小学五年生のアイドル、音町ウナと温泉に行く主人公。とあるきっかけで音町ウナから告白されて、そのままスク水の彼女と色々する話。

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スク水の音街ウナと、温泉でイチャイチャする話。

 窓から見える景色が飛ぶように後方へ流れていく。運転手である僕を含め二人が乗った車は、もう二時間近く高速道路を走っていた。ナビを確認すると、目的地まではあと三十分ほどでつくらしい。どこかに車を停めて休憩するには微妙な距離だ。このまま走り切ってしまいたい。

 安全確認の意味も込めてルームミラーに視線を移す。後ろの車との車間距離は十分だ。それよりも僕が気になっていたのは、後部座席に座る一人の少女だった。

 穏やかで理知的な雰囲気を醸しだす彼女は、透き通るような青い長髪を束ね、楽しそうにゲームをしていた。恰好は水色のTシャツにチェックのプリーツスカートというシンプルで露出の少ないものだが、街中ですれちがえば思わず振り返ってしまうような魅力を全身から発していた。袖口から覗かせた腕や脚はバネのように長くしなやかで生命力に満ち溢れている。時折見せる天真爛漫な笑顔や人懐っこさは、彼女がアイドルであるという事実を思いだすには十分な材料だった。

 小学生ながらアイドルとして活動を行っている、東北きりたんの同級生。

 名前は音街ウナといった。

 実際に彼女と出会ったのはいつかに帰省した時のことだ。きりたんから友達として紹介され、それがテレビの中で見る「音街ウナ」本人であることに驚いた。画面の向こうにいた彼女はいつも眩しくて元気いっぱいの明るい子だったが、普段はどちらかと言えば大人しくて物静かな子だったことをよく覚えている。何度か遊ぶうち、きりたんとは別ジャンルのゲームで意気投合し、二人だけでも遊ぶようになった。僕のことを「お兄さん」と呼んで慕ってくれるいい子だ。

 こちらの視線に気づくと、彼女はにこりと笑って見せた。屈託のない笑顔に思わず目をそらせてしまう。

 ポーンという電子音が鳴り、ナビが次のICで降りることを告げた。他人を乗せているためいつも以上に慎重に運転していたので、ようやく下道に出て信号で止まったとき、気苦労から思わずため息をついた。

「えと、お兄さん、お疲れ様だぞ。あとどれくらいなんだ?」

 ウナちゃんが心配そうに尋ねてくれる。ライブの時のようにエネルギッシュな声でなく、おとなしさを感じられるかわいい声に思わず頬を緩ませた。

「あと三十分くらいでつくかな。ウナちゃんは大丈夫? 疲れてない?」

「うん、全然大丈夫だぞ」

 いつものように帰省した僕を出迎えてくれたのは、夏休みで暇そうなウナちゃんと三枚の旅行券だった。ウナちゃん曰く「家族旅行にでも行ってきなさいと事務所から渡された」そうだ。ただ、両親とも仕事が忙しく、旅程がどうしても合わなかったらしい。それなら友達とでも行っておいでとウナちゃんに使用が一任され、そこから僕へとお鉢が回ってきたのだ。せっかく三枚あるのならときりたんも呼ぼうとしたが、ウナちゃんは「二人で行きたい」と言った。仲が良いからといって必ずしも全員で行動する必要はない。彼女から言い出したことだし、たまには二人だけでもいいだろう。かくして旅行に行くことになったのだ。

 実質的なお目付け役とはいえ、この状況は非常に魅力的だ。現役で活動中のアイドルと一緒に温泉旅行なんて、そう簡単に行けるものではない。

 見慣れない町をしばらく走り、市街地を抜ける。町はずれの旅館に到着したのは夕方だった。城下町として栄えたこの町を一望できる高台で、名勝地としても名高い場所に佇む風雅なこの旅館は、傾きかけた太陽を浴びてキラキラと光り輝いている。ただ漫然と時間が経過しただけでは現れない高貴な雰囲気を漂わせていた。

 宿泊施設としては有名なようで、駐車場には車が何台も停まっていた。二人で話しながら玄関を抜け、受付でチェックインを行う。物腰低く柔らかな姿勢の従業員の方に大変気を使いながらも、旅行券を渡して一通りの説明を受けた。

 ようやく部屋に入って荷物を置き、座椅子にどっかりと腰を下ろす。やっと落ち着くことができるかと、指を組んで腕を思い切り伸ばした。部屋は十畳よりも大きいくらいの広さで、旅館にありがちなテーブルに座椅子、お茶のセットや小さな冷蔵庫、金庫などが置いてある。そして何よりの目玉は窓から見える温泉だ。客室説明によると源泉かけ流しのようで、さらにその向こうには海が見えている。こんな場所で温泉につかればさぞかし気持ちがいいだろうと今から楽しみになる一方で、部屋の贅沢さに恐怖すら覚える。いったい一人当たりいくらになるのかと、貧乏くさいが考えてしまう。さすが都会のアイドル事務所といったところか。

 ウナちゃんは几帳面に持ってきた荷物の整理をしていた。宿泊日数は二泊三日となっており、これも例の旅行券のおかげだ。一泊二日だとどうしても泊まるだけになってしまい、旅館そのものを味わう暇がないのでありがたい。今日はこの旅館で夕食をとり、明日は海に遊びに行く予定だ。きりたんとは何度か市民プールに行ったことがあるが、ウナちゃんの水着姿を見るのは初めてだ。アイドルの水着を間近で見られるなんて、下手なグラビアよりよっぽど興奮してしまう。しかし嬉々として荷物を広げている彼女の姿を見ると、邪な考えをしてしまった自分を恥じた。あくまで保護者として、彼女を守らなければならないのだ。

 疲れもあり、天井を見ながらうとうとしていると、ウナちゃんが声をかけてきた。

「お兄さん、ウナは探検に行ってくるけど、どうする?」

 いつの間にか荷物整理は終わったようで、カバンや衣類は部屋の隅にきちんと納められていた。

「いや、僕はいいよ。眠いからちょっと寝ていようかな。夕食の時間までに帰ってくるんだぞ」

「はーい」

 彼女は靴を履き、部屋から出ていった。

 なんとなく目が覚めてしまったので、トイレに行こうと席を立った。高級旅館のアメニティに感心しながらトイレを済ませ、手を洗って室内に戻る。

 ウナちゃんが戻ってくるまでどうしようかと何の気なしに部屋を見渡す。すると嫌でも壁際に並ぶ鞄が目に入る。黒いボストンバッグはウナちゃんが持ってきたものだ。傍にはゲーム機やトランプ、明日着る服などが並んでいる。

