の口はこじ開けられ、ペニスを突っ込まれる。喉の奥に当たり、吐きそうだ。耐えなければ・・・。

「おや?光ちゃん。咥えているだけじゃ駄目なんだよ?舐めてご奉仕しないと。」

実況の声が、腹が立つ・・・。しかしマイクを向けられ、私は舐める音を出さなければならなかった。

「じゅる!ちゅば!んふぅ・・・。はむ。れろれろ・・。じゅぶ。んふぅ・・・。」

「んん!んんん!」

新たな鬼が現れて、カメラを向けられた。会場の特大スクリーン各所に、ペニスを舐めている私の顔がアップで映った。忌々しい。

いのりが泣きながら抗議している。ペニスを咥えさせられているので、何を言っているか分からないが。・・・いい加減いのりを解放しろよ。

私はペニスを強く噛んだ。肉の厚さで弾かれる。

私の両肩に、鬼達が触れた。止めろ・・・。

ゴキッ!ゴキャッ!

「んぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!んんんんんん!!!」

両肩を外された。あまりの痛さにペニスから離れて、私は地面を転がった。

「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!がはっ!はぁっ!はぁっ!はぁっ・・・。」

「おやぁ?残念だよ、狼嵜光ちゃん。君には野生の狼の様な強さを期待していたのに。」

「・・・黙れ、クソ実況・・・。」

「では、いのりちゃんを嬲ろうかなぁ?」

私は、いのりを見た。『私は良いんだよ。』と微笑んだ目をした。

ムカつく。お前の、そういう所が嫌いなんだよ。

「まぁしょうがないか。君と君のコーチである夜鷹純の所業は、私も観客の皆さんも知っている。

魔物の私達もびっくりだ。こんな非道な心を持つ人間がいるなんて。」

「・・・そうだよ。私は最低な女。これは生まれ持った性分で、どうしようもない。」

「んんん!んんんんんんん!!!」

「ペニス咥えて否定しても説得力無いよ、いのり。」

「では土下座してもらおう。そして、こう言うんだ。

『私は、人々の心を踏みにじり続けたクソの塊の様な淫乱幼女です!どうか、このクソのオマンコに神聖なチンコを挿入して射精して浄化して下さい!』と。覚えられたよね?」

「・・・わかったわ。」

「んんんー!!!!」

いのりが再び涙を流しているのを無視して、私は土下座した。あぁ・・・リンクの冷たさが私の苛立ちを抑えてくれる。

「私は、人々の心を踏みにじり続けたクソの塊の様な淫乱幼女です!どうか、このクソのオマンコに神聖なチンコを挿入して射精して浄化して下さい!」

会場大爆笑。皆殺しにしてやりたい。

ビリ!ビリィ!

私の衣装の下半身部分が切り裂かれ、むき出しになっているのがわかる。私のわずかに陰毛が生えた陰部も丸出しだろう。再び会場大爆笑。画面を見た。私の陰部がアップで映されている。ゲス共め・・・。

「まだ顔上げていいとは言っていないよ?」

ゴシャッ!

「ぶっ!」

私は頭を踏みつけられた。何度も。氷にひびが入っているのがわかる。私の顔から血が流れている。

「んんー!んんー!」

「どうやら、お友達のいのりちゃんが心配している様だから。顔を上げよう。ドアップで顔面会場に映そうね、光ちゃん。」

私は髪の毛を掴まれて、そのまま空中に持ち上げられた。私の顔がモニターに映っている。鼻血を大量に出して、歯がボロボロに欠けて、片目が潰れ、顔の各所血まみれの私の顔が映った。

「んー!!!!!」

いのりがかつてない程泣いている。どうでもいい事だよ、いのり。これはすぐに治る。

現に外された両肩も治っている。激痛はそのままで。顔もだんだん元に戻ってきた。激痛はそのままで。

「さてクソ幼女の浄化の時間だ。でも鬼に浄化はできない。その為、この姿になってもらおう。」

とうとうレイプされるのか・・・。その覚悟は出来ていた。

次の瞬間、その覚悟は打ち砕かれた。・・・嫌だ。この男にだけは犯されたくない。

鬼達が姿を変えたのは、馬鹿げた大きさのペニスはそのままで、他は明浦路司になっていた。

 

