理系が恋に落ちたので証明してみた。の氷室菖蒲さんと奏言葉さん、および同じ作者さんのキャラ力技のシスター(本名・マリア・ハートウェルさん)が、進化して自我を持ったりしたノトーリアス・B・I・Gに襲撃される話です。
リケ恋はPixivに話を連載していて、リョナ作品が無いが書いて大丈夫なのか?と考えました。レ〇プイラストがあるのでOKと即断。
氷室菖蒲;パンストの太ももがエロいと前から思っていました。何らかで串刺しにしたいと思っていました。奏言葉さんにはそんなに思い入れが無いのでついでに。ごめんなさい。
シスター:濃いまつげの美人で大好きです。体型が分かるシスター服で。身体を思う存分ブチ抜きたいと思いました。
理系的にリョナ途中で死んでなければおかしい?手の施しようが無い?大丈夫です神の奇跡がありますから。多分。


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氷室菖蒲、奏言葉、力技のシスター:リョナ短編

ノトーリアス・B・I・Gという存在がいる。

カテゴリー的には超能力である。スタンド能力。ジョジョの奇妙な冒険という世界にある超能力の1つ。精神エネルギーで操作されるモノなので、多くは『存在』とは言えない。だが、ノトーリアス・B・I・Gは間違いなく『存在』、『個体』である。

この存在を超能力として発現させた男は、カルネという小太りで何を考えているか分からない男。彼は、ジョジョの奇妙な冒険第5部の物語におけるボスキャラクター、ギャングのボス:ディアボロの命令により、主人公ジョルノ・ジョバァーナ達を皆殺しにする為、小型飛行機に乗り込む彼らの前に現れ、わざと殺された。それが能力発動の条件だから。

何故こんな能力が発現したのか不明。何故平然と殺されたのか不明。そしてそれの追求は些細な事で不要である。「カルネが、生前食人が好きだったから。」「食人で捕まる所をディアボロに拾われた。ただし『食人はもう出来ないだろう。死んでも食人を続けたいなぁ。』と思っていたら発現した。」仮説はいくらでも出来る。

そして、カルネは死体を生死確認の為ジョルノに調べられ、能力と身体の一部が分離して彼にくっついて、飛行中の飛行機内で一気に行動開始した。飛行機内で皆殺し。そうでなければ、能力上、世界すら滅ぼせる力だから。

ノトーリアス・B・I・Gの能力は、動いているものを動きの速さ順に追いつき喰う。生物、非生物問わず。そして成長していく能力。

成長際限があるかは不明。

知能の有無。ジョルノにくっついている時に彼の腕を気が付かれないレベルで喰いながら、機内の壁に文章を書き挑発した。これで知能があるかは不明。何故なら、これは「カルネの思念が残っており、それを利用した」と考えられるから。何よりジョルノが、気が付いてくれないと、彼1人殺しただけで着陸する恐れがある。「飛行中に皆殺し」。こうしないと世界を滅ぼすから。

物語で提示した消滅方法は「反応できないレベルである程度細かくなるまで鉄柱等非生物のもので粉々にする。」「燃料タンク爆破により焼き払う。」だった。それでも破片の1つがジョルノ達に取り付き、チームリーダー、ブチャラティの能力で、身体一部ごと分離。

遺棄され、イタリアのティレニア海に着水し、荒波を永遠に追いかける存在となる。

時々、運悪く通りかかる漁船を襲撃。全て喰らう。それを繰り返していく内、その海域は当然ながら進入禁止に。

ノトーリアス・B・I・Gの結末は、ジョルノ達の皆殺しを命じたディアボロも同じ展開を計画していたと思われる。彼の目的は、世界の破滅では無いから。

 

 

数年後、進入禁止となったティレニア海に豪華な小型艇が進入した。波より早く船は来た為、ノトーリアス・B・I・Gは一気に接近した。

・・・以降はノトーリアス・B・I・Gが『知能を有している』という前提で話を進める。

ノトーリアス・B・I・Gは数年ぶりの獲物に興奮した。そして、自分がかつて知っている人間が船に乗っている事を感知した。

ノトーリアス・B・I・G、海面に浮上。船の甲板には、ジョルノ・ジョバァーナがいた。あの時、喰い損ねた餌だ。喰らってやろう。ノトーリアス・B・I・Gは、小型艇より巨大な体躯で跳ね上がり、襲いかかった。ジョルノはスタンドを出した。ノトーリアス・B・I・Gは以前見た奴のスタンドと異なる事に気が付いた。・・・どうでも良い。自分に敵う者はいない。喰らってしまえば同じ。

凄まじいスピードで殴られ、殴られた部分から只の死体に戻されてしまっていた。おかしい!ありえない!何だこの能力は!自分が殴られただけで、その箇所が自分で無くなり只の死体になっていく!

止まれ!止まれ!能力上無理である。波よりも船のスピードよりも速いゴールド・エクスペリエンス・レクイエムのパンチの連打のスピードに反応してしまう。そしてこのスタンドの能力は「全てをゼロに戻す」能力。ノトーリアス・B・I・Gは「死体を基にした」スタンド。それが只の死体に戻される。

3分後、ノトーリアス・B・I・Gは粉々の只の死体となり海中に沈んだ。時間が経てば分解してプランクトン等に喰われるだろう。ディアボロを倒し、イタリアのギャングのボスになったジョルノは、念のため船でその海域を数時間廻る。襲いかかる気配無し。帰還。

そして進入禁止解除。イタリアの全権を陰で掌握しているのはジョルノだから。

 

だが、ジョルノは気が付いていなかった。ノトーリアス・B・I・Gが全て只の死体になる前に『進化』した事を。

99%やられた。だが1%残っている。この1%は『動きに反応する』能力を捨てた。この能力のせいで自分は完全消滅しそうになった。切り替えなくては。

そうだ。知能が欲しい。高い知能が。あの謎の能力を解明できる知能が。

力も欲しい。あの力を上回れる力が。

数多くの魚が泳いでいる。いらない。無視。

人間が喰いたい。高い知能を持つ人間が。出来れば高い身体能力も持っていると良いなぁ。喰らって自分のモノにする。それを探知するよう自身を成長させよう。陸地に着くまで。

 

 

ティレニア海に面した都市ナポリ。山に沿うように作られた都市が美しい観光地域。

彩玉大学はナポリ大学と姉妹校であり、学生の留学が行われている。

彩玉大学理工学部大学院生である氷室菖蒲と奏言葉は、一ヶ月の短期留学でナポリに来ていた。厳密にはトップクラスの成績の氷室菖蒲だけなのだが、女性1人では危険だ。よって武術経験のある後輩奏言葉が自ら志願して、短期留学に同行した。