 ふと、頭の中を考えがよぎった。彼女の荷物を物色してみたい。

 替えの下着もあるだろうし、海で遊ぶときには水着も着るはずだ。どうせ部屋には誰もいないのだ。それに結局明日見ることになるのだから、それを先取りして今日見て何が悪いというのだ。

自分でも無理な理屈であることはわかっていた。ただ、一度浮かんだ考えは消えることはなく、むしろどんどん大きくなっていった。

 きりたんと同級生とは思えない程大人びた彼女の下着を見てみたい。

 無邪気に膝の上に坐られた時の良い香りを思いだすと、剛直がぴくりと動いた。

 念のために自分の鞄を開いて、中身を適当に散らしておく。そして、あたりを確認してからボストンバッグに手をかけた。万引きでもするように慎重にファスナーを開き、いよいよバッグを開いた。

 女の子のいい匂いが立ち上ってきた。柔らかくて甘い香りに思わず生唾を飲んでしまう。

 真面目な性格の彼女らしくバッグ内もきちんと整頓されていた。真四角にたたまれた洋服がきちんと積み上げられており、戻す際に乱れて行為が発覚してしまわぬよう、慎重に取り出しては脇に避けた。そしてバッグの中ほど、服や文庫本、ゲーム機などに隠されるようにしてプラスチックの収納ケースを見つけた。ほんのわずかでも刺激を与えぬよう、壊れ物でも扱うかのように慎重に持ち上げる。収納ケースは台所でよく見るような袋で、スライド式のチャックが上側についている代物だった。

 ふと手に汗が滲んでいることに気づき、慌ててズボンで手のひらを拭った。こんなことをしてしまっては、もう取り返しがつかない。特に誰かに見られてしまっては。糾弾され失望され、犯罪者としてその名を広めてしまうかもしれない。しかしそれでも行為をやめることはできなかった。どうしても目の前にあるものを確認したいと、そう思ってしまった。本能と理性とを分かつ均衡が、本能の側にぐらりと崩れ落ちてしまったのだ。

 袋をすぐに開けるようなことはできず、外側から内部を矯めつ眇めつ眺めた。表側に見えるのは恐らく肌着だ。キャミソールと呼ばれるそれは、小学生や胸の小さな女性が使う下着だ。ともすれば普通のシャツにしか見えないが、微かな胸部のふくらみが彼女の成長を伝えていた。震える手で袋を裏返すと、そこから見えたものは白色のショーツだった。大人の女性が着るような、色気のある性欲を煽る下着ではない。しかしそこにあるものは、どうしようもない存在感を放っていた。今すぐこの袋を開けて中を見たい。そして叶うことならば彼女自身の濃い匂いを確かめたい。

 思わずチャックに手を伸ばすが、ふと視線を落とすと、それよりも印象的なものを見つけて動作を止めた。ビニール袋に包まれた紺色の衣装。これだけ分けてあるということは水着だろうか。収納ケースをバッグの横へ置き、袋に手を伸ばした。

心臓が早鐘のように動いている。暑くもないはずなのに背中を一筋の汗が流れ落ちた。やがて意を決し、慎重にその袋を取り出して──。

 ガチャリ。

 やけに大きな音が聞こえた。それが入口のドアが開いた音だとわかったのは、自分が手に持っているものをバッグの影に隠した後だった。全身から冷や汗が出る。悪事の現場を教師に見られてしまったように、視界の端が黒く染まり浮遊感が体を支配する。彼女の位置からは、どのバッグを触っていたかわからないはずだ。そのために自分の鞄を前もって開けておいたのだから、きっと大丈夫。ばれていない。

「……お兄さん、ウナのスマホ見なかったか?」

 短い沈黙は靴を脱いでいたためか、ドアを閉まるのを確認していたためか。本人を直視することはできず、慌ててあたりを見渡すと机の上に載っているのを見つけた。きっと適当にここに置いて、そのまま忘れて出て行ってしまったのだ。

「──ああ、スマホね。ここにあるよ、ほら」

 犯人が警察官に無抵抗を示すように、緩慢な動作で立ち上がりスマホを手に取る。ウナちゃんは玄関から手を伸ばしていて、スマホを渡すとポケットにしまった。

「ありがとう。景色とか撮りたかったから、困ってたんだ」

 それじゃ、と告げてウナちゃんは部屋から出ていった。最後の言葉は、まるで言い訳をするかのようだった。見てはいけないものを見てしまったときのように。

 その後のことはよく覚えていない。彼女が帰ってきてから二人で食事処に行って夕食を食べた。ウナちゃんはスマホで写真を撮っていたが、僕にとっては砂を噛んでいるようなものだった。何が出てどのような趣向が凝らされていたのか、全てどうでもよかった。部屋に戻ってきた後、彼女は例の露天風呂を利用した。交代で入ることもできたが、罪悪感から同じ部屋に居ずらくなり、逃げるように大浴場へ向かった。

「明日は海に遊びに行くから、今日はもう寝ようか」

 二人で遊ぶ予定だったトランプもゲームもおくびにも出さず、就寝を告げた。その言葉は確かに僕の口から発せられているが、意味はまるで理解できなかった。遠い異国の言葉を意味も分からずに音だけなぞっているように。

 ウナちゃんは残念そうにしていたが、翌日の海が楽しみなのか素直に従ってくれた。机を隅へやって布団を二枚並べる。僕は入り口に近い方で寝ることになった。

 電灯を消し、布団へ潜り込む。ばれていないはずだ。ウナちゃんがスマホを取りに来たあの瞬間から、百回は自問したであろう問いを自身に投げかけた。あの時、確かに見られていなかった。玄関からは僕の鞄を触っていたように見えたはずだ。きっと大丈夫。大丈夫だ。

 しかし、もし見られていたら? そしてそれは誰かに相談済みであったなら?