「いのりちゃんのコーチ、明浦路司さんの登場です!何人も!いのりちゃんにとっては至福の時だろう。だが?いのりちゃんLOVEの光ちゃんにとっては、彼は邪魔者でしか無い。そんな男に犯される。光ちゃん、覚悟は出来ているかな?」

「い・・・や・・・。嫌・・・。」

私は髪の毛を掴まれて、空中に浮かびながら怯えていた。この私が怯えていたんだ。

「がうっ!」

私は氷上に叩き付けられた。そして、何人もの明浦路司によって、仰向けに大の字にさせられ、更に膣を無理矢理広げられる。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ああぁぁぁ!!!いやぁぁぁぁぁ!!!」

この私が、顔を左右に振りながら抵抗した。力は鬼の時と同じだ。

・・・私はね?『死ねない』なら、この状態から手足を引きちぎって再生して脱出しようと考えていたんだ。

でも、出来ない。怖くて身体が動かない・・・。

ズブリュゥゥゥ・・・

「あがぁぁぁぁぁ!!!ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

私の中に、あの明浦路司が入ってくる・・・。屈辱だ。これ程の屈辱は経験した事が無い。

ズン!グチュ!ズグ!グブ!・・・。

「くぅ!はうぅ!お!・・・か・・・あうぅ・・・。嫌だ!抜いて!ぬいてぇぇぇぇぇ!!!」

明浦路司が、私の中に汚いペニスを出し入れする度に、私は胸を中心に仰け反っている。

会場モニターに私の陰部が映された。血を流している。ああ・・・、この男に処女を奪われたのか・・・。あまりにも屈辱で、あまりにも無様で。私は狂いたかった。

「んんん!んんんんん!!!」

まだペニスを口に突っ込まれているいのりが叫んでいる。言いたい事は分かるよ・・・。

「それは司コーチじゃない!そんな酷い事は絶対にしない!」

とかでしょう?あなたの単純な考えなんて、お見通し。

そんな事は私にも分かっている。・・・姿が明浦路司という時点で気持ちが悪いんだ。

ウイルスが日光を嫌がるのと同じ。私は、悪性なウイルスとして生まれたから、こんな光の象徴みたいな男が、本当に大嫌いなんだ。

・・・そうか・・・。私は、それほど迄に忌まわしい存在だったんだ・・・。

夜鷹純は、明浦路司に対して「現役復帰でもしろ。」みたいな事を言っていた。あの負の感情の塊の様な夜鷹純ですら認めているのに。

ははは・・。私は、才能だけで人格最低の、自分のコーチ以下の存在か。ははは・・・。

そして、明浦路司は私の膣内に射精した。おびただしい量の精液を。

「かは!くは・・・。くは・・・。」

残る明浦路司達も、我慢できないのか、私の全身に精液をまき散らした。

私の全身が、会場モニターに映された。汚らしい精液まみれで痙攣している私の姿。涎を垂らして虚ろな目の無様な私の姿。・・・泣いている?この私が。

「これで終わりではありません!この数十秒後には、狼嵜光ちゃんが、臨月妊娠出産します!クソ幼女は果たして立派なお母さんになれるのか?楽しみですねぇ!」

(・・・・・えっ?・・・・・?)

 

忘れていた。確かに実況の魔物はそんな事を言っていた。あまりの屈辱に失念していた。

そして、その時が来た。私が覚悟する暇すら与えず。

ボゴォッ!ゴキッ!ゴキャ!

「あがっ!がぁぁぁ!ぐぉぉ!ごはっ!」

私の腹部が膨らんだ。こんな風船の様に膨らむのか。そして、私の身体のあちこちが砕けた。子供を産む時は、母体は長い時間をかけて体型が変わる。ろくに学校で勉強していない私ですら知っている。その過程を無視し、私の中の何かは急激に育っていった。

ドゴォッ!

「うごぉっ!」

腹の中の何かに内側から蹴られた。何が『お腹の中の赤ちゃんが動いた喜び』だ。痛く苦しいだけじゃないか。

そして、私の腹の中の何かは、私から出ていく。

「ぐお!ごぉぉ!こひゅ・・・。こひゅ・・・。」

私は、頭を持ち上げられた。自分の腹を、下半身を見させる為に。

腹部は段々と縮んでいった。その代わりに何かが私の上に、這い上がってくるのを感じた。

・・・それは、血まみれで明らかに人間の赤ん坊の姿をしていない何かだった。

「嫌・・・。こんなの、私の赤ちゃんじゃない・・・。いやぁぁぁぁぁ!!!」

「おやおや。光ちゃんは、自分の子供を認知してくれない様だ。・・・じゃあ殺処分するしかないね。」

「まっ。待って。」

私が、この化物の子を庇う様な発言をした。・・・もう、私の心すら、自分でよく分からなくなっていた。

グチャァツ!