季節は秋。

氷室菖蒲は、水色のYシャツの上に白衣。体型が分かるほど密着した短いスカートにグレーのストッキングといういつもの服装。銀色の長髪を腰まで伸ばし、一部を後ろで結んでいる。これも同じ。

彼女が1人で危険なのは、スタイル抜群の高身長美女だから。ゲスな男なら誰もが好色の目で見るだろう。自分は、そんなに魅力的だと気が付いていないのだが。

だがオシャレは欠かさない。オシャレ等について、実はそれほど興味は無いが、自分が好きな幼なじみに合理的理論で言われたから。

奏言葉は、茶色いネックシャツの上に白衣。短いスカート。ストッキングは履いてない。首まで伸ばした茶色い髪を、後ろで結んでいる。

彼女は、身長は160cm位のやはりスタイルの良い美女である。彼女は、氷室菖蒲の幼なじみ兼彼氏(仮)が好きである。そして同じくらい氷室菖蒲が好きである。バイセクシャルかもしれない。

ちなみに彼女も自分が、ゲスな男なら誰もが好色の目で見るレベルの美女である事に気が付いていない。

 

宿泊しているのは、セキュリティの高い家具付きアパート。ホテル一ヶ月は流石に値段が高い。

家事は当然自分達で。憧れの先輩と仲良く食事を作り、食べ、掃除をし、勉強をし、買い物をし、ベッドはダブルベッドで無いのが残念だが、極めて近くで先輩の寝顔が、吐息が聞こえる・・・。奏言葉は、毎日が多幸感で満たされていた。

多幸感が出ると様々な物質が出る。フェロモンも出る。夕方、それを多分に振りまいて奏言葉は1人買い物帰りで帰宅しようとしていた。

途中の道の井戸を通り過ぎようとし。

・・・何が獣のような声が聞こえた。

何だろう?

井戸を覗いた。

ソレと目が合った。

 

ノトーリアス・B・I・Gは近くにいる人間から、かなりの興奮物質を振りまいているのを感知した。興奮物質を吸収する。・・・美味い。そして、吸収した物質から、この人間の知能・身体能力を検証。なかなかの知能。それより、身体能力の高さが魅力的だ。

では、こいつをいただこう。こっちに来させるよう、音を出す。引っかかり目が合った。

 

奏言葉の顔にノトーリアス・B・I・Gが飛びついた。

「な!何、これ!・・・んぐ!んぐぐぐぐ!」

ノトーリアス・B・I・Gは形態を変え、口から入りやすいように、細長い触手のような先端を作り、それから奏言葉の口に侵入した。どんどん入っていく。

「ぐぼ!んんんんんん!」(何かが入ってくる・・・。痛い・・・。苦しい・・・。誰か助けて・・・。先輩・・・。)

ノトーリアス・B・I・Gは、先に神経と接続し、脳を半分支配した。助けが呼べない様に。倒れない様に。逃げない様に。

あぁ、しかし。これは楽しいなぁ。この女は、生命力も精神力も肉も極上だ。

今まで自分は男しか喰っていなかった。標的でボスの娘がいたが、傷一つつけられず海に落とされた。漁船は男ばかり。硬い肉でつまらない。

・・・女がこんなに良いものとは!

さて、全部入った。とりあえず、胃の中に。囓ってみよう。

グジョ!ボジュ!

「がはっ!ごぶっ!だっ誰か・・・。」

奏言葉の吐いた血が、彼女の茶色のネックシャツを膨らませている豊かな胸部分にかかる。だが助けを呼ぼうにも、大声が出せない。

だが、身体はある程度動かせる。人気の無い所へ。

 

ノトーリアス・B・I・Gは、一気に身体を支配し、他の人間も襲う気だったが、上手くいかない事が分かった。腹立たしい。

腹立ち紛れに、女の両胸、背中数カ所、腹部数カ所から、内側から貫く様に、太い棘を出した。

スバッ!グジュッ!ボズゥツ!ズバァッ!・・・

「くは・・・。あうっ!ごふぅぅぅ・・・。あがぁ!ぐうっ!」

 

奏言葉は、自分の体内から出た何かが、自分の胸や腹から飛び出しているのを見た。鮮血を吹き出している。この時点で分かった。自分は、もう死ぬと。

(嫌だ・・・。こんな訳の分からない死に方なんて・・・。ああ。死ぬ前に先輩に会いたい。・・・駄目だ。自分は何か分からない怪物に寄生されて、致命傷になった。こいつは先輩にも取り付くだろう。会えない。他の人を犠牲にする訳にもいかない。

・・・ここで、こいつを始末するんだ。自分もろとも。)

奏言葉は、携帯用ライターを取り出した。

以前暴行集団に拉致された。それ以降、紐等で縛られた時の為に火が必要だから、常に持っている。

今日買ったワインを全て自分の頭から全身にまんべんなくかけた。

「さようなら、雪村先輩。菖蒲先輩。せめて、もう一度会いたかった・・・。」

涙を流しながら、自分に火をつけて、炎に包まれた。

 

困った事になった。

ノトーリアス・B・I・Gは、そう考えた。

自分は、こんな炎如きでは死なない。だが、今取り付いているこいつは死ぬだろう。

まだ、肉も知識もエネルギーも吸収し尽くしていないのに。

よって、元いた井戸にダッシュで戻って飛び込んだ。

井戸の水で炎は消えた。だが、この女の身体の損傷は大きい。仕方が無い。自分の細胞で修復。脳の侵食も加速。

 

付近の住民は、突然炎に包まれた人間が、井戸に飛び込むのを見て仰天した。

慌てて井戸を覗こうとして、

突然人間が飛び出してきたので、また仰天した。まさか、井戸の中からジャンプを?・・・いや、見間違えだよな。

井戸から飛び出してきた女は、不気味な笑顔でこう言った。

「すみません。・・・助けて・・・。この辺に服屋さんありますか?・・・死にたい・・・。服がボロボロなので。・・・誰か殺して・・・。」

住民は、服屋を教える。早くこいつから離れたかったから。

女はいったん最初に出てきた路地裏に戻って、財布か何かを持ってフラフラと向かっていった。

 

ちょうど似た様な服があった。白い上着はないが、仕方が無い。

着替えながら思った。

こいつの記憶を覗いた。こいつより遙かに頭の良い女がいるらしい。そいつにも取り付こう。

「あ、ありがとうございました。」

ぎこちない店員の挨拶に、女はこう返す。不気味な笑顔で。

「こちらこそ。ころ・・・して・・・。」

(嫌あぁぁぁぁぁぁぁ!!!先輩が襲われる!!!誰か、誰か早く私を殺してぇぇぇぇぇぇ!!!)