 問いと同じ数だけ導かれた結論が、鉄条網のように脳を締め付ける。きりきりとしたこの鋭い痛みでさえ、償いになるならばどれだけでも受け入れよう。それで赦しが得られるならどれほど楽か。

 今になってあの時の行為を後悔し始めた。およそ陰鬱と呼べる種類の様々な感情がミキサーでドロドロに混ぜられ、頭に流し込まれているようだ。

 だからなのだろう。布団をめくる音が聞こえた時、一瞬で現実に引き戻された。

「お兄さん、隣、失礼するぞ」

 ウナちゃんが僕の寝ている布団に入ってきた。旅館の布団特有の硬い布が擦れ、ざらざらと音がする。

「えっと、その……。さ、寂しくなっちゃったんだ。だから、一緒に寝てもいいか?」

 昼間とは打って変わって弱気なウナちゃんの声にハッとする。そうなのだ。彼女は大人びているとはいえ、ただの小学五年生なのだ。普段は一人で寝ているだろうが、こんな風に親元を離れればそれが不安に感じてしまうほどの弱々しい存在なのだ。

 暗闇でもわかるように大きく頷く。「ありがと」と聞こえてきた次の瞬間、彼女は僕の懐に潜り込んできた。

「えへへ。お兄さん、あったかいな」

 突然の出来事に思考停止してしまう。アッタカイってどういう意味だっけ? ウナちゃんがもぞもぞと動くたび、旅館の着物の柔らかな生地が肌に擦れる、髪やうなじや首元から夢のような香りが立ち上る、彼女自身が発している焼き立てのパンのような幸せな温度が肌に伝わってくる。

死んでもいい。

そう思えるほどの幸福が、実体化した幸せがそこにあった。

 彼女の方からやってきたのだ。ならもう少しだけ享受しても構わないはずだ。

 恐る恐る手を伸ばし、慎重に背中にあてがう。ウナちゃんは小さく身震いしたが、それを拒絶しようとはしなかった。そのまま腕に力を込め、ゆっくりと彼女を抱きしめた。温度がより近づき、もう少しで一体化してしまうのではと危惧してしまうほど近くなった。

「ねえお兄さん、夕方のことなんだけど」

 ほんわかした空気でうとうとと眠くなっていた僕は、冷や水を浴びせられたように驚いた。

「もしかして、ウナのバッグの中見てたのか? その、下着の袋の位置、変わってたし」

 先ほどまでの穏やかな気持ちは、一瞬で階段の十三段目を登り切ったような気分になった。臓腑がひっくり返るような妙な浮遊感に包まれている。まるで世界が作り物であるかのように感じる。これが自分の身に起こった、自分が引き起こした事実であるということを否定するかのように。

 僕の心情の急変を読み取ってか、ウナちゃんは慌てたような声で続けた。

「いや、別に怒ってなんかないぞ。あの……えと、うん。その、嬉しい……じゃないな! いや、違うんだ。ただ、そうだな。ウナのこと、そういう風に見てたんだなっていうか……」

 ただでさえ近い顔を更に近づけ、耳に口づけしてしまいそうな距離で密かに囁く。

「ウナはお兄さんのこと……好き、だから」

 吐息が耳をくすぐる。単なる空気の振動が、妖艶な調で鼓膜を酔わせてしまった。それは何よりも甘い言葉だった。砂糖で煮溶かされたイチゴよりも、コンポートにされた洋ナシよりも、女の子が初めてのバレンタインで作るお菓子よりも。

「も、もちろんそういう意味じゃないぞ? いや、えっと、そういう意味でも無くて……。あの、お兄さんのこと、初めて会ったときからずっとかっこいいと思ってて。でもウナは小学生だから、きっと、か、かのじょ……。としては見てもらえないだろうなって思ってたんだ。でもね」

 心臓が痛いくらいに脈打ち、汗をかく。しかしそれは、先ほどまでのものとは全く意味が異なっていた。

「ウナのこと、興味あるんだなって」

 闇の中だからこそ、徐々に目が慣れてきて窓から差し込む微かな光でも部屋の中が十分に見えるようになる。さらさらとした前髪の向こうからウナちゃんがこちらを覗いていた。小学生らしい幼い顔つきに、不安げな表情が浮かんでいる。眼窩にはめ込まれた蒼玉が揺らめき、ともすれば消えてしまいそうなほど小さな意志の炎を煌かせていた。

 背に回した腕に力を込め、それでこの腕の中にいる小さな生き物が思いもよらない程に脆く壊れやすい存在なのだと再認識した。

彼女の耳元に口を近づけ、そっと肯定の意を示す。

「お、お兄さん」

 泣きそうな声でさらに体を密着させられて、思わず硬直してしまう。

「よかった。ウナ、お兄さんに嫌われたらどうしようかと……」

 ひと際香りが立つ。柔らかい着物が肌に擦れてくすぐったい。青い髪は絹のように手のひらを流れ、裸でビロードを纏うような官能的な心地よさを感じさせた。

「えっと、お兄さん。それでね」

 ウナちゃんの足が小さく動き、股間を押し付ける。それで初めて、痛いほどに屹立した剛直が彼女の足にずっと触れていたということに気づいた。

「ウナのせいで、こんな風になっちゃったんだよな」

 今すぐに否定して離れるべきだったが、体はそれを拒んだ。まるで、この後何が起こるかを全て知っているかのように。

「ウナ知ってるぞ。学校の授業で習ったんだ。男の人は、えっち……なこと、考えるとこうなるんだ」

 彼女の口から発せられた言葉は一つ一つが質量を持っていて、耳元から体内に入り込んで僕をそこへ釘付けにさせた。思わず体を強張らせた直後、ウナちゃんの手がズボンの中へするりと潜り込んだ。そのまま肌を伝うように移動し、とうとう下着の中に手を入れられた。

 まるで夢を見ているようだ。目の前で起こっていることが現実だと認識できず、妙な陶酔感に包まれていた。

「お、お兄さん、その──嫌だったら、すぐに言ってな」

 言葉の意味を理解する前に、剛直に刺激的な快感がやってきた。ウナちゃんが男性器に直接触れたのだ。ぷにぷにとした小さな手のひらが亀頭を擦り、思わず声を上げそうになる。彼女は「あっつ……」と呟いたが、そのままぎゅっと手のひらで包み込んだ。

「これがお兄さんの──」

 自分の興味を満たすように、彼女の手が無遠慮に性器を這いまわった。壊れやすいものでも扱うように指が竿を撫でる。小学生らしい細くて冷たい指が表面を流れ、びくりと震えてしまう。力加減を知らずに、柔らかい手のひらが亀頭をぐりぐりと押し潰した。痺れるような快感を感じる。