「ぐひゅっ!」

私の下腹部ごと、私が産んだ化物の子は潰された。

そして、会場モニターに私の化物の子がミンチ姿で映された。

「あぁぁぁぁぁぁ!!!いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

またも会場大爆笑。

「認知しないのか、するのか。はっきりして欲しかったねぇ。

さて、そんな優柔不断な狼嵜光ちゃんには、更なるお仕置きを。

もう、両脚いらないよね?こんなクソ幼女から卒業できない光ちゃんにはスケートを滑る資格なんて無い。」

私の両太ももそれぞれを、明浦路司が持って、力ずくで引っこ抜いた。

ミジミジビジュィィィ!

「あ゙があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」

会場モニターが私の下半身を映した。私の両脚を。

胴体と脚部分のちょうど境目から千切れ、噴水の様に血を噴き出している私の両脚があった所を。

やはり会場大爆笑。そうよね、私のフィギュアスケート生命はこれでお終い・・・。

 

私は、両腕を空中へ伸ばして、中指を立てた。

「はは・・・。死ねないって言ったよね・・・。再生するって言ったよね・・・。

何、無駄な事してんの?バーカ・・・。」

返答はなかった。代わりに両腕を掴まれて、千切られた。

ブジブジグジィ!

「が!・・・ご・・・!」

私の両肩から先が無くなった。やはり血を激しく噴き出して。

「あはは・・・。これでお終い?この状態でも、戦っているスポーツ選手がいるの知らないの?そうよね。化物には理解できないよね。本当に哀れだわ、あなた達。

あっはははははは!!!・・・がふっ!ごふっ!ごはっ!うごぉ!・・・」

バキッ!グチャ!バキッ!グチャ!ボゴォッ!・・・

四肢切断状態の私に、容赦なく踏みつけが来た。私の骨が砕け、内臓が潰れ、筋肉が千切れる音がする。

・・・首は斬らないの?それをしない限り死ねないと、あなた達が言ったのよ?

本当に愚か。あははは・・・。は・・・。

私は、邪悪に微笑みながら、自分の意識が消えていくのが分かった。

 

 

この会場は、魔物達が異空間に作り上げた会場である。

よって、どうやっても結束いのり・狼嵜光だけでは、生きてここから出られない。

だが、それでも彼女達の心は折れないだろう。

この会場がある異空間内を浮遊して、会場内部を観察している、ある魔物の女は思った。そして、こう呟いた。

「さて。華が咲く迄の途中で潰されてしまうのが美しいか、血塗られた2つの華が咲く方が美しいか。もう1人の彼女の様子で判断しても遅くはないわね。」

 

 

狼嵜光ちゃんは、両手両足を無くして、地獄の様な苦しみを経験して尚、彼女らしさを失わなかった。

今、光ちゃんは、意識を失い、口から血をコポリと垂らしている。手足のあった所からの血は、いつまでも止まる事は無く、血は凍り付いてリンクの一部になっている。

でも、僅かに聞こえるんだ。彼女のか細い呼吸音が。

それでも、激しく聞こえるんだ。彼女の力強い心臓の鼓動が。私だけには。

私は、意気地が無くて、弱虫で。何も出来ないと生まれた時から思っていた。

そんな私を変えたのは、フィギュアスケートで。

そんな私を変えたのは、司コーチをはじめとした、スケートで関わった色々な人達で。

その中で、光ちゃん。あなたは、本当に怖い存在だったよ。

そう、『だった』。過去形。

最初から知っていたよ。あなたが、誰よりもスケートに死に物狂いで挑んでいた事を。

でも、あなたは歪んでいて、それを誰かに壊して欲しくて、その願いを託したのが私。

そう。あなたを壊していいのは、私だけ。

こんな所は、私達の墓標じゃない。待っていてね。私があなたを助けるから。

必ず一緒に帰るからね?光ちゃん。

あなたは、私にとって最高の友達なのだから。

 

 

私の口をいつまでも塞いでいるペニスを喰い千切った。

ペッと吐き出し睨んだ。苦しいの?この程度で。光ちゃんは、もっと苦しい状態で笑っていたんだよ。

「おぉ。ちょうど良いタイミングで、結束いのりちゃんが復活しました!

