冬の森が凍てつく夜。
焚き火を囲んで座っている。彼女の瞳はオレンジの炎を映し、いつもの鋭さとは異なる、蕩けた熱を湛えていた。
「……寒いでしょ」
シノンは隣に座る男の肩にそっと顎を乗せる。スナイパー特有の、獲物を狙う時の冷静さが、その声には微塵もない。むしろ──獲物こそ自分だと錯覚させるような甘美な響きだった。
「私の身体で暖めてあげようか?」
彼女が囁く。吐息が耳朶に触れ、柔らかな舌がぬるりと外輪郭を這った。
ちゅっ……ぴちゃ……
小さな音が静寂の中に溶ける。それはまるで獲物を貪る猫のような獰猛さと、娼婦のごとき淫靡さの狭間で揺れる仕草だった。
「どう? イイでしょ……私にされて」
指先はすでにズボン越しに膨張した肉竿を探り当てていた。そこへシノンは妖しく微笑みながら告げる。
「今度はちゃんと『ここ』でも温めてもらうね……♡」
次の瞬間──薄手のグローブを脱ぎ捨てた白魚のような十指が、下着の中へ滑り込んだ。
「ひゃぁ……ッ!?♡」
突然の刺激に思わず腰を引こうとする。だが既に両膝を絡ませられ逃れられない状態だった。
ぐちゅ……ぐぽぉ……ぐっちゅぅ……!!
濡れそぼった秘裂から溢れ出た蜜液と共に剛直全体が泡立っていく感触を感じ取りつつ更なる愛撫へ移行していくのであった。
「……こっちも、火が点いちゃってるみたい」
シノンの指先が、既に硬く脈打つ肉棒を隔てた布越しに這わせる。焚き火のパチパチという音が、奇妙に遠く感じられた。
「暑苦しい格好させて……私が処理してあげる」
彼女は私の背後に回り込むと、両腕を脇の下から回してくる。スナイパーの括れた肢体が、背中にぴたりと密着する。柔らかな二つの隆起が、肩胛骨に押し付けられる感触。
そして──耳元。
シノンが唇を開いた瞬間、熱を持った吐息が俺の鼓膜を震わせた。
「ねぇ……こんなところで発散したらダメなんだよ?」
そう言いながら、彼女は片手をズボンのフックに掛けて器用に引き剥がす。下着ごと引っ張り降ろされると、灼熱の陽根が空気に晒された。同時に、シノンの舌先がゆっくりと外殻を辿ってゆく。
ぴちゃり……
細やかな水音とともに首筋へ移動し、耳たぶまで到達すると柔らかい歯先で挟んだ。そのまま転がしながら、「ふぅ」と深呼吸混じりの笑い声を漏らす。それがまたゾクリとした悪寒となって背中を駆け上ってくる。
「ほんっと可愛い……アンタのお耳真っ赤になってる♡」
左手の薬指が裏側の根本部分からカリ首あたりまで何度も上下する。緩慢な往復運動によって徐々に分泌される粘液を潤滑剤として使っていたようだ。湿っぽくなってからは右手全体を使い陰嚢袋さえ弄くり回したりしていたくらいだ。
「く、あっ──!」
シノンの指技が加速する。先端を幾度も指の腹でこすられ、根元を強く握りしめられる。耳元で彼女の荒い呼吸が、もはや俺のものと重なって交じり合う。
「出そう……? 出したい……?」
囁きとともに、舌先が耳穴へと侵入してくる。ぐちゅり、と粘質な音を立てて掻き回され、脳髄まで蕩けそうな快楽が走る。
「いいよ……全部受け止めてあげる……♡」
その言葉とほぼ同時だった。
どくん──!
太腿の奥から沸騰した血液が逆流するように込み上げる。鈴口から熱塊が迸り出て、勢いよくシノンの掌を汚した。びしゃびしゃと跳ね返る飛沫が彼女の鎖骨から胸元へ垂れ落ちていく。
「ふふ……すごい量……こんなに溜まってたんだ……♡」
シノンは白濁まみれになった手を見やり、楽しそうに微笑んだ。その表情は、獲物を捕らえた狩人が勝利に酔うときのように艶然としている。
「ほら……次はどうして欲しい?」
まだ終わらない夜。燃え盛る薪がぱちぱちと爆ぜ、二人の影を大きく歪ませていた。