「確か、男の人は一人でするとき、こうやってするんだよな」

 ウナちゃんはしばらく男性器を弄んでから、手で陰茎を包み込んだ。そしてぎこちなく手を動かし始めた。多少の痛みもあったものの、すぐに彼女の行為に夢中になってしまった。

 こうしてくれると嬉しいと伝えると、ウナちゃんは慌てたように手つきを変えた。

「ごっ、ごめんな。あんまりうまくできなくて。こ、こうすればいいのか……?」

 ただ無秩序に全体を触るだけだった手のひらは、亀頭やその溝のあたりを重点的に撫でまわすように動き始めた。細くて小さな指が溝のあたりを擦る度、ふわふわの手のひらが亀頭を撫でる度、ぎゅっと力を込めて軽く押しつぶされる度、これまで味わったことのない気持ちよさが体を駆け巡った。しばらくはさすっているだけだったが、やがて気持ちよさから自身の液を出してしまうと、ウナちゃんは驚きながらも行為を続けてくれた。ぬるぬるした液は彼女の指にまとわりつき、滑りを良くした。彼女は小さな水音を響かせながら手を小刻みに上下させた。

 身悶えするような心地よさに目がくらみ、相手も好意を抱いているのだからこれくらいいいだろうと理性が緩む。男性器をしごかれながらウナちゃんに「胸を触ってもいいか」と尋ねた。

「えっ!? あ、うん、そうだな。えっと……いいっていうか、その──」

 恥ずかしさ、というよりも別の感情が混じった返事を不思議に思いながら、彼女の着ている浴衣に手をかけ、するりとはだけさせた。

 当然見えるものと思っていた肌着は無く、そこには紺色の生地があった。陰茎がびくりと脈打ち、彼女を驚かせてしまう。もはや興奮によって心臓は痛いほど動き、長距離走でも走ったかのように息が切れている。衣擦れの音を響かせながら、着物を肩まで脱がせた。

「あはは。お兄さんに見せようと思ってたんだけど、やっぱり恥ずかしいな」

 月の光が照らす彼女のそれは、まぎれもないスクール水着だった。

ビロードのように滑らかな生地が肩にぎゅっと食い込んでいる。下着の中にブラは入っていなかったものの、こうして圧迫されると胸のふくらみが目立っていた。月の光が双丘に影を作っている。

性的興奮でくらくらする。思わず手を伸ばし、水着に触れた。特有の生地の下に微かなぬくもりを感じる。ざらざらと、それでいてつるつるした生地に手を滑らせると、ウナちゃんは顔を真っ赤にした。

「お兄さんがあの時見てたから、好きなのかなと思って着てみたんだけど……どうかな?」

 それに答えるにはあまりにも余裕が無さ過ぎた。スクール水着を見つめている間にも彼女の手はせわしなく動いており、指の腹で亀頭を押しつけていた。水音は格段に大きくなり、くちゅくちゅとここまで聞こえてきている。手のひらが彼女の胸に触れ、それが指に沿って柔らかくへこんだのを確認した瞬間に、彼女の手を汚すように勢いよく吐精してしまった。

「あっ、お兄さん、これ……」

 ウナちゃんは衣服を汚さぬようにと、咄嗟に手のひらで受け止めてくれた。自分でも驚くほど長く、勢いのある吐精だった。彼女の手を使い捨てのティッシュペーパーのように使い、精子を受け止めさせた。終わってからもしばらくは快感が滞留していて動けず、ぬるい風呂に使っているような心地よさにうっとりとしていた。

 長く跨下にあった腕が引き出される。肌が擦れるだけの弱い刺激でも思わず腰が動いてしまう。精子を受け止めた手はぐちゅぐちゅに濡れていて、指の間から白い粘液がつっと一筋垂れた。

「男の人が気持ちよくなると出ちゃうやつだよな、これ」

 ウナちゃんが手を開くと、ぐずぐずに潰れた精子が見えた。彼女はそれに顔を近づけ、何をするのかと聞く暇もなく、桃色の小さな舌で舐めた。

「うえっ、苦い。お兄さん、これ、すごく苦いぞ」

 そんなことしなくてもいいんだよと慌てて伝え、手を洗うために二人で床を立った。ウナちゃんは既に上半身の着物をはだけさせていたため、立ち上がるとそのまま着物はずり落ちてしまい、結果的にスクール水着だけが残ることとなった。

 月光に淡く照らされた彼女は芸術品だった。生命力に溢れる肢体と、水着が密着する体の線がほの暗い陰影をつけてくっきりと浮かび上がっている。柔らかに落ちる肩のライン、真下に微妙な影を作る胸元、小さくくびれた胴。背中は直線的に折れ曲がっているが、幾何学的な冷たい線ではない。どこか温かみさえ感じさせる妖艶な直線だ。そしてなんといっても注目してしまうのは、腰からお尻にかけての曲線だった。この世のどんな曲線よりも美しい。熟した果実のように甘々しく、雌豹のように荒々しく、月のように冴え冴えとした曲線だ。

思わず手を伸ばし、そのまま撫でさすってしまう。「きゃっ」とか細い悲鳴が聞こえたが、今だけは聞こえないふりをした。伸縮性のある生地をざらりと撫でつければ、その下にあるお尻の弾力ある筋肉が跳ね返してくる。まるで盲獣のように。女性性の象徴ともいえる曲線美を堪能するというただそれだけのために、相手の都合など考えず好きなように撫でた。

「お兄さん、ウナ、さすがに恥ずかしいぞ」

 そう言われてハッと我に返り、ごめんと謝った。それで洗面所に行こうとすると、背中越しに「待って」と声をかけられた。

「お兄さん、その、もしよかったら、今からお風呂入らないか?」

 最後に消え入るような声で「一緒に」と付け足されたのは、ただならぬ恥ずかしさのためだろう。彼女に遠慮して大浴場を使っていた僕のために、改めて部屋の露天風呂に入りなおそうというのだ。時刻もそこまで遅くなく、湯冷めすることもないだろう。