いやぁ心配でしたよ。チンコを口にぶっ込まれただけで、泣いて終わるなんて、観客の皆様も、私も、納得できません!

さて、観客の皆様?彼女、もう嬲り殺しますか?それとも犯しますか?」

「おーかーせ!おーかーせ!」

「はい!いのりちゃんもレイプされる事が決定しました!天使の様な幼女、いのりちゃんなら、あのクソ幼女と比べる迄も無く立派なお母さんになってくれるでしょう!」

「・・・するな。」

「はい?聞こえない。マイク近づけて。」

「ひかるちゃんをぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!侮辱するなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

目一杯の大声で叫んだ。人生一番の大声で。

観客の魔物達が耳の辺りが痛い様だ。実況の魔物も頭を押さえている。ざまぁみろ。

「・・・もう、いいです。分かりましたよ。ハゲ髪型幼女、ブチ犯し開始です。」

 

鬼達が、私の手足を掴んで、氷上に仰向けにした。

どうやら、光ちゃんの時とは違い、変身はしない様だ。例えば、夜鷹純さんとか。

そうだよ。私はあの人が嫌いでは無い。可哀想な人だとは思っているけれど。

彼を救うのは、光ちゃんの役目。光ちゃんが夜鷹純さんを超えた時、初めて、あの人は安らぎを得られるのだと思う。

私と司コーチは、師弟であり、ライバル。だが、司コーチがオリンピックに出られる可能性は少ない。年齢ではじかれる。フィギュアスケートは大器晩成を認めない。若い人しか認めない。本当に馬鹿馬鹿しい世界。気持ち悪い。

私は、オリンピックのメダリストになるのが目標。同時に、その組織を変えるのも目標。

もっとスケート等、冬のスポーツを、誰でも出来る様な競技にして、もうお金の関係とか環境の関係等で諦める人を無くすんだ。

その為には、私より頭の良い人が必要。狼嵜光ちゃん、あなたが必要。

私達で、フィギュアスケートを、冬季五輪を、冬のスポーツを、ぶっ潰そうよ。作り替えようよ。

だから、私はまず、今から起こる恥ずかしい経験を耐えるんだ。

 

私の下半身の衣装が破かれた。私は、膣に毛も生えていない。赤ちゃんみたい。

容赦なくペニスが入れられた。

ズググググ・・・

「んく!はふぅ・・・。ふぅぅ・・・。」

私は痛みで仰け反った。会場モニターには、私の陰部が血まみれなのが映っている。思った以上に血が出た。それだけ私は、まだ幼くて未熟なんだ。教えてくれてありがとう。

ズグ!ズボ!グン!グン!・・・。

鬼が、私の中にペニスを出し入れしている。私は仰け反る。無表情で。

「く・・・。うく・・・。うん・・・。あふ・・・。」

流石に声が出る。未熟だ。

「うーん。いのりちゃんは、もっと可愛らしく喘いでくれるか、泣き叫んでくれると思ったんだけどなぁ。さっきの光ちゃんで耐性つけちゃったかな?

まぁ、泣き叫び2連続はマンネリだ。

という事で、空中に浮かべて、アナルも犯そう。口も犯そう。」

アナル?と思った私の身体を鬼達が担ぎ上げた。膣にペニスが入ったまま。ペニスを入れた鬼は外れない様にしつつ立ち上がる。器用だね。

私の下に、ペニスをむき出しにした鬼が横に寝た状態になった。私のおしりの部分にペニスが重なる様に調整している。

「・・・裸で氷の上に寝て、寒くないの?」

「おぉ!流石は天使幼女いのりちゃん!犯す魔物の心配とは!