五月蠅いので、ノトーリアス・B・I・Gは、この女、奏言葉の体内の肉の10カ所以上を囓り喰った。

「ぐはぁっ!あううう・・・!何故・・・。何故こんなに苦しいのに死ねないの?」

五月蠅いけど、黙らせるのは止めた。当面はこいつに喋らせてやる。・・・楽しいから。

 

 

「奏ちゃん!・・・どうしたの・・・。」

奏言葉の情報によると、ドアを開けたこの女が、氷室菖蒲か・・・。服は白衣とかいう服以外、元のデザインに近いものを選んだが、すぐに異変に気が付いた。脱いだだけとしてでは無く異変として認識した。

見た目を見る。良いじゃないか。頭脳を期待していたが、肉としても美味そうだ。

ここで少し、奏言葉に言語支配を譲る。自分は氷室菖蒲に同一個体を移す準備があるので。

「先輩・・・。にげ、ぐがぁぁぁぁ!!!!!」

思った以上に準備が早く終わったので、奏言葉の腹を喰い破って、氷室菖蒲の腹に突っ込んだ。

「がふぅっ!・・・ご!」

氷室菖蒲は、くの字に曲がって、奥の部屋に吹き飛んだ。

ジュブジュボグジュボジュグブブブブ・・・

「がはぁ!ぐぉぉ!ぐはっ!あうぅぅ・・・。」

氷室菖蒲は、仰け反りながら苦しんでいる。今この女の内臓を喰って同化しているからな。

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!先輩ぃぃぃぃぃぃ!!!」

「・・・なぁ、自分の声が聞こえるか?奏言葉。」

「だ、誰・・・。」

「お前に取り付いている怪物だよ。名前は、ノトーリアス・B・I・Gという。

お前の知識をコピーして、ようやく喋れるまで進化した。お前に感謝の代わりに脳の侵食は解除した。逆に感謝しろ。」

「ふざけないで・・・。菖蒲先輩を苦しめるのは止めて!」

「止めたら死ぬぞ?もう、氷室菖蒲の腹部内臓はほとんど喰い尽くした。ここで俺が出ていく。あの女はすぐに死ぬなぁ・・・。くっくっくっ。・・・ん?」

氷室菖蒲は、起き上がり、キッチンらしき所へ向かった。意外に体力あるな、あの女。

何かを飲みまくっている。薬か?無駄だ、そんなのは何の役にも・・・あ・・・れ・・・?

「ノトーリアス・B・I・Gだっけ?あんたの言葉、私にも聞こえているわよ。奏ちゃんと私の2つ、精神が同調しているのね。で、私の身体を食べながら、精神も支配しようとした。

だから、アルコール沢山飲んだのよ。食品用じゃない奴含めて。

予想通り、それを全部吸収したのはあんた。だから今、あんたは猛烈に酔っ払っている。何も考えられない。精神同調しているから2体とも。

本当は、あんたが急性アルコール中毒で死んでくれれば良かったんだけどね!」

「さ、流石です。先輩・・・。うぐっ!」

「奏ちゃん!無理しないで!・・・ごぼっ!」

 

 

私、奏言葉は、今、菖蒲先輩と向かい合って座っている。

・・・互いにお腹の中に赤ちゃんが出来た様に、膨らんだものが出来て。それが服を破ってむき出しで。太極図が顔になった肉の塊が、ノトーリアス・B・I・Gという私達のお腹に取り付いている怪物。以降「BIG」と言う。今は何もしていない。酔っ払っているから。

そして私達は、血を吐きながら、激痛の中で、どうするべきか考えている。

私も、菖蒲先輩も、内臓をほとんど喰われている。

・・・もう助からない。

「こいつを殺す方法を考えましょう。犠牲は私達だけにすべき。」

こいつを酔っ払わせた後、菖蒲先輩は私を抱きしめながらそう言った。私は涙が止まらない。私が最初に焼け死ねば、菖蒲先輩は死なずに済んだのに・・・。

「仕方が無いわ、奏ちゃん。立証に失敗は付き物。すぐに、そういう決断をしたあなたは立派よ。・・・本当はそんな決断になる状況になって欲しく無かったけど。」

菖蒲先輩は、激痛に全身を蝕まれているのに、口から血がコポコポ流れているのに、私に美しく微笑んだ。

そして私達は、BIGを殺す検証をした。

 

検証①ナイフによる切除。

私達は、自分達のお腹とBIGの境目に、ナイフを突き刺した。

ズブッ!グブブブブブ・・・・

「ん!んんんんんん!!!!!」

私達はタオルを口に咥えて、腹部のBIGを切除しようとナイフを動かしている。

腹部から大量に血が流れる。咥えているタオルも血で真っ赤に染まっていく。

痛い。痛すぎる。完全に切腹だ。私達は、武士でも無いのに切腹をやらされている。

3分の1くらい切り裂いて気が付いた。・・・こいつはすぐに切除部分をくっ付けている。意識が無いから本能なのだろう。

「無駄ね・・・。そして、こんなに血が流れているのに、私達は失血死も失血性ショック死もしない。こいつが血を作り続けているのでしょう・・・。」

菖蒲先輩は言った。嬲り者じゃないか、私達は。悔しすぎる。

 

検証②混ぜるな危険を混ぜる。

混ぜるな危険の代表例、漂白剤と酸性タイプの洗剤を混ぜ、有毒ガスを発生させる。

換気はしない。

私達は死ぬ覚悟が出来ている。BIG、一緒に死ね!

・・・BIGは有毒ガス全てを吸収した。まだ酔っている様子なのに。

「何でアルコール効果あるのに、有毒ガス効かないんですか?」

「・・・おそらくね?アルコールを『効かせているのよ』。ドーパミンを出す為に。快楽物質ドーパミンは生命活動においては、ほぼ無害。ただ精神面では依存を引き起こすけど、相手を喰う事が目的らしいこいつには精神はあまり関係無い。

要は、都合の良い物質だけ効果を出して、その他は無視している。本当に腹が立つ存在ね。」

 

検証③焼身自殺。

もうこれしかなかった。私が最初に選んだ方法。

ただアパートで焼身自殺をすると、他の部屋も焼き、住民の方々に迷惑をかけ、私達の大学にも迷惑をかける。まぁ有毒ガスの時点で迷惑がかかるのだが。それより規模が大きくなるのは確実なので。

・・・私達は、巡礼者の様に全身をベールで覆い、街でガソリンタンクとガソリンを買い、海岸に出た。

もう日が沈み始めていた。人はいない。

私達は、ガソリンを全身に被り、火をつけ、抱き合いながら焼けて死ぬのだ。

悔しい。悔しくて涙がまた・・・。

「・・・悔しいなら泣くなよ。焼くのも止めろ。自分に迷惑がかかるだろうが。」

ズバッ!ドズッ!ズボァッ!ブシュゥゥゥ・・・!