 ガラス張りの戸を開き、少し進めばすぐに温泉がある。ウナちゃんがスクール水着を脱ごうとしたため、それを必死で止めた。

「お兄さん、やっぱり変態なんだな」

 白い目に見られながら服を脱ぎ始める。形ばかりにタオルで陰部を隠すが、先ほどから剛直は硬いままで、もはや意味のないことであった。

 温泉の方へ行くと、一足先にシャワーで手を洗っていたウナちゃんが振り返った。

「こっちこっち」

 スク水の少女に笑顔で手招きされ、その事実がまだ信じられずにふらふらと歩み寄った。

「うーん、頭洗ってあげようかと思ったけど、もうお風呂入ってるしな。お湯につかるか?」

 それなら、と一つ提案する。以前の関係性なら絶対に口に出せないだろうが、今なら何をお願いしても許されると感じてしまう。

「えっ、体洗ってほしいのか? いいけど……」

 タオルを突き上げんばかりの剛直にちらちらと視線を感じる。ウナちゃんはボディーソープを手で泡立て始めたので、さらにお願いに追加をした。始めはポカンとして聞いていた彼女も、意味を理解するとこちらが心配になるくらいに真っ赤になった。慌ててやっぱり無しにしようと言うが、手で静止させられる。

「お兄さんがしてほしいことだもんね。わかった、ウナに任せて」

 彼女は手桶で湯をすくい、肩から流しかけた。そして泡立てていたボディーソープをそのまま体に塗り付けた。水着の表面でボディーソープが泡立ち、シャワシャワと小気味良い音が夜の浴場に響く。

 僕の方はバスタオルを三枚ほど拝借し、浴場の床に敷いた。そしてその上に寝転ぶ。石張りの床だが思ったよりも痛みは感じない。それよりも、これからの起こるであろう出来事に期待が高まり、感情が昂っていた。

ややあって音が止まり、「じゃ、じゃあいくぞ」と震える声が聞こえた。

 次に視界に現れたのは、全身に泡を纏ったウナちゃんの姿だった。水に濡れたことで紺色の水着はより暗くなり、体のラインを強調するように引き締まっている。彼女は床に跪き、告白するために布団に入ってきたときのように体を密着させた。

 ずっしりとした心地の良い重さがのしかかる。小学生の体温が薄い布一枚隔てて伝わってくる。ともすれば彼女の鼓動すら聞こえてきそうな距離なのに、更に胴を押し付けてきた。

「こうでいいのか?」

 口づけできそうな距離に彼女がいる。やけどしそうに熱い空気が耳元で唸った。大きく零れそうな目と視線が交錯し、催眠術でもかけられているかのようにくらくらする。

 彼女はゆっくりと体を動かし始めた。ざらざらの生地で大理石でも磨くみたいに、小刻みに体を揺する。泡だらけの柔らかい肉体が肌を行ったり来たりし、極上の磨き心地が快楽を生み出す。夢心地とはこのようなことを言うのだと悟った。

彼女の口からは「はっはっ」と息を吐く音が聞こえてきた。泡が現れてはパチンと消える。どんな高級なタオルも見劣りするようなスク水の生地が肌をしっとりと磨き上げた。体中を快感が包み込んでいる。彼女と自分との境界が曖昧になり、そのまま溶け合ってしまいそうだ。彼女の胸の膨らみが乳首を優しく刺激し、マシュマロに包まれているような感覚を覚えた。ぷにぷにしたお腹が肌を摩擦する。鼠径部のあたり、少し盛り上がっているような所が剛直を引っ掻き、むず痒い快楽を生んでいた。

「お兄さんは、やっぱりスク水が好きなんだな」

 吐息の中途にウナちゃんが口を開く。

「部屋に帰ってきたとき見てたから、もしかしてと思ってたんだけど」

 全身をマッサージされながら「だから着たの?」と尋ねると、彼女は照れた顔つきをした。

「うん。ウナの水着を見たら、お兄さんもウナのこと好きになってくれるかなって思ったんだ。まあ、その必要はなかったんだけどな」

 水着を着て、あまつさえそのような姿を晒してまで誘惑しようとしていたという事実に身悶えする。自らの水着姿を利用して男女の関係を得ようとしていたことが、たまらなく興奮させた。

 心地の良い重さが緩やかに移動する。全身を泡とざらつきと肌が擦り、くすぐったさを覚える。

「……その、お兄さんは、飲んでほしかったのか?」

 そのあと蚊の鳴くような声で「せ、精子」とだけ言い、自分の言葉を忘れるように体を強く動かした。陰茎が生地に強く刺激され、思わず腰が浮きそうになる。

「クラスの男子がね、教室で話してるのが聞こえたんだ。『精子を飲んでもらうらしいぜ』って。それでウナ、そうなの? って思って調べてみたんだ。そしたら、男の人は飲んでもらうと嬉しいって書いてたから──」

 大分偏った知識に思わず笑ってしまう。

「な、なんか変なこと言ったか……?」

 不安そうなウナちゃんに、「そんなことはないよ。ただ、無理にしなくていいんだよ」と伝えると、彼女は安堵の息を吐いた。

「でもお兄さん、してほしいことがあったら何でも言うんだぞ。だってウナは、お兄さんの……彼女、なんだから」

 月の光に照らされた彼女はまるで天使のようで。

気づいたときには彼女にキスしていた。折れそうなほど細く弱々しい背中に手を回し、決して逃がさぬように力強く抱きしめる。ウナちゃんはびくりと体を震わせたが、恐る恐る力を抜き身を委ねてきた。不安そうに固く閉ざされた瞼も、強張った口元も、唇が触れ合ったとたんに弛緩してしまった。

 しっとりと濡れた唇同士が触れ合う。優しくて柔らかい感触を覚え、それを確かめるように幾度も繰り返す。何度目かのキスで、呆けた彼女の口内に舌を入れようとした。彼女は驚いたように目を開いたが、恐る恐る舌同士を触れ合わせると、すぐに快楽でとろけてしまった。

「ほ……ほにいひゃん、ほれも、ひてほしいほと、なの」

 微醺を帯びたような、とろんとした目つきで彼女は問う。漏れ出る吐息や舌の動きがくすぐったい。こくりと頷くと、目を閉じてキスをすることに集中した。軽いキスならともかく、舌を絡めるキスなど経験したことはないだろう。ウナちゃんは初めて感じる感覚に虜になっているようで、甘い吐息を吐きながら懸命に舌を絡めようとしてきた。唾液がぐちゅぐちゅと音を立てて混ざり合う。彼女は契りを交わすように懸命に舌を動かし、この新しい快楽に夢中になっていた。