・・・これから、ケツの穴にチンコぶっ刺さるのにね。」

私のおしりが広げられ、肛門がむき出しになった。そして、

「がひゅ!」

そのまま下ろされて、肛門にどんどんペニスが入っていく。

「寝たままだと腸まで入らないだろう。いのりちゃんを90度起こして。」

鬼達は、私を上半身だけ起き上がらせ、下半身は脚を広げられた。

膣と肛門に入っているペニスは、どんどん私の体内に入ってくる。

肛門のペニスは、明らかに大腸深くまで入り、他の内臓を動かしている。

膣のペニスは、子宮なのだろうか?それを持ち上げて、他の内臓に当たっている。

そして、私の上半身を上下させて内臓を掻き回している。痛すぎる。

「ぐが!・・・ぐ・・・んぐ!おぉぉぉ!!ごは!」・・・。

私は、無表情を維持できなくなった。明らかに苦しそうに目を見開いて、涎を垂らしている私の顔が、会場モニターにアップで映されている。思わず涙が出そうで・・・。耐えろ!光ちゃんは、もっと苦しい状態なんだ!耐えろ!結束いのり!

「それだけですか・・・?ははは・・・。がぼっ!」

挑発したら、即、口の中にペニスを入れられた。今度は喉の奥まで。苦しい。鼻で呼吸を・・・。

口の中に精液を思いっきり出された。

「んぐぅ!んぅぅぅ!ぐうん!!」

食道を通過して精液が胃の中に溜まっていく。汚いね。・・・いいよ、後でお腹を切り開いて水洗いするから。私達を死ねなくしたのは、あなた達だよ?

精液を出し終わったのか、口のペニスが抜かれた。

「ぐび!ぐぶ!ぐびぐび・・・。」

私は汚らしく精液を口から出している。その光景も会場のモニターで、アップで。

会場大笑い。

マイクを向けられた。

「下らない・・・。口から赤ちゃんは産まれないんだよ?そんな事も知らないの?・・・ごが!」

私の肛門のペニスからも、精液が放出された。腸の各所に逆流していくのが分かる。凄く痛い。

そして、膣のペニスも精液を出した。子宮に収まりきらず、膣から外に精液が放出される。肛門からも精液が流れ出ている。

カメラは、私の膣をアップにし、オシッコを漏らしている様な下半身を見せつけた。

会場大爆笑。

また、マイクを向けられた。

「可哀想だね。精液が。私を辱める為だけに無駄に使われたんだよ?あなた達は。親を恨んでね?」

「そういう君も、もうすぐお母さんになるんだよ?さて、君は、あのクソ幼女の様に自分の子供を否定するのかな?守ろうとするのかな?反応が楽しみだね。」

「光ちゃんを侮辱するなってんだろ。殺すぞ。」

 

数十秒後、私のお腹が膨らんだ。私の身体のあちこちを砕きながら。

ボゴゴゴゴ!

「ごがぁぁぁぁ!ぐがああぁ!あうお!」

上半身を倒したかったが、鬼達に固定され、寝る事が出来ない。このまま産ませる気か。

ブヂブヂブヂビジジジジ・・・

「はぁ!くふぅ・・・。おご!おう!」

私の化物の赤ちゃんが誕生した。

私は、この子を両手で掴んで、顔まで持ち上げてへその緒を食い千切った。そして抱きしめた。

「皆さん!感動のシーンです!天使幼女いのりちゃんは、聖母幼女にレベルアップしました!私は涙が止まりません!」

会場拍手喝采。

「・・・でも、すぐにその子ぶち殺すんですけどね。」

鬼達が、私から子供を取り上げて、目の前で氷上に落とした後、踏み潰して殺した。

「あ・・・・・・・・。」

私は、両脚を広げて、へその緒を出したままで、虚ろな目でその光景を見ていた。

また、マイクを向けられた。

「・・・ごめんね、私の子。・・・こいつら皆殺しにして、あなたの命を奪った事を償わせるから。」

凍り付いた声で、カメラを睨んで言った。最大級の殺意を出した。

「・・・どうしたの?会場の人。静かだよ?・・・まさか私にビビったって事は無いよね?怖がるのはこれからだよ?」

「いや、ね?よく無力な人間がそれだけの殺気出せるなぁって感心したんだよ。本当に。

・・・これから、地獄の様な苦しみを味わい、惨殺されるのにね。」

 

鬼達は、私を立たせた。・・・何も拘束しないで。

そうだよ。私に魔物を1人でも殺せる力なんて無い。油断して、拘束なんてしないよね?