「ぐあぁぁぁぁ!!あがぁぁぁぁ!!!」

「あうぅぅぅぅ!!ごはっ!」

私達の体内の、胸や、腹や、背中や、太ももから、10本以上太い鋭い先端の杭の様なものが飛び出した。私達は血飛沫を上げ、地獄の苦痛を味わう。本当は立っている事など出来ない筈なのに、私達はフラフラで立っていた。

「やってくれたなぁ、氷室菖蒲。奏言葉。良い気持ちで眠っていたよ。」

「・・・そのまま眠り続けなさい、永遠に。この寄生虫!ごぼぉっ!」

「黙れ、氷室菖蒲。これから、お前達の侵食を再開しようと思ったが・・・。止めた。お前らに激痛を味あわせてやる。」

私達の身体が、ぐにょぐにょ動いている。BIGが無理矢理、私達の筋肉や血管や神経を掻き回しているのだ。

ギジョブジョグジャグジュブジュグジョグジョブジョ・・・

「がぁぁぁぁぁぁぁ!ごぼぼぼぼ!ぐぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「かふっ!ぎぃぃぃぃぃぃ!!!ごはっ!うぐぅぅぅぅぅ!ぐぉぉ!」

・・・私達は、互いに正面に立たされて、相手・・・菖蒲先輩の身体が、グニャグニャ動いているのを見せられた。先輩の水色のYシャツのあちこちが躍動して胸が、腹が、変形している。ボタンが千切れ飛んでいく。美しいラインの太ももはストッキングごと、ぐにゃぐにゃ動いている。

細長い触手に様なものが、飛び出した。先輩の両胸、腹部、背中、胴体側面、脚から何十本も。血飛沫を上げて。

先輩の顔が血に染まっている。口から流れる血が止まらない。先輩の苦悶の叫びが止まらない。もう、死んでもおかしくないのに、死ねない。

私、奏言葉もそうだ。茶色いネックシャツに包まれた、胸や、腹や、背中等がグニャグニャ脈うっているのが分かる。太もももグニャグニャしている。私も先輩と同じく苦悶の声をあげ続けている。

触手が何十本も飛び出して、私の身体のあちこちで暴れている。凄まじい出血。痛みで狂いそうだ。狂いたかった。

私と先輩は、首から上は動かせるらしく、すぐ側に置いているガソリンタンクを見た。取って、頭からガソリン被って、火をつける。10秒あれば出来る。だが一瞬もまともに身体を動かせない。無理矢理立たされている。

助けを呼びたい。でも、その人が次の犠牲になる。どうすれば、どうすればいいの・・・。

 

 

「何をされているのですか。」

美しい声が聞こえた。流暢な日本語で。私と菖蒲先輩はそちらの方を向いた。

シスターがいた。夕日に照らされたその顔は凄く美しかった。

「来てはいけません・・・。逃げて・・・。」

先輩が言った。私も同じ意見だ。逃げて下さい。

「そうはいきません。悪魔に取り憑かれていますね?・・・化物と言いましょうか。この様な下劣な臭いは初めて嗅ぎますから。」

シスターは近づいてきた。

BIGの、私達への拷問が止んだ。

私達のお腹で出っ張っているBIGの顔が、シスターの方を向いた。飛び出す気だ!

「に・・げ・・・。ごはぁっ!」「あぐぅぅぅ!!」

私と先輩のお腹からBIGが飛び出し、シスターの方へ向かった。

止めて・・・。

 

ボゴッ!ベギッ!

「IGYAAAAAAAAA!!!!」

・・・BIGの悲鳴を初めて聞いた。

シスターが行った事は、飛んでくるBIG2体を『単純に殴った』。

それだけでBIG2体はバラバラに砕けた。

「あー。バッチィですねぇ。おぞましいですねぇ。・・・失礼。大丈夫ですか、お二方。今、治療いたしますので。」

シスターは聖職者とは思えない凄まじく蔑んだ顔でBIGを一瞥した後、私達を目に見えないスピードで抱きかかえては砂浜に寝かせ、そのあと私達に手をかざした。

私達の傷が凄い速さで治っていく・・・。内臓も。BIGに侵食された箇所も。服も元通りに。温かい・・・。

「えっ?どういう理屈なのこれ?細胞の再生速度を遙かに超えている。しかも服が再生って生物じゃないのに・・・。あり得ない。理解できない・・・。」

先輩は困惑しまくっていた。こんな時に理系脳出さないで下さいよ。根はロマンチックな乙女なのに。

「この力については秘密です。私はあんまり頭が良い方じゃないので、説明できないですし。」

シスターは美しく微笑んで言った。

 

・・・ノトーリアス・B・I・Gは、バラバラになった破片を集結させながら思った。

この力は、何だ?自分は物質だからスタンド以外の攻撃も受けるが、この力は明らかに人知の埒外だ。

欲しい。

この力を取り込めば、自分を更に強くしてくれるだろう。

あの女は油断している。

あぁ甘い。ジョルノ達もそうだ。本当に善人な心を持っている奴はクソ甘ぇ・・・。

ノトーリアス・B・I・Gは、集まった自身の形を巨大な刃のように変えて。

・・・シスターを背後から串刺しにした。

 

 

ズドォッ・・・

「か・・・は・・・。」

私達が起き上がろうとした時、BIGが刃物の様になって、シスターの胸から腹までを背後から貫いていた。

「シスターさん!」

「私から離れてください・・・。今、この化物は、私の身体を恐ろしい勢いで喰っています・・・。ぐふっ!早く・・・。離れて・・・。」

私と菖蒲先輩は、シスターの力と思われる光に包まれて、10メートル位離れた場所に浮遊して移動させられた。

シスターは立ち上がって、

「ぐ!ぐぉぉぉぉぉ!!・・・抜けろ!おぉぉぉぉぉ!!!」

凄まじく血を出しながら、剣を掴み引き抜こうとしている。

「アハハハ!無駄無駄!シスター!・・・マリア・ハートウェルって名前で言おうか?