半ば盲目的になっている彼女を落ち着かせようと、そっと口を離す。二人の口元から銀糸が垂れた。

「す、すごいな、これ。こんなの教えてくれなかったぞ」

 息を切らしている彼女に笑いかけ、それから腕を伸ばした。スクール水着に微かな影を作る膨らみ、彼女の胸元に手のひらを当てる。いまいち現状が理解できていなかった彼女は、それでまた現実に引き戻されたようだ。顔を真っ赤にして腕に力を込め、今すぐにでも胸を隠したいという衝動に抗っていた。

 手のひらが触れたそれは、体に密着した柔らかさの正体だった。乳房を揉む、ということもできない程、小さくて幼い胸だったが、しっかりと「女」としての機能を満たそうとしていた。とろけるような柔らかさに指が喜んでいた。押し込むように手のひらを滑らせれば、まるで極上のマッサージを受けているかのように錯覚する。ふにふにと手で撫でつけると、水着の生地が伸び、心地の良い反発力を手に伝えてきた。

「お兄さん、くすぐったい」

 ウナちゃんは触られている自分の胸を不思議そうに見つめていた。手を握る行為の延長線上のような、あくまで肌が触れているだけの、そこに何の特別性もない行為と感じているようだ。

 回すようにそっと揉み続けていると、やがて水着の上からでもぷっくりと固くなっている部分がわかるようになる。表面的には泡やパッドで隠されているが、少し押し込んでやると硬さの違うそれがわかる。手のひらや指が水着に作られたほんのわずかな凹凸を擦る度、彼女は顔つきを崩していった。

「……? はあ……、なんだろ、これ」

 彼女は甘えた声で呟いた。胸をまさぐられ、乳首を触られているこの感覚が、気持ちの良いことに結びついていないのだ。

 彼女に胸元を出すように伝える。催眠にかけられているように、言われるがまま水着の肩口を持ち上げ、そのままずるりと下側に下げた。とてつもなく深い母性が我が子を甘やかしているようだった。甘い果実を用意するだけでは飽き足らず、食べやすいように皮を剥いてあげるような。僕が行う労働はたった一つ、存分に熟れた果肉を咀嚼することだ。

 彼女の肌は真っ白く、ボディーソープによって艶めかしく輝いていた。月の光やライトにぼんやりと照らされたそこは、未だ発展途上といったように膨らみは見て取れない。それでも手をやると、水着越しよりもずっと柔らかい質感があった。その存在や機能を考えもしなかったであろう乳首は桜色で、小さいながらも自らを誇示していた。

 手のひらで胸をすっぽりと覆い隠してしまう。彼女の心臓を感じる。手の中で懸命に拍動していて、愛おしく思えてしまう。じっとり火照った体からは熱が伝わってきて、それが生き物であるということを実感する。全てを許してくれたのだ。その気になれば拍動を停止させることもできてしまう、無理やり犯されてしまうほどの絶対的な力の差を前にしても、彼女は自らの首を差し出すことを決めた。「私の全てを委ねます」という、言葉では言い表せない精神の告白なのだ。

 指の腹で乳首を直接擦る。触れるか触れないか、というギリギリの距離感で弱い刺激を続ける。始めは不思議そうにしていた彼女も、今では口の端からよだれが垂れても気づかないくらい、ぼんやりと放心していた。やがて足を閉じ、トイレに行くのを我慢しているようにもじもじとしたので、彼女がこの刺激に気持ちよさを感じ始めていると気づいた。

 いきなり乳首をきゅっとつまんだ。それはつまむという動作の中ではかなり弱い力のはずだが、長く弱々しい刺激しか与えられていなかったウナちゃんは、急な力の変化に「あっ」と短く息を吐いた。

「なんか、今、ちょっと気持ちよかったかも」

 艶っぽい声で、つままれながら逐一報告してくれる。彼女は目を閉じていたが、それは苦痛によるものではなかった。微妙な味の差異を感じとるために目を閉じるようなものだ。今まで経験してこなかった別種の感覚をより深く味わおうと、無意識の内に行った行為だった。

 自分が置かれた状況も忘れて、ただ胸に伝わる快楽を感じることに集中しているウナちゃんに、なんでもないことのように質問した。夢見心地で聞いていた彼女は、内容を理解すると途端に飛び上がりそうなほど驚いた。

「ええー? ひ、一人でしたことあるかって……。その、ある、けど……」

 最後の方はごにょごにょと濁されてしまい、それを聞き出そうと聞きなおしてみる。ウナちゃんは「お兄さん、いじわるだぞ」と冗談めかして明るく言ったが、こちらが真剣な顔でいることがわかると、最後には伏し目がちに答えた。

「……はい。ウナ、一人でオナニー……したことある」

 あまりにも悲しそうにしているので、背中に手を回し、再び彼女を抱き寄せる。今度は胸が直に肌に当たって、より一層心地よい。そのまま頭を撫でてやると、脱力したように身を任せきってきた。