私は、光ちゃんを見た。まだ手足は生えず、凄まじく血を流している。明らかに身体の中に入っている量より多い血を。殺すつもりも生かすつもりも無いんだなと思った。

ダッシュした。光ちゃん目指して。スケート靴が無くても氷の上では私達の方が速いよ。

そして、光ちゃんを抱え上げ、会場出入り口を目指し・・・。

ズブゥッ!

「かはぁっ!」

私は、自分のお腹を見た。大きい剣の刃先が飛び出している。

「ごめんね・・・。光ちゃん。今剣抜くから、少し置かせて・・・。」

「早く・・・自分だけ・・・逃げなよ・・・馬鹿。」

光ちゃんの意識は戻っていた様だ。でも、返事できない。剣を抜くのに集中させて。

背中を触った。柄がある。前に押し出す事は出来ない。後ろから引き抜こう。

ズググググ・・・ズボォッ!

「ん!ぐぅぅぅぅ!んはぁ!」

剣を抜いた。

それと同時に、両肩を斬られた。私の腕が落ちていく。

ブシュゥゥゥゥゥ・・・・

「あが・・・。か・・・。」

私はしゃがんで、光ちゃんの髪の一部を口に咥えて、再び走り出した。腕のあった所から、お腹と背中の傷口から、鮮血を吹き出しながら。

もうすぐ出入り口だ。

ドゴォッ!

「ごふぅ!」

私の身体は小さくて、胸とお腹全体を蹴られた。出入り口で待ち構えていた魔物は、それだけ大きかった。

口から、光ちゃんを離してしまった。私達の距離3メートルくらい。

立ち上がる前に押さえつけられ、私の股関節に沿ってノコギリの様に両脚が斬られていく。

ゴリゴリブチブチゴリブチィ!

「ぐお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!」

私も四肢切断状態になった。

・・・這って、光ちゃんの所へ進む。

ザシュ!

「ぐはぁ!」

またお腹の箇所を貫かれた。剣を抜かれた。構わない。進むんだ。

ドズゥッ!

「ご・・・お゙・・・。かはぁ!」

胸の部分を刺し貫かれた。沢山、血を吐いた。・・・構うものか。進んだ。

ズブズブズブ・・・

「か・・・。ごふっ!あ・・・。がふっ!」

私の膨らみかけた乳房がある箇所、お腹の4箇所、陰部が刺し貫かれた。ゆっくり時間をかけて。いたぶる為に。

目が見えなくなってきた。・・・舌を噛んだ。意識が戻ってきた。気を失ってなんていられない・・・。光ちゃんを助けるんだ・・・。

ゾボォ!ズボォ!ズバァッ!・・・

やはり、ゆっくりと剣が抜かれた。7箇所。時間をかけて。激痛で頭がチカチカするけど、構わない。ありがとう。抜いてくれて。ようやく、光ちゃんの所に辿り着けたよ。・・・私は光ちゃんに覆い被さった。

「光ちゃん・・・。ぐぶ。聞こえる?手足生やせるかな。私、それまで光ちゃんを守るから。かは。生やして。そして逃げて。」

「何言っているの。あなたも生やしなさい。私だけ生きて戻っても何の意味も無い・・・。ぐがぁ!」

私と光ちゃんは、まとめて剣で貫かれた。お腹の部分。光ちゃんを守るとか言って、守れてないよ・・・。

ザシュッ!ズボッ!ズグッ!ブシュウ!ボズッ!ズバァッ!・・・

ああ・・・。何回刺し貫かれたんだろう・・・。周りが血で真っ赤だよ・・・。

目が霞んできた。涙が出てきたから。

光ちゃんも泣いていた。

「光ちゃん、諦めないで。うく。私は諦めないよ。手足を生やすんだ。逃げるんだ。がはぁ!だから光ちゃんも、諦めないで。諦めない事は、あなたから教わった事だよ・・・。」

「そうだね、忘れていた。ぐ!試合中はもちろん、試合後も泣いてはいけない。ぐふぉ!全てが終わってから・・・。私も、もう泣かない。諦めない。・・・あなたが諦めないから。ごぼ!絶対にあなたには負けないから・・・。」

 

 

「素晴らしい華ね。氷上に咲く大輪の血の華。空から見ると、それが良く見える。

でもそれよりも素晴らしいのは、あなた達の魂。見事な輝きを見せてくれた。私の想像以上に。」

美しい女性の声が聞こえた。私は見上げた。

翼の生えた女性が降りてきた。天使?ごめんなさい。私達は、まだ生きていたい・・・。

「天使じゃないわよ?そしてあなた達を死なせない。この現世という地獄に留まらせたい。それは、悪魔の所業よ。」

私達の身体に無数のコウモリが群がってくっついた。それは私達の身体の一部になっていく。血に染まった、破かれた衣装にもなっていく。これは・・・?