凄いな、お前。スタンド能力者みたいな者かと思っていたが・・・。まさか化物だったとは!

素晴らしい!お前の肉片を少し囓っているだけで、どんどん力がみなぎってくる!こんな気持ち良い気分は初めてだ!アハハハハ!!」

「・・・黙れ。ぐぶふぅっ!」

刃物そのものだったBIGの刃の後ろ部分がどんどん膨らんでいき、身体になった。

巨大な太極図の顔、巨大な腕、その右腕は刃物のままだ。そして尻尾が生えた下半身が出来た。腕が生えた巨大で気持ちの悪いオタマジャクシの様な姿だ。

・・・貫かれたままのシスターは空中に持ち上げられ、磔の体勢になった。恐らく身体を支配されているんだろう。

「魔女は磔だよなぁ?ハハハ。あっ化物だっけ?・・・喰っているだけじゃつまらない。玩具にされて絶叫してくれよ。」

ズバァッ!ズボォッ!ドジュゥ!ズボォッ!メリメリメリボキボキボキ・・・。

「あが!はぁぁぁぁ!!!ぐはっ!ごはっ!あ゙ぐがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」

シスターの、両肩、両腕、両乳房、背中・・・、要するに首から下全部に、触手が数十本突き出て、血飛沫を出している。加えて、先程の私達の様に、身体の各所がぐにょぐにょ蠢いている。まるで蛇を体内に10匹以上も入れられたみたいに。

シスターの形が良く豊満な胸が、触手でグチャグチャだ。くびれたウエストも触手が何本も飛び出している上、ウエスト全体がグニャグニャ蠢いて血が止まらない。その上、胸の中心から下腹部まで刃で貫かれたままだ。こんなのに耐えられる人間なんていない。

私と先輩はガソリンタンクに走って駆け寄り・・・、BIGの触手の方が先にタンクを掴み、太極図の顔に巨大な口が開いて食べられた。どこまで憎らしい奴なんだ。

「皆さん、逃げて・・・。ごふっ!私は良いんです。悔しいけど、この化物の言うとおり、私は普通の人間ではありません・・・。がはっ!昔、私の為に大切な人達が犠牲になりました。その罪をあがなう時が来たのです。

私は、自分の力を全て使って、この化物を巻き込んで自爆します。ここは危険です。速く逃げて・・・。がぁぁぁぁ!!!」

「させねぇよ。というか、その爆発とやらも、今の自分はエネルギーとして喰える。

そう、自分は喰い続ける!世界全てをな!アーハハ!」

シスターは更に身体を喰われ、いじられたのか、出血量が激しくなった。肉が喰われ、潰れる嫌な音がここまで聞こえる。シスターは目を見開いて叫び続けている。

「が!・・・ご!・・・。あ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!」

「止めろぉぉぉぉ!!!もう止めてぇぇぇぇ!!!」

私と先輩は叫んだ。・・・もう叫ぶ事しか出来ない。

「私はなんて無力なの・・・。私達の研究や学問って何の役にも立たないの?どうすれば、どうすれば良いの!」

先輩は涙を流し始めた。私も泣いていた。

久世先生。いや、あんな超能力みたいな力じゃなくてもいい。池田教授位の超人的な力があれば・・・。

助けも呼べない。犠牲になるから。どうしようもない。

Q.E.D.(証明終了)という言葉が頭に浮かんだ。それどころかE.O.T.H(End of the world。世界の終わり)だよ・・・。

私があの時、井戸を覗き込みさえしなければ。今日何度目の悔しさだろう。

私達の覚悟も行動も、全て無駄だったのか・・・。

 

 

私の周りに蝶が何匹か飛んできた。・・・なんか匂いがする。私の匂いだ。

「それはあなたが井戸の近くで流した血の痕。もう生命ではないから、僕の能力で生物に変え、あなたを追跡させた。

あなた達が今日行った行為。それらは全て『無駄じゃない』んですよ。」

BIGから約10メートル後ろに、1人の青年がいた。シスターと同じく流暢な日本語で話して。

不思議な青年だった。外国の人の年齢はわかりにくいが、彼は、私より年下にも見えるし、ずっと年上にも見える。

金髪を所々丸めてセットした奇妙な髪型。制服とスーツを合体させた様な服。

「ジョルノ・ジョバァァァナァァァァァ!!!」

BIGは、彼を知っているらしく、私達と反対の方、ジョルノと呼んだ青年の方に身体を素早く移動させて叫んだ。・・・貫いたシスターをジョルノに向けながら。

「お前が消滅していないという情報が入った時は、信じられなかったよ、ノトーリアス・B・I・G。完全な僕のミスだ。

お前を最初に飛行機内に持ち込んでしまったのも、僕のミス。

お前にはしてやられてばっかりだ。やれやれだ。

僕がミスをしなければ、彼女達が傷つく事は無かった。本当に自分に腹が立つな。」

「ティレニア海の漁師が何十人も死んだのも、お前の責任だぞ、ジョルノ。

そして、これからのお前の行動次第では、お前のせいでまた死人が出るなぁ。

そう、この女とか。お前の能力を、自分はまだ知らない。動くなよ。」

「私の事は構いません・・・。この化物を倒して・・・。」

「そうはいきませんよ。マリア・ハートウェルさん。

・・・僕の能力を知らないと言ったな?教えてやるよ。

僕の、お前が知らない能力、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム。

この矢をゴールド・エクスペリエンスに突き刺す事で発動。能力は『任意の概念をゼロに戻す』。僕に攻撃されたという結果も、僕が攻撃されたという結果も。ただ、レクイエムの攻撃で死亡した者は生き返らず、死の運命に向かうのを繰り返す。永遠に、生きてもいない、死んでもいない状態に。お前の様に。

だが、使用できるのは5分間だけだ。その後は、矢がゴールド・エクスペリエンスの体内から出て、元に戻る。そして、1時間はレクイエムの能力を使用できない。

そう都合良く、進化した能力なんて使えないという訳だ。」

「ハハハ。道理で、お前に攻撃された時、死体になっていくと思ったよ。

反則じゃねぇか!ふざけんな!」

「反則?それは、お前の方だろう。お前は『動くものを速い速度のものから追って喰らう』能力の筈。

よって、最初に僕達を襲った時、お前はエンジンが燃えて墜落する飛行機後方を追いかける筈だった。

・・・なのに、一部は僕達に取り付いていた。僕達はパラシュートの様にゆっくり下降していたのに。

それがお前の恐ろしい所。生存の為に一部を分離する。能力条件を無視して。

だから、お前を元の死体に戻しても無駄。お前を空間ごと削り取っても無駄。お前自身を重くして拘束しても無駄。お前に命令を書き込んで、分離しない様にしても効かないかもしれないな。・・・最も、最後の能力は、その使い手の『彼』が協力してくれる可能性も低いんだけどね。」