「お兄さん、なんでそんなこと聞くんだ?」

 少し怒ったような口調で問いただされ、微笑みながら諭すように「この先のことも知ってるのかなと思って」と伝えた。

「あー……。

 ……授業で習ったから知ってるぞ。その、赤ちゃん──作るときのやつ、だよな」

 自分の口から発せられた言葉だと信じられないように、彼女はぶるりと身震いした。もし怖いなら今日は終わりにしようと告げると、慌てたように否定する。

「いや、怖いわけじゃないんだ。えっと、赤ちゃんって卵子と精子が出会ってできるんだよな? ウナ、まだ生理来てないから、赤ちゃんできないと思うし──」

 ただ、と続ける。

「ほんとにしちゃうんだなって思って。先生は、大切な人とすることだって教えてくれたから。ウナ、お兄さんにとって大切な人かな」

 この期に及んでまで他人を心配してしまうとは。それが彼女の優しいところであり、いじらしいところでもある。宝物を扱うようにそっと、彼女の耳元で思いを打ち明ける。

 彼女はぱっと満面の笑みを浮かべて、嬉しそうにぎゅっと抱き着いてきた。犬なら尻尾でも振っていそうなほどの喜びようだ。

「……えっと、じゃあ、お願いします」

 腕の中で聞かされた甘えるような声は、どんな黄金よりも価値のある言葉だった。

 彼女を脇へ降ろし、起き上がる。今度はウナちゃんをバスタオルの上へ寝かせた。

「えへへ、ちょっと痛いかも」

 緊張をほぐすように、わざとおちゃらけて見せる彼女。だがそれも、手が足元に降りていくまでのことだった。

 初めて彼女の腰つきをじっくりと見た。アイドルらしい抜群のプロポーションだ。勿論小学生としてという意味だが。ほそっこい胴から足にかけて見事な曲線を描いており、少しだけ浮き出た骨盤が水着に線を作っている。わずかに生地が宙に浮き、張られたそこをたどっていけば、彼女の秘められた箇所に目がいく。先ほど体を洗っていたために泡がまとわりついている。手を太ももに這わせ、指をそっと動かしていく。健康的な太ももは、押されるとそれを跳ね返す筋肉の反発を与えてくる。普段からレッスンなどでよく動かしているからか、細くしなやかなそれはぴんと張りつめていて、滑らかな肌触りだった。

 くすぐったさに身をよじっていた彼女も、とうとう手が自らの性器に触れようとすると、体を硬直させた。紺色の布越しに手のひらを彼女の股間にあてがう。彼女の体温とは違う、別種の温度を感じる。この薄布一枚隔てた向こうに、彼女が11年間貞淑を貫いてきたものがある。そう考えるだけでゾクゾクする。

 何度目かもわからない生唾を飲み込む。水着に手をかけ、そっと左にずらした。

「あっ……」

 布が擦れたのか、彼女は初めて上ずった声を上げた。だがそんなことが気にならないくらい、目の前のものに釘付けになってしまった。

 音街ウナの性器が、なんら隠されることもなく眼前に置かれているのだ。とても綺麗だと思った。男を知らず、恐らく彼女自身も数回程度しか触っていないであろうそこは、腕や脚と同じく健康的な肌色だった。真ん中のあたりに柔らかそうな筋が一本走っていて、興奮のためか赤っぽくなっている。毛も生えておらず、隠すものもないために、陰核が小さく膨らんでいるということまでわかった。

「どう、かな。ウナ、変じゃない?」

 不安そうな声でウナちゃんに尋ねられた。彼女なりに思うところがあるのだろう。しかし、小学五年生のものを目の当たりにして、それを否定することなどできるだろうか。

 声には答えず、指で彼女の女性器を触った。ぷにぷにとした肉が指に触れ、彼女は「んっ」と思わず息を漏らした。そのまま左右へ広げると、筋が割れ、綺麗なピンク色の粘膜が見えた。ぐちゅりと粘液が混ぜられる音がして、一滴お尻の方へ垂れた。濃厚な女の香りが鼻を突き、頭がくらくらする。このぬるぬるした液体はボディーソープだけではないだろう。

 愛液を指で掬い取り、小さな尖りへ当てた。そして乳首にしたのと同じように、弱い力でゆっくりと刺激する。そこは乳首と同じように既に固くなっており、愛液を塗りつけると腰がびくりと震えた。

「あ……、お兄さん、そこ、気持ちいい……。ウナが、一人でするときも、そこ、触ってるから……んう」

 荒い息を吐きながら、合間に控えめな声を出している。普段の明るい彼女からは想像もつかないような、甘ったるくて儚げな、雄を誘惑するためだけの声。一つ一つの言葉が耳から体内へ入り、脳みそに至上の幸福感を味合わせている。やがて彼女の膣口から透明な液体が溢れ出て、それが我慢の限界だった。

 寝ている彼女に腰を密着させ、一度出したはずなのに普段より何倍も固く大きくなった剛直を彼女の足の間へ置く。性器同士が直に触れ、その感触だけで射精してしまいそうになる。

 ウナちゃんもそれに気づいて、潤んだ目でこちらを見つめた。

「いいよ。お兄さんは、大切な人だから」

 亀頭を彼女の秘部へあてがった。ぐちょりと水音がして、粘膜の柔らかさと、融けそうな熱を感じる。ぐりぐりと押し当てると、ねっとりとまとわりつくような肉感を覚える。彼女自身の意思とは別に、体が本能的に雄を求めているようだった。

 彼女を逃がさぬよう、腰に手をやり強く握りしめる。小さく蠢いている膣口に剛直を当て、徐々に力を込めた。彼女の肉を押し広げるように、少しずつ中へ入れていく。スライムのように柔らかい膣肉が剛直にまとわりつき、腰が無くなりそうなほどの快感が押し寄せてきた。

「あっ……お兄さん、待って……」

 今すぐにでも乱暴に抽挿して己の快感だけを高めたかったが、ぎりぎり理性が勝って踏みとどまった。挿入された性器から垂れる血の筋が、彼女の声にある苦痛の正体とわかった。いくら覚悟ができているからといえ、相手は小学生なのだ。大人の男を迎え入れるほど成熟が進んでいないのだろう。剛直は先の方が少し入った程度だが、とろけるような極上の肉に締め付けられて、それだけでも射精してしまいそうなほどの快感だった。名残惜しさを感じて、それが独りよがりな感情であることに自省する。彼女はこらえるように息を吐いていた。それが落ち着くまでしばらく待ってから「痛かったら、やめていいんだよ」と伝えた。

「ち、違うんだ。でも、ちょっと待ってほしくて……」

 破瓜の痛みなど想像もできないが、余裕のなさそうな彼女を見て心配になる。

やがて息も収まる頃、彼女は告げた。

「──ウナ、大丈夫だから。もっと、入れてみて」

 先ほどよりも速度を落とし、肉のトンネルを掘るように貫通させていく。ゆっくりな分、嫌でも快感を一つ一つ味わわされる。ぞりぞりした肉が亀頭を締め付け、磨いていく。

そのまま押し進めていくと、やがてそれ以上奥へ進むことはできなくなってしまった。剛直の下側が外にはみ出す程度には小さな膣だった。初めて体内に入ってきた男を逃さぬよう、全体がきゅっと締め付けていた。

「お兄さんの、入っちゃったんだ……」

 声に出すことで事実を再認識したようで、彼女はぶるりと身震いした。それに合わせて膣が蠕動し、剛直を優しく舐め上げた。

スク水で刺激され続けていた剛直にとって、その快感を耐えることは難しかった。気づいたときには彼女の中に射精していた。一度出したはずなのに、随分と長い射精だった。どくんどくんと怒張した男性器から精液が溢れ、彼女の中へ放たれる。それを止めることもできず、せめて気持ちよさを持続させようと、腰を引き寄せ一番奥へ導き入れた。