「どいて、いのり。身体が回復したの、気が付いているでしょう?」

反射的に立った。目の前には、手足も服も元通りの光ちゃんがいた。

そういえば、鬼達は・・・。いつのまにか、辺り一面に細切れになって転がっていた。

最後に、私達を治した女性。緑色の髪の毛、凄く体型が良くて、恥ずかしい衣装を着ていて。・・・悪魔の翼が生えていた。

「そう、悪魔。正確にはサキュバスと言うの。名前は、モリガン・アーンスランド。

お礼は結構よ。あなた達を助けたのは、気まぐれだから。」

悪魔。・・・そうだ。私達は未だに魔物達の中にいて。

「何で、お前がこんな所に・・・。」

「あら?木っ端魔族にも知られているのね、私の事は。・・・まぁ知らなかったら、長い年月をかけて嬲り殺していたけれど。

でも・・・お前呼ばわり?気に入らない。

だから、差し引きで、この子達が味わった数十倍の痛覚を与える『だけで』殺してあげるわ。」

大観衆がリンクに降りてきた。襲う気だ!

「あなた1人なの?無理よ!こんな大量の数!」

「無理?じゃあ先程の言葉を返上。お礼として、あなた達のペアダンスが見たいわ。私が皆殺しにしている間、踊りなさい。」

「え・・・?私達、ペアでやった事なんか・・・。」

「やった事も無いのに、無理なんて言わない。それは、あなた達が一番知っている。

ちなみに、曲はこれで。最近は、ボーカル入り楽曲が禁止されて窮屈になったわ。それも、将来改善してね?」

私達の脳内に曲が流れた。一瞬で。知らない曲だ。でも、その一瞬で私達がどう踊ればいいのか、何故か動き方が完全に分かった。

私達は、いつの間にかスケート靴を履いていた。拒否権は無い。やはり悪魔だ。でも、私達はもう踊る準備は出来ていた。

「この曲は、リリウムという曲名。アニメソングなのに賛美歌になった曲。あなた達の舞台は美しくて、残酷で、憐れで。この曲が相応しい。

さぁ、踊りなさい。2輪の貞潔なる白百合達よ!」

モリガンが両腕を広げ、無数の分身を放出した。それと同時に私達は踊り始めた。

 

私達は、踊った。舞った。本当に息ぴったりで、私は嬉しかった。光ちゃんは、今どう感じているんだろう?やはりペアで踊っても、彼女の心の中は分からない。

そう、私が前に言った光ちゃんの事は全て私の頭の中の空想だ。

でも、私が光ちゃんに対して抱いている気持ち。それは本当だ。

周囲を、魔物の血が、肉片が飛び散っている。モリガンは、私達にそれらが当たらない様に調整して殺している。落ちた血や肉片は消している。

それでも、私達の氷上の本当の姿、血生臭さは消えないよ。それを変えるのは私達だから。

リリウムという曲は、フリースケーティングの規定時間4分ぴったりに終わるよう調整されて。

曲ぴったりに私達の演技は終了し。

モリガンは1万はいたであろう魔物を全て殺し終わっていた。

無数のコウモリで出来た椅子に座って拍手をしているモリガンに対し、

「私達が味わった数十倍の痛覚を与えるんじゃなかったの?あっさり殺しているけど。」

光ちゃん、恐ろしいツッコミは止めて・・・。

「味わっているわよ?全員。私は体感時間遅延も痛覚倍増も簡単にできる。特に、あの実況は腹が立ったから、数千倍の痛覚を100年単位の体感で味わい続けたわね。」

やはり悪魔だ。この人は。

 

 