「そうだ。自分は不死身。・・・でも、一応動くなよ?お前を攻撃する前の、ゼロに戻されても困るんでな。」

「僕はお前に対して何もしないよ。『僕は』。」

 

狙撃音が二回連続で聞こえ、私を貫いていた刃が破壊され、私は落ちていきました。

ジョルノは、ゴールド・エクスペリエンスという名前の変身ヒーローみたいな存在を出現させ、私を受け止め、『私の体内の、ノトーリアス・B・I・Gの刃を、私の身体の一部に変換して治療しました』。

「は・・・?何故、自分の身体が変換された!」

「お前が無生物だから。ゴールド・エクスペリエンスは、無生物から生命を作り出す能力。そう、最初から死体のお前を変換する事は出来た筈なんだ。だが、最初に攻撃を受けたのが僕だから出来なかった。

ちなみに、今お前を狙撃したのは『パブリック・イメージ・リミテッド』という狙撃能力。着弾と同時にスタンドパワーを吸収しなければならない不便な能力だが、その分破壊力が極めて高い。お前の右手のエネルギーを喰らって消失させる程。」

・・・ノトーリアス・B・I・Gは、即座に右腕を復元しました。

「だから何だ?この程度の破壊力で自分は死なない。無駄なんだよ、無駄無駄。」

「僕の口癖取らないで欲しいな。・・・まぁ今回、その言葉は使わない。『組織』の力を使う。」

ノトーリアス・B・I・Gの背後に、小柄な老人が近づいていました。その老人はノトーリアス・B・I・Gに触れ・・・、

ノトーリアス・B・I・Gは、跡形も無く消失しました。

「ご苦労。ソリョラ・ロペス。リガトニもね。」

ソリョラ・ロペスと呼ばれた老人は、へりくだってジョルノに話しかけました。

「指示通り、私の『ジョイ・ディヴィジョン』で、例の場所に送りました。

・・・で、私を幹部等に昇格していただけませんか?役に立つでしょう?私の能力。」

「あぁ役に立つ。・・・お前のその性根さえなければね。お前は簡単に裏切る。短絡的な利益しか考えられないから。だから盗み等で使用する入れ替え能力が身についた。

事前に伝えた報酬はすぐ渡す。そう、満足いく報酬。それを貰う条件で、僕の親衛隊の地位に甘んじろ。僕が監視しやすい様に。

・・・そして、この場から立ち去れ。お前は、部外者から見ても嫌な印象しか与えない。」

老人は不満そうに立ち去りました。

そしてジョルノは、ゴールド・エクスペリエンスで私を抱えたまま、氷室菖蒲さんと奏言葉さんの近くに寄りました。

「シスターは治療しました。もう大丈夫ですよ。

・・・そして、BIGが消えても溜飲が下がらないでしょう。僕の部下が現地で撮影しているので、奴の最後をご覧下さい。」

ジョルノは、カブトムシとクワガタムシを飛ばしました。カブトムシはバッテリー内蔵大型テレビに。クワガタはソファになりました。

そして、右からジョルノ、私、氷室菖蒲さん、奏言葉さんと並んで座って、テレビに映ったノトーリアス・B・I・Gの最後を視聴しました。

 

ノトーリアス・B・I・Gは、見知らぬ小道にいた。自分が大型になっている為、狭い。

辺りを見回す。ポストがある。漢字という文字が家の表札に付いている。氷室菖蒲と奏言葉の記憶だと、ここはあの女どもの故郷、日本だ。能力で飛ばされたのか?

自分の背後に物音がした。小道の壁を破壊して、後ろを振り向いた。テレビ局で使う大型カメラを持った奴を含め数人がいた。まぁどうでもいい。喰うか。

・・・突如として、無数の手が伸びてきて、ノトーリアス・B・I・Gの全身を掴んだ。何だこれは!

巨大になった自分が簡単に引きずられていく。そして、その先には恐ろしさしか感じない。死のイメージ。いや、それ以上の恐ろしい世界に繋がっている。

カメラを持った奴らは、振り向かずに後退していく。こいつら知っていたな?この仕組みを。

引き込まれてたまるか。自分の身体の一部を切り離し・・・。

切り離した身体も掴まれて、先に消えていった。何度やっても同じ。

嫌だ、嫌だ、この先には恐ろしい世界が待っている。何で、生も死も超越した全てを喰らう自分がそんな所に・・・。

「GIYAAAAAAAAA!!!!!」

ノトーリアス・B・I・Gは、手によってバラバラに千切られて、断末魔を上げ続けて、何処かの世界へ消え、完全に消滅した。

 

「ここは『振り向いてはいけない小道』という所です。日本のある場所にあります。振り向いたら、この世界ではない何処かへ連れて行かれる。

正直、この倒し方しかありませんでした。BIGを完全消滅させる方法は。」

私、奏言葉は、もうなんとも言えない気分だった。

一応自分達は理系大学院生である。カブトムシとかがテレビになる?もうそれ、超能力でもやり過ぎでしょ。絶対に科学で解明できない。菖蒲先輩を見た。・・・私以上に混乱して目が泳いでいた。やはり理解できないですよね。

「氷室菖蒲さん、奏言葉さん。僕達の事情に巻き込んで、苦しい思いをさせて大変申し訳ありません。お詫びとして『たまたま買った宝くじで約20億円当たる。そして、高級レストランの最上級フルコースを食べられるチケットに当籤する。』というプレゼントをします。こんなものでは償いにもなりませんが。」

ジョルノが変な事を言って握手を求めて来た。イタリアンジョークだろうか?反射的に握った。

 

痛っ!