「──あ、お兄さん、気持ちよかったのか?」

 入れただけで出してしまったなど、彼女に失望されはしないだろうか。そんな不安が頭をよぎるが、すぐに杞憂だったと知る。

「あったかい……」

 目を閉じ、幸せそうな顔をするウナちゃんを見てほっとする。それと同時に、どうしようもない気持ちが沸き上がってきた。彼女を屈服させたい。肉体の快楽という点において、征服してしまいたいのだ。

 射精した精液を膣内に塗り広げるように、ゆっくりと剛直を引き抜こうとする。彼女は男を中へ押しとどめようと、キュッと締め付けてそれを拒否した。逆に奥へ進めようとすると、どうぞとでも言うように優しく迎えてくれる。小学生の膣内に自らの精液を塗りたくるという背徳的な行為に眩暈がする。精液を潤滑油として、彼女のそこは以前よりも滑らかに剛直を迎え入れてくれた。

「んっ……」

 糖衣を纏った声が漏れ聞こえてきて、それをもっと聞きたい、出させたいという邪な感情が鎌首をもたげる。抽送を続けながら、右手を腰から離して彼女の陰核にあてがう。そして漏れ出た精子をすくい、塗り広げるようにそこを刺激した。

「お、お兄さんっ、そこは……」

 慌てたような声を出したが、刺激を強くすると力が抜けてしまったようだ。快楽に身を任せきっている。これまで以上に中が狭まり、とろとろに蕩けた肉に剛直が磨かれていた。膣の内壁にぞりぞりと亀頭を磨かれ、乱暴な快感に頭がパンクしそうになる。

「あっ……んう……。おにいさん、おにいさん──」

 幼子のような声が繰り返し呼んでいる。それに応えるように、腰の動きを少しずつ激しくしていく。痛みがないか不安になるが、彼女の声色や表情がそれを否定していた。男という新しい快楽を知ってしまった彼女は、もはや求めることしかできなくなっていた。

 始めは異物に慣れていなかった彼女の中も、徐々に馴染み始めていた。この剛直を迎え入れるためだけに蠢いている。彼女の愛液と精液が混ざり合い、粘度のある液体が滑りよく動かした。ぐちゅぐちゅという水音に混じって、ぱちゅりと泡が爆ぜる音が聞こえてくる。浴場内に響く淫靡な音が、今行っている行為を再認識させてきた。

「あ……、ああ、なか、こすれて、ああっ」

 次第に彼女の声は上ずりだし、剛直が肉をえぐる度に腰をびくりと跳ねさせた。ざらつく内壁に亀頭を擦りつけると、彼女は捉えて離さぬようにきゅっと締め付けた。剛直を思い切り奥まで挿入し、ぐりぐりと押し付けるように刺激すると、ウナちゃんは刺激の変化に驚いたような顔をした。

「そこっ、おくのとこ、ん……あっ」

 膣が男を迎え入れ、離すまいと剛直を優しく締め上げていた。まるで生き物のように動き、精液を絞り取ろうとしている。その動きに耐えることも難しくなり、自然と腰を動かす速度も上がる。自分が気持ちよくなることだけを考え、遠慮がちだった動きを大きくしていき、何度もえぐるように打ち付けた。幸いなことに、ウナちゃんもその頃には耳を喜ばせるような声を上げてくれた。

「あっ、あっ、あっ、あんっ。はげしっ、おにいさ、あっ」

 腰の動きに合わせて切れ切れな喘ぎ声を響かせる。全てが幸せだった。性的な快楽や温度、ぬくもり、触れ合う肌、甘えた声色。たっぷりの多幸感が全身を包み込み、もはや彼女以外のことは考えられなくなっていた。この良い匂いのする柔らかい生き物を、永遠に手元に留めておきたい。自分のものにしてしまいたい。征服したい。蹂躙したい。雑多な思考が泡沫のように浮かんでは消えていく。やがてそれすらも思考できなくなり、ただ彼女との繋がりを求めるだけになった。

「おにいさん、すき、すきっ、だいすき、あ、ああっ」

 うわごとのように何度も繰り返している。快楽によって理性が吹き飛び、秘めていたものが内から溢れるように。

 彼女の中がひと際強く蠕動した。それが限界だった。乱暴に腰を掴み、ハンドルでも握るように無遠慮に引き寄せる。そして彼女の一番奥で、所有物にマーキングをするように、ひと際濃い射精をした。

 存分に出し終わった後も、何度も執拗に奥をついた。必ず妊娠させようとでもするみたいに。それにも満足して剛直を抜き取ろうとすると、射精直後の亀頭に肉が擦れ、強すぎる快感に腰が砕けそうになった。抜き取った後も膣口は先ほどまで入れていた男の形に開いており、ものほしそうにぱくぱくと口を動かしていた。やがてこぽりという音がして、射精したばかりの精液と愛液が混ぜられた体液が体内から溢れてきた。

 二人ともしばらく会話ができなかった。大きすぎる快楽に脳がパンクしていて、それを処理するためだった。荒い息を吐きながら、余韻が体から抜けていくのを静かに感じ取っていた。

「お兄さん、ウナの中に出したんだな」

 ウナちゃんはお腹をさすった。

「まだあったかいくて、変な感じする」

 あはは、と彼女は笑った。

 汗を流そうと二人で温泉に入ることにした。彼女に手を貸すが、起き上がろうとするとくたりと頽れてしまう。足が震えてうまく立てないのだ。彼女を抱きかかえてやり、一緒に湯の中へ入った。

 何を言うでもなく、膝の上に彼女を坐らせた。ぬるくなった湯が心地いい。放心状態でぼんやりしていると、ウナちゃんが口を開いた。

「お兄さん、その──ちゅー、してほしいな」

 照れて笑う彼女を抱き寄せ、そっと口づけをする。先ほどまでの行為を再現するように濃密なキスをした。口を離すと、体力の限界なのか力尽きたように胸にもたれかかってきた。

「これから、よろしくな」

 天使のような彼女を見つめて「こちらこそ」と返す。それで彼女は満足げに笑って、幸せそうに目を閉じた。

 月明りが彼女を照らしていた。


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