私達の悪夢以上の出来事は終わり、モリガンは『闇の眷属が迷惑をかけたから、せめてものお詫びに』と、高級ホテルのディナーと1晩泊まりを強引にプレゼントした。

私の家族や司コーチには、既に承諾を得ているらしい。

光ちゃんの家族や、あの夜鷹純をどうやって説得したのか気になったら、

「脳をいじった。で、夜鷹純はムカつくので、プラスして『ほんの少しだけ』痛めつけたわ。」と言われた。やはり悪魔・・・。

ディナーの正装のドレスは、モリガンから貰った。モリガンは、翼とかを隠して、胸元を露出させたドレス姿が美しく。私には、ドレス姿は似合わない。やっぱりまだ子供だ。光ちゃんは綺麗だった。

3人で食事。早速モリガンは酒を飲むよう悪魔の誘惑。私は断った。光ちゃんは飲みたそうだったけど、理性で抑えていた。

食事はとても美味しくて、モリガンは場を盛り上げるのが上手で、話は楽しくて、

「ねぇ、あなた。私達、もっと早く助けられたよね?面白かった?私達が苦しんでいる姿は。」

止めて、光ちゃん・・・。

「えぇ、とっても。と、いうか、あなた達が攫われる事は、事前に知っていた。あなた達は素晴らしい魂の持ち主。魂は危機的状況で更に輝きを増すの。良いモノを見せて貰ったわ。」

悪魔・・・。

「私は、あなた達が気に入ったから、しばらく観察させて貰うわね?

その為に、2つほどアドバイス。

1つ目。これからのフィギュアスケートは、どんどん技術は必要ではなくなるわ。

何回転が成功したとかは些末な事になる。

重要になるのは、表現力。感情をどう表現するか。それが他者に伝わるか。

そこで問題なのが、夜鷹純。彼ほど、旧時代に取り残された人物はいない。技術重視。スパルタ教育。はっきり言って全く未来に必要無い。

その未来が来た時、彼は簡単に自死を選ぶでしょう。

彼を救えるのは、狼嵜光ちゃん。あなたしかいないわね。

命の重みを背負わせる気は無い。ただ、その可能性が高い事は覚悟して頂戴?」

「・・・。」

光ちゃんは気が付いているんだ。モリガンのスケート予測は分からないけど、夜鷹純の最後について、その可能性が高い事を。

「2つ目。光と闇を両立させなさい。これは感情面でもあるし、人生という側面もある。

いのりちゃんは光が強すぎて、光ちゃんは闇が強すぎる。いのりちゃんの闇は、光ちゃんが良く知っている筈よね?だから、気に入った。逆に言えば、光ちゃんの中にも光はあるのよ?名前と同じで言い方難しいけど。

これからの人生で、光の感情、闇の感情。輝く出来事。暗黒の出来事。必ずそれらと数多く向き合うわ。『それら全てを愛しなさい』。

これは、凡百の人間には出来ない事。でも、あなた達なら出来る。光と闇の両立。それが出来た時、多くの人々が、あなた達に魅了されるでしょう。多くの人々の心の支えになるでしょう。その様な道を歩む事を期待しているわ。

・・・さて、湿っぽくなってごめんなさい。食事を楽しみましょうね。」

その後、私達は何も言えなかった。軽々しくこの道を選んだ訳じゃない。でも、この道の重さを改めて感じさせられた。

 

 

私達は、モリガンとは別室に泊まる。ベッドはダブルベッドだった。

当然、光ちゃんは猛反対。でも、モリガンに押し切られた。

私達は、反対方向を向いて寝た。

1時間か2時間か。その位経過して、私は光ちゃんの方を向いた。

彼女も私の方を向いていた。静かな寝息を立てて。手は、まるで誰かを求めている様に出して。

私は、光ちゃんの手を握った。光ちゃんは目覚めなかった。握り続けた。

とても温かい手だった。優しい暖かさだった。

彼女を怖がる人は多い。彼女に傷つけられた人は、私や司コーチだけでは無い。

でもね?それでも、私はあなたを友達だと思っているんだよ?

今のあなたは、闇で満ちていて。それを少しでも減らす為なら、私も闇に染まるよ。

でも、闇に支配されたりしない。私達は闇と光を両立させるんだ。

その時に、あなたの本当の光を見せてくれたら嬉しいな。

私、結束いのりは、狼嵜光ちゃんに対して、そう誓った。

一晩中、彼女の手を握りしめたまま。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。