静電気の様な痺れがした。手をよく見ると僅かに切れている。静電気でも切れる事は無いのに。先輩も握手をして同じ様な傷が出来たらしい。

「ちなみにジョークではありませんよ。・・・あなた達の記憶を改竄した後で起こります。」

背後に誰かが立っているのに気が付いた。振り向いた。目を瞑った女性がいて、その背後から巨大な人影が、私と先輩の頭を掴み・・・。

私達は意識を失った。

 

 

彩玉大学理工学部大学院生である私、奏言葉と先輩の氷室菖蒲は、一ヶ月の短期留学でナポリに来て、『何となくたまたま』買った宝くじで、日本円に換算すると約20億円当籤した。

更に、高級レストランのフルコースを食べられるチケットにも当選した。

いや、幸運すぎだろ。と思い、運の確率を計算しようとして・・・止めた。

何故か貰って当然の様な気がしたから。

私達はフルコースを満喫して、宝くじ資金は送金して、研究室のみんなで使う。

その間に、先輩と私は不思議な存在を呼び出せる事に気が付いた。超能力だと思う。信じられないが。

 

先輩は、六角形のクリスタルの形状をして浮遊し、周囲に様々な形状の物質を螺旋状に周回させている存在を出せる。

その存在を出現させている間、先輩は自分の周囲半径10キロの全てを自由に見通す事が出来、その範囲内では、小さい範囲だとナノサイズにまで拡大して見る事が出来る。半径10キロの高度な顕微鏡だ。

最大の特徴は『居ながらにして、知覚できる遠くの存在の細胞や分子まで、触れたり出来る事』だ。『毒を盛ったり原子破壊が出来る』と恐ろしい事を言ったが、この先輩は万が一の事件でも無ければそんな事はしない。

先輩は、この超能力の名称を、『I☆Ris(アイリス)』と名付けた。先輩の名前、あやめの英語名であり、そういう音楽グループがある。

 

私も、超能力に目覚めた。縞模様のボディスーツを着た女性型人型ロボットの姿で、腹部に4本の棒グラフがある。これらで、このロボットの、パワー、スピード、私から離れられる行動範囲、精密な動き、の4項目を操作できる。普段は全部私と同じ位のパワーとスピード、精密動作で、私の周囲50メートルまでしか行動できないが、グラフを操作する事で変化する。パワーは最大で4トントラックを軽々と持ち上げられるほど。最大スピードは音速くらい。精密動作は、写真の様にリアルな刺繍が出来る、神経も簡単に繋げられると思う。行動範囲は1キロまで広げられる。ただし、どれかを伸ばせば、その分、任意の項目を下げなければならない。

私は、この超能力の名称を、『The Ordinary girl (ジ・オーディナリー・ガール)』と名付けた。同じく音楽グループ名で(そのグループ名はガールではなくボーイズだが)、普通の女の子という意味。

私は普通が好きだ。こんな超能力欲しくなかった。でも、この能力があれば、研究室の、私の大切な人達を守れると確信している。その為に使う。

 

そして一ヶ月、幸運な事と超能力に目覚めた以外『何も起こらず』、私達は日本に帰る。

一ヶ月過ごしたアパートを掃除して、ふとカーペットに小さな血痕がある事に気が付いた。先輩のアイリスで調べたら、私の血だった。怪我をした覚えなんて無いのに。

とりあえず、何とか血痕は消して、私達は日本へと帰っていった。

 

 

ある教会。

そこには懺悔室は無く、教会にいる美しいシスターと対面して懺悔や悩みを告白する。

そのシスターは訪問者に対して必ずこう言う。

「貴方の罪を懺悔なさい・・・。神はきっとお許しくださいます・・・。」

だが、今日のシスターの声は怒りに満ちていて、かろうじて笑顔な顔面もヒクヒクしている。

相談に来た青年の名は、ジョルノ・ジョバァーナ。イタリア全域を裏で支配し、世界的影響力も高いギャング組織のボスである。

「僕は、神の許しなど求めていません。マリア・ハートウェルさん。あなたと協力関係を結びに来ました。あなたの力を役立てて欲しい。」

シスターは無言でジョルノに殴りかかった。・・・ゴールド・エクスペリエンスが止めた。

「お断りします。・・・私はあなたが気に入らない。」

「回答の前に殴りかかるのも、いかがなものかと。」

「では、質問しましょう。

その1。何故氷室菖蒲さんと奏言葉さんを助けるのを遅くしたんですか?事件が発生した事を、あなたは言葉さんが井戸で襲撃された数分後には知っていた筈。それで余計に彼女達を苦しめた。

その2。何故彼女達にスタンド能力とやらを目覚めさせたのですか?彼女達の日常は平穏で、闘争の力など不要です。

その3。私が傷つきました。死にかけました。腹が立ちます。」

ジョルノが口を開いた。

「では、回答を。

その1。これは、僕が試したい実験があった。1つは、BIGの完全な倒し方。結果は『失敗』。あの、『振り向いてはいけない小道』は異世界に飛ばすだけ。消滅させていない。裁けたのかも怪しい。

あの道で振り向き、裁きを受けた大量殺人鬼の魂がありました。その男の魂は、記憶と能力と性癖を失って、今も何処かの異世界にいますが、彼の最大の幸福である『平穏』を曲がりなりにも享受している。しかも躊躇無く殺人が出来る精神性はそのままで。・・・全然、裁かれていません。

BIGも裁かれるべき存在。というか、消滅させなかったら他の世界で被害を出すかもしれない。解決策にはならなかった。本当は、他の解決策を練る時間が欲しかったが、それも無く、仕方が無かった。

もう1つは、僕と敵対する可能性がある人物を試す。結果は『成功』。あの狙撃手とBIGを入れ替えた老人。彼らは、僕と殺し合う運命『も』ありました。元々邪悪な心の持ち主達です。でも、今回の事件で『彼らは、僕がいる限り悪事を行えない』事が分かった。それだけですね、成果は。

その2。氷室菖蒲さんと奏言葉さんの世界は平穏じゃありませんよ?彼らの付近に能力者や超人的身体能力を持った人物がいますが、それらはいつか有事が起こる証左。彼女達には、悪や脅威に立ち向かって貰わなければなりません。

・・・そう。彼女達の研究室のチーム全員が、『連鎖的にスタンド能力に目覚める』。彼らはそんな精神の持ち主で、正義の持ち主で。そんな人物は多ければ多い方がいい。

まぁスタンド能力なんて非科学的な事象を、彼女達は受け入れがたいと思いますが。

でも、彼らの数年間の研究も区切りが付きそうだし、次の課題として、それに取り組んでいただければ幸いかと。記憶を消したのは、『まだ』苦痛の記憶には耐えられないでしょうから。

その3。・・・あなた、あの程度じゃ死にませんよね?それだけです。」

長々とジョルノが喋っていたが、シスターはその間も攻撃を出し続けていた。全てゴールド・エクスペリエンスに防がれて・・・、

話が終わる時に、やっとゴールド・エクスペリエンスの顔面にパンチを食らわせた。ジョルノが仰け反る。

「・・・いやはや。だからあなたが必要なんですよ。素手でスタンド殴れる。そんな存在が必要だ。」

「あー、もういいです。で。あなたは何で私が必要なんですか?それ聞いて終わりにしたいです。」

「僕の神と、あなたの神は、異なる。

僕の神は、僕の一族の延々と続く戦いの歴史に区切りをつけたかった。だから、タイムパラドックスで、これまでの戦いの系譜を無かった事にした。でも、平行世界で戦いは続いている。

『黄金の精神』という考えがあります。正義の精神の考え方。その平行世界にも、それはあるが・・・。『段々と弱くなっている』。

僕の神が、自分がいる世界の『悪』に精神的に負けそうなんですよ。それほど、僕の神の世界は破滅に向かっている。

僕は、それを全て救いたい。

神が無かった事にした、戦いの系譜。全て復活させます。

平行世界の戦いの系譜。介入します。

神の『現実』と呼ばれる世界。介入します。

他にも、世界は無数にあって・・・、介入し続ける。『黄金の精神』をそれらの世界に広める為に。

そういう考えに至ったのは、あの盲目の彼女。プッタネスカという名前ですが、彼女の能力『マーシフル・フェイト』は、あらゆる世界の運命を知り、その世界に行き来が出来る。付加能力で記憶の改竄も出来ますが。それ以外は無力。

僕は彼女と出会い、僕の神や運命や異世界を知った。そして、僕が彼女の盾となる代わりに、その運命、世界全てを救おうと決めました。僕の当初の目標『麻薬汚染の根絶』はぼ達成出来たので。

本当は、彼女の目を治したいんですよね。でも生まれつき盲目の人は、視力が出来たら脳に損傷が起きる可能性が高いそうです。残念ですよ。

話を戻すと、世界や運命を救うには、力と正義を持つ人が必要だ。多ければ多いほど良い。その候補の1人があなた。なので協力」

「お断りします。何でも世界が平和になれば良いと思っていませんか?それは人類のエゴ。あなたの傲慢。何にでも始まりがあれば、終わりがあるんですよ。」

「その終わり方が、あまりに不条理でも?僕は、不条理・理不尽が大嫌いだ。

かつて、僕達はある邪悪と戦っていた。チームで。その中で4人生き残り、3人死んだ。

その3人は、不条理・理不尽に翻弄され続けてきた人生だった。その3人こそ生き残り、不条理から解放されて欲しかったのに・・・。生き残った4人、僕を含めて。良い人生とは言えませんが、少なくとも不条理の度合いは、その3人より軽かった。そんな僕らだけ生き残ってしまった。だから僕は、その3人の様な人生を歩む人をゼロにしたい。

・・・その理由は、僕が『弱い』からですよ。その3人と、また逢いたくて堪らない。平行世界ではない僕の世界の彼らと。

そう。これはとてつもない傲慢。我儘。だから、今日の所はこの辺で。

いつか、あなたと共に歩める日が来る事を願っていますよ。」

「・・・そうですね。その日が来る事は、限りなく低いでしょう。私は、あなたが嫌いだから。でも、あなたの気持ちは分かりますよ。ジョルノ・ジョバァーナさん。

だから、これだけは私の心からの願いです。『あなたに、神の祝福があらんことを』。」

ジョルノは、シスターに振り向かずに、そのまま立ち去った。

 

 

 

 

 

能力説明

①『I☆Ris(アイリス)』。能力者:氷室菖蒲。

【破壊力 – E / スピード – E / 射程距離 – A / 持続力 – C / 精密動作性 – A / 成長性 – C】

能力:氷室菖蒲の周囲半径10キロメートルにあるもの全てを知覚できる。最大で半径10キロ範囲全てを一望でき、最小でナノサイズ、原子・分子まで見る事が出来る。

知覚したものに、氷室菖蒲は干渉できる。触れる事はもちろん、彼女の身の回りにある物と結合させる事も可能。分離も可能。

アイリス自体は、氷室菖蒲の周囲1メートル範囲を浮遊しているだけで、彼女の防御等は、何も出来ない。

 

②『ジ・オーディナリー・ガール』。能力者:奏言葉。

【破壊力 – A~E(可変) / スピード –A~E(可変)/ 射程距離 –A~E(可変)/ 持続力 – C / 精密動作性 –A~E(可変)/ 成長性 – C】

能力:人型スタンド。腹部にある4本の棒グラフは、右から破壊力、スピード、射程距離、精密動作性を表しており、その水準を変更できる。初期状態は全てC。どれかをAにすれば、任意の項目を下げなければならない。上昇数値にあわせれば良く、残り3つの項目全てで上昇させた数値と下げた数値を一致させれば良い。奏言葉が、下げる項目が分からなければ、勝手に何処かの項目が下がる。なお、この棒グラフは破壊できない。棒グラフのある腹部を抉ったとしても無意味。

 

③『マーシフル・フェイト』。能力者:プッタネスカ。

【破壊力 – E / スピード – D / 射程距離 – A / 持続力 – A / 精密動作性 – C / 成長性 – A】

能力:上半身は機械的な人型、下半身は細い棒一本というカカシの様な形態のスタンド。

様々な異世界、平行世界を知覚、自分の世界含め、その運命を知る事が出来、移動・転送出来る。知る事が出来る運命は曖昧で、その時期も曖昧。ただし『変えられない運命は無い』という事を直感で彼女は知っている。ただし、マーシフル・フェイトには、運命の干渉は出来ない。転送出来る相手は触れた者。数珠繋ぎ状態で手を繋ぎ続ければ、全員の転送が可能。ただし、知覚した異世界の何処に転送できるか、それも細かく設定できない。

運命知覚の応用で、相手の頭に手を触れる事で、相手の記憶を操作できる。ただしマーシフル・フェイトの動きは遅く、油断している相手でなければ、避けられやすい。また、相手の人格を変えるレベルの記憶操作はできない。また、マーシフル・フェイト自身に物理的ダメージを与える力も無い。

異世界等を知覚できる能力の成長に限界は無い上に、日に日に成長拡大し続ける。ただし、プッタネスカの脳・精神の許容量を超えないよう、マーシフル・フェイトが知覚範囲・知覚できる情報を管理している。

備考:マーシフル・フェイトは、『慈悲深き宿命』という実在するバンド名である。

 

④『???』。能力者:マリア・ハートウェル。

スタンド能力を持っていないが、何故かスタンドが見える。触れる事が出来る。

彼女は、知り合いの悪魔等から強引に教わって治癒能力等を手に入れた。後は、彼女の身体能力。

彼女は、本当に人間なのか?それは不明である